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 キーワードINDEX
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『知徳国家のリーダーシップ』
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北岡伸一 著/野中郁次郎 著
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ISBN:978-4-532-32406-3 日本経済新聞出版 (2021/6/15)
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時代を照らすキーワード
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3「The buck stop here!」 最終的に私が責任を取る
【補足:責任をもって物事をやり遂げるの意】
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3「pass the buck」 責任転嫁する 盥(たらい)回しにする
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4権限がないことが、責任逃れの方便に用いられてないか
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18プロフェッショナル化がもたらした経営人材の劣化
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19人間は単なる物質資源ではなく、新たな資源を生み出す創造体
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20数式で解決できるとする人間知性の妄信
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20オーバーアナリシス、オーバープランニング、オーバーコンプライアンス
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20数値やルール、仕組みにガチガチに締め付けられて、人間の野生とか自由度とか創造性といったものがどんどん劣化
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22政治家の質が問題だというだけでなく、最近は、官僚もだめになってきている。
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23世界における経済的なプレゼンスも全盛期の3分の1くらいに
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25非常に幅の狭いハウツーばかりで哲学の無い人ばかり輩出
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25旧制高校は偉大な発明だった
【補足:リベラルアーツの重要性を意味する】
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27制度に作られたエリート
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37現場、現物を見ずに抽象思考に逃げてはいけない
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41戦略とよく言いますが、物語を語るというのがいちばん実践的(中略)戦略を構想し、実践を促す物語は、筋書きと行動規範の2つがなければいけません。
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44いまのように日々、分析、分析で明け暮れているというのがどうなのかと思ってしまいます。日本の様に経営の評価がかつてのナンバーワンからドーンと落ちた国というのはあまりないのです。
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47PdCaが自己目的化して、形式的・名目的なマネジメントサイクルがひとつの規範になってしまっているのではないか 
【補足:PDCAのPとCが大文字表記で、dとaが小文字表記の”意味”が重要!】
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47なぜこんなにいろいろ、たくさんのプロセスがあるのだろう(中略)仕事をすることが大事なのに、それをどうやって評価するか、してもらうかということを、むしろ重視しているような(中略)評価されるために仕事をしているわけではないはずです。
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49AIが普及した時にいちばん貴重になるのは他者との共感、エンパシー
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52ソフトウェア開発で世界標準になっている「アジャイル・スクラム」というやり方は、我々の知識創造理論がベースに有ります。
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55アジャイル・スクラムは単なるソフトウェア開発の手法ではなく、「生き方」だ
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55日本が元気だったころは、みんなで場を共有してワイワイ議論してましたが、これが無くなってしまった事が、日本的経営が劣化してしまった原因
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56共感をベースに徹底的に議論するとか、仕事に夢中になって時と我を忘れるとか、主観的時間を生きることが大切(中略)「働き方改革ですから、もうお時間でございます」というのは、それはないだろう
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57経済的プレゼンスはこの30年で3分の1になってしまった。もう30年続いたら、9分の1になってしまう。そうなれば、日本は三流国です。
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61制度の中から生まれてきたエリートは、制度自体を取り換えようとはなかなかしない
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137ノブレス・オブリージェ
【補足:欧米社会に浸透する基本的な道徳観】
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149吉田が「日本の統計が正確だったら戦争なんかしていない」と答えたという 
【補足:吉田茂内閣総理大臣がマッカーサーの追及にウイットで切り返した言葉】
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166体で物事をとらえ、本質を見抜く
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168忖度も妥協もなし。真剣勝負の知的コンバット
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171企業は公器、カネが欲しければ、信用を先に取る
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171人間は信用とカネの天秤棒を背負っているようなものだ
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172従業員1人ひとりが石は石でいい、ダイヤはダイヤでいい、監督者が部下の得意なところを適材適所で伸ばしていけば、石もダイヤも宝になってゆく
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173他人の気持ちになれる人というのは自分が悩む。自分が悩まない人に、他人を動かすことはできない。
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175優良企業の後継者育成計画の失敗事例には事欠きません。
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177うまくいったことをそれでよしとせず、うまくいく、いかないを分ける限界を知ることを求めた。
【補足:本田宗一郎】
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194動機善なりや、私心なかかりしか
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196もうダメだというときが、仕事の始まり
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210日常すべてが雑事で満たされたら考える暇がないですよ。考えて吸収して、かつ、雑事を払う時間が必要なんじゃないでしょうか?
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210これまでの経営戦略論は経済学が支配的で(中略)経済学のロジックをつくって、市場の構造を分析して、戦略を考えて、それで結果をもたらす。要するに論理、論理、初めに理論ありきで、人間不在なのです。
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211最初に理論、例えば産業組織論とかゲーム理論から演繹的に導き出すのはナンセンスなんですよね。そのどこに人間の生き方があるんだと。人間の生き方は物語でしか語れない。ただし筋書きと行動規範はきちっと持っていないといけない。
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212学問は複雑化すると細分化して、その細分化されたものでまた専門家による学会ができる(中略)これは本当に良いことなのか、疑問です。
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213生き方をベースに持たない戦略論は空理空論(中略)歴史の重み「温故知新」が大切
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215どんな組織でもトップリーダーが優秀でなくて発展するのは難しい
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216他者との接し方は、その人の生き方という実践知なので、他者をリスペクトする、共感を生み出す能力として重要
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218失われた30年の間にアメリカ型の形式論理が横行するようになってしまい(中略)生き生きとした人間の持っている野性味が劣化し、直感を軽視する浅薄なオーバーアナリシス(過剰分析)が跋扈する惨状
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218日本はどんどん精緻化して、それで自らを雁字搦めにしている。(中略)そしてコンプライアンス過剰になり、先例から外れてはいけないと言う。
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220分析過剰が組織的に見てどこに出てくるかというと、間接部門の肥大化なのです。いま元気がなくなっている組織はだいたい、法務と財務の2つが実権を握っている所です。
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221仙台にアイリスオーヤマという会社が有ります。(中略)毎週月曜日は製品開発プロジェクトリーダーの提案の日になっているのです。それはトップとの直接対話の場になっている。(中略)政治的・形式的プロセスとしての話の場になっている。(中略)政治的・形式的プロセスとしての不要なのです。
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224男は権力に忖度する傾向がありますが、女性は率直に真実を主張し、共感力で周りを巻き込み、やり抜く力を発揮させます。
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224イノベーションを率先するプロジェクトリーダーとして女性の台頭が著しいと思います。
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227福沢諭吉が提示した「知」と「徳」という考え方
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228知徳のリーダーは(中略)共通善を志向しながら現実に即して実行して、事態の本質を洞察する、行動戦略としての物語を語る、戦略を現実に合わせつつ機動的に実行して理想に近づくまでやり抜く
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230「IQはどうも本当の頭の良さ、人の知的能力を表していないのではないか」
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230GRITという「やり抜く力」というものや自制心、意欲といったものが知的パフォーマンスの善さに大きく関係している
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245毎日会社に来て無意味だと言う人もいるのですが、パッと見た瞬間に、すれ違った瞬間に、空気も態度も表情も含めて、共感し、先読みまでできてしまっている。そういう状態が実は重要なのです。
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258基幹メディアも、目先の視聴率や経営効率にとらわれるのでなく、自分たちの存在意義と目的について知恵を絞らなければ、生き残れないでしょう。
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258劣化したメディアへ企業からの批判の声が上がり始めてます。
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259多くの経営者が、マスメディアの取材を受けても、都合よく切り取られて真意が伝わらないと感じている
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259「トヨタイムス」という自前のインターネット・メディア(いわゆるOwned Media)
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261メディアには「確証バイアス」と呼ばれる「自分に都合のいい情報ばかり集めようとする傾向」がある
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261確証バイアスは、「信じたことを裏付けようとするバイアス」(ダニエル・カーネマン)とも定義され、インターネットやSNSで自分の信念や好みに合う情報だけを検索システムが薦める
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262「フィルターバブル」(中略)、これは自分の思考(嗜好)に合わない情報は自動的に濾過(フィルター)されるので、心地よい情報の泡(バブル)に包まれ、嗜好がタコつぼ状態の視野狭窄に陥り、自分の信じていること=正義と勘違いする傾向を言います。
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263日本企業は物まねで一生懸命にROE(自己資本利益率)を追求してきました(中略)今度は、SDGs(持続可能な開発目標)ですから
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266中国で読まれているのは稲盛和夫の著作ですね。海外で最も熱心なのは中国です。
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267我々が孔子を咀嚼した様に(中略)フィロソフィカルなことはわかるんですが、どうしても短期利益に集中している。徳よりお金です。稲盛哲学というのは、究極の利他主義なんです。それなのに中国で人気がある。今後、本当に稲盛哲学を含めた日本的経営をやるようになると怖い。
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275たまたま日本のイノベーションシステムを概念化しただけなのですが、それがアメリカに渡って、アジャイル・スクラムという開発の手法に発展した
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275スクラムという概念は日本が「ジャパン・アズ・ナンバーワン」だったころに、クロスドメインで組織や職種を超えて連携し、スクラムを組んで開発をやったメーカーの研究が原点なのです
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280歴史を学び、思想を読み、過去の人と対話するそういう経験を積み重ねておく
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282いまの小選挙区制度では、自民党から出馬すれば、よほどのことがない限り、当選してしまいます。(中略)野党はめちゃくちゃな政策を言っているのですから、実質競争がないということ。これではどんどん人材もリーダーも劣化してゆきます。
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284新型コロナ問題で、在宅でひとりでやっている人たちに、「毎日何か書いてみなさい」と言っている(中略)こういう在宅の時代こそ、深く自分に対峙し(中略)言語化しないと、クリエイティビティはどんどん劣化する
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289強い共感力と、機動的にやり抜く力、しなやかなレジリエンスを持った女性リーダーが、ベンチャーや企業のプロジェクトにおける持続的イノベーション分野で続々と台頭してきている(中略)彼女たちの活動の裏には、その活動を組織内外で正当化するトップのメンターとしての役割が大きく関係していました。
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290私がウェビナーなどをたくさんやってみてわかったことは、普段対面でしゃべっているよりも、もう少しコンパクトに、明晰にしゃべろうとするようになったことです。ちゃんと伝わらないかもしれないと思うと、そうなります。
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291ワーク・フロム・ホームから、ワーク・フロム・エニイホエア(Work From Anywhere)自分の選択で、行きたいときにはオフィスに出る、行きたくないときは家にいる。
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292中国のように経済的な手段により自国の戦略的な目標を達成することをエコノミック・ステートクラフトと言う
【補足:今後日米企業が取らなければならない経済戦略として両国で重要視される考え方】
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293知徳のリーダーは、頭で考えるだけで行動が伴わないリーダーではなく、身体で考え実践する知的体育会系と表現できるリーダー
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293野生の知と文明の知を状況変化に応じて適宜繰り出すダイナミックなリーダーシップ(中略)泥臭い現実主義と青臭い理想主義(夢)の両方を使い分け、バランスする能力
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298真の生とは「出会い」であり、その出会いとは、人、自然そして、精神との出会いである
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300暗黙知を持った宗一郎と、知の人であり形式知を持った藤澤は、異質であるからこそ、ダイナミック・ペアとして機能していった
【補足:本田"宗一郎"、"藤澤"武夫】
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301絶対的なデータや数学的計算が、我々の問題をすべて解決することはありません。現在のセンサーやヒューマノイド・ロボットのレベルでは、人間の感覚・身体の能力よりはるかに劣っている
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302クオリア(質感、感覚質)は、意識を持たないコンピュータには決して認識できません。人間の五感、音色や色の質感は、本来は数値に置き換えることはできないもの。それでも区別するために、ここまではこれで、ここまではこれだと数値化しているのは人間なのです。
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302先人たちが築き上げてきた歴史の流れのなかで生身の人生を生きているからこそ、「いま・ここ」の環境で何かを感じることができる。それは機械にはできない、創造性そのものです。
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311経験的事実から全く新たなひらめき、仮説を引き出すアブダクションという創造的な思考法。主体的な目的意識のなかで、偶然をも取り込み、それを突き詰めて考えるプロセスのなかで、まったく関係のないような事柄もヒントとなって、ブレイクスルーが生じる。
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313孔子の教えはどこまでも実行を重んじたもの(中略)王陽明の「知行合一」説を若者たちに強く説いた
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315現代の日本に分析、計画、統制などを偏重する過度な論理分析主義が横行していることに強烈な危機感を持っていることを本書では繰り返し述べてきました。
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318「言葉を使う専門家」で「言葉への誠実さ」を持ち合わせているはずの政治家たちの言葉に、議論する相手への敬意は感じられず、時には侮蔑さえ感じる状況
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319実践志向の無い「口舌の徒」に堕している
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322リーダーシップとは、責任を取ることである
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322「人は関係性の中で人になる」のであり、責任も他者や環境との相互作用の中で醸成されます。
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※赤字頁の一文はIT業界の方には是非目に留めて頂きたいキーワードになります。
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※青字は私見になりますが補足コメントを付けさせていただきました。
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目に留まる一文、気になった一言に出会えましたら、
前後文脈や行間に触れて頂く上でも本書を手に取って頂くことお勧めします。
長引くコロナ禍ゆえ『知の巨人』とも評される野中先生の謦咳に触れるご縁のきっかけにつながれば幸いに思う所
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