ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ
1
1979年9月グイン・サーガ 1 豹頭の仮面「グイン・サーガ」シリーズハヤカワ文庫栗本薫、他
最長のライトノベルシリーズとして金字塔。
2
1980年5月ダーティペアの大冒険「ダーティペア」シリーズハヤカワ文庫高千穂遥
「テレビアニメ化」という意味では原点に近い。
3
1981年3月星へ行く船「星へ行く船」シリーズコバルト文庫新井素子
ライトノベル的小説、少女小説、ジュブナイルの境界が曖昧だった時期のSF名作。
4
1981年12月吸血鬼はお年ごろ「吸血鬼はお年ごろ」シリーズコバルト文庫赤川次郎
「コバルト文庫で一番売れた作品」という時点で載せるべきか毎回悩む。
5
1984年1月リーンの翼 1: バイストン・ウェル物語より「リーンの翼」シリーズカドカワノベルズ富野由悠季
「富野 由悠季」をガンダム関連小説以外で語るならこの辺になるかなぁ。
6
1984年5月なんて素敵にジャパネスク「なんて素敵にジャパネスク」シリーズコバルト文庫氷室冴子
ラノベ前史における少女小説の重要作品。
7
1986年8月アルスラーン戦記 「アルスラーン戦記」シリーズ角川文庫田中芳樹
数々の戦記物を書いている田中芳樹によるファンタジー戦記不朽の名作。「ライトノベル」ジャンルが形成される前の時期に角川映画として2回劇場用アニメ映画化した。
8
1987年7月創竜伝 超能力四兄弟「創竜伝」シリーズ講談社ノベルス田中芳樹
CLAMPがイラストを担当した文庫版が一般書を含むランキングでも上位に入るくらい売れていた記憶。
9
1988年10月風の大陸 第一部 邂逅編「風の大陸」シリーズ富士見ファンタジア文庫竹河聖
富士見ファンタジア文庫創刊タイトルのファンタジー大作。富士見ファンタジア文庫初のアニメ化はこの作品の劇場用アニメ。
10
1989年12月後宮小説単行本酒見賢一
1回日本ファンタジーノベル大賞。後の「後宮もの」に与えた影響。
11
1990年1月ソード・ワールド短編集 レプラコーンの涙「ソード・ワールドノベル」シリーズ富士見ファンタジア文庫水野良、他
ライトノベル領域において、最も最初期に成功したシェアードワールド作品として。
12
1990年10月炎の蜃気楼「炎の蜃気楼」シリーズコバルト文庫桑原水菜
現代を舞台にしたサイキックアクションでありながら、過去編を描きつつ長大な因縁を描き続けた歴史大作。
13
1991年6月ゴクドーくん漫遊記「ゴクドーくん漫遊記」シリーズ角川スニーカー文庫中村うさぎ
この時期のスニーカー文庫有数の人気作品でありながら、電撃文庫では外伝を展開して二つのレーベルを支えた。
14
1992年6月十二国記 月の影 影の海(上)「十二国記」シリーズ講談社X文庫小野不由美
今となっては「異世界転移」の文脈でも語れる、異世界ファンタジー大作。「中華風世界観」「後宮もの」の文脈でも語れる。
15
1992年7月卵王子カイルロッドの苦難 旅立ちは突然に「卵王子カイルロッドの苦難」シリーズ富士見ファンタジア文庫冴木忍
この時期の冴木忍作品から選ばない選択肢はないけどカイルロッドだけにするか、「メルヴィ&カシム」「天高く、雲は流れ 」辺りを入れるかという話になる気がする。
16
1993年6月漂流伝説クリスタニア 1 「クリスタニア」シリーズ電撃文庫水野良、他
フォーセリア世界におけるソードワールドに続くシェアードワールドものの成功例。
17
1993年7月小説 ドラゴンクエストV「小説 ドラゴンクエストV」シリーズ単行本久美沙織
ゲームRPGノベライズにおける不朽の名作。近年ではドラゴンクエスト実写映画と裁判沙汰になったことで話題に。そういう理由で注目が集まることは不本意ではあると思います。
18
1993年10月デルフィニア戦記 放浪の戦士「デルフィニア戦記」シリーズCNOVELSファンタジア茅田砂胡
原型がキャプテン翼の2次創作であったこと、最初に商業化した出版社が倒産したことなど、特殊な経緯を辿ったファンタジー戦記の傑作。
19
1994年9月金田一少年の事件簿 オペラ座館・新たなる殺人「金田一少年の事件簿」シリーズ単行本天樹征丸
当時の大人気漫画のオリジナルストーリーノベライズ。ここからミステリ小説に入っていった中高生も多かっただろうノベライズシリーズ。当初のラノベミステリが目指すべきだった場所はここだった。
20
1994年9月おいしいコーヒーのいれ方「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズジャンプ ジェイ ブックス村山由佳
ジャンプ系レーベルでありながらも少女漫画のようなラブストーリーの傑作。後の直木賞作家のライトノベルレーベル作品。
21
1994年11月クリス・クロス 混沌の魔王電撃文庫高畑京一郎
「ゲームオーバーが死に繋がるデスゲームと化したVRゲーム」というアイディア、虚構と現実が曖昧になるラストは秀逸だった。当時においては「クラインの壺」との類似性を指摘されていましたが、後にSAOが発売された時には逆にクリス・クロスと比較する人を見掛けました。
22
1994年12月同級生 もうひとつの夏休み「同級生」シリーズCarrot NOVELS中山文十郎
エロゲノベライズの金字塔。新書として単なるノベライズを超える売り上げを記録。作者は後に漫画原作でヒットを飛ばし、原画家と違う本文イラストレーター担当の珠梨やすゆきさんは「聖女の魔力は万能です」「おかしな転生」などがアニメ化する人気イラストレーターに。
23
1995年4月SMガールズ セイバーマリオネットJ 1. これが噂の乙女回路SMガールズ セイバーマリオネット」シリーズ富士見ファンタジア文庫あかほりさとる、他
結局この辺のあかほりさとる発メディアミックス作品「爆れつハンター」「セイバー」「MAZE」辺りからどれを選ぶか、全て入れるか、みたいな話になるよな。
24
1995年6月タイムリープ電撃文庫高畑京一郎
今なお「タイムスリップもの」の話になると名前が出る傑作。完成度が高過ぎるほど高い。文庫版に入るクリス・クロスとのクロスオーバーについては蛇足と思う人もいれば、その作品を読みたいと思う人もいる。とにかく新作を書いて欲しい。
25
1995年8月封仙娘娘追宝録 天を騒がす落とし物「封仙娘娘追宝録」シリーズ富士見ファンタジア文庫ろくごまるに
女性向けに比べると、男性向けレーベルにおける「中華風世界」作品は少なく、その中でもかなり早い時期に支持を受けた作品。
26
1996年2月ブラックロッド電撃文庫古橋秀之
後世に強い影響を与えたオカルトサイバーパンクの傑作。最近復刊されました。単価は高い。
27
1996年4月星界の紋章 帝国の王女「星界」シリーズハヤカワ文庫森岡浩之
独自言語を作りあがるなどの世界観設定が秀逸な傑作ボーイミーツガールSF。後に数々のライトノベルアニメが放送されることになるWOWOWアニメにおける最初期のライトノベルアニメ。「ハヤカワはラノベじゃない」という反論は面倒くさいのでスルーします。
28
1996年12月パンツァーポリス1935「都市」シリーズ電撃文庫川上稔
「パンツァーポリス1935」が都市シリーズかどうかの議論はしない。
29
1997年9月西の善き魔女1 セラフィールドの少女「西の善き魔女」シリーズCNOVELSファンタジア荻原規子
ジュブナイルの香りがするファンタジー作品。アニメ・漫画・ゲームの影響が強く出始めたライトノベル業界において、C★NOVELSファンタジアはこういう作品を出せるレーベルでした。
30
1998年2月ブギーポップは笑わない「ブギーポップ」シリーズ電撃文庫上遠野浩平
後進に与えた影響が大きすぎる現代異能もの。
31
1998年4月マリア様がみてる「マリア様がみてる」シリーズコバルト文庫今野 緒雪
直接的な同性愛表現はないものの、男性オタク(ラノベ読み)の多くを「百合(風)」の沼へ叩きこんだ作品。少女向けレーベルながらも、男性に広く広まったムーブメントだった。
32
1998年6月E.G.コンバット「E.G.コンバット」シリーズ電撃文庫秋山瑞人
過酷な現実に立ち向かう女兵士の苦しさや情念を描いた、未だに続きを待ち続ける亡霊を生み出した傑作シリーズ。元々イラストレーター(原作者)による漫画が下敷きにあって、原作者によるリブート宣言が出てから長くなりましたね。続きは結局どうなるんでしょう。
33
1998年7月皇国の守護者1 反逆の戦場「皇国の守護者」シリーズC★NOVELSファンタジア佐藤大輔
旧大日本帝国・帝国軍をモデルにしたような架空世界を舞台にした架空戦記。未完シリーズが多い作者らしくやはり未完。漫画も好評を博したが諸事情により終了。傑作を生みだし続けた作者だけに亡くなったことには哀悼の意を示すけど、傑作だったからこそ割り切れないものを抱えて僕らは生きていく。
34
1998年7月ONE 〜輝く季節へ〜「ONE 〜輝く季節へ〜」シリーズムービックゲームコレクション館山緑
趣味。当時の「泣きゲー」のエッセンスを生かしきり、効果的な追加シーンを入れた名ノベライズ。ただ、泣きゲーの要素が一般化した今の時代においてどういうポジションになるかは難しい。
35
1998年10月鉄コミュニケイション「鉄コミュニケイション」シリーズ電撃ゲーム文庫秋山瑞人
「終末世界」でのロボットと人間の少女との交流もの。ノベライズながらも秋山節にあふれており、小説シリーズとしての評価が高い。
36
1999年3月火魅子伝 1「火魅子伝」シリーズ富士見ファンタジア文庫舞阪洸
博報堂と組んだメディアミックスプロジェクトの中のノベライズ。アニメなどが振るわない結果に終わる中、ライトノベル畑でファンタジー戦記を書き続けてきた作者が手腕を発揮してオリジナル展開によって独特なファンタジー戦記として長期シリーズとなる。ただ風呂敷を広げ過ぎたせいかシリーズは途中で止まり未完。
37
1999年7月スカーレット・ウィザード「スカーレット・ウィザード」シリーズCNOVELSファンタジア茅田砂胡
デルフィニア戦記で人気を集めた作者の新作らしく、一般書に交じって書籍ランキングに入るくらい売れたシリーズ。権威があるかはわからないが第一回センス・オブ・ジェンダー賞受賞作である。
38
1999年7月流血女神伝 帝国の娘 前編「流血女神伝」シリーズコバルト文庫須賀しのぶ
男性向けライトノベルと少女小説が分化し始めた時期の作品だが、男性にも読まれて評価されていた作品。
39
1999年3月スクラップド・プリンセス 捨て猫王女の前奏曲「スクラップド・プリンセス」シリーズ富士見ファンタジア文庫榊一郎
「初代龍皇」からのアニメ化。90年代におけるスレイヤーズ辺りのラノベブームの時代と、ハルヒ辺りに至るまでの端境期の作品をどういう文脈で語るかは難しい。
40
2000年2月若草野球部狂想曲 サブマリンガール「若草野球部狂想曲」シリーズ電撃文庫一色銀河
主要ライトノベルレーベルにおいて、リアリティラインの高いスポーツ小説を描いた最初期の作品。
41
2000年7月R.O.D READ OR DIE YOMIKO READMAN "THE PAPER"R.O.D」シリーズスーパーダッシュ文庫倉田英之・スタジオオルフェ
新設レーベルのローンチタイトルとしてレーベルの初期を支え続け、アニメスタジオ所属の作者によって映像化されたアニメも好評だった。
42
2000年12月今日からマのつく自由業!「まるマ」シリーズ角川ティーンズルビー文庫喬林知
累計部数で数字を残し、NHK3100話以上のアニメ化など、新興レーベルだった角川ビーンズ文庫の普及に一役も二役も買ったシリーズ。
43
2000年11月Dクラッカーズ 接触 -touch-「Dクラッカーズ」シリーズ富士見ミステリー文庫あざの耕平
この作品や「東京タブロイド」が初期の富士見ミステリー文庫を支えたが、最初期以外はほぼミステリ要素がなかったこの作品が看板になったことが富士ミスの運命を決定づけた。
44
2000年12月高機動幻想ガンパレード・マーチ「ガンパレード・マーチ」シリーズ電撃ゲーム文庫広崎悠意、榊涼介、 芝村庸吏
ゲームノベライズから巨大ロボット戦記小説として独立した地位を確保して、一つのレーベルを支え続けた。
45
2001年5月Hyper Hybrid Organization 01-01 運命の日Hyper Hybrid Organization」シリーズ電撃文庫高畑京一郎
「正義の味方」と悪の組織の戦いに巻き込まれて、「正義の味方」に恨みを持つことになった主人公が悪の組織に入る、という舞台設定が素晴らしい。ようは「ショッカーの戦闘員」になってライダーに復讐しようとする話なんだけど、「ライダーの物語」を別な視点で物語を観るだけで全く違った面白さがあることがわかる。欠点は続きが出ないこと。
46
2001年10月イリヤの空、UFOの夏「イリヤの空、UFOの夏」シリーズ電撃文庫秋山瑞人
「セカイ系」でもある青春小説の傑作。ライトノベルにおける「セカイ系」文脈では外せないトピックス。
47
2001年10月まぶらほ ノー・ガール・ノー・クライ「まぶらほ」シリーズ富士見ファンタジア文庫築地俊彦
美少女ゲーム(エロゲ)文化がライトノベルに与えた影響は大きすぎるが、ライターの流入以外の部分、例えば「美少女イラストの流入」「複数ヒロインによるフラットな立ち位置でのヒロインレース」という部分での美少女ゲームからの影響が語る際には、この作品が基準点になると思う。
48
2001年10月氷菓「古典部」シリーズスニーカー・ミステリ倶楽部米澤穂信
ライトノベルミステリレーベルの失敗と共に語られるシリーズ。東京創元社の作品によって復活し、テレビアニメ化によって多くの人が知るライトノベルミステリのシリーズに。
49
2001年11月ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ単行本滝本竜彦
ラノベ新人賞組ながらも一般単行本デビュー。
50
2001年11月戦略拠点32098 楽園角川スニーカー文庫長谷敏司
2chやライトノベル系サイトで話題にはなったし、作品としては好きだけど、あえてここで入れるべきか……?
51
2001年11月A君 (17) の戦争 まもるべきもの「A君 (17) の戦争」シリーズ富士見ファンタジア文庫豪屋大介
異世界召喚の文脈として。最初期とは言わないけど、「イコノクラスト!」辺りよりも早い時期に出て売れた作品ではある。
52
2001年12月少年陰陽師 異邦の影を探しだせ「少年陰陽師」シリーズ角川ビーンズ文庫結城光流
このくらいの時期になると、少年陰陽師くらい売れても男性の「ライトノベル読み」には届かなくなっていた気がするので、少女小説を含むライトノベル史を男性目線で語る難しさを感じる。
53
2002年1月導きの星 1「導きの星」シリーズハルキ文庫ヌーヴェルSFシリーズ小川一水
元リスクにあった「疾走!千マイル急行」の他、「強救戦艦メデューシン」「復活の地」や「第六大陸」でもいい。この時期の小川一水作品は充実してましたね。
54
2002年1月NHKにようこそ!単行本滝本竜彦
コミカライズのヒットもあっても、一部のライトノベル読み以外のところに正しく届いた気がする。
55
2002年2月クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い 「戯言」シリーズ講談社ノベルス西尾維新
メフィスト賞とライトノベル読みの悪くないと思うものの、同時にライトノベルの文脈でメフィスト賞を語る難しさはある。ただ、このラノの影響もあり、戯言シリーズ及び西尾維新をライトノベルの文脈で語ることの違和感はない。イラストや作風からしてラノベだろ、と言われたらそりゃそうなんだけど。
56
2002年2月伝説の勇者の伝説 昼寝王国の野望「伝説の勇者の伝説」シリーズ富士見ファンタジア文庫鏡貴也
短編や中編を含めて富士見ファンタジアの中でも有数の巻数を誇るシリーズながら未完。完結待ってます。
57
2002年2月悪魔のミカタ 魔法カメラ「悪魔のミカタ」シリーズ電撃文庫うえお久光
後の傑作SFを生みだした作者の原点。高い評価を得た異能バトル・頭脳戦作品。一時期は年間5冊に達するようなハイペースで刊行するシリーズだったけど、未完のまま刊行停止中。
58
2002年7月GOTH単行本乙一
「ザ・スニーカー」で連載されながらも一般文芸として発売。
59
2003年2月カオス レギオン 聖戦魔軍篇「カオス レギオン」シリーズ富士見ファンタジア文庫冲方丁
ゲームのメディアミックスノベライズとして刊行されたが、独自のストーリーで描かれた作品はノベライズの域を超えた快作。一部ライトノベル読みの中で「冲方丁」の名前が広まった。「軍隊が行軍しているだけなのに面白い」と言われた描写力が白眉。
60
2003年2月バッカーノ! The Rolling Bootlegs「バッカーノ!」シリーズ電撃文庫成田良悟
デュラララとどっちを取るかと言われたら、アニメが売れたデュラララの方を取るのはわかる。
61
2003年2月七姫物語「七姫物語」シリーズ電撃文庫高野和
どこかジュブナイルの香りも感じる「少女の目から観た」国盗り物語。透明感が凄い。
62
2003年5月マルドゥック・スクランブル The First Compression 圧縮「マルドゥック」シリーズハヤカワ文庫冲方丁
冲方丁さんのSF作家として、ライトノベル作家としての評価を決定付ける。後の本屋大賞作家である。残りは直木賞だけだ。
63
2003年6月神様家族「神様家族」シリーズMF文庫J桑島由一
ヤマグチノボルと共に「エロゲライターがライトノベルを書いて売れた」という最初期の作品。
64
2003年6月しにがみのバラッド。momo the girl god of death "ballad"「しにがみのバラッド。」シリーズ電撃文庫ハセガワケイスケ
当時は発売時期が近い半月とセットで語られることもあった気がする。
65
2003年7月陰からマモル!「陰からマモル!」シリーズMF文庫J阿智太郎
初期のMF文庫を支えたオリジナル作品の一つとして。
66
2003年9月ROOM NO.1301 おとなりさんはアーティスティック!?ROOM NO.1301」シリーズ富士見ミステリー文庫新井輝
「肉体関係を伴う恋愛関係」を描いている点が当時としては先進性があった。
67
2003年10月半分の月がのぼる空 looking up at the half-moon「半分の月がのぼる空」シリーズ電撃文庫橋本紡
ファンタジーでも、コメディ(ギャグ)でもない、現実的な「病気の少女」と出会って恋をするボーイミーツガール。これが電撃文庫で書かれて、しっかりと売れて、評価を得たことの意義は大きい。
68
2003年11月彩雲国物語 はじまりの風は紅く「彩雲国物語」シリーズ角川ビーンズ文庫雪乃紗衣
男性にも届いていた中華風ファンタジーのヒット作。男性作品においては中国風世界作品が少ないから、中国風「官吏」に対する解像度が高まる一種の教本ですらあった。
69
2003年9月9S<ナインエス>9S<ナインエス>」シリーズ電撃文庫
良い意味でスタイリッシュアクションとSFの融合。発売当時「月姫」との類似を指摘されることがあった記憶。
70
2004年1月吉永さん家のガーゴイル「吉永さん家のガーゴイル」シリーズファミ通文庫田口仙年堂
ファミ通文庫の新人賞受賞作の中でレーベルの看板になった最初の作品。
71
2004年2月塩の街 wish on my precious「自衛隊三部作」シリーズ電撃文庫有川浩
自衛隊三部作、判型の変更もあって語り辛さがあるから結局図書館戦争からでいい気もする。
72
2003年3月伯爵と妖精「伯爵と妖精」シリーズコバルト文庫谷瑞恵
コバルト文庫作品としては最後発のアニメ化作品。
73
2004年4月薔薇のマリア「薔薇のマリア」シリーズ角川スニーカー文庫十文字青
この作品をどのような文脈で語るべきかが難しい。
74
2004年4月左巻キ式ラストリゾート: ぷに・ふご~EXパンプキンノベルズ海猫沢 めろん
アダルトレーベルから出た奇書として話題に。
75
2004年10月乃木坂春香の秘密「乃木坂春香の秘密」シリーズ電撃文庫五十嵐雄策
当時はそういう認識はされていなかったけど、かなり早い時期での「超常的要素のないラブコメ(財力はあるけど)」であり「オタク文化もの」。後者としてはげんしけんの後で、俺妹よりも早い。
76
2004年11月砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない富士見ミステリー文庫桜庭一樹
後に一般文芸に越境していく作者の力量をまざまざと見せつけた暗黒青春小説。
77
2004年12月春期限定いちごタルト事件「小市民」シリーズ創元推理文庫米澤穂信
ライトノベル括りだと「さよなら妖精」は中々挙げづらいから東京創元社作品だとこちらになりがち。
78
2005年6月狂乱家族日記「狂乱家族日記」シリーズファミ通文庫日日日
新人賞複数受賞者としての日日日には触れないといけない気はする。どこ作品で語るかと言われたらアニメ化作品にしておいくか、みたいな。
79
2005年6月わたしたちの田村くん「わたしたちの田村くん」シリーズ電撃文庫竹宮ゆゆこ
発売当時ライトノベル読み界隈では非常に高く評価されたが、とらドラがあるならそっちだけでいい気もする。
80
2005年9月戦う司書 The Book of Bantorra「戦う司書」シリーズスーパーダッシュ文庫山形石雄
「六花の勇者」とどっちかでいい気はしている。話題性があったのは六花だけど、六花は未完で、こちらは完結。悩ましい。
81
2005年10月レイン 雨の日に生まれた戦士「レイン」シリーズ単行本(アルファポリス)吉野匠
Web発無双小説の走り。
82
2005年10月ある日、爆弾がおちてきて電撃文庫古橋秀之
古橋作品を入れるとして何を入れるかで、ブラックロッドではなくこちらを選ぶ人もいる気がする。かなり時間が経ってから何故か「世にも奇妙な物語」でドラマ化してましたね。
83
2005年12月「紅」シリーズスーパーダッシュ文庫片山憲太郎
この時期に現れたロリコン小説の一角としてだけではなく、現代異能バトルとしても快作だが、寡作ゆえのレーベルの看板になり切れなかった作品。
84
2006年1月学校の階段「学校の階段」シリーズファミ通文庫櫂末高彰
変則スポコンものの文脈として、この後にくる「ファミ通文庫青春小説」時代に繋がるものとして置いておきたい気持ちが無くも無い。
85
2006年1月神曲奏界ポリフォニカ ウェイワード・クリムゾン「神曲奏界ポリフォニカ」シリーズGA文庫榊一郎
ライトノベルのシェアードノベルとしての成功例の一つ。
86
2006年2月図書館戦争「図書館戦争」シリーズ単行本有川浩
ライトノベルの文脈で有川浩を取り上げるなら、電撃文庫発の「塩の町」か図書館戦争辺りのどっちかになるだろうな、と。
87
2006年12月Fate/Zero Vol.1 第四次聖杯戦争秘話Fate/Zero」シリーズTYPE-MOON BOOKS虚淵玄
「奈須きのこ以外が書いたFate作品の大ヒット」という意義は大きい。
88
2007年1月DDD 1「DDD」シリーズ講談社BOX奈須きのこ
奈須きのこの商業小説。続きはまだですか。
89
2007年1月神様のメモ帳「神様のメモ帳」シリーズ電撃文庫杉井光
杉井光を取り上げる際、アニメ化した「神様のメモ帳」になるか、音楽小説としての「さよならピアノソナタ」とするかは判断が難しいところである。
90
2007年1月黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで「黄昏色の詠使い」シリーズ富士見ファンタジア文庫細音啓
ルビの使い方がネットミームに。このラノ上位で、後の売れっ子作家を生み出した作品ではある。
91
2007年2月ミミズクと夜の王電撃文庫紅玉いづき
イラストが無く、児童文学のような作風の作品を出して各所で高い評価を得る。この時期、こういう作品をレーベル内で出せていた電撃文庫の充実を感じる
92
2007年5月人類は衰退しました 1「人類は衰退しました」シリーズガガガ文庫田中ロミオ
エロゲライターのラノベへの流入を語るなら普通にデビュー作でいい気もする。
93
2007年6月嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん「みーまー」シリーズ電撃文庫入間人間
入間人間作品から選ぶとき、「百合」という取っ掛かりがある「安達としまむら」を選ぶのは理解できる。
94
2007年6月虐殺器官単行本伊藤計劃
「伊藤計劃」作品をどのように語るか、ライトノベルに繋がる文脈で語るべきかという命題。語るんなら「ハーモニー」とセットになるんだろうけど。
95
2007年11月さよならピアノソナタ「さよならピアノソナタ」シリーズ電撃文庫杉井光
ライトノベル全体でも絶対数は多くない音楽小説の傑作。「音楽を文章にすること」の到達点の一つ。後の音楽ネタの小説と世界観が繋がることも多く、現行作「楽園ノイズ」にも繋がる作品である。
96
2008年1月生徒会の一存 碧陽学園生徒会議事録1「生徒会」シリーズ富士見ファンタジア文庫葵せきな
はがないとまとめられて語られがちな、当時「日常系」「雑談系」とされていたジャンルである。はがないと生徒会のどちらかだけでも語れそうだけど、一つだけ選ぶと何か片手落ち感が出るので難しい。
97
2008年2月ほうかご百物語「ほうかご百物語」シリーズ電撃文庫峰守ひろかず
趣味に近い。後の妖怪小説家を生み出した、という意義はあるようにも思えるが。
98
2008年9月ラノベ部「ラノベ部」シリーズMF文庫J平坂読
当時「日常系」と呼ばれる作風がここで確立して、その後のはがない等に繋がる。
99
2008年9月GENESISシリーズ 境界線上のホライゾンI<上>「境界線上のホライゾン」シリーズ電撃文庫川上稔
「終わりのクロニクル」とどっちかでいい気がするからあえて入れなくてもいい気はする。
100
2008年11月迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル?「迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル?」GA文庫林亮介
日本京都を舞台にしたウィザードリィ風Web小説からの書籍化という変わり種。