ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ
1
78歳のとき、山川菊栄は自身の略歴に「馬場孤蝶のもとで社会問題、女子労働問題の指導をうけ、以来女性解放運動に終始。」(大久保利謙らと共著『明治維新のころ』朝日新聞社、1968年)と書いています。東京府立第二高等女学校を出た後、慶應義塾大学で教えていた馬場孤蝶から個人指導を受けながら欧州の自然主義文学評論を英訳の原書で読み、根底にある女性解放思想を学んで文筆活動を志すようになりました。馬場の直接的指導は1年足らずでしたがその後も師弟関係は続き、樋口一葉全集の校正も任されました。将来女性解放に役立つことをしたいと志望動機に明記した女子英学塾を経て、翻訳から文芸活動を始めていきます。第1次世界大戦後の為替の変動により外国語文献の入手が容易になった1918年ころから翻訳量が急増していきました。量的には1921‐22年にピークをもち、頂点にはベーベルの『婦人論』完訳(1923年)があって、欧米のロシア革命ルポを翻訳した記事など40点以上をまとめて単著『黎明期のロシア』(1923年)にもしています。同時代のフェミニストと比較したとき、山川菊栄の際立った国際性はこうした翻訳という知的生産によって示すことができます。
2
この「山川菊栄の翻訳文献一覧—原著と作者にみる国際性」(ベータ版1.0)はWeb検索の力を借りて、主にMIA:marxists.org英語版やgutenberg.orgなど欧米のデジタルアーカイブから原著と作者名をわかる範囲でまとめてみたものです。対象の文献は翻訳を前提とした海外情報の紹介も含め幅広く採取しています。未定稿ですが、ベータ1.0として公開し、随時更新していきます。誤りや不明事項を埋める情報をおもちの方はお手数ですが、ご連絡いただければ幸いです。
3
4
2024年3月8日 山口順子(山川菊栄記念会、オノーレ情報文化研究所)
5
連絡先・onoreinfo アットマーク gmail.com
6
7
〇参照や引用には、山川菊栄記念会*資料部情報・extra-1(https://yamakawakikue.org/archives_info内)を明示してください。
8
ベータ版のための凡例:単著、雑誌掲載分1918年、雑誌掲載分1919年以降1938年まで、『黎明期のロシア』(1923年)掲載分と4つのシートから成り立っています。不明はグレー、原著者名がWikipediaにない場合はブルーの色で表示しています。
9
10
11
このファイルは、クリエイティブコモンズ4.0で公開します。©Junko Yamaguchi
12
13
〇参照文献・サイト
14
伊藤セツ『山川菊栄研究 過去を読み 未来を拓く』ドメス出版、2018年 (以下、伊藤[2018])
15
岡部雅子作成「山川菊栄著作目録」『山川菊栄の航跡 「私の運動史」と著作目録』所収、ドメス出版、1979年、
16
田中寿美子、山川振作編著『山川菊栄集』1-10各巻及び月報、岩波書店、1981‐1982年 (以下、旧版と略称)
17
鈴木裕子編『新装増補 山川菊栄集 評論篇』1-8巻、別巻の各巻、岩波書店、2012年 (以下、新装版と略称)
18
鈴木裕子『忘れられた思想家 山川菊栄 フェミニズムと戦時下の抵抗』梨の木舎、2022年 (以下、鈴木[2022])
19
20
国立国会図書館サーチ
21
国立国会図書館デジタルコレクション
22
神奈川県立図書館OPAC
23
24
gutenberg.org
25
googlebooks
26
https://www.hathitrust.org/
27
internetarchives
28
MIA: Marxists Internet Archivemarxists.org:
29
Wikipedia日本語版と英語版の各ページ
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
64
65
66
67
68
69
70
71
72
73
74
75
76
77
78
79
80
81
82
83
84
85
86
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
100