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1 | 部立て(大まか) | 和歌 | 作者 | 収録集 | 歌番号 | 備考 |
2 | 春 | 新しき年の始めにかくしこそ千歳をかねて楽しきを積め | 読人知らず | 古今和歌集 | 1069 | |
3 | 春日野の若菜つみにや白妙の袖ふりはへて人のゆくらむ | 紀貫之 | 古今和歌集 | 22 | ||
4 | 春霞たなびく野辺の若菜にもなりみてしがな人もつむやと | 藤原興風 | 古今和歌集 | 1031 | ||
5 | 春風は吹きなみだりそ吾妹子がかつらにすてふ青柳の糸 | 藤原基俊 | 続後撰和歌集 | 47 | ||
6 | すがの根の長き春日もあるものを短かかりける君ぞ悲しき | 和泉式部 | 和泉式部続集 | 46 | ||
7 | 春来てぞ人も訪ひける山里は花こそ宿の主なりけれ | 藤原公任 | 拾遺和歌集 | 1015 | ||
8 | 宿りして春の山辺に寝たる夜は夢の内にも花ぞ散りける | 紀貫之 | 古今和歌集 | 117 | ||
9 | 深山木のその梢とも見えざりし桜は花にあらはれにけり | 源頼政 | 詞花和歌集 | 17 | ||
10 | 常盤なる花もやあると吉野山奥なく入りてなほ尋ねみむ | 西行 | 聞書集 | 186 | ||
11 | 夏 | 山高み白木綿花に落ちたぎつ滝の河内は見れど飽かぬかも | 笠金村 | 万葉集 | 909 | |
12 | 抜けば散る抜かねば乱るあしひきの山より落つる滝の白玉 | 藤原長能 | 千載和歌集 | 1036 | ||
13 | 五月山木の下闇にともす火は鹿のたちどのしるべなりけり | 紀貫之 | 拾遺和歌集 | 127 | ||
14 | 大き海に島もあらなくに海原のたゆたふ波に立てる白雲 | 読人知らず | 万葉集 | 1089 | ||
15 | 秋 | 秋来ぬと聞きつるからに我が宿の荻の葉風の吹きかはるらむ | 侍従乳母 | 千載和歌集 | 226 | |
16 | 秋のきて身にしむ風の吹くころはあやしきほどに人ぞ恋しき | 月花門院 | 玉葉和歌集 | 1962 | ||
17 | 白妙の袖のわかれに露落ちて身にしむ色の秋風ぞ吹く | 藤原定家 | 新古今和歌集 | 1336 | ||
18 | ひこ星のあふ夜をちかく思ふより我さへ空に詠めをぞする | 永福門院 | 永福門院百番自歌合 | 63 | ||
19 | 秋の月常にかく照る物ならば闇にふる身はまじらざらまし | 読人知らず | 後撰和歌集 | 324 | ||
20 | 風は清し月はさやけしいざともに踊り明かさむ老のなごりに | 良寛 | 良寛自筆歌抄 | 108 | ||
21 | うたたねに夜や更けぬらむ唐衣打つ声高くなりまさるなり | 藤原兼房 | 後拾遺和歌集 | 337 | ||
22 | 秋ふかくなりにけらしなきりぎりす床のあたりにこゑ聞ゆなり | 花山院 | 千載和歌集 | 332 | ||
23 | 冬 | 朝ぼらけ宇治の川霧たえだえにあらはれわたる瀬瀬の網代木 | 藤原定頼 | 千載和歌集 | 420 | |
24 | み山にはあられ降るらしと山なるまさきのかづら色づきにけり | 読人知らず | 古今和歌集 | 1706 | ||
25 | み吉野の山の白雪つもるらしふるさと寒くなりまさるなり | 坂上是則 | 古今和歌集 | 325 | ||
26 | 吉野山峰の白雪ふみわけて入りにし人の跡ぞ恋しき | 静御前 | 義経記 | 10 | ||
27 | 離別&羇旅 | 故郷も恋しくもなし旅の空都もついのすみかならねば | 平重衡 | 平家物語 | 86 | |
28 | おぼつかないかになる身の果てならむ行方も知らぬ旅のかなしさ | 源師仲 | 千載和歌集 | 518 | ||
29 | 旅寝する荒き浜辺の波の音にいとどたちそふ人の俤 | 藤原定家 | 拾遺愚草 | 577 | ||
30 | われこそは新島守よ隠岐の海の荒き波風こころして吹け | 後鳥羽院 | 遠島百首 | 97 | ||
31 | 思ひきやひなの別れにおとろへて海人の縄たきいざりせむとは | 小野篁 | 古今和歌集 | 961 | ||
32 | わくらばに問ふ人あらば須磨の浦に藻塩たれつつわぶと答へよ | 在原行平 | 古今和歌集 | 962 | ||
33 | 天離る鄙に五年住まひつつ都のてぶり忘らえにけり | 山上憶良 | 万葉集 | 880 | ||
34 | 采女の袖吹きかへす明日香風都を遠みいたづらに吹く | 志貴皇子 | 万葉集 | 51 | ||
35 | むばたまの妹が黒髪今宵もや我がなきとこになびき出でぬらん | 読人知らず | 拾遺和歌集 | 802 | 万葉集2564の小異 | |
36 | 漁りする海人の楫の音ゆくらかに妹は心に乗りにけるかも | 読人知らず | 万葉集 | 3174 | ||
37 | ま遠くの雲居に見ゆる妹が家にいつか至らむ歩め我が駒 | 読人知らず | 万葉集 | 3441 | 万葉集1271の小異 | |
38 | 雑‐遠距離(歌枕) | 遠からぬ伏見の里のせきもりは木幡の峰に君ぞすゑける | 藤原家隆 | 新後拾遺和歌集 | 1037 | |
39 | 君をおきてあだし心を我がもたば末の松山浪も越えなむ | 読人知らず | 古今和歌集 | 1093 | ||
40 | 近江にかありといふなるみくりくる人くるしめの筑摩江の沼 | 藤原道信 | 後拾遺和歌集 | 644 | ||
41 | 巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を | 坂門人足 | 万葉集 | 54 | ||
42 | あづまぢのかほやが沼のかほや花ときぞともなくせなぞ恋しき | 藤原仲実 | 万代集 | 2528 | ||
43 | 我妹子に我が恋ひゆけばともしくも並び居るかも妹と背の山 | 読人知らず | 万葉集 | 1210 | ||
44 | 石見のや高角山の木の間より我が振る袖を妹見つらむか | 柿本人麻呂 | 万葉集 | 132 | ||
45 | 万代に語り継げとしこの岳に領巾振りけらし松浦佐用姫 | 読人知らず | 万葉集 | 873 | ||
46 | わが庵は三輪の山もと恋しくはとぶらひきませ杉立てる門 | 読人知らず | 古今和歌集 | 982 | ||
47 | 雑‐その他 | 山里に訪ひくる人のことぐさはこの住まひこそうらやましけれ | 慈円 | 新古今和歌集 | 1671 | |
48 | 世の中はとてもかくても同じこと宮も藁屋もはてしなければ | 蝉丸 | 新古今和歌集 | 1851 | ||
49 | 手すさびのはかなき物をもちいでてうるまの市に立つぞわびしき | 大田垣蓮月 | 海女の刈藻 | 287 | ||
50 | 乎久佐男と乎具佐好男と潮舟の並べて見れば乎具佐勝ちめり | 読人知らず | 万葉集 | 3450 | ||
51 | むささびは木末求むとあしひきの山の猟夫に逢ひにけるかも | 志貴皇子 | 万葉集 | 267 | ||
52 | 吾はもや安見児得たり皆人の得がてにすといふ安見児得たり | 藤原鎌足 | 万葉集 | 95 | ||
53 | 人の子の親になりてぞ我が親の思ひはいとど思ひ知らるる | 康資王母 | 新千載和歌集 | 2163 | ||
54 | 父母が頭かき撫で幸あれて言ひし言葉ぜ忘れかねつる | 丈部稲麻呂 | 万葉集 | 4346 | ||
55 | ふたほがみ悪しけ人なりあたゆまひ我がする時に防人に差す | 大伴部広成 | 万葉集 | 4382 | ||
56 | ますらをの行くといふ道ぞおほろかに思ひて行くなますらをの伴 | 聖武天皇 | 万葉集 | 974 | ||
57 | 雑-述懐 | 天地に少し至らぬますらをと思ひし我や雄心もなき | 読人知らず | 万葉集 | 2875 | |
58 | 世の中にまじらぬとにはあらねどもひとり遊びぞ我はまされる | 良寛 | 良寛自筆歌抄 | 62 | ||
59 | あれば厭ふそむけば慕ふ数ならぬ身と心とのなかぞゆかしき | 鴨長明 | 玉葉和歌集 | 2518 | ||
60 | 木にもあらず草にもあらぬ竹のよの端にわが身はなりぬべらなり | 読人知らず | 古今和歌集 | 959 | ||
61 | 限なき涙の露にむすばれて人の下とはなるにやあるらむ | 佐伯清忠 | 拾遺和歌集 | 503 | ||
62 | 人となることこそ難き世なれどもあはれいくたび生まれきぬらむ | 飛鳥井雅経 | 明日香井集 | 465 | ||
63 | かぞふれば車をかくるよはひにてなほこの輪にぞまはりきにける | 源俊頼 | 散木奇歌集 | 1308 | ||
64 | さかさまに年もゆかなむとりもあへず過ぐる齢やともにかへると | 読人知らず | 古今和歌集 | 896 | ||
65 | あるはなくなきは数そふ世の中にあはれいつまであらむとすらむ | 小大君 | 栄花物語 | 19 | ||
66 | つひに行く道もいまはの時なれやひつじのあゆみ身にぞ近づく | 頓阿 | 新後拾遺和歌集 | 1465 | ||
67 | 哀傷 | みな人の知り顔にして知らぬかな必ず死ぬるならひありとは | 慈円 | 新古今和歌集 | 832 | |
68 | つねよりもはかなきころの夕暮はなくなる人ぞ数へられける | 藤原頼宗 | 後拾遺和歌集 | 1010 | ||
69 | 灯火のかげにかがよふうつせみの妹が笑まひし面影に見ゆ | 読人知らず | 万葉集 | 2642 | ||
70 | 我妹子が寝くたれ髮を猿沢の池の玉藻と見るぞ悲しき | 柿本人麻呂 | 拾遺和歌集 | 1289 | ||
71 | うつそみの人なる我や明日よりは二上山を弟と我が見む | 大伯皇女 | 後拾遺和歌集 | 165 | ||
72 | 寝ても見ゆ寝でも見えけりおほかたはうつせみの世ぞ夢にはありける | 紀友則 | 古今和歌集 | 833 | ||
73 | 釈経・神祇 | いつの世に長き眠りの夢覚めておどろくことのあらんとすらん | 西行 | 山家集 | 758 | |
74 | 夢覚めむその暁を待つほどの闇をも照らせ法のともし火 | 藤原敦家 | 千載和歌集 | 1210 | ||
75 | 世の中は皆仏なりおしなべていづれの物と分くぞはかなき | 花山院 | 千載和歌集 | 1204 | ||
76 | 玉かづら実ならぬ木にはちはやぶる神そつくといふならぬ木ごとに | 大伴安麻呂 | 万葉集 | 101 | ||
77 | 標のうちにきねの音こそ聞こゆなれ/いかなる神のつくにかあるらむ | 賀茂成助/行重 | 金葉和歌集 | 650 | ||
78 | いなり山みづの玉垣うちたたきわがねぎごとを神もこたへよ | 恵慶 | 後拾遺和歌集 | 1166 | ||
79 | 神もうけず人もつれなし幾度もうらみ所や身にかへるらん | 正徹 | 草根集 | 6833 | ||
80 | なほ頼めしめぢが原のさせも草わが世の中にあらむかぎりは | 清水観音 | 新古今和歌集 | 1916 | ||
81 | 恋 | まだ知らぬ人をはじめて恋ふるかな思ふ心よ道しるべせよ | 肥後 | 千載和歌集 | 642 | |
82 | 思ひやるさかひはるかになりやするまどふ夢路にあふ人のなき | 読人知らず | 古今和歌集 | 524 | ||
83 | 春日野の雪間をわけておひい出くる草のはつかに見えし君はも | 壬生忠岑 | 古今和歌集 | 478 | ||
84 | 見ずもあらず見もせぬ人の恋しくはあやなく今日やながめくらさむ | 在原業平 | 古今和歌集 | 476 | 伊勢物語174 | |
85 | 伊勢の海に釣する海人のうけなれや心ひとつを定めかねつる | 読人知らず | 古今和歌集 | 509 | ||
86 | 天雲のはるばるみえし峯よりも高くぞ君を思ひ初めてし | 元良親王 | 続千載和歌集 | 1031 | ||
87 | 池水のいひ出づる事のかたければ水隠りながら年ぞへにける | 藤原敦忠 | 後撰和歌集 | 890 | ||
88 | 言はぬまは下はふあしのねをしげみ隙なき恋を人しるらめや | 藤原忠通 | 金葉和歌集 | 401 | ||
89 | 難波女のすくもたく火の下焦がれ上はつれなき我が身なりけり | 藤原清輔 | 千載和歌集 | 665 | ||
90 | したにのみ忍ぶもぢずり苦しきは心のうちの乱れなりけり | 藤原忠良 | 続古今和歌集 | 959 | ||
91 | 言はでのみ思ふ心を知る人はありやなしやと誰にとはまし | 藤原朝忠 | 新勅撰和歌集 | 639 | ||
92 | よそにのみ見てやは恋ひむ紅の末摘花の色に出でずは | 読人知らず | 拾遺和歌集 | 632 | ||
93 | 紅の色にはいでじ隠れ沼の下にかよひて恋は死ぬとも | 紀友則 | 古今和歌集 | 661 | ||
94 | 息の緒に思へば苦し玉の緒の絶えて乱れな知らば知るとも | 読人知らず | 万葉集 | 2788 | ||
95 | 思ひにし余りにしかば門に出でて我が臥い伏すを人見けむかも | 読人知らず | 万葉集 | 2947 | 或本歌 | |
96 | 恋は今はあらじと我は思へるをいづくの恋ぞつかみかかれる | 広河女王 | 万葉集 | 695 | ||
97 | 巌すら行き通るべきますらをも恋といふことは後悔いにけり | 柿本人麻呂歌集 | 万葉集 | 2386 | ||
98 | 恋といへば同じ名にこそ思ふらめいかで我が身を人に知らせん | 読人知らず | 拾遺和歌集 | 677 | ||
99 | 人知れず思ふ心は春霞たちいでて君が目にも見えなむ | 藤原勝臣 | 古今和歌集 | 999 | ||
100 | をりをりは思ふ心も見ゆらんをつれなや人の知らず顔なる | 飛鳥井雅有 | 玉葉和歌集 | 1318 |