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がん政策サミット
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がん対策地域別データ集 について
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■ねらい
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・当NPOは、「日本のがん医療・療養生活の均てん化(全国あまねく最上の医療が実現し、
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生活の質等が保たれていること)を目指し、当事者主体の政策議論の場と役立つ情報を提供」
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しております。
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・患者視線中心のがん計画の策定・評価・改善については、ステップ1「現状を知る」、ス
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テップ2「目標を設定し計画を策定する」、ステップ3「実行し評価する」の3ステップの
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プロセスによるガイドブックを提供しています。(⇒『誰にでもできる! 第 3 次がん計画策
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定ガイドブック』http://cpsum.org/pdf/cplanguide1606.pdf)
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・こうしたプロセスの中で、地域別のデータを把握することは、課題の抽出、目標の設定、
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計画の評価などに重要な位置を占めます。そこで、がんの部位別対策の検討に役立てていた
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だくためにデータベースを作成し、広く無償で提供することといたしました。
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■背景
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・医療やがんに関する計画に関して、患者・住民視点を中心とすることによって、「やった
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対策等の患者さんにとっての成果(アウトカム)を基準とした進捗評価」「PDCA(計画・
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実行・評価・改善)サイクルによる管理」を行うこと、患者さんの健康状態を示す指標/患
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者さんに提供されるサービスを示す指標の計測を実施すること――が重視されています。
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がん分野においても「対策の量から、質・成果へ」と言われています。
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(⇒ 平成24年3月30日厚生労働省医政局長通知、平成24年9月10日健康局がん健康
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増進課長通知別添などに、その規定が見られます)
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・患者にとってのアウトカムは、改善が芳しくなく、地域格差も大きいことが懸念されてい
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ます。その一例として、がんの死亡率においては、国の目標が未達となり(減少率10年で
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20%の目標が17%程度)。また、47県のうち33県が9年間の死亡率減少率が15%以下で
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す。さらに県によって部位別の死亡率・死亡率減少率には大きな差があります。
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・データの収集と分析は重要性については認識されているものの、患者や行政などいずれの
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立場の方にも困難感がもたれており、サポートが必要と考えられます。特に都道府県が第3
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期がん対策推進計画の策定着手準備段階にある今行うことがタイミングとして重要と考え
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られます。
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■データベース構成
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〇部位別表4種(肺がん表、大腸がん表、乳がん表、胃がん表)、全がん表、医療一般表、
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の6種のファイル
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〇6種のファイルそれぞれに、はじめに、出典情報、ワークシートのシート
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〇6種のファイルそれぞれに、国表、都道府県表、二次医療圏表、市町村表、病院表の5枚
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のシート(データベース)
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*部位別表は時間と資源の制約から、国のがん対策推進基本計画における5大がん(肺が
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ん、胃がん、肝がん、大腸がん、乳がん)のうち、過去10年間の死亡率減少率が低い上記
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4種に絞りました。
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*医療一般表は、がんに限らず、がん対策(医療)を取り巻く地域医療提供体制などを理解
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するために有益と思われるデータを集めました。
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■使用時の留意点
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〇データの出所や留意点について
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・各表出典情報の備考欄を必ずご確認ください。
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〇データの限界について
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データには下記などさまざまな限界がありますので、ご利用の方はご留意なさってくださ
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い。
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・データの範囲の限界(ここに収集されたものしかない、ほしくても存在しないものはない、
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経年変化のデータが少ない、などの限界)
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・データの精度の限界(精度が低いものがある、地域によって精度にばらつきがある、精度
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が向上途上にある、などの限界)
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〇データの解釈について
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データを解釈する際は下記などさまざまな注意点がありますので、ご利用の方はご留意な
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さってください。
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・データの読み方について(平均や全国値からどの程度離れていると悪い・良いのか、検診
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精度など複数の数値を合わせて評価しなければならない数値がある、など)
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・因果関係や影響度の評価について(たとえば、最終アウトカム、中間アウトカム、初期ア
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ウトカムの数値の間に相関関係があるかどうか調べることは大切ですが、数値に相関関係
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があることが必ずしも因果関係・影響関係にあるとは限らないので、注意が必要です)
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■使い方
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A. がん対策の検討のために添付ロジックモデルと対照しながら使用
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B. 関心がある項目を個別に参照
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■A としての使い方例
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1. 部位別データ表から、必要なデータをデータワークシート(エクセル)の上にまとめま
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す。
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2. データワークシートの数字を、ロジックモデルワークシートに沿って、右から左に分析
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していきます。
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【Step 1-1】死亡に関する指標データ(柱1)から、県の状況の良し悪し、二次医療圏単位
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で特に目立ったことはないかどうか、などを指標の数字から確認します。
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【Step 1-2】罹患に関する指標データ(柱2)と、生存に関する指標データ(柱3)から、
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全国値と比較して、都道府県や二次医療圏で、特に数字が悪いところがないかどうかを確認
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します。
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【Step 1-3】前の作業で、生存に問題がありそうな場合、早期発見に関する指標データ(柱
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4)と治療に関する指標データ(柱5)から、全国値と比較して、都道府県や二次医療圏で、
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特に数字が悪いところがないかどうか確認します。
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【Step-1-4】死亡率削減のために、罹患・早期発見・治療のいずれの柱に注力すればよいか
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の仮説を立てます。複数になることもあります。
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【Step 2-1】早期発見対策の成果指標データ(柱7)から、早期発見に関する課題は何かの
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仮説を立てます。
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【Step 3-1】Step2で課題となったことを解決できる施策は何かを考えます。
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※データワークシートは、本エクセルファイルの中にあります。
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ロジックモデルワークシートは、2016年11月7日以降、http://cpsum.org/canops に
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掲載いたします。がん政策サミットご参加者には、メールでお送りしています。
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