ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZAAAB
1
中国語名称実況用日本語訳ローマ字表記公式英訳
(移植版)
初出回紹介&考察
2
賽特セプテムSeptemSeptem1主人公。名前の由来はラテン語の数字7。
設定資料に名前の綴りが書いてなかったら、中国語話者でも字面からじゃわからない。
むしろエジプト神のセトのほうがこの表記になりそう。というかなってる。
3
妮可ニコルNicoleNicole1ヒロイン。名前は事前の募集キャンペーンでファンが決めた。
Nicoleという女性名は「ニコール」と訳したほうが一般的だし、アクセントが原語に近いけど、
軒轅剣3の公式フィギュアが出た時、日本では「ニコル」という表記だった。
(https://hobby.dengeki.com/news/522096/)
そしてなによりもニコルのほうがかわいいと思うので、こっちにしました。
余談だが、Kinraの中学のクラスにも英語名をNicoleにした子がいるんだけど、
同じく「アクセントが前のほうがかわいいじゃん」と思ってそう呼んだら
「変な呼び方やめろ」と怒られたことがある。
反省はしているけど、それはそれ、これはこれ。
4
莉蓮リリアンLillianLillian2マイルズに惚れて、父に他の貴族との結婚を決められたにも拘らず、
こっそり彼についてヴェネツィアに来た少女。
リアルでの「リリアン」という名前の起源は16世紀とされている。
5
菲力斯フェリックスFelixFelix2フランク王国の司教にして、セプテムの旧友。
護教騎士団も「司教直属」だと言われているが、
恐らくフェリックスはただの司教(ビショップ)で、騎士団を支配しているのは大司教(アーチビショップ)クラスの人だろう。
もしくはシナリオライターさんがフェリックスの司教設定を忘れただけ。
6
丕平ピピンPépin
Pippin
Pepin2セプテムの長官・ピピン3世(714-768)。(実在の人物はこのようにオレンジ色で表記します)
フランク王国の宮宰で、後に国王となる。カール大帝(シャルルマーニュ)の父。
「短躯のピピン」(Pépin le Bref)というあだ名も本作で度々言及されるが、
これは実際は「小ピピン」(1世と2世より年下という意味)の誤訳だそうで、本人の身長は特に記録が残っていない。
史実準拠ならこう見えて35歳である。
カールとともに年齢を上方修正されたと思われる。

本作のセリフではよく「執政」と称されるが、これは所謂「コンスル」で、
ピピンがこれになったことはないはずだから、私の訳では省略か改変をしている。
7
麥爾斯マイルズMilesMiles2フランク王国のメロヴィング護教騎士団隊長。
(護教騎士団ってのは本作のオリジナル設定で、多分後のテンプル騎士団に近い組織。)
なぜか英語の名前を付けられてるけど気にしない。
ラテン語に同じ綴りの「ミーレス」(兵士)という言葉があるので、
そういうイメージでこの名前を付ける人もいるけど、本来の語源ではない。
8
撒旦サタンSatanSatan3言わずと知れたキリスト教の魔王。
名前の由来はヘブライ語の「敵対者」、もしくは「妨げる者」「訴える者」。ある意味「邪魔」と同じような言葉。
9
波爾ポールPaulBorr4リリアンのペットの犬。顔グラは無いけど、煉妖壺の定住者としてさすがに重要キャラクター扱いすべき。
立ち位置的に、本作の4年前に『金田一少年の事件簿』で登場したポアロに似てるんだけど、
ポアロは台湾版では保羅(パウロ)と訳されてて、
もしかしたらDOMOスタッフはこれを更に捩ったんじゃないかと疑っているから、ポールと訳しました。
10
康那里士コルネリウスCorneliusCornelius4騎士団と共に行動する司祭。
現在この名前で一番有名なフィクションキャラは多分『ハリー・ポッター』のコーネリウス・ファッジだけど、
ファッジさんへの風評被害を避けるため……じゃなくて、ラテン語準拠でコルネリウス表記にします。

ヴァンパイアの指輪や青魔神が言及した「恐怖の王」とは彼のことである。
その正体はサタンの腹心で、「恐怖そのものになった」から不滅の存在と化したらしい。
11
修道院院長修道院長Monastery Abbot5ヴェネツィアの北西の野原にある修道院の院長。
「修道院長」と言うのか「修道院院長」と言うのかは中国語でもよくある問題。
DVDで追加された若い司祭さんがいなかったオリジナルバージョンでは彼以外の修道士が一人も見当たらない。
(修道院ダンジョンに人間系の敵がいないので)
12
姆斯比爾ムスペルMuspellMuspell6炎を司る魔神。サタンの手下。
名前の由来は北欧神話の火の国(ムスペルヘイムという名称が有名)、或いはそこに住む巨人の一族で、個体名ではなかった。
13
威尼斯護民官ヴェネツィア護民官Venetian Tribune7ヴェネツィアの長官。
「護民官」については【用語】タブに参照。
14
史芬克斯スフィンクスSphinxSphinx9エジプトの神話生物スフィンクスの姿を模した石像精霊。一番気だるい方。「是啊是啊」(そうそうそう)が口癖。
ちなみにスフィンクスというのはギリシャ神話での名称。エジプト人はこれをどう呼んでいたのかは不明。
15
雅典娜アテナAthenaAthena9ギリシャ神話の女神アテナの姿を模した石像精霊。一番高飛車な方。
長母音を反映してアテーナーと書いたほうが正確だけど、今回は見た目の覚えやすさを重視することにした。
16
米加勒ミカエルMichaelMichael9大天使長ミカエルの姿を模した石像精霊。ニコルへの忠誠心が一番高い方。
Archangelの訳語としては「大天使」や「天使長」が一般的で、arch-をニ回も訳した「大天使長」は冗語と言える。
実際アークエンジェルは天使の中で一番地位が高いとも限らないので、現代では大天使が一番普及しているようだ。
ちなみに中国語で現在一番普及してる表記は「」。たぶん、加という字が平凡すぎたせいで。
17
波西頓ポセイドンPoseidonPoseidon9ギリシャ神話の海神ポセイドンの姿を模したであろう石像精霊。
サタンの手下である青魔神に装飾品としてお持ち帰りされて、長い間氷山島にいた。
セリフでは「」との表記揺れもある。
ちなみに中国語で現在一番普及してる表記は「」。「セイ」という音は中国語に無いので、どうあがいても一致できない。
18
查理曼カールKarlCharles10ピピン3世の息子で、将来のカール大帝(742?-814)にして、ヨーロッパ史において最も重要な人物の一人。
一番早い推測生年でも742年だから、ゲーム開始時は7歳の子供のはずだけど、
重要な歴史人物として登場させるために青年に改変したと思われる。
「シャルルマーニュ」とも呼ばれるが、シャルル(Charle)はカール(Karl)のフランス語読みで、
「シャルルマーニュ」(Charlemagne)の「マーニュ」は「偉大な」という意味で、後世がつけた称号である。
しかし中国語ではまとめて「查理曼」と音訳されたせいで、シャルルマーニュが本名だったと勘違いされがち。
本作のシナリオライターも同じ勘違いをした。
「カール」のほうがセリフ枠に収まりやすいというのもあって、日本語訳で修正しておいた。
公式英訳も同じことを考えたようだけど、フランス語由来のCharlesのほうを選んだ。
19
藍魔神青魔神Cyan Witch10氷を司る魔神で、サタンの手下。
ブルーマンたちの頭領で、「女性型のブルーマン」(ブルーウーマン?)とのことだが、
つまりオリジナル魔物ってことらしいので、青魔神は本人の通り名なのだろう。
中国語の「」は青色の一般的呼称で、「藍色」ほど限定的なイメージじゃないし、カッコいい呼び方でもないので、
苦悩した末にやっぱり対等のニュアンスを持つ「青」と訳すことにした。

この実況シリーズでの翻訳は半ば「私が公式日本語版の担当だったらこうする」という心構えでやってきたけど、
ここはさすがに一線があると感じた。
公式だったら日本語版専用のオリジナルネームを考えてもいいが、一布教者の私がやっちゃダメな気がする。
(そして公式英訳は「シアンの魔女」となったわけだが……これ、絶妙なラインにあるな)
20
薇達ウィダードWidadWidad12イスラームの地中海水軍で小規模の艦隊を率いた船長。
英雄ハーリド・イブン・アル=ワリードの末裔で、
設定資料によると、海軍・陸軍の両方を持つ伝統ある戦闘集団の頭領だったが、
冷遇されて地中海に飛ばされ、100人を指揮するナキーブ(隊長)になったという。
なにかの実話に基づいてるかどうかよくわからない。
後に、クライシュ族のリーダーであることが明かされる。
そして、アッバース一族の大義が「ウマイヤ家はクライシュ族ではない」ということになっている。
史実では微妙に違ってて、
「クライシュ族の正当な後継者はアッバース一族が属するハーシム家であり、ウマイヤ家ではない」という主張だった。
簡単に言えば、クライシュ家をハーシム家に置き換えば大体合ってる程度の違いで、結局ハーシム家のプロパガンダである。
DOMOチームが参考にした資料がたまたまデマが激しい方だった可能性も否めない。
21
麥爾丹マルダーンMardanMyrdan14ウマイヤ軍の指揮官。
公式の綴りは不明だけど、マルダーンという「勇敢」を意味するムスリムの男性名があるので、恐らくはこれかと。
22
薩西サヒルSahirSasy15キンディー家の執事。
付録DVDによるとギリシャ出身の元奴隷だけど、名前はアラビア語っぽいからそっち方面で当ててみた。自信は無い。
23
肯迪キンディーAl-KindiKendhi15名高い学者キンディーの孫。人呼んで神童キンディー、だそうだ。
口を開けば人を「笨蛋!」(バーカ!)と貶す悪い癖がある。
「小キンディー」と表記すれば老キンディーと区別できるけど、
老のほうは登場しないので、セリフ吹き出しではキンディー表記。
キンディーは家族名なので、下の名前は不明。

ちなみに、日本語でも「老カトー」「老プリニウス」などの表記は無くもないから
中国語表記に近い「老キンディー」と訳したんだけど、
「大カトー」「大プリニウス」のほうが一般的のようだね。
24
卡瑪カーマKamaKama17タドモル古代墓地に眠る「大悪魔」。正体は愛の精霊。
名前の由来はサンスクリット語の「愛」(काम)。
ヒンドゥー教の愛を司る神カーマデーヴァもカーマと呼ばれるけど、男性の神である。
(煩悩の化身であるマーラと同一視されたりする)
25
安卡アンクAnkhAnkh17カーマの相棒、古代精霊の猫ちゃん。
名前の由来は古代エジプト語の「生命」、そしてそれを表す護符「☥」。
遊戯王の死者蘇生の印と言えばわかりやすい。
アンクの喋り方、原文では発言の前後に大量の「にゃにゃにゃ」をばら撒いてるんだけど、
ボイスで同じことやったらおかしい感じになるので、それらを省く代わりに「ナ」を過剰なまでに「ニャ」に変えさせた。
26
鬼猴王鬼猴王
きこうおう
Monkey Golem17サタンによって石像に封じられた猿の妖怪、だそうだ。
名前が美猴王(孫悟空)に似てるし、石に封じられるし、インド風のカーマが登場したばかりなので、
孫悟空の原型と言われるハヌマーンを想起させるけど、ハヌマーンは善神である。
顔グラは無いけど、顔グラ用のセリフウィンドウで喋る場面があるし、
ボスクラスのサタンの幹部なので、重要キャラクター扱いにした。
モンスターとしては「鬼猴」表記。
27
恐懼之王恐怖の王Dread King19コルネリウスの正体。というか、コルネリウスという人間の成れの果て。
砂漠の戦場に現れたガイコツ怪物は恐らくこの姿のこと。
28
慧彥慧彦
えげん
Master Hui-Yan
19唐から来た仏教の老僧。
戒名の「慧」は禅宗六祖の慧能(638-713)にちなんだものかもしれないが、
これはサンスクリット語のप्रज्ञा(プラジュニャー、智慧)、即ち「般若」の意訳として使われている。
29
黃雷
黃萬轟
黄 雷
こう らい
黄 万轟
こう ばんごう
Huang Lei19マッドサイエンティスト。
先輩からは字の「万轟」(ばんごう)で呼ばれてる。すごい名前である。
字(あざな)とは本来、本名で呼べる間柄じゃないから使う敬称のようなもの。
本名に関係のある言葉(類義語、対義語とか)を使うことか、無関係だけど高尚な言葉を使うことが多い。
慧彦さんは万轟を「小字」だと言ってるが、小字とは幼名のことなので、字とは真逆の概念。
若輩者の黄雷に慧彦さんが幼名で呼ぶこともあり得るけど、万轟は幼名にしてはパワーがありすぎるので、
シナリオライターさんによる誤用だと思う。
ちなみに日本語では「諸葛亮孔明」「劉備玄徳」などという「下の名前+字」を繋げて呼ぶスタイルをよく見るけど、
中国語では滅多にこんな呼び方しない。
公式英訳は字の下りを丸ごと端折ってる。ややこしいからね。

本実況では補助情報として、話者欄とキャスト表では中国人キャラの姓と名の間に半角スペースを入れます。
逆に言えばスペースが無いなら「姓+名」の名前ではないということを示す。(例えば慧彦みたいな戒名の場合)
この慣習は中国語では存在しないので、A欄の中国語名にはスペースを入れません。
30
慧榮慧栄
えよう
Hui-Rong21名前からして、慧彦の同門の仏僧。
31
高仙芝高 仙芝
こう せんし
Gao Xianzhi21唐の軍人(?-756)。
実は高句麗(現代の中国の東北~韓国に当たる)の出身なので、随分と遠い所まで来ている。
32
遠恩遠恩
えんおん
Ryen21唐に滅ぼされた石国(チャーチュ)の王子。
実際の史書では「石国の王子が大食に援軍を要請した」としか書いておらず、
遠恩」という名前を言及したのは『冊府元龜』にある「石國王子遠恩來朝」だけだけど、
それは749年(2年前)の8月に関する記載だし、援軍を要請したのとは同じ王子だったとも限らない。
石国はいわゆる二頭政治を行っていて、正王(テギン)と副王(トドゥン)がいたけど、
遠恩と援軍を要請した王子がどっちの息子だったのかも定かではない。
まあ、誰にもわからないなら、逆にフィクション的にどっちでもいいのかもしれないけど。
ちなみに小前亮の小説『天涯の戦旗 タラス河畔の戦い』でのチャーチュの王子は「シシュピル」という名前だったが、
これはサマルカンドのほうの実在の王から取っているので、残念ながら史実ではない。

困ったことに、遠恩という名前を史書に残してるのは中国側だけだから、元の言葉ではどんな発音だったのかわからない。
唐の時の発音で「遠恩」を読むと、恐らく「ウォンオン」みたいな音になるけど、そんな中途半端な再構築じゃ意味が無い。
しかも、遠恩の出典である『冊府元龜』はテギンの中国語訳「特勤」をずっと「特勒」と間違えてるほど雑だったので、
もし遠恩という名前自体も誤字だったらどうしようもない。
なので遠恩をそのまま音読みするという苦渋の決断をした。
公式英訳は「リュエン」としたが、根拠は見当たらない。
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