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安岡先生の書に親しみ始めかれこれ20年。還暦を超え『あの箴言はどの書の何処に書かれていたか?』といったこともしばしば。
六十にして六十化すの教えに倣い『安岡先生 箴言INDEX』を自らの忘備録として記そうと思いたつ。
一燈照隅、ささやかながらも後進後輩のためになればなお嬉し…とそんな心もちにて。令和元年七月吉日 岡田圭一 謹写 https://okadabec.blogspot.com/p/proverbs_15.html
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通番出典書籍名ページ題目箴言
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1運命を開く1始終訓1
人の生涯何事にもよらずもうおしまいと思うなかれ 未だかって始めらしき始めを持たざるを思うべし
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2運命を開く1始終訓2
志業は、その行き詰まりを見せずして一生を終わるを真実の心得となす
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3運命を開く1始終訓3
成功は、一分の霊感と九分の流汗に由る。退屈は、死の予告と知るべし。
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4運命を開く11野狐禅
不落因果ではない。不昧因果である。
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5運命を開く16利は義の和
どうすることが正しいかという同義に目覚めなければ、経済は救われるものではない。
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6運命を開く37挨拶
挨とか拶とかの意味は、元々物がぶつかる、すれあうという文字で、物事がぴったりすることを挨拶と言います。
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7運命を開く46足恭
礼も過ぎるとかえって卑屈になる。礼儀の卑屈なほど丁寧なこと数恭(すうきょう)という
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8運命を開く46
のぎへんは稲の穂を表し、我々の食欲を満たしてくれ、そして主食となり五味調和する。これに口を付けて和という字になります。「なごやか」という意味の象徴となります。
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9運命を開く47
のぎへんは稲の穂を表し(中略)穀物を自分だけに取り入れようとする、人に与えないで自分の中にだけ縮まると私という字になる。旁の「ム」というのは利己的であることを表している。
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10運命を開く49才1
才というものは大切な能力であるがそれだけでは大したものではない。(中略)徳という肥沃な土壌が無ければすぐにダメになる。才子才に倒る
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11運命を開く49才2
才とか知とかいうものは大切なものであるがその反面危ないものです。(中略)才知を悪い方に使って身を誤るものが多い。
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12運命を開く57文明による人間喪失
人間が人間たることを失って物質化し、機械化し、大衆化・組織化して(中略)個人は一つの原子atomになってしまう。
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13運命を開く58都市生活1
都市生活というものは全く多忙であります。とにかく忙しい。刺激が強すぎる。(中略)あまりに忙しいと人間は段々馬鹿になる傾向が有る。
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14運命を開く59都市生活2
文明が発達するが如くに見えて、人間が無内容になりつつある。
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15運命を開く61少数支配者の専制
世の中が大衆化しながら、だんだん”少数支配者の専制”になる傾向がある。大衆が何も知らされず組織化され、機械的に駆使され、これを掌握する一握りの専制政治家に左右される。
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16運命を開く62人間の四要素1
徳性、知能、技能、習慣
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17運命を開く62人間の四要素2
人間は本来人格的存在である。万物の霊長である。これが人が人たる特質である。
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18運命を開く62徳性1
一番大事な人間たる本質、人格としての人間たる本質は「徳性」
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19運命を開く62徳性2
心の明るさ、清さ、人として愛する、助ける、人に尽くす、恩を知る、恩に報いる、正直、勇気、忍耐等貴い心の働きを徳性と申します。
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20運命を開く63徳性3
徳性の次に知性・知能
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21運命を開く63徳性4
知識や技術というものはあるに越したことはありません。これを発達させたから偉大な今日の文明も生じたのでありますが、これが無かったからと言って人間たることにそう根本的な価値の影響は有りません。
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22運命を開く64徳性5
水がH2Oを知らない様では日蓮も弘法大師も馬鹿だと誰が言いますか。そんなことは人間の偉さには関係のないことです。その時代の知識という一般問題であって人間たる本質の問題ではない。
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23運命を開く65慣習・習慣1
徳性に準じて非常に大切な意味のあるものは慣習・習慣というもの
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24運命を開く65慣習・習慣2
習慣は第二の天性である。良い習慣をつけるか悪い習慣をつけるかによって、全く人間が変わってまいります。
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25運命を開く65慣習・習慣3
『人生は習慣の織物』 スイスの詩人:アミエル
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26運命を開く69愛と敬
敬する対象を持ちその対象から自分が認められる、励まされる、励まされたいという要求。この愛と敬とが相俟って初めて人格というものが出来て行く。
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27運命を開く74尋常1
尋常という意味は文字通り「常を尋ねる」という意味です。「平常心これ道」という通り人間は(中略)平常からちゃんと覚悟が出来ておることが大切。
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28運命を開く74尋常2
「常を養う」のが尋常教育で、すなわち人格を鍛錬陶冶して、その上に知識・技術を付ける。
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29運命を開く86道徳1
道徳とは一般観念と違って最も自然なもの。道徳は特殊なもの、不自然なもの、何か作為的なもの、強制的なものだと考えることが根本的な間違い
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30運命を開く86道徳2
道徳というものは一番自然なもの、最も真実なものであるという事ははっきりわきまえないといけない。
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31運命を開く90道徳3
小なり大なり人間の在り方、人間の行動をいかに自然にするか、いかに真にするか、美にするか、人と人の間をいかに良くするか、これが道徳
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32運命を開く106恥1
仰ぐ-敬する。省みる-恥ずる。この相待性心理が人間の根本的な「徳」です。
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33運命を開く106恥2
「仰ぎ見る」という事を知らない人間と「恥ずる」ことをわきまえない人間は一番非人間的である。
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34運命を開く107参る1
日本人は、特に日本の武士は勝負に負けて「参った」という。「参った」という事ことは敵を偉いと言って誉める事です。これは一派な精神です。
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35運命を開く107参る2
人間は、我々は、親に、子に、妻に、夫に、師に、共に参らねばならない。参るという事は神・仏ばかりでない、人間互いに参らぬような人間は、これは恥を知らぬ人間です。参れば進んで尽くしたくなる。
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36運命を開く116樹の五衰
懐の蒸れ、梢(ウラ)どまり、根あがり、裾あがり、梢枯れ、蟲つき これを樹のことだと思ったら大間違い。お互い人間にも懐の蒸れ、梢(ウラ)どまり、根あがり、裾あがり、梢枯れ、蟲つきがある。
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37運命を開く137名士
名士は名士になるまでが名に値する。名士になる頃は迷士になっている。冥士
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38運命を開く137有名無力
人間は大成しようと思えば、「有名無力」にならぬように、「無名有力」でなければならないという教訓がある。
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39運命を開く139忙しい
『忙』という字はりっしんべんに亡ぶ、と書いてある。”心が無くなる”という事で忙しいと本当に心が亡くなる。迂闊になったり粗忽になったりミスだらけエラーだらけになる。だんだん心が亡くなるのですから馬鹿になる。
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40運命を開く160情緒と気概1
一般に、人間の大事な機能をもっぱら知性・知能として、頭が良いという事を一番の誇りに考えてきました。情緒とか気概というものを割合に軽視してきました。
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41運命を開く160情緒と気概2
頭が良いという事より、情緒が良いということが大事である。むしろ優れた情緒の持ち主であってこそ本当に頭も良い
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42運命を開く161情緒と気概3
頭が良いという事は第一義ではない。(中略)今迄一般的に考えられてきた頭というものは、機械的な理解や記憶の能力で、頭のハシクレには相違ないが、本質的な働きではない。
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43運命を開く161情緒と気概4
KnowledgeではなくWisdomというものは、情緒と結びついているもので、情緒が発達しないで智慧や偉大な行動力は生じない。
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44運命を開く170
天地は悠久である。造化は無限である。従って人間も久しくなければいけない。物を成してゆかねばならない。それは仁であり、忠であり、愛であるが、それを達成してゆくものは「忍」である。
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45運命を開く173心に人物を持つ1
理想精神を喚起する偉大な人物を心に持つ(中略)偉大な人物に私淑するという事。
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46運命を開く176心に人物を持つ2
人間は出来るだけ早いうちに、出来るだけ若い間に、自分の心に理想の情熱を喚起するような人物を持たない、理想像を持たない、私淑する人物を持たないのと、持つのとでは大きな違いです。
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47運命を開く176心に人物を持つ3
理想精神の洗礼を受け、心の情熱を燃やしたことは、例え途中いかなる悲運に際会しても、いかなる困難に出会っても、必ずや偉大な救いの力となる。
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48運命を開く176心に人物を持つ4
若い時にそういう経験を持たなかった者は、いつまでたっても日陰の草のようなもので、本当の意味において自己を伸ばすということが出来ない。ことに不遇のときに、失意のときに、失敗のときに、この功徳が大きいものです。
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49運命を開く190愚鈍
利口な人間は、とかく外に趨(はし)り、表に浮かみ、内を修めず、沈潜し難い。どうしても大成しにくい。頭が悪い、才が無いということは、貧乏や病弱と共に人となるに憂うることではない。
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50運命を開く193尊い本1
命がけの最前線に出て、敵に直面し、砲声を聞きながら野営するというようなときなど『論語』とか『聖書』とか、真剣など読書でないと納まらないそうです。
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51運命を開く193尊い本2
登山家に聞いてもそうです。(中略)深山幽谷に入ってゆけば、そんなものは見るのも嫌になり、厳粛な神聖なものでなければ読めないそうです。
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52運命を開く199一燈照隅万燈照國1
つまらない人間も「世界のため、人類のため」などと言います。あれは寝言と変わらない。(中略)自分自身のためにも、親兄弟のためにも、ろくなことが出来ない人間がどうして世界のために、人類のために、なんて大口をきけるか。
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53運命を開く199一燈照隅万燈照國2
それよりも、自分がおるその場を照らす。これは絶対必要なことで、またできることだ。真実なことだ。片隅を照らす!この一燈が万燈になると「万燈遍照(照国)」になる。
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54運命を開く199一燈照隅万燈照國3
そういう同士が十万、百万となれば、優に日本の環境も変わりましょう。(中略)これは不断に努力しなければならないことであります。
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55運命を開く202寸陰を惜しむ1
本屋でも漁ってみるかとブラリと入ってみても、平生研究問題を持たぬ人では、何も見つからんものです。平生何かに精神を集中していると意外な「発見」をする。そこに神秘な因縁すら感知する。こういうところに人生や、事業、学問の秘訣があります。
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56運命を開く202寸陰を惜しむ2
「三上」…「枕上」「馬上」「厠上」(中略)こういう心がけを持てば、どんな境地にあっても勉強できないことはありません。
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57運命を開く204人生
大切な心掛けの一つは、人生の物事を浅薄軽率に割り切らないこと。人生は非常に複雑な因果果報の網で、変化極まりないもの。人間がこれを軽々しく独断することはとんでもない愚昧であり、危険である。
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58運命を開く207勝因
およそ善い物、善い人、真理、善い教え、善い書物、何でも善いもの・勝れているもの・貴いものには、出来るだけ縁を結んでおくことです。これを勝因、善縁といいます。
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59運命を開く209愛読書1
良い師友と同時に、人間はどうしても愛読書が無ければならない。座右に愛読書を置いておきたいもの
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60運命を開く209愛読書2
なるべく精神的価値の高い、人間的真理を豊かに持っておるような書がよい。たえず心にわが理想像を持つ、私淑する人物を持つ、生きた哲学を抱くということ
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61運命を開く211感恩報謝1
「口」-環境と、「大」-人の手足を伸ばした相と、「心」とよりなるものが「恩」の字。何のお陰でこのように大きく存在しておるか、と思う心が”恩を知る”こと。
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62運命を開く211感恩報謝2
我々は天地の恩、人間の恩、道の恩、教の恩など、あらゆる恩の中にある。これにたえず報いて行くのが生活であります。
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63運命を開く211感恩報謝3
人間生活が感恩報謝と反対に、憎悪復讐の争いになったらどうでしょうか。それこそ地獄であり、修羅道であります。
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64運命を開く214悪党 善党1
そもそも悪は善より感じが深刻です。善というものは生命の発展に従うものですから、柔順な感じです。刺激がない。素直です。
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65運命を開く214悪党 善党2
悪というものは生命の奔流に抗するもの、逆行するものですから、どうしても感じが強く、身に応えます。
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66運命を開く214悪党 善党3
およそ人々は善に対してはあまり感じません。悪に対して非常に強く感じます。人間も概して悪人は強い。善人は弱い。
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67運命を開く214悪党 善党4
世の善人と悪人とを比べてごらんなさい。善人はたいてい引っ込み思案、消極的で、傍観的であり、団結しない。自然の草木と同じように自ら生きる。他に俟たないものです。
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68運命を開く214悪党 善党5
悪人は猛々しく深刻で、攻撃的で・積極的であり、必要に応じてよく団結します。
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69運命を開く214悪党 善党6
悪人は一人でも「悪党」と言います。善人をさして”彼は「善党」た”とは言いません。悪党という語があっても善党という言葉は使わない。
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70運命を開く229クエン酸サイクル理論1
梅干しというものを昔から我々はお祖父さんやお祖母さんによって、朝起きたら必ず番茶に入れてこれを食べさせられてものです。
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71運命を開く229クエン酸サイクル理論2
梅干しはクエン酸サイクル、一種の循環作用で、酸に遇えばこれをアルカリ化し、アルカリに遇えばこれを酸との中和性に持って行く実にありがたいもの。
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72運命を開く228クエン酸サイクル理論3
古人は長い歴史的生活体験によって、実によく真理を体得して負った事が解ります。
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73運命を開く237
「酸」という字は「いたむ」と読みます。心酸と書いて「心いたむ」と読みます。酸は破壊性であります。
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74運命を開く239敏忙1
私は平生、貧乏-貧忙-貧呆-に対して、「敏忙」主義を提唱
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75運命を開く240敏忙2
忙しいと落ち着きがないままに、精神の統一や集中は失われて、どうしても粗雑になり、霊感も霊能も働かず、人に対しても仕事に対しても不都合が多くなります。
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76運命を開く240敏忙3
それがはなはだしくなると義理人情を欠くばかりか、しまいには自己をも喪失しるようになる。
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77運命を開く240
忙しいときは閑を欲しますが、案外閑というものは曲者で、閑をもてあましたり、閑で失敗するものが多い
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78運命を開く241耐閑1
四耐という格言があります。「冷に耐え、苦に耐え、煩(あるいは労)に耐え、閑に耐う」の四事を言う
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79運命を開く241耐閑2
最後の「耐閑」が一番言いたいところでしょう。なかなか閑には耐えられないもの
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80運命を開く241耐閑3
閑になると容易に呆けだしたり、ウロウロ何かすることを探し出して、結果多く「小人閑居して不善を為す」に陥ってしまう
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81運命を開く241清忙1
小人程忙しくしている方が過ちが有りません。健康にも宜しい。私心私欲や浮世の汚れた問題ではない事に忙しくする、いわゆる「清忙」などさらに好い
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82運命を開く241清忙2
世間のつまらぬことに追い回されれ、取り留めも無く無意味に忙しく、始終疲れたり荒んだりして過ごすことは、徳を損ずるもの
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83運命を開く242敏の本義1
人間は利害、特に目先の欲にかけては、それこそ”すばしっこい”者が多いでしょうが、自分を大成するのに役立つ貴重な問題を捕らえたり、自分に潜在しているたいせつな能力を発揮する段になると案外鈍なもの
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84運命を開く242敏の本義2
仕事のため、友人のため、世の中のために、出来るだけ気を付けよう、役立とう、まめに尽くそうと心身を働かすことが「敏」の本義 
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85運命を開く243敏の本義3
正直者が馬鹿を見る、とよく憤慨する人が有りますが、(中略)本当の正直者なら、馬鹿のような目にあっても大して腹は立たぬものです。別に損とも思わぬからであります。
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86運命を開く243敏の本義4
孔子はもちろん正直者で、だからすいぶん馬鹿を見たらしい。「迂だなぁ」と弟子からも嘆息されました。
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87運命を開く243敏の本義5
しかし孔子は「自分は努力せずにすらすらと物事に通ずるものではない。歴史上の模範を好んで、気をきかせ、努力してそうなろうとするものである」と語っている
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88運命を開く256忠告
本当の忠告というものは、人知れず進言するのが一番真実であり、礼儀だ。
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89運命を創る1運命・宿命・立命1
我々の存在、我々の人生というものは一つの命である。その命は、宇宙の本質たる限りなき創造変化、すなわち<動いて已まざるもの>であるがゆえに「運命」という
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90運命を創る1運命・宿命・立命2
運命はどこまでもダイナミックな物であって、決して「宿命」ではない
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91運命を創る1運命・宿命・立命3
「命」は絶対的な働きであるけれども、その中には複雑極まりない因果関係が有る。その因果律を探って、それによって因果の関係を操作して新しく運命を創造変化させてゆく-これを「立命」という
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92運命を創る12王永江旧満州の諸葛孔明
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93運命を創る16蒋介石 総統
アジアは長くヨーロッパに狙われ、我が中国の如きも恥ずべき侵略にあっている。アジアは中国と日本とが相提携して欧米に対し王道国家を造らねば真の平和にはならない。日本を徹底的に打倒することはしたくない。してはならない。
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94運命を創る18窮すれば通ず
精神さえしっかりすれば、必ず運命は開ける。すべては立志と、人物の如何です
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95運命を創る20思考の三原則1
目先にとらわれないで、出来るだけ長い目に観察する