1 of 51

CTE 第8章

K-12における人工知能思考

岡山県赤磐市立山陽北小学校

津下哲也 t28jr2@gmail.com

2 of 51

AI についての5つのビッグアイデア

3 of 51

AI についての5つのビッグアイデア

アイデア 1:知覚

アイデア 2:表現と推論

アイデア 3:学習

アイデア 4:自然な相互作用

アイデア 5:社会への影響

4 of 51

CSTAComputer Science Teachers Association)コンピュータサイエンス スタンダード

2017

(1)アルゴリズムとプログラミング

(2)コンピューティングシステム

(3)データと分析

(4)コンピューティングの影響

(5)ネットワークとインターネット

5 of 51

CSTAComputer Science Teachers Association)コンピュータサイエンス スタンダード

2017

人工知能がたくさんのソフトウェアや物理的なシステムをどう動かしているかを説明する

アルゴリズムと

プログラミング

アルゴリズム

コミュニケーティング

人工知能のアルゴリズムを実装して、人間相手にゲームをしたり、問題を解いたりする。

アルゴリズムと

プログラミング

アルゴリズム

クリエイティング

6 of 51

AI についての5つのビッグアイデア

アイデア 1:知覚

アイデア 2:表現と推論

アイデア 3:学習

アイデア 4:自然な相互作用

アイデア 5:社会への影響

7 of 51

8.2 The Five Big Ideas in AI graphic from AI4K12 .org.

キーフレーズ

1文のステートメント

8 of 51

1-知覚 

コンピュータはセンサーで世界を認識する 

2-表現と推論 

エージェントは世界についての表現を保持し、推論に利用する 

3-学習 

コンピュータはデータから学習する 

4-自然な相互作用 

知的エージェントは、人間と自然な相互作用をするために、たくさんの種類の知識を必要とする 

5-社会への影響 

AIは社会に対し、ポジティブとネガティブの両方の影響を与える 

8.2 The Five Big Ideas in AI graphic from AI4K12 .org.

キーフレーズ

1文のステートメント

9 of 51

10 of 51

AI についての5つのビッグアイデア

SFと混同されがちなこの分野の本質的な概念と主要な課題を、教師、保護者、生徒に紹介するための方法

AIを学ぶことは、技術以上のことを学生に教えることができ、人間の複雑さをよりよく理解することができる

11 of 51

AI についての5つのビッグアイデア カリキュラム

このガイドラインでは、各ビッグ・アイデアは概念スキルに分解され、学年帯別進度表と呼ばれる表の行を形成しています。列は4つの学年帯、セルはその学年帯の生徒がそのコンセプトやスキルについて何を知り、何ができるようになるべきかを定義しています。

12 of 51

13 of 51

アイデア 1:知覚

14 of 51

アイデア 1:知覚

「知覚」とは、

「コンピュータはセンサーを使って世界を知覚する」

15 of 51

アイデア 1:知覚

・自動ドアのセンサーの情報 → 単なる信号

・知識とは何か?

・音声認識の場合

 →調音ジェスチャー、音韻論、形態論、韻律、etc

・小さな子どもでも母国語の音韻を理解

 →シリやアレクサには理解困難

16 of 51

アイデア 1:知覚

「抽象化パイプライン」

信号から意味への変換は段階的に行われ、各段階でより抽象的な特徴や高度な知識が適用される

17 of 51

アイデア 1:知覚

18 of 51

アイデア 1:知覚

19 of 51

アイデア 1:知覚

20 of 51

アイデア 2:表現と推論

21 of 51

アイデア 2:表現と推論

「表現と推論」とは、

「エージェントは世界の表現を保持し、

             それを推論に利用する」

22 of 51

アイデア 2:表現と推論

・「表現」は「データ構造」

・低学年ー「地図」は「場所」の表現

・3~5年ー「動物あてゲーム」=決定木

 →コンピュータがどう学習していくか実感できる

・表現と推論の相互依存性

・高学年ー推論の分類法の紹介→組み合わせ探索

23 of 51

24 of 51

アイデア 2:表現と推論

「特徴ベクトル表現」

25 of 51

アイデア 2:表現と推論

ナレッジグラフ

ナレッジパネル

26 of 51

27 of 51

28 of 51

アイデア 3:学習

29 of 51

アイデア 3:学習

「コンピュータはデータから学習できる」

<機械学習>

1.データからパターンを見つける

2.試行錯誤で動作を最適化する

<人間>

教えてもらう 観察する

質問する 実験する

関連付ける・・・

30 of 51

アイデア 3:学習

・機械学習は、人間が明示的に行動をプログラムすることなく行動を習得することを可能にする

・機械学習は、推論器を構築する方法である

31 of 51

32 of 51

アイデア 3:学習

「新しい行動の学習は、内部の変化によってもたらされる」

・「重み」は、学習アルゴリズムが調整している特徴検出器の内部表現

33 of 51

34 of 51

アイデア 3:学習

「データのパターンを見つける」

【教師あり学習】

 ・・・学習データがラベル付けされている

    (正しい答えが与えられている)

【教師なし学習】

 ・・・データはラベル付けされていない。

35 of 51

36 of 51

アイデア 4:自然な相互作用

37 of 51

アイデア 4:自然な相互作用

知的エージェントが人間と自然に対話するためには、様々な知識が必要である。

◆自然言語理解

◆常識的推論

◆感情コンピューティング

◆意識/心の理論

38 of 51

アイデア 4:自然な相互作用

◆自然言語理解 → 文脈が必要

◆常識的推論 

 →知的エージェントにはできない

 →すべてを詳細に説明しなければならない。

  例)猫は生き物 椅子は座るもの

汎用人工知能(AGI:Artificial General Intelligence

39 of 51

アイデア 4:自然な相互作用

◆感情コンピューティング

 →トーン、表情、退屈、興奮 など

◆意識と心の理論

 →コンピュータに心はあるか?

 →「チューリングテスト」「中国語の部屋」

40 of 51

アイデア 4:自然な相互作用

チューリングテスト(Turing test)

機械(=人工知能)の能力が、人間が行う「知的活動」と同等、もしくはそれと区別がつかないほどであるかを確かめるためのテスト

41 of 51

アイデア 4:自然な相互作用

「中国語の部屋」は、1980年に哲学者ジョン・サールが提唱した思考実験です。

「質問に正しく応対できていたとしても、質問の内容を理解しているとは限らない」ということを示す思考実験で、人間や人工知能の「意識」についての問題を考える際に用いられます。

42 of 51

アイデア 4:自然な相互作用

・チューリングテスト

・中国語の部屋

43 of 51

アイデア 4:自然な相互作用

・文法ダイアグラム

・構文解析ツリー

44 of 51

45 of 51

46 of 51

アイデア 4:自然な相互作用

AIが文章をどう理解するか、

自分の解釈と比較することで、AIの言語理解を探究できる

47 of 51

アイデア 5:社会への影響

48 of 51

アイデア 5:社会への影響

AIは、ポジティブな意味でもネガティブな意味でも社会に影響を与えることができる

(1) AIの意思決定の倫理

(2) AI技術の経済的影響

(3) AIと文化

(4) 社会を良くするAI

49 of 51

アイデア 5:社会への影響

(1) AIの意思決定の倫理 → 人種差別など

(2) AI技術の経済的影響 

(3) AIと文化 → 「アレクサ曲流して」

(4) 社会を良くするAI → 配送ロボ、自動運転

50 of 51

アイデア 5:社会への影響

・Wing2006の「CT」の4つの基本理念

  ①問題の分解 ②パターン認識 ③抽象化 ④アルゴリズム

・ISTEとCSTAの「CT」運用上の定義

 ①複雑性に対処する自信 ②困難な問題に取り組む粘り強さ

 ③曖昧さに対する体制 ④オープンエンドな問題に対処する力

 ⑤共通の目標や解決策を達成するために他者とコミュニケーションをとり協働する力

・「AIT ※津下(AIシンキング、AI思考)」は「CT」の中核概念を内包

    例)知覚、推論、学習 → ④アルゴリズム  例)表現 → ③抽象化

    例)言語の豊かさ、視覚的理解の妙 → 複雑・困難・オープンエンドな問題へ

・「計算(機)が実際に思考することができる」 弱いAIの思考を理解するのにCTが必要 

まとめ

51 of 51

アイデア 5:社会への影響

- 新しいツールやデモが登場し、学生にAI技術を体験させることが容易になりました。これらのツールの多くはブラウザ上で動作するため、リソースの乏しい学校でも利用することができます。

- 幼稚園児から12歳までのすべての生徒にコンピュータ教育を義務づける基準を採用する州が増えるにつれて、プログラミングが低学年にも浸透しています。つまり、AIについて学ぶときには、生徒はより高度な計算能力を身につけていることになります。

- 教師に対するAI専門家育成の機会も影響を与え始めるでしょう。コンピュータサイエンスは一般に学校での存在感が薄く、多くのコンピュータ教師は正式なコンピュータサイエンスのトレーニングを受けていません。それでも、少なくともデジタル・コンピュータの仕組みは理解しているし、初歩的なプログラミングのスキルも持っています。しかし、AIについて何か知っていると言う教師はほとんどいませんし、AIを定義することさえできません。今後数年間で、AIがコンピュータカリキュラムに組み込まれ、教師が自信を持ってAIを授業に導入できるようになることを期待しています。

- AIの技術は進歩し続けています。インテリジェント・エージェントは、より優れた会話者になりつつあります。掃除機ではないロボットコンパニオンが活躍できるニッチを見つけ、職場のロボットが一般化します。完全自律型の自動運転車はまだ20年も先の話でしょうが、貨物輸送や固定ルートでのシャトルサービスなど、それほど要求の高くないアプリケーションはすでに展開されています。AIが私たちの生活や文化の中でより大きな部分を占めるようになれば、K-12でAIを解明する必要性が広く認識されるようになるでしょう。 

まとめ