1 of 23

「執着を捨てる」ってどういうこと?

ブッダが教える四つの執着

執着とは

1

2012/7/21

2 of 23

Upādāna – 執着

  • Katamañca, bhikkhave, upādānaṃ? Cattārimāni, bhikkhave, upādānāni
  • 比丘たちよ、執着はいくつでしょうか?執着は四つです。
  • kāmupādānaṃ、diṭṭhupādānaṃ, sīlabbatupādānaṃ, attavādupādānaṃ.
  • 1.欲愛執着、2.見解執着、3.戒禁執着、4.我論執着です。

執着とは

2

2012/7/21

3 of 23

1.kāmupādāna –カームパーダーナ

  • kāmāとはこの場合、欲ではなく欲の対象なのです。
  • 眼・耳・鼻・舌・身・意という六つの感覚器官があります。
  • それらに、
  • 色・声・香・味・触・法という六つの対象が触れるのです。
  • この六つの対象に執着します。

執着とは

3

2012/7/21

4 of 23

2.diṭṭhupādāna -

  • diṭṭhiとは見解・意見・思考です。
  • 思考・概念などに感情が割り込んでいると「見解」になります。変えられません。
  • 感情はchanda(好み),dosa(怒り), bhaya(脅威), moha(無知) です。
  • 自分の見解が正しく、他人の見解は間違っていると思われる気持ち。
  • その気持ちは執着になります。

執着とは

4

2012/7/21

5 of 23

3.sīlabbatupādāna

  • 戒律・行・儀式・儀礼などに対する執着。
  • 道徳を守ることとは違います。
  • 特に、宗教の世界で語る行儀作法、儀式、苦行などです。
  • 迷信、神話、信仰に基づくものです。
  • インドでは、裸行、断食、苦行などは救済の方法だと思っていたのです。

執着とは

5

2012/7/21

6 of 23

4.attavādupāna

  • 我論・我説に執着することです。
  • 「私が」存在すると信じて執着する。
  • まことの自分が変化する肉体の中に潜んで存在しているという考えです。
  • インドでは沢山の我論がありました。
  • 最大の執着は自分に対する執着です。
  • 自分がいると思って自分探しをします。

執着とは

6

2012/7/21

7 of 23

執着の起源

  • 眼・耳・鼻・舌・身・意に
  • 色・声・香・味・触・法が触れる
  • 「触」(phassa)によって六の感覚組織(cha vedanā kāyā)が起こる。
  • 感覚によって、渇愛(taṇhā)が生じる。
  • 渇愛によって、執着が起こるのです。
  • 執着さえなければ、渇愛が無限に現れることはありません。

執着とは

7

2012/7/21

8 of 23

Anātha-piṇḍika居士

  • 仏法僧にお世話をする在家信徒の第一位と認められた方です。
  • 最後に、重病で臨終床に横になったのです。
  • Sārīputta尊者と Ānanda尊者が見舞いにいきます。
  • 治る見込みがないことを分かって、最後の説法をするのです。

執着とは

8

2012/7/21

9 of 23

サーリープッタ尊者の説法

執着を捨てましょう

Majjhimanikāya, sutta No.143

執着とは

9

2012/7/21

10 of 23

六つの感覚器官に執着を捨てる

  • Tasmātiha te, gahapati, evaṃ sikkhitabbaṃ
  • 居士よ、それなら、このように戒めなさい。
  • na cakkhuṃ upādiyissāmi, na ca me cakkhunissitaṃ viññāṇaṃ bhavissatī
  • 眼に執着しません。私の意識が眼に依拠しないように。
  • 耳・鼻・舌・身・意に執着しません。私の意識が耳・鼻・舌・身・意に依拠しないように。

執着とは

10

2012/7/21

11 of 23

六つの対象、六つの認識

  • 色・声・香・味・触・法に執着をしない。
  • 私の認識は色・声・香・味・触・法に依拠しないようにと戒める。
  • 眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識の執着を捨てる。
  • 私の認識は眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識に依拠しないようにと戒める。

執着とは

11

2012/7/21

12 of 23

触と感覚 – phassa & vedanā

  • 眼・耳・鼻・舌・身・意に起こる「触」に執着はしないのだ。
  • 私の意識は眼・耳・鼻・舌・身・意の「触」に依拠しないように。
  • 「触」とは六の感覚器官で情報を受け取ること。
  • 眼・耳・鼻・舌・身・意に起こる「感覚」に執着しないのだ。
  • 私の意識は眼・耳・鼻・舌・身・意に起こる感覚に依拠しないように。

執着とは

12

2012/7/21

13 of 23

外界・内界

  • paṭvī dhātu(地界), āpo dhātu(水界), tejo dhātu(火界), vāyo dhātu(風界),ākāsa dhātu(空界), viññāṇa dhātu(識界)に執着しないのだ。
  • 私の認識は地界、水界、火界、風界、空界、識界に依拠しないように。
  • この六は「自分」と「外」を構成する元素(?)なのです。(dhātu = elements)

執着とは

13

2012/7/21

14 of 23

身体を構成する五蘊

  • rūpakkhandha(色蘊), vedanākkhandha(受蘊), saññākkhandha(想蘊), saṅkhārakkhandha(行蘊), viññāṇkkhandha(識蘊)に執着しないのだ。
  • 私は色蘊、受蘊、想蘊、行蘊、識蘊に依拠しないように。
  • 生命とはこの五つの働きで、組織でできているのです。これ以外何もありません。

執着とは

14

2012/7/21

15 of 23

生命の次元は九つ

  • 欲界(地獄、人間、天界)、色界四つ(身体を持つ梵天)、無色界四つ(身体を持たない、識のみの梵天)四つ。これで、九つです。
  • この経典で無色界の四つしか説かれてない。
  • 私は空無辺処、識無辺処、無所有処、非想非非想処(想にも非ず、非想にも非ず)に執着しないのだ。
  • 私の認識は空無辺処…非非想処に依拠しないように。

執着とは

15

2012/7/21

16 of 23

この世あの世(此岸・彼岸)

  • na idhalokaṃ upādiyissāmi
  • この世に執着しないのだ、
  • na paralokaṃ upādiyissāmi
  • あの世にも執着しないのだ、
  • 私の認識はこの世にも、あの世にも依拠しないように。

執着とは

16

2012/7/21

17 of 23

一切の思考と概念を捨てる

  • yampi me diṭṭhaṃ sutaṃ mutaṃ viññātaṃ pattaṃ pariyesitaṃ anupariyesitaṃ anucaritaṃ manasā tampi na upādiyissāmi
  • 見たり、聞いたり、感じたり、認識したり、また思考や考察によって得た一切の概念に執着しないのだ。
  • 私の認識は思考や概念に依拠しないように。

執着とは

17

2012/7/21

18 of 23

Anāthapiṇḍika居士の感想

  • 居士は説法の終わりで泣き崩れるのです。
  • 「あなたは落ち込んだのか」とアーナンダ尊者が尋ねる。
  • 居士:違います。長い間、私は釈尊と比丘サンガと親密につき合っていたのです。しかし、このような感動的(ショックになる)な教えを聞いたことはありませんでした。今日、初めて聞いたのです。

執着とは

18

2012/7/21

19 of 23

Anāthapiṇḍika居士の感想

  • Sārīputta尊者:「居士、これは、在家に相応しい、理解できる教えではありません。出家にのみ適用する教えです。」
  • 居士:「では、お願いいたします。在家にもこのような威力のある法をこれから教えてあげてください。理解できる人もいるのです。」
  • 両尊者が出かけて、間もなく、居士が亡くなります。兜率天に生まれるのです。

執着とは

19

2012/7/21

20 of 23

釈尊

  • アナータピンディカ天が釈尊の前に現れて、礼をして、歓喜の偈を詠うのです。
  • 1.法王と仙人たちが住むこの祇園精舎は私に喜びを与える。
  • 2.善行為、智慧、法、道徳的な生き方でのみ、人の心は清らかになるのです。
  • 3.自分の幸福を望む理性のある人は、智慧で(法)真理を理解するのです。

執着とは

20

2012/7/21

21 of 23

釈尊

  • 4.完全たる戒を守って、智慧が備わっているサーリープッタ尊者は解脱に達している比丘たちの中ででも、最勝の方である。
  • 次の朝、釈尊この旨を比丘たちに告げられる。
  • アナンダ尊者:「尊師、その神はアナータピンディカ居士だと想います。彼は、誰よりもサーリープッタ尊者を尊敬していたのです。」
  • 釈尊:「貴方の推測は当たっています」。(完)

執着とは

21

2012/7/21

22 of 23

後書

  • Sārīputta尊者は居士を死ぬ前に阿羅漢果に昇格させようと想ったでしょう。
  • しかし、そこまでは成功しなかったのです。
  • お釈迦様も居士にこの経典のように難しい説法を一度もなさらなかったのです。
  • 相手に能力があっても、なくても。究極の境地に達するまで指導するのは仏弟子たちの仕事です。(失敗は覚悟の上で)

執着とは

22

2012/7/21

23 of 23

三宝のご加護がありますように

ご静聴を感謝いたします

生きとし生けるものが幸せでありますように

執着とは

23

2012/7/21