経済学ワークショップ2
第9回:仮説検定(1)
もくじ
はじめに
(Q)データの基本統計の計算や可視化はできるようになりました. 次は, 何をすればよいでしょうか?
(A)データについて理解がすすめば, いよいよ分析に入ります. 分析にもさまざまなレベルがありますが, 最初に仮説検定について紹介します.
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統計学の考え方
仮説検定を理解するには, 母集団と標本(サンプル)という考え方を知る必要があります. (P130-131)
母集団:調査対象となるすべてのデータ(例: 日本の全国民, 日本の全企業, 全小売店舗など)
標本:母集団のなかからランダムに抽出した一部のデータ(例: 住所が偶数の家計, アンケートに回答のあった企業)
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統計学の考え方
標本調査(サンプリング)のイメージ(P130)
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母集団
標本
サンプル
統計学の考え方
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母集団
サンプルA
今回の手元のデータ
サンプルB
サンプルZ
統計学の考え方
統計学の考え方(P130)
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母集団
標本
母集団は実際にはわからないことが多い
標本の性質から母集団の性質を調べる
推測統計
(推定・検定)
統計学の考え方
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総務省統計局「なるほど統計学園」より(https://www.stat.go.jp/naruhodo/7_shurui/zensu.html, 2025/11/10閲覧)
統計学の考え方
(練習) 統計学の考え方について, これまで学習した内容をまとめてみましょう.
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統計学の考え方(まとめ)
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母集団=全調査対象, 標本=一部の調査対象
母集団の調査は時間や費用など様々な理由で困難
標本データから母集団の性質について調べる
仮説検定の考え方
仮説検定の例(P122)
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仮説検定の考え方
仕入単価の目標値(70円)≠仕入単価の平均値(76円)
⇒ 目標値は嘘だとはいえない
(理由)
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仮説検定の考え方
(Q)どうすれば仕入単価の目標値が70円かどうかを検証できるだろうか?
(A)仮説検定という統計学の手法を使います. 「仕入単価の目標値は70円である」という帰無仮説のもと, 標本から検定統計量を作成し, その数値がたまたま生じたものか, それともたまたまとは言いにくいものかを判断します.
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仮説検定の考え方
仮説検定の一連の流れ(P126・129)
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①(母集団についての)帰無仮説を設定する
②標本から検定統計量(t値)を計算する
③確率分布からp値を計算する
④p値により仮説を検証する
仮説検定の考え方
④でp値が有意水準を下回る(p値<有意水準)
⇒帰無仮説「仕入単価の目標値は70円である」を棄却する
④でp値が有意水準を上回る(有意水準<p値)
⇒帰無仮説「仕入単価の目標値は70円である」を支持する
(※有意水準には, 一般的に5%という値がよく使われます. 詳しくは, テキストP142を参照してください.)
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仮説検定の考え方
帰無仮説が棄却されないケース
帰無仮説を棄却するケース
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仮説検定の考え方
(練習)次の帰無仮説は棄却されるか考えてみよう.
牛丼チェーンAの牛丼並盛に含まれる牛肉は, 一杯あたり100gと公表されている. 全国各地のA社の店舗をランダムに訪れて, 牛丼並盛を持ち帰り牛肉の量を計測した. 計測したデータをもとに, 帰無仮説を1杯あたり100gとしてt値を計算し, p値を求めると0.025となった. ただし, 有意水準は5%(0.05)とする.
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仮説検定の考え方(まとめ)
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標本から検定統計量を計算し, 帰無仮説を検証する.
検定統計量の値が起こる確率が高い⇒仮説は正しい
検定統計量の値が起こる確率が低い⇒仮説は間違い