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これからの教育って

どう変わるんだろう?

〜VRが拡げる教育の可能性〜

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(第1部)�17:00-17:10 導入ガイダンス/雨宮先生ご紹介(須田和博・博報堂UoC)

17:10-17:30 研究成果報告+今後の展望+質疑応答(須藤隼人・S高) 

『記憶の長期定着を目的としたVR教材の設計と教育効果の検証』

〜日本バーチャルリアリティ学会大会での成果発表の報告〜

17:30-18:00 N/S高でのVR教育の紹介+質疑応答

   (佐藤将大 / 氏原慎吾・角川ドワンゴ学園)

�(第2部)

18:00-1900 ディスカッション 

『これからの教育ってどう変わるんだろう?

〜VRが拡げる教育の可能性〜』

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東京大学 情報基盤センター 教授

 バーチャルリアリティ教育研究センター (兼務)

 総合文化研究科広域システム科学系広域科学専攻 (兼務)

 情報学環・学際情報学府 先端表現情報学コース(兼務)

 情報理工学系研究科 附属情報理工学教育研究センター(兼務)

雨宮 智浩 AMEMIYA Tomohiro

東京大学院情報理工学系研究科修士課程修了後、NTT研究員、

UCL客員研究員,東京大学大学院准教授を経て2023年より

東京大学情報基盤センター教授、バーチャルリアリティ教育研究

センター教授(兼務)、現在に至る。

総務省「安心・安全なメタバースの実現に関する研究会」構成員、JST創発研究者、日本バーチャルリアリティ学会理事、

ヒューマンインタフェース学会理事等を歴任。

人間の錯覚を利用した情報提示技術の研究に従事。博士(情報科学)。

近著に「メタバースの教科書:原理・基礎技術から産業応用まで」(オーム社, 2023年)

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研究成果報告

記憶の長期定着を目的とした

VR教材の設計と教育効果の検証

〜日本バーチャルリアリティ学会大会での成果発表の報告〜

須藤隼人・S高

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はやとくん資料(10分~15分)

&質疑

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須藤隼人

2021年、VRを活用した学習を行うコースである普通科プレミアム(現普通科)1期生としてS高等学校入学。以来VRにハマり、3年間VRと共にある高校生活を送っている。1期生として学内のVR利用の推進、イベントやワークショップなどの企画/運営を行いながら、VRを用いた教育の普及を目指す。また学外では、UnityエンジニアとしてXR領域でのソフトウェア開発を行う。

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0.仮説

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3年間VRを使い続けている

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普通科

VRを使った学習

VR以外で学習

どちらでも

普通科ベーシック

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ふと思った

→「VR使った方が覚えてるな」

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仮説

→「VRの方が教育効果高いのでは?」

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2023/3/18 - CFF

→「UoCと出会う」

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2023/3/18 - CFF

→「須田さんにこの仮説を持って突撃」

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UoC協力の元研究スタート

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更に学園&VCに協力要請

→今に至る

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1.背景

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幅広い領域でVR技術の活用が進んでいる

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特定の技能習得/認知スキル習得

(Jensen & Konradsen. Education and Information Technologies, 2018 )

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VR学習における学習内容の記憶定着

→体系的に整理されていない

(Smith. Psychonomic Bulletin & Review, 2019)

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長期記憶

陳述記憶

非陳述記憶

意味記憶

手続き的記憶

エピソード記憶

プライミング

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VR内での観察・体験を伴う学習

→記憶定着にどのような影響を及ぼすのか

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2.手法

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VR体験のグループ

比較実験

映像視聴のグループ

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VR体験のグループ

映像視聴のグループ

VR内の360°ディスプレイ

バーチャルな2Dディスプレイ内に

VR内の様子を動画表示

どちらもHMD装着

体験時間・授業時間・授業内容は統一

被験者への事前説明なし

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・授業の直後

・授業の実施から10日後

→定着度のテストを実施

実験授業

(直後)調査Ⅰ

調査Ⅱ

10日後

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3.結果

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「有志参加者17名」

17人のうち15人はVRを使用した経験あり

> 1カ月に1回以上使用 6人

> 1年に1回以上使用 4人

> 上記未満 6人

「実験群」9人「統制群」8人

VR経験・年齢に差異がないよう振り分け

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実験授業+テストI

2023/6/27

テストII

2023/7/7

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実験群 調査I:72.22%

調査II:65.67%

統制群 調査I:81.43%

調査II:67.14%

規格化ゲイン g で比較

実験群 g= -0.56

統制群 g= -0.77

正答率

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規格化ゲイン g で比較

実験群 g= -0.56

統制群 g= -0.77

微差ではあるものの

実験群に学習内容の記憶保持が見られた

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4.結論/展望

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・VR観察体験を含む教材

・HMDの装着有無など比較する変数を減らす設計

・VR観察体験の実験群では微差ながら学習内容の記憶保持が見られた

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・追加実験

→テスト回数を増加

→より長期的に経過を見る

→被験者の人数を増やす

実験授業

(直後)調査Ⅰ

調査Ⅱ

調査Ⅲ

10日後

1カ月後

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私が見る未来

→XR学習が”普通”になる

→XRがスマホを駆逐する

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5.コメント

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6.質疑応答

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角川ドワンゴ学園における

バーチャル教育の事例紹介

学校法人角川ドワンゴ学園 普通科推進室

佐藤将大, 氏原慎吾

1

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N高等学校 と S高等学校 とは

通信制高校の制度を活用した

「ネットの高校」

N高等学校は2016年4月に開校した

学校教育法第一条に定められた高等学校

2021年4月、2万人の定員到達予測

のため、S高等学校も開校

2

N高等学校 (沖縄)

S高等学校 (茨城)

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2022年5月現在、6275名の生徒がMeta Quest 2 を手に取り学んでいる

オリジナル制作された

 豊富なガジェット

3

2021年からメタバースで学べる 普通科 を開始

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AR・VRに関する教育プログラムを共同で展開

4

2022年9月、Metaと角川ドワンゴ学園がXR分野で提携

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イギリスの教育支援団体「T4Education」の�「World’s Best School Prizes」 イノベーション部門にて

5

2022年10月、「世界最高の学校賞」イノベーション部門のTOP3に

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従来型のオンライン教育の利点

Zoomやチャットツールを活用してコミュニケーションが可能

通学や移動に要する時間が�削減でき時間を有効に使える

1

2

学習教材を時間・場所を問わず自由に利用できる

3

6

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オンライン教育の課題

周囲の環境要因により�集中しづらい

非言語コミュニケーションを含む総合的なコミュニケーション力がつきづらい

1

2

運動不足になりがち

3

7

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VRで従来型のオンライン教育の課題を克服

VRはオンライン教育の弱点を克服する技術

360度視界の没入経験学習

非言語でシチュエーショナルなコミュニケーション体験

日々の運動や体感学習

周囲の環境要因により�集中しづらい

非言語コミュニケーションを含む総合的なコミュニケーション力がつきづらい

1

2

運動不足になりがち

3

8

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これまでのバーチャル教育実践事例

学園オリジナルの教材

1

2

3

ワークショップ等の課外授業

生徒間交流・学校行事・生徒主体のコミュニティ

9

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これまでのバーチャル教育実践事例

学園オリジナルの教材

1

2

3

ワークショップ等の課外授業

生徒間交流・学校行事・生徒主体のコミュニティ

10

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学園オリジナルの教材

VR授業+ガジェット+�全天球動画

VRxAI英会話

VR面接練習

VR授業とVR面接練習はQuest2アプリ VirtualCast、�VRxAI英会話はQuest2アプリ SmartTutor との提携によって実現

11

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VR授業+ガジェット (VirtualCast)

12

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VR面接練習 (VirtualCast)

進路指導スタッフとの1対1の模擬面接(60分)も可能

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AIxVR英会話 (SmartTutor)

AIが発音、スピード、姿勢、目線なども判断。英検3級、準2級、2級の面接対策もN/S高生専用コースとしてラインナップ。

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大学オープンキャンパス (VirtualCast)

駒澤大学、中央大学、近畿大学などのオープンキャンパスを体験。

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バーチャルツアー (VirtualCast)

京都にある世界遺産、仁和寺などの史跡や観光地を訪問。

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これまでのバーチャル教育実践事例

学園オリジナルの教材

1

2

3

ワークショップ等の課外授業

生徒間交流・学校行事・生徒主体のコミュニティ

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職業体験・ワークショップ・トークセッション

自治体等と連携した『職業体験』は宿泊を伴うものもあり、非常に豊かな体験の場に

グループを組み、様々なワークやコミュニケーションを通して能力を養うワークショップ

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職業体験・ワークショップ・トークセッション

様々なスペシャリストを講師に招き、興味・関心を深堀りするトークセッション

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合意形成を学ぶバーチャルワークショップ(ENGAGE)

授業のテーマは「合意形成」。バーチャル空間内でコミュニケーション能力や思考力を養う教育プログラム。

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群馬県と共同開催 VR空間内でものづくり体験 (MultiBrush)

群馬県の魅力を発信するバーチャル商店街をデザインし、3Dモデリングするワークショップ。

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AR・VRに関する教育プログラムを共同で展開

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2022年9月、Metaと角川ドワンゴ学園がXR分野で提携

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AR・VRに関する教育プログラムを共同で展開

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Meta社との共催ワークショップ

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これまでのバーチャル教育実践事例

学園オリジナルの教材

1

2

3

ワークショップ等の課外授業

生徒間交流・学校行事・生徒主体のコミュニティ

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学びの塔 (VirtualCast)

隈研吾氏設計の学びの塔。生徒のためのバーチャル交流空間。

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生徒交流会 (VirtualCast/Rec Room/VRChat)

ゲーム、ワールドめぐりの他、さまざまな交流イベントを実施。

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バーチャル遠足(VirtualCast)

初音ミク公式VRアミューズメントパークである「ミクランド」とタイアップしたバーチャル遠足には220名以上の生徒が参加

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バーチャル体育祭(VirtualCast)

2023年度は、バーチャルエクササイズ、ガトリング玉入れ、VR障害物競走などの競技を実施。

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バーチャル修学旅行 (VirtualCast)

2022年度実施のバーチャル修学旅行では、山口県長門市協力のもと、長門市の観光地をめぐるコースを設定。

「まくら投げ」や「お土産」などの修学旅行ならではの体験を提供。

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3年生を送る会 (Rec Room/VRChat)

卒業生を送り出すための専用ワールド(ルーム)や専用アイテムを自作。卒業証書には参加した卒業生の氏名が1枚1枚記載されている。

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生徒主体のコミュニティ ~バーチャルイベント実行委員~

教職員のサポートのもと、バーチャルイベントの月次開催を行っていく生徒の委員。2023年10月現在、30名で構成。

生徒交流会などの他、夏祭りなどの大規模なイベントを企画。

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バーチャル空間利用ポリシーの運用と適切な生徒指導

  • 相手を尊重し、相手が嫌がることをやめるという基本的なことから生徒指導していく必要がある

  • ポリシーの徹底と、録画および通報の促しをしている

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質疑応答

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ディスカッション 

これからの教育って

どう変わるんだろう?

 

〜VRが拡げる教育の可能性〜

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VRを教育に

「こう使ったらどう?」

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VRを教育に

「こう使って欲しい」

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語学学習の

ロール

プレイングに

仮想

成功体験

(ステージや運動など)

英語が身につく

強制的環境

(≒留学)

ビッグスケールな

図工・建築体験

男女の身体差

を超えた

体育の合同授業

失敗を恐れず

リアルな体験

(化学実験・家庭科)

魂で語り合う

道徳の授業

普段目立たない人も

堂々と発言できる

第三の居場所で

友達作り

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日本文化を

他者の視点で見る

概念の世界を

体験する

(数理や量子力学など)

極地・極寒

宇宙・別惑星など

(滞在不可能環境体験)

職業体験

(インフラ系)

別人主観

ボディシェア

(妊婦体験とか?)

被災体験

(地震・戦争)

環境問題の

現地主観

(汚染地区・森林火災)

メタバースの方が

ひと目を気にせず

集中できる

裁判所・法廷の

傍聴体験?

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別世界〇〇〇

〇〇〇

歴史〇〇〇

〇〇〇

〇〇〇体験

〇〇〇

ミクロ〇〇〇

マクロ〇〇

〇〇〇

〇〇〇主観

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