10. EXAMINING THE MULTIDIMENSIONAL LEARNING AFFORDANCES OF ROBOTICS FOR COMPUTATIONAL THINKING AND SCIENCE INQUIRY���<計算論的思考と科学的探究のためのロボティックスの多面的な学習アフォーダンスの調査>
大山哲志郎
ロボティックスの問題空間
From 209 page
第一の問題空間:ロボット装置(装置自体)、
第二の問題空間:画面ベースのプログラミング環境、
第三の問題空間:物理環境(生徒がロボット装置をテストする環境)
問題空間について説明し、15年にわたるこのテーマに関する研究から得られた生徒の学習事例を挙げます。
具体的には、以下について説明します。
ロボティックスの問題空間�第一の問題空間:ロボット装置
From 210 page
主にLEGO Mindstormsロボットキットを生徒と一緒に使用することに重点を置いてきました。
EV3は、大人の手のひらに収まる大きさのデバイスです。
ブリックには、サーボモーターなどの出力装置を接続ケーブルを差し込める4つのポートと、デジタルセンサーなどの入力デバイスを接続できる別の4つのポートがあります。
センサーの2種類のモード:
例えば、超音波センサーは、センサーと経路上の物体との距離を測定します。このセンサーを利用して、ロボットが室内の障害物を回避するプログラムを作成することができます。
上部:インタラクティブサーボーモーター(L,Mサイズ)
下部:超音波、カラー、ジャイロ、タッチセンサー
EV3本体(中央):ブリック(Brick)と呼んでいる
ロボティックスの問題空間�第一の問題空間:ロボット装置
From 210 page
問題空間としてのロボットのデザインは、正確なデザイン、物理的な構造、およびモーターとセンサーの正しい配線についてあれこれ考えます。
生徒たちは、最初は自分たちで十分だと思うロボット装置を開発しても、与えられた課題に対する解決策を考え出す過程で、デザインを見直す必要が出てくることがよくあります。
つまり、装置のデザインを最初の問題空間と考えるかもしれませんが、それは問題解決活動の期間中、ずっと繰り返される問題空間なのです。
上部:インタラクティブサーボーモーター(L,Mサイズ)
下部:超音波、カラー、ジャイロ、タッチセンサー
EV3本体(中央):ブリック(Brick)と呼んでいる
ロボティックスの問題空間�第二の問題領域:画面ベースのプログラミング環境
From 212 page
LEGO EV3ロボットのプログラミング方法は数種類ある。
論文ではLVLM(ドラッグ・アンド・ドロップ式のブロックベースのプログラミング環境)紹介。以下のようなブロックがある。
ロボティックスの問題空間�第二の問題領域:画面ベースのプログラミング環境
From 212 page
プログラミングブロックに加えて、
EV3をラップトップに接続すると、モーターがどのポートから接続されているか、センサーがどのポートに接続されているか、そのセンサーが実際に環境データを読み取っているかどうかをすばやく確認することができます。
プログラミング環境の学習や、ロボットのすべてのパーツが機能しているかどうかの確認が可能です。
ユーティリティ
ヘルプユーティリティ
ロボティックスの問題空間�第三の問題空間:物理的環境
From 213 page
FIRST LEGO Leagueのチャレンジマップ
フードファクター・チャレンジ(2011年の開催したイベント):
子供たちはチャレンジボード上で特定の大規模な食品製造ロボットのタスクを完了させながら、そうした製造による環境的な影響(例えば、乱獲による長期的な影響)を考慮するという課題が課せられました。チャレンジボードは、15種類の課題から構成されています。すべての課題には、その課題が解決しようとする現実世界で発生している問題の説明が含まれています。
FIRST LEGOリーグ(2011年)
ロボットを動かす物理的環境:
子供たちが参加するロボティックスイベントを毎年、各地域で開催する国際的なNPO団体が公開しているチャレンジマップを紹介
FIRST LEGO Leagueの「フードファクター・チャレンジ・ボード」
多面的な問題空間における学習�LEARNING IN THE MULTIDIMENSIONAL PROBLEM SPACE
From 214 page
Vygotskyan(1978)の視点に立つと、生徒はロボット環境において、道具とのインタラクション、生徒同士や教師との対話を通して学習します。以下のページで説明されている学習成果は、自由な発想と協調的な学習な学習を可能にする教育的アプローチによって実現されていることに留意することが重要です。
子どもたちが空間の中で自由に動くことが、学習にも貢献するのです(Dewey 1938/1997)。
つまり、子どもたちには解決すべき具体的な課題が与えられるべきですが、アクティビティそのものの中で、子どもたちはさまざまな解決策やさまざまなアプローチを探求する自由を持つべきです。
研究では、次の分野で生徒の学習と成長をサポートすることがわかりました:
この学習と成長は、多面的的なロボット環境のデザインアフォーダンス(デザインの意味)によってサポートされています
ロボットを使った学習について、それぞれの側面から順番に説明していきます。
1.システム学習�SYSTEMS LEARNING
From 214-125 page
例えば、ロボティックスに取り組む際、生徒は車両型ロボットを作ることがよくあり、車両の組み立て方が悪い場合、システム全体の性能に影響を及ぼす。課題の解決策には、組み立てミスを直す必要がある。
プログラムにエラーがあり、ロボットに転送しても実行できない場合も、生徒たちはプログラミングスペースに戻り、エラーを解決しなければなりません。
1.システム学習�SYSTEMS LEARNING
From 214-125 page
ロボティックスの長期夏期講習を受けた後、生徒のシステムに対する理解度が向上することを発見した。
10歳から12歳の小学5年生26名に105時間のロボティックスコースに取り組ませた。
システム思考力が、コース受講後、著しく向上
2.科学リテラシー�SCIENCE LITERACY
From 214-125 page
科学リテラシーとは
National Research Council(NRC)の定義
探究活動に従事する能力(以下)として様々に定義されてきた。
科学リテラシーには、以下の知識が含まれます。
次世代の科学スタンダード(NGSS)の定義
ロボティックスの学習環境では、生徒は、NRCとNGSSによって定義された多くの実践に参加する機会があります。
2.科学リテラシー�SCIENCE LITERACY
From 214-125 page
原因と結果、システムとシステムモデル、構造と機能など、生徒が取り組む分野横断的な概念をいくつかを特定しました。
例えば、ロボット装置でプログラムを書いて実行するというアクティビティー(問題空間1と問題空間2)によって生まれるフィードバックループは、生徒の原因と結果への関与をサポートすることがわかりました。
一方、特定の環境(問題空間1と問題空間3)で特定のタスクを実行するためにロボット装置を作ることは、構造と機能の概念に取り組むことをサポートします。
最後に、前述したように、生徒はロボティックスの学習環境で作業することで、システムの概念に取り組み、その理解を深めていきます。
2.科学リテラシー�SCIENCE LITERACY
From 214-125 page
NGSS(2013)は、科学と工学の実践を言及しており、以下が含まれています。
例えば、
計画は問題解決の一側面であり、
設計はプログラミング活動の側面であり、
デザインのテスト、結果の分析、デザインの修正はデバッグ活動を構成します。
トラブルシューティング・サイクル(TSC)の構成要素
トラブルシューティングサイクルはコンピュータによるアクティビティであり、NGSSによって特定された科学と工学の実践の側面であることが明らかです。
3.推論による論理的思考�INFERENTIAL REASONING
From 217 page
ロボティックスの3つの問題空間を横断する相互作用によるサポート
仮説の展開
(hypothesis development)
推論による論理的思考
(inferential reasoning )
課題:3つの模擬の洞窟環境を探索して、どの洞窟が最も快適に眠れるかを調べる
出典:立命館大学
問題空間1
ロボット装置
問題空間2
プログラミング環境
問題空間3
物理的環境
デバック作業
センサーによるデータ収集
ダンボールの洞窟
Robolabデータロガー
3.推論による論理的思考�INFERENTIAL REASONING
From 217 page
課題:3つの模擬の洞窟環境を探索して、どの洞窟が最も快適に眠れるかを調べる
ロボティックスの多面的な問題空間で作業することによって可能になります。
S:Sara
J:Javier
Teacher
Oh, you got (?)
4.抽象化�ABSTRACTION
From 220 page
ロボティックスの多面的な問題空間と反復的な性質は、抽象化のプロセスを支援します。
抽象化とは、問題に伴う複雑さを軽減するために詳細さを取り除くことを指します。
抽象化の目標は、問題の一般化可能な要素を特定することです。
17人の少女が参加した事例研究のビネット(サマリー)
2次元と3次元が相互作用するアクティビティは、生徒がプログラミングする能力やロボットの動きについて抽象的に考える能力を身につけるための強力なサポートとなります。
2次元
3次元
プログラミング言語
物理環境
5.創造的な問題解決�CREATIVE PROBLEM-SOLVING
From 223 page
ロボティックスは、他の学習形態(遊びや創造性も)も強力にサポートします。
ロボット装置は本質的に遊び心があると主張する。
5.創造的な問題解決�CREATIVE PROBLEM-SOLVING
From 223-224 page
ロボティックスは、他の学習形態(遊びや創造性も)も強力にサポートします。
Resnick(2003、2006、2014)は、LEGO brickなど、彼が開発するテクノロジーの中心にある遊びの役割について、しばしば議論してきました。
これは、Papert(1993)が強力に支持した「テクノロジーについてより深く学ぶためにいじくり回し(原文:tinkering)ながら、自分のものにする」という考えと一致しています。
さらに、ロボットデバイスの操作性(手に持つことができる)は、
車輪付きの乗り物として部屋の中を歩き回るように設計できる事実と一体となって
生徒との高度な相互作用を可能にし、生徒が物理的環境 (3 番目の問題空間)をどのように使用するか
創造的に考える機会を提供し、課題の解決を手助けしてくれます。
環境に影響された問題解決策を生み出すことに加え、生徒が装置そのものの使用を伴う解決策を作成していることがわかりました。
5.創造的な問題解決�CREATIVE PROBLEM-SOLVING
From 225 page
ロボティックスは、他の学習形態(遊びや創造性も)も強力にサポートします。
最後に、
私たちの調査では、問題解決への取り組みに加えて、生徒がロボティックスを使用した学習アクティビティからなる3つの問題空間に取り組みながら、コンピュータ処理の概念(原文:computational concepts)を強調する多くのアクティビティに取り組んでいることを示しています。
小学5年生の子どもたちがロボティックスの課題を解決する際に取り組むコンピュータ処理の概念について調べました。例えば、条件推論、プログラムの制御と流れの要素、入力/処理/出力の基本的な考え方などに、子供たちが取り組む機会があったことを発見しました。
5.創造的な問題解決�CREATIVE PROBLEM-SOLVING
参考情報
5.創造的な問題解決�CREATIVE PROBLEM-SOLVING
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参考情報
“創造的コンピューティング”とは
“創造的コンピューティング”とは、�創造性に関する事です。
�コンピュータサイエンスやコンピュータに関連する分野は、子供たちの興味や価値観とは別物として、長らく紹介されてきました。また、創造的な可能性よりも、技術的記述だけが重要視されてきました。
”創造的コンピューティング”は、子供たちの創造性、想像力、関心を引き出すことで、コンピュータとの関わり方を成熟させます。
“創造的コンピューティング”とは、�主体的な行為に関する事です。
コンピュータにアクセスする多くの子供たちは、デザイナーやクリエイターとしてではなく単なる消費者として関与しています。
“創造的コンピューティング”は、若者が日常生活で楽しんでいるさまざまな動的でインタラクティブなコンピュータ・メディア[訳注1]を創作するのに必要な知識、実践、および基本的なリテラシーを重要視しています。
“創造的コンピューティング”とは、�コンピュータ利用に関する事です。
子供たちは、コンピュータ作品の創作に関わることで、コンピュータサイエンティストやプログラマーとしてのキャリア以外の、より多くのキャリアを身に付けます。
“創造的コンピューティング”は、子供たちを“Computational Thinker(コンピュータ利用による思考者)”に成長させてくれます。すなわち、分野や背景を超えて、コンピュータ処理の概念、実践、そして人生の展望を描ける子供にしてくれます。
結び�CONCLUSION
From 226 page
要約
将来の研究の方向性
今後のCTの研究について
これらの新領域に特有の学際的な関係をさらに解明していく必要があります。�そうすることで 生徒たちの学習を支援する強力なカリキュラムと教育実践を開発することができます。