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こころはもともと悪?善?

仏教の立場から見た、「性善説・性悪説」

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こころの性質

  • Pabhassaramidaṃ, bhikkhave, cittaṃ. Tañca kho āgantukehi upakkilesehi upakkiliṭṭhan’ti
  • Axguttara Nikqya, eka nipqta, No.49
  • この心は輝く(無垢)ものである。それは客塵により汚れている。
  • 本来清らかであるはずこころが汚れているという意味なので、
  • 現実的に生命のこころは汚れているのです。

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こころの性質

  • 51. ‘‘Pabhassaramidaṃ, bhikkhave, cittaṃ. Tañca kho āgantukehi upakkilesehi upakkiliṭṭhaṃ. Taṃ assutavā puthujjano yathābhūtaṃ nappajānāti. Tasmā ‘assutavato puthujjanassa cittabhāvanā natthī’ti vadāmī’’ti.
  • 客塵によってこころは汚れていることは、真理を学んでない一般人は如実に知らないので、「その人には心の成長はありません」。

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解説

  • 性善説も性悪説も成り立つのではありません。
  • 善であるはずのこころは汚れているので、
  • 観察上、悪ですが、理論上、善です。
  • 現代科学の物質の話と似ています。
  • 純度100%のものは存在しない。

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倫理的な話

  • 「昔善かった、かつて善でした」などは無駄話。
  • 「頑張って元に戻る」とはあり得ない。
  • 悪のみは現実的です。
  • 悪を落とす努力も現実的、具体的、効果的なのです。
  • 努力の成果によって、初めて、善を実感するのです。

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良心・conscience

  • 人に「良心」があるから、こころは善と悪の混じり合った性質だとすると。
  • これは、矛盾です。
  • 良心があるにも関わらずなぜ、悪を犯すのですか?
  • 良心で行うことは必ず善行為だと断言できません。
  • 世には悪が遙かに多いので、人の良心は大してことではありません。

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良心は二次的現象

  • 良心とは学んで身につくものです。
  • 従って、人によって、良心の中身も強弱も様々です。
  • 一貫性もありません。
  • 欲、怒り、嫉妬、エゴなどは、学ばなくてもあるので、悪が一次的現象です。
  • 「不幸の結果になる悪行為はし易いが、幸福をもたらす善行為はとてもし難い。」

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悪は犯しやすい

  • Sukarqni asqdh[ni, attano ahitqni ca;

Ya/ ve hita` ca sqdhu` ca, ta/ ve parama dukkara/. Dhammapada , 163

  • 我々の本能というものは、やってはいけない、悪を簡単に犯せるように出来ているのだという意味です。
  • (良心の起源について後ほど、説明いたします。)

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生きるとは苦

  • 苦聖諦は仏陀に説かれた聖なる真理第一です。
  • これは、異論が立たない、現実であるとも説かれています。
  • その立場から考えると、生きることは好むものではなく、捨てるべきものになる。
  • であるならば、「本性は悪」だとするはめになります。

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感覚があるから生命という

  • 感覚がないものは、「物体・物質」です。
  • 感覚があるものは生命と定義できます。
  • ‘yaṃ kiñci vedayitaṃ taṃ dukkhasmi’nti
  • 感じるという何かがあるならば、それら全てを苦に属するのだと私が(釈尊)いいます。
  • 現実的な、楽・苦・不苦不楽を認めるが、無常たるものは苦という理論です。

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生かされる衝動

  • 生きるものは感じるのが苦です。
  • この苦を避けて楽を感じたいと努力する。
  • これが、生かされる衝動です。
  • 楽の感覚にしがみつくことは渇愛です。
  • そのまま、流れて生きることに何の意味も見いだせません。
  • たまに、楽・幸福を感じても、それも儚いものです。

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根本的性質とは

  • 善とも悪とも決定できるものではない。
  • 善を行い、悪を犯し、生きてみてもその生きることが苦以外なんでもありません。
  • 仏教は解く疑問は「命は尊いですか、生きることの意味は何ですか?」です。
  • 答えは:生きるとは苦の連続なので、「無意味」です。
  • 苦を乗り越えるという目的を作れます。

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良心の起源

  • 悪いことをすると、批判受けたり、他人から罰を受けたり、罰を怯えて逃げ隠れをしたりする経験があります。
  • 周りも、これ、これをやるなかれと躾をします。
  • 苦しみを受けたくはないという切望に依って、行うべきこと、止めるべきことを微妙に感じる。(これが良心です。)

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良心に個性があり

  • 生きる環境、育ち方、教育、文化、習慣に依って良心が変わります。
  • 信仰する宗教によっても、良心は変わります。
  • 生きている上での経験によって、向上したり、退化したり、場合によって完全なくなったりもします。
  • 故に、普遍性がない。共通性がない。

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良心は生きる基準にならない

  • 良心の声を聴いて、それに従って生きてみても、
  • 社会との、人との対立は避けられない。
  • それぞれの良心が質違いなので、「正義の味方」という悪人になってしまう。
  • 重大なポイントは、良心は正か邪か、善か悪か客観的に判断することはできません。

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Structural Model (id, ego, superego)

  • 一般人のこころの状況について、仏教の説明はいくらかSigmund Freudの分析に似ています。
  • 赤ちゃんは、idのみです。他人に無関心で、pleasure principleに従って生きる。
  • 三歳ごろになると、egoが現れます。他人のことも気にしつつ、idの要求に応じる。
  • 五歳から、superegoが現れる。

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Structural Model (id, ego, superego)

  • 他人に教えられた、倫理・道徳感でなりたっています。
  • Egoが人の主役で、superegoに非難されないように気をつけて、idの要求に応じることで、人生は成り立っている。
  • 強いてみると、性悪説になります。
  • 良心とはsuperegoのことで、強くなり過ぎると大変問題だとFreudはいう。(ref: allpsych.com)

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本性説と時間経過

  • 仏教は因縁論から、輪廻という概念を紹介します。
  • 輪廻に基づくと、起源、original cause, first cause, 原始因は成り立たない。
  • 過去の現象は変わって今の現象が起こり、今の現象が変わって、次の現象になる。
  • 従って、生命に対して性善説・性悪説は如実に考えない人の妄想になります。

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無視された要因~時間

  • 仏性、本覚、原罪などの概念は時間という因子を忘れるか、誤解しているかです。
  • First cause, original causeを推測しているのです。
  • 頭では「無限」を理解出来ないので、とりあえず、起源因を推測して、手を打つ。
  • 立証出来ない概念なので、妄想と感情以外なんでもありません。

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『無限』について

  • Anamataggoya/ bhikkhave, sa/sqro. Pubbq kowi na paññqyati avijjqn]varazqna/ sattqna/ tazhqsa/yojanqna/ sandhqvata/ sa/sarata/.
  • 比丘達よ、輪廻は不始点であります。無明と言う蓋に覆われて、渇愛に束縛されて彷徨って輪廻をする生命には「始点」を定めることは不可能であります。(不可知)(Sa/yutta Nikqya II, Anamatagga sa/yutta)

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無明の始点も不可知

  • ‘‘Purimq, bhikkhave, kowi na pa``qyati avijjqya – ‘ito pubbe avijjq nqhosi, atha pacchq samabhav]’ti. Evañceta/, bhikkhave, vuccati, atha ca pana pa``qyati – ‘idappaccayq avijjq’ti.”
  • 「ここから無明が現れた、以前なかった」と言うように無明の始点も定めることは不可能です。しかし、明確なことは「因縁によって無明が起こる」ということです。

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本性はどうなっている?

  • 輪廻の無限論に立つとそれは、苦しみの限りのない回転を意味しますので、
  • 性悪説に傾いているようです。
  • 無明、渇愛という心の汚れに始点が成立できないとするならば、こころの本性は悪だと、決めなくてはならない。
  • しかし、無限という時間因子を配慮するならば、決定することは、極論で間違いということになります。

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無明は悪か?

  • 知らない、知れないということは、悪だ、罪だと言うのは厳しいです。
  • Sa/yutta Nikqya, Mahqvagga Pqli, Magga sa/yutta, avijjq vagga, sutta no.1を参考にします。
  • ‘‘Avijjq, bhikkhave, pubbaxgamq akusalqna/ dhammqna/ samqpattiyq, anvadeva ahirika/ anottappa/”
  • 心が不善(悪)に染まる場合は無明が前兆になります。しかし、慚愧を除く。

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無明は悪か?

  • 無明があるから、不善、悪行為をするようになるのです。無明が不善の畑です。
  • 悪が豊作になるから、無明という畑のせいだと断言できますか?
  • 慚(悪い行為を恥じる気持ち)、愧(悪い行為を怖がる気持ち)がある場合は例え無明であっても悪を犯さないのです。(注:「除く」の意味)

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捏造論の立場から

  • 認識過程には必ず捏造してから知るというような、プログラムミスがあります。
  • 認識が起きて知ることをしますが、残念ながら、それが、誤知になる。正知ではありません。
  • 明確にすると、これは、「欠陥」であり、改良しなくてはいけない状態です。
  • 心の誤作動によって、心の本性は悪だと断言できない。

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現実を観る

  • 理論、理屈、宗教の話、形而上学的な説明などは要らない。
  • 妄想で、原罪などの神話概念も要らない。
  • 心理学者と同じく、現状を分析して、治療することが利己的な態度です。
  • 今、私のこころは何なのですか?
  • 悪なら、変える。善なら完成に励む。終わり。

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矛盾だらけの世論

  • 「人は原罪である」
  • ならば、創造した神が犯人で、人間には関係がありません。
  • 欠陥品を創造する神が全知全能ではない。
  • 大いに罪を犯しちゃえば良いのです。
  • しかし、罪を犯すたびに生きることは不幸になる。
  • 神父の前で、『私は罪を犯しました』と見覚えのない罪を懺悔するのは愚かな行為です。

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矛盾だらけの世論

  • 「一切の生命に仏性があり」
  • 極限に褒められた気分ですね。
  • 少々お待ち。
  • なぜ生きることは苦ですか?何故罪犯したくはなるが、善行為は嫌になりますか?それって、仏性?
  • 仏性とは、悪そのもの?

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矛盾だらけの世論

  • 「人は本来覚っている」(本覚思想)
  • 世界は「アホ」ばかりで溢れていますが、覚者は見当たりません。
  • 無駄な修行する坊さんは頭がいかれているか、苦しみの応援家か?
  • 自分の教理に対する反逆者なのか?
  • 「私が私になりたい」というようなtautology反復論です。

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性善説

  • 人が、生命が、心を性善説で説明することは、希望的観察か、現実を無視するか、です。
  • その人々は、現実的にある悪をどのように理解するのですか?
  • 性善説が正しければ、悪を犯してもこころは汚れないでしょう。
  • 危険な非道徳論になります。

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性悪説

  • 本性は悪であるならば、真理を知る興味も起こりません。
  • 悪を犯しても、文句を言ってはならない、批判してはならない。
  • 善人になるようにと、躾をしても、
  • それは、無駄の努力でしょう。
  • 危険な非道徳論です。

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結論

  • 命、生命、人などなどを言っても、変わらない、個体として、一定した存在ではありません。
  • 人の性質は瞬間的に変わってしまうのです。
  • 変わる過程は止まらないのです。
  • 因果法則を理解して、より幸福な生き方をするために、更に輪廻を脱出するために努力しなくてはならないのに。

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三宝のご加護がありますように

ご静聴を感謝いたします

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