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量子雑音、熱雑音、白色矮星連星からの重力波雑音を含めたDECIGO感度の最適化

名古屋大学理学部物理学科4年 川﨑祐輝

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目次

  • 動機
  • 先行研究
  • 新たに考慮する雑音源
    • 熱雑音
    • 白色矮星連星からの重力波雑音
  • シミュレーション方法
  • シミュレーション結果

  • 結果の考察
  • まとめ

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感度向上の必要性

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Frequency [Hz]

相関

(3年間)

Strain [Hz-1/2]

10-3 10-2 10-1 1 10 102 103

10-19

10-20

10-21

10-22

10-23

10-24

10-25

10-26

1クラスター

原始重力波(ΩGW~1×10-16)

原始重力波

GW~2×10-15)

  • プランク衛星の観測により原始重力波強度の上限が引き下げられた

  • 感度向上の手法
    • ミラーサイズの変更 (本発表)
    • 量子ロッキング(石川)

さらなる感度の向上が必要

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先行研究

  •  

3

課題点:量子雑音以外を考慮していない

さらに熱雑音白色矮星連星からの重力波雑音を考慮に入れ、最適なパラメータを決める

T. Ishikawa, et al. Galaxies (2021)

S. Iwaguchi, et al. Galaxies(2021)

白色矮星連星からの雑音の存在範囲

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熱雑音

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  • ミラー自身や周囲の環境の熱的な運動により生じるロス
  • 感度への影響が大きい2種類の熱雑音を考える。
    • 1.残留ガスの熱雑音
    • 2. 内部モード熱雑音

残留ガスによる熱雑音

内部モードの熱雑音

・・・

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残留ガスの熱雑音

  •  

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(2)

(3)

P:衛星内の圧力, m:ミラー質量, S:ミラー面積

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内部モード熱雑音

  •  

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R

r0

h

(4)

(5)

R

h

Y. Levin, et al. Phys. Rev. D (1998)

N. Nakagawa, et al. Phys. Rev. D (2002)

Y. Liu and K. Thorne, Phys. Rev. D (2000)

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  • 量子雑音・熱雑音ミラーの大きさの影響を受ける
  • ミラー形状について2パターン考える
  • 重さ一定 m=100kg
  • 厚さ一定

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重さ一定

厚さ一定

R=0.5m

R大

R小

(6)

 

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白色矮星連星(DWD)からの重力波雑音

  • 複数の信号がDECIGOの周波数分解能(ビン)の中に入ると雑音になる

  • 銀河系外DWDからのGWは≲0.1Hzの背景重力波で支配的
  • DWDは合体以降GWを放射しない

 →DECIGOの観測範囲の下限

=カットオフ周波数(合体時の周波数)

  • 0.07Hz, 0.1Hzの2パターンを考える

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銀河近傍で観測されるサイズのDWDのカットオフ周波数

典型的な大きさのDWDのカットオフ周波数

(先行研究と同じ)

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SNRの計算方法

  • 雑音のストレイン(1クラスター)

9

(7)

(8)

 

1クラスター

ショットノイズ

輻射圧雑音

残留ガス

内部モード

T. Ishikawa, et al. Galaxies (2021)

原始重力波観測

(2クラスター)

 

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最適化の方法

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各モデルで用いる値

パラメータ

変化させる範囲

R

0~1m

r

0~1

P0

0~100W

L

制限なし

パラメータ

各モデルにおける値

カットオフ周波数

0.07Hz/0.1Hz

衛星内の圧力

ミラー質量

変化させるパラメータ

計8通りのモデル

各Rに対してパラメータを変化させる

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カットオフ周波数0.1Hz

カットオフ周波数0.07Hz

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11

カットオフ周波数0.1Hz

カットオフ周波数0.07Hz

厚さ一定モデル

重さ一定モデル

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カットオフ周波数0.1Hz

カットオフ周波数0.07Hz

 

 

 

 

11

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12

カットオフ周波数0.1Hz

カットオフ周波数0.07Hz

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パラメータ

カットオフ周波数

0.1Hz

衛星内の圧力

ミラー質量

100kg(一定)

SNR (R=1m)

20

パラメータ

カットオフ周波数

0.07Hz

衛星内の圧力

ミラー質量

SNR (R=1m)

250

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カットオフ周波数0.1Hz

カットオフ周波数0.07Hz

カットオフ周波数が違ってもパラメータの特徴は同じ

カットオフ周波数0.07Hzの結果に注目する

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厚さ一定モデルの最大SNR重さ一定モデルの最大SNR

厚さ一定

重さ一定

 

 

ミラーの重さ+ミラーの厚さ

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厚さ一定

重さ一定

 

 

 

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厚さ一定

重さ一定

 

 

 

先行研究と同じ特徴

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厚さ一定

重さ一定

 

 

  • 各種雑音のパラメータ依存性から説明できる
  • r(ピンク):
  • 重さ一定モデル

 あるRでR依存性が変化

先行研究と異なる特徴

  • r(ピンク)
  • 厚さ一定モデル

  Rが大きいほどrは大きい

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各要素のR依存性

残留ガスの熱雑音

ガス分子との衝突が増えれば雑音も大きくなる

ミラー半径小

ミラー半径大

熱雑音

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ミラー半径小

ミラー半径大

熱雑音

内部モード熱雑音

 

各要素のR依存性

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ミラー半径R

回折ロス

Rが大きくなると回折ロスは小さくなる

各要素のR依存性

回折ロス

R

R

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ショットノイズ

R

R

ロスが小さいと共振器内のパワーが上がる

検出できるパワーも上がる→ショットノイズが小さくなる

ミラー半径R

ショットノイズ

各要素のR依存性

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  • あるRで支配的な雑音の種類が変わる

 R小:ショットノイズ、 R大:熱雑音

  • R大のとき、熱雑音のストレインを下げるために

 Lを伸ばす

  • Lが長くなると回折ロスの効果が大きくなる

 →rを小さくしてフィネスを下げ、ロスを抑える

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特定のRの前後でR依存性が変わる理由

R

R

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まとめ

  •  

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Optimization of design parameters for Gravitational Wave detector DECIGO including fundamental noises

共著者:Yuki Kawasaki, Ryuma Shimizu, Tomohiro Ishikawa, Koji Nagano, Shoki Iwaguchi, Izumi Watanabe,      Bin Wu, Shuichiro Yokoyama and Seiji Kawamura

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本発表の内容はGalaxiesに投稿予定

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最適なパラメータの決まり方

  • R,L,rを変化させてすべての雑音を同時に小さくすることはできない
  • →SNRを最大化するため、各雑音の大きさが0.1Hzあたりでバランスするように最適なパラメータが決まる。

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1e-8Pa, 質量一定モデルの最適化された雑音

(R=1m)