1 of 16

DA layer’s security

KIMURA Yu

2 of 16

はじめに

  • 赤色は残ってる論点

  • 日置: ロールアップの基本的な動作おさらい
  • 木村: モジュラーブロックチェーンのおさらい
    • 詳しくはtaneポッドキャスト木村回で
  • 木村: ノードの種類

3 of 16

モジュラーブロックチェーン

  • 4つのレイヤーそれぞれ特化したパーツを組み合わせてブロックチェーンを構成することでよりスケールさせるパラダイム。
    • Execution layer (木村訳: 執行層)
    • Settlement layer (木村訳: 調停層)
    • Consensus layer (木村訳: 合意形成層)
    • Data Availability layer (木村訳: データ可用性層)
  • 詳しくはtaneポッドキャスト木村回で

4 of 16

DA系プロジェクト比較 (Availのポジトーク)

5 of 16

ノードの種類

  • archive node
  • full node
    • そのうちの部分集合としてのvalidator node
      • ステーキングあり
  • light node
  • extended light node / DAS light node
    • ステーキングなし

6 of 16

3種類のブロック

L2 Execution

L1 Settlement

L1 DA

7 of 16

Sequencerの役割

L2 Execution

L1 Settlement

L1 DA

BlobTx

Rollup contract

DA attestation

Sequencer

State root

8 of 16

DAS light nodeの役割

L2 Execution

L1 Settlement

L1 DA

Rollup contract

Fraud proof

Validity proof

DAS

light node

DAS

light node

DAS

light node

9 of 16

データをwithholdしうるタイミングと主体一覧

誰が

誰に対して

なにを

A

Sequencer

L1 DA

BlobTx

B

L1 DA validator block proposer

L1 DA validator none block proposers

BlobTxを含んだL1 DAブロックデータ

C

L1 DA validator

L1 Settlement

DA attestation (e.g. Merkle proof + validator signaturesまたはKZG commitment)のもとになるBLOBデータ

D

DAS light node

L1 Settlement

Fraud proofチャレンジ時のtxデータ

Validity proof提出時のtxデータもしくはproofそのもの

10 of 16

データをwithholdしうるタイミングと主体一覧

対策

A

DAレイヤーがユーザーから直接txポストを受け付けるオプション提供により集中Sequencerへの検閲耐性を提供

https://celestia.org/learn/sovereign-rollups/misconceptions/

B

悪意あるブロック生成をしたblock proposerはstakeがslashされる、stakeしたトークンが暴落してしまうという経済インセンティブ

C

誤ったattestationを生成したvalidatorはstakeがslashされる、stakeしたトークンが暴落してしまうという経済インセンティブ

D

DA attestationとの照合により不正防止

11 of 16

Data Availability Committee

  • https://celestia.org/glossary/data-availability-committee/
  • data withholding attackが無コストで可能なのはこちらのモデル。
  • Celestiaはこのモデルに対する改善策としてL1バリデータモデルを採っている
    • https://blog.celestia.org/introducing-blobstream/
    • これにより正直多数仮定ではなくTIAトークンによるPoSセキュリティの継承になる
      • (と表現して良いのか?)
    • 経済インセンティブ以外の善意に依存しない
      • (と表現して良いのか?)

12 of 16

結託の組み合わせと攻撃コスト

  1. DAS light node間の結託
  2. Validator node間の結託
  3. DAS light node間の結託 + Validator node間の結託

1.2.の攻撃パターンはslashつき経済インセンティブやattestation照合で防ぐことができている。

3.の結託に関してはstakeのslashをすることはできないがPoSネイティブトークンのブランドが毀損し暴落するため、L1バリデータモデルでは3.の結託も攻撃コストがかかると言える。

13 of 16

DA層のpruningに関して

  • Optimistic rollup / Optimiumの場合は少なくとも
    • Fraud proofチャレンジ期間+Settlement layerファイナライズ時間
    • だけはデータを保全しなければならない
  • Validity rollup / Validiumの場合は少なくとも
    • Validity proof提出+Settlement layerファイナライズ時間
    • だけはデータを保全しなければならない
  • →それ以後はDA層のデータがpruningつまり剪定して捨てられても(アーカイブノードがなくても)L2のセキュリティに影響なし
  • Celestiaはそれらを満たすように”data recency window”を設定している

14 of 16

Data Availability Samplingの位置づけ

  • Namespaced Merkle Tree(AvailでいうApp Id)と組み合わせることで特定BlobだけをサンプリングできるためIPFSやEIP-4844 ProtoDankshardingより効率が良い
  • Celestiaの場合二次元リードソロモン符号によるイレイジャーコーディングつきのExtended Headerを用いて、フルノードでなくともExtended headerのみキャッチアップするDAS light nodeが誤り訂正つきでブロックを復元できる
  • DASの無いEIP-4844 ProtoDankshardingと比較してセキュリティモデルを変化させるものではなくスケーラビリティを向上させるパーツ

15 of 16

まとめ

  • 当初の論点は、data withholding attackを起こさないための枷が、DAS light node運営者のDAブランド維持のための善意や正直性にかかっているかどうか
    • 言い換えれば、やろうとおもえば無コストでdata withholding attackできるかどうか
  • data withholding attackが無コストで起こせるDACモデルに対する改善がCelestiaのL1バリデータモデルである
    • 正直多数仮定を外しPoSのセキュリティを導入した
      • (と表現して良いのか?)
    • ステーク額だけ攻撃コストがかかるようになった
      • 攻撃が発生するとPoSネイティブトークンはブランドが毀損し暴落する
        • DACだけでなく、この要素がないEigenDAも弱いかもしれない
        • BabylonやEigenLayerによるセキュリティ補強もほどほどにしないといけない
  • DASはスケール策であってEIP-4844からの差分にセキュリティモデルの変化はない

16 of 16

残ってる論点

  • L1バリデータモデルにおいて、攻撃が起こるとDAブランドが毀損し自分がステークした額が暴落することが予期されることが、slashできるわけではない3.の結託を抑止している。
    • DAC, EigenDAは抑止できていないのは前述の通り
  • 木村: ネットワーク攻撃すると自分がステークした額が暴落して大損こくというのはPoSの立派なエコノミクス・セキュリティの一部だという定義をしていた。3.の結託はPoSのセキュリティで守られているという表現をした。善意や正直性ではない経済合理性である。
  • 日置: slashingはPoSのセキュリティと言っていいけど、暴落予期による不正抑止はPoSのセキュリティと表現するべきではない。したがって3.の結託はPoSのセキュリティで守られているという表現は不適当。善意や正直性の一種。