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大学授業料値上げ問題から考える�吉田寮第一審判決の意義�����駒込武(京都大学教育学研究科教員)��2024吉田寮祭企画�吉田寮第一審・判決解説会�2024年5月31日@文学部第3講義室

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東大授業料値上げ方針に対する学生の声

「⼤学⾏政の現状に抗議する学⽣有志」による「学生の声を聴け!」よりhttps://drive.google.com/drive/u/0/folders/1O1vL3yhZF40PfUKdCcjrzlnS99CbZGXZ

  • ”⼤⼤⼤⼤⼤激怒しています。学費値上げ⼤反対です。/学⽣⽣活の苦しみを知っていますか?私には教授も経営陣も同級⽣の富裕層もみんな分かってないと思います。単位取得は厳しく就活も忙しいのにバイトもしなくてはならず⼀⼈暮らしなら特に家事も重なります。寝る時間はなく⼼⾝ともに健康な⼈を⾒かけていません。 ”(教養学部・3年)
  • ”本来勉学とは、出⾃や属性、社会的地位に関係なく全ての⼈に与えられた権利のはず。/差別や格差のない社会を実現するために東⼤で学びたいと思ったのに、その東⼤が格差を助⻑するなら、⼀体何のために、何を希望にして学んでいけばいいのでしょうか。”(法学部・4年)

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授業料値上げ問題を考えるポイント

  • 経常収益に占める公費(国公立大学の場合には運営費交付金、私立大学の場合には経常費等補助金)の割合には国公立大学と私立大学で格差。
  • 国公立大学の場合にも予算規模をめぐって大都市と地方都市で地域間格差。
  • 大学学ぶ若者と中卒・高卒で働く若者の格差。

→様々な格差があるから「恵まれた」環境にある東大生の授業料は値上げされてもしかたない?

→だが、その選択肢はますます富める者しか東大に入れない状況をつくる。

→格差の是正は、若者が希望すれば(世帯収入の差にかかわらず)大学で学べる方向=すべての大学の授業料を低廉化する方向でなされるべき。

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政府は高等教育を漸進的に無償化する責務

  • 経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規約(社会権規約)13条2(b)及び(c)
    • (b)種々の形態の中等教育(技術的及び職業的中等教育を含む。)は,すべての適当な方法により,特に,無償教育の漸進的な導入により,一般的に利用可能であり,かつ,すべての者に対して機会が与えられるものとすること。
    • (c)高等教育は,すべての適当な方法により,特に,無償教育の漸進的な導入により,能力に応じ,すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること。
  • 2012年9月、民主党政権下に下線部分にかかわる留保を撤回

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/tuukoku_120911.html

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ところが、自公政権の大学政策は逆方向…

  • 大学の基盤的経費として投入する公費を削減すると同時に、「機能強化経費」と称して政府の意向に沿った「改革」を行った大学に対しては若干の上乗せ。
  • 大学に対して公費以外の収入の増大を求める。知的財産にかかわる収入のほか、クラウドファンディング、土地の貸付けによる収入、大学債の発行による収入
  • →自公政権にとっては一石三鳥!土地貸付けや大学債は大企業や内外の投資家に新たなビジネスチャンスを与える。大学から削った予算を、自公政権の支持基盤たる大企業(三菱重工のような軍需産業を含む)に振り向けることができる(他方、大学に予算を回しても「中抜き」もできないし、票にもならない…) 。しかも、予算で締め上げれば締め上げるほど大学執行部は従順となり、不穏な学生や教職員を沈黙させるために尽力する。

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東京大学の財務状況はなぜ悪化?

  • 長期借入金 499.41億円

  • 支払い利息  5.31億円
  • 長期借入金     366.85億円
  • 国立大学法人等債 300億円
  • 支払い利息       7.88億円

2020年に大学債200億円 年利0.823%=1.65億円 年限40年

2021年に大学債100億円 年利0.853%=0.85億円 年限40年

東京大学FSI債(投資家向け情報)

五神真元東大総長「産業界が維持できなくなった中・長期のための投資の受け皿を大学につくる」(「Society 5.0(知識集約型社会)ヘの社会変革と大学の役割」2017年10月4日)

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世界と日本の違い

  • 甘利明:日本の大学が変わらなければいけないのは、そこだ。世界の大学を見ても、スズメの子のように口をあけて、親スズメが餌を運んでくれるのを待っている大学はない。…口を開けて親が餌を運んでくるのを待って、少ないと「親の働きが悪い」とピーピー騒いでいるだけなんだ。(「異見交論 第1回 国立大学は「知識産業体」の自覚を」2019年)
  • 餌を運ぶ親スズメは納税者。大学では授業料を払う学生たち。口を開けて待っているのは与党議員ではないか…

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東大授業料値上げ方針に対する学生の声(続)

  • ”未来へと使われるためにわたしたちが政府に託したはずのお⾦は、政府関係者とその「おともだち」に浪費され、現在に空費され、未来に負債ばかり残しているのが現状です。それは今まで⽬を光らせてこなかったわたしたちの責任、もっと⾔えば、わたしがまだ選挙権を持たなかった頃にも⽬を光らせてくれなかったあなたたちの責任です。もう、政府の⾔いなりになるのはやめにしませんか。
  •  ⽬を光らせましょう。許してはいけないわたしたちのお⾦の使われ⽅を、ひとつひとつ断罪していきましょう。それは今までもこれからも、⼀部の⼈々に任せればいいものなどではなく、わたしたちひとりひとりがやるべきことなのです。
  •  国全体で教育にお⾦をかけることは決して贅沢などではなく、未来への投資です。未来を担う⼈材への投資、すなわち未来を創っていくことです。それはわたしたちが今、断じて失う余裕がないものに他なりません。”(総合⽂化研究科・修⼠1年)

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どうすればよいのか?―それぞれの大学で

  • 学生は授業料を払うべき立場にあるのだから(実際に授業料を払っているか否かにかかわりなく)大学の収入・支出に対して意見を述べる権利を持つ。大学執行部は収入・支出について説明する責務をもつ。
    • Cf. 「ぐしゃりん」さんのつぶやき:「大学の意思決定に1番人数多くて、金まで払っている学生が参加できなくて、どこぞの誰かも知らんたった8人の理事さんたちがお金もらってドンドン決めてくの意味わかんなくね?
  • 各大学での執行部へのつきあげを通じて、大学執行部が政府に異論を提起せざるをえない状況をつくりだす。
  • 吉田寮訴訟第一審判決において吉田寮自治会が「法人格なき社団」として認められたことは、学生を含む大学共同統治への第一歩たりうる。「本件自治会は、京都大学に学籍を置く吉田寮の在寮生で構成される団体で、団体としての組織を備え、構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続しており、多数決の原則が行なわれ、その組織によって代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定している。」

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どうすればよいのか?―学外において

  • 昨年末の国立大学法人法「改正」案に賛成した政党の議席を1議席でも削る。
    • 上西充子(@mu023)「野党もだらしない」というのは呪いの言葉。いかに自らを呪いから解き放つか。
    • 三春充稀(@miraisyakai)「政局を語る人は多くても、選挙や世論を語る人は少ない。採決の土壇場で声を上げても、その採決を可能とする議席は何年も前の国政選挙ですでに決まっている」

国立大学法人法の改正案に

自由民主党

賛成

公明党

賛成

日本維新の会

賛成

国民民主党

賛成

立憲民主党

反対

日本共産党

反対

れいわ新選組

反対