1 of 25

小脳について

2 of 25

小脳の働き

  • 小脳は、協調運動と運動学習に関わる脳領域である

大脳から送られる運動情報を受け取り(フィードフォワード情報)、

筋紡錘から運動結果の感覚情報を受け取る(フィードバック情報)

両者の情報が比較され、そのずれを修正することにより、筋活動のタイミングの補正・調整を行い精密で円滑な運動を可能にする

(運動学習)

3 of 25

小脳の構造

  • 小脳は橋の背側に位置し、左右の半球と間にある虫部、片葉小節葉からなる
  • 上小脳脚、中小脳脚、下小脳脚の3つの小脳脚によって脳幹とつながっている
  • 小脳機能は大きく、大脳小脳、脊髄小脳、前庭小脳の3つに分けられる

4 of 25

小脳の構造

  • 大脳小脳(新小脳)

大脳小脳神経回路に関係

  • 脊髄小脳(旧小脳)

脊髄小脳回路に関係

  • 前庭小脳(古小脳)

前庭小脳回路に関係

5 of 25

小脳の障害による症状

  • 小脳性運動失調

1)体幹運動失調

2)四肢協調運動障害

  • 筋緊張低下
  • 眼振
  • 構音障害
  • 姿勢制御障害
  • 高次脳機能障害
  • 運動学習障害
  • 嚥下障害     ・・・等

6 of 25

運動失調

  • 運動失調とは、「麻痺や意識状態の低下が無いにもかかわらず、筋が協調的に働かないために円滑に運動・動作が遂行できない状態」を言う

7 of 25

運動失調

  • 測定障害(dysmetria)

距離の測定が過不足に生じる事で、目的動作が正しく行えない

  • 交互反復運動障害(adiadochokinesia)

筋の相互の動きが時間的に協調することが困難になる

  • 共同運動障害(asynergia)

複雑な動きを段階的かつ協調的に働かせることが出来ない

  • 時間測定異常(dyschronometria)

筋収縮が正常よりも遅延し、最大収縮までに時間を要する現象

8 of 25

小脳性以外の運動失調

  • 迷路性運動失調

前庭系(頭の傾き・回転等の運動に関与)に障害がある事で生じる運動失調

  • 脊髄性運動失調

深部感覚(筋・腱・関節からの感覚)による障害に起因する運動失調

  • 大脳性運動失調

大脳の病変により起こる運動失調(主に小脳失調に近似)

  • その他

末梢神経障害・・・等

9 of 25

運動失調の鑑別方法

10 of 25

小脳の脳画像

11 of 25

小脳の脳画像

①上小脳脚

②小脳虫部

③小脳中間部

④小脳半球

12 of 25

小脳の脳画像

①中小脳脚

②歯状核

③小脳半球

④小脳中間部

⑤小脳小節

⑥小脳虫部

13 of 25

小脳の脳画像

①小脳片葉

②小脳中間部

③小脳半球

④中小脳脚

⑤小脳虫部

14 of 25

大脳小脳系の役割

  • 大脳小脳系では随意運動の調整や組み立てに関して予測的な誤差信号に基づいて運動指令を生成(学習)し、出力している(フィードフォワード制御)
  • 大脳小脳系の障害では、運動開始の遅延、運動速度の低下、運動失調等の症状を呈する

15 of 25

大脳小脳系の役割

  • 認知機能にも関係しており、認知ループの破綻により遂行機能障害、言語障害、視空間認知障害、人格障害を呈する場合がある(CCAS)

16 of 25

大脳小脳系の経路

  • 入力系①

運動前野(前頭橋路)→橋核→(交叉)→中小脳脚

→小脳半球外側部→歯状核

  • 出力系①

歯状核→上小脳脚→(交叉)→視床(VL核)

→運動野(外側皮質脊髄路)

  • 入力核②

下オリーブ核→(交叉)→下小脳脚→小脳半球外側部→歯状核

  • 出力核②

歯状核→上小脳脚→(交叉)→赤核(赤核脊髄路)

17 of 25

脊髄小脳系の役割

  • 意識に上らない深部感覚(脊髄小脳路)を処理し、体幹、四肢の筋緊張を調整し、身体のバランスや自動性の高い運動の調整を行う(フィードフォワード制御)

  • 脊髄小脳系の障害では、体幹や上下肢近位筋(虫部)、遠位筋(中間部)の緊張低下、運動失調等の症状を呈する

18 of 25

脊髄小脳系の経路(虫部)

  • 入力系
  • 腹側(背側)脊髄小脳路→上(下)小脳脚→小脳虫部→室頂核
  • 出力系①
  • 室頂核→上・中小脳脚→両側網様体(網様体脊髄路)・前庭神経核(前庭脊髄路)
  • 出力系②
  • 室頂核→上小脳脚→(交叉)→視床(VL核)→運動野(前皮質脊髄路)

19 of 25

脊髄小脳系の経路(中間部)

  • 入力系
  • 腹側(背側)脊髄小脳路→上(下)小脳脚→小脳中間部→中間核
  • 出力系①
  • 中間核→上小脳脚→(交叉)→赤核(赤核脊髄路)
  • 出力系②
  • 中間核→上小脳脚→(交叉)→視床(VL核)→運動野(外側皮質脊髄路)

20 of 25

前庭小脳系の役割

  • 前庭脊髄路の調節や前庭動眼反射に関与し、外眼筋、頸部筋、体幹抗重力筋などのフィードバック調整に関与し、特に体軸の維持を行う
  • 前庭小脳系の障害では、主に運動失調、体幹失調、眼振等の症状を呈する

21 of 25

前庭小脳系の経路

  • 入力系

前庭神経→下小脳脚→片葉小節葉→室頂核

  • 出力系

室頂核→上・中小脳脚→両側脳幹網様体(網様体脊髄路)・前庭神経核(前庭脊髄路)

22 of 25

脊髄小脳系・前庭小脳系のCPGの関与

  • 歩行中、脊髄のCPGの活動に関する情報は遠心性コピーとして腹側脊髄小脳路を介して小脳に送られる

  • 各体性感覚の情報は背側脊髄小脳路を介して小脳に送られている

23 of 25

内部モデルの形成

  • 苔状線維からフィードフォワード情報(大脳小脳系)をプルキンエ線維に送る
  • 登上線維から運動のフィードバック情報(脊髄小脳系・下オリーブ核小脳路)をプルキンエ線維に送る
  • 不必要な運動を抑制し(長期抑制)、誤差を修正した運動情報をプルキンエ線維から小脳核を通して大脳へ送る(内部モデルの形成)

24 of 25

内部モデルの形成(順モデル)

順モデルとは、実際に動作をおこなう(原因)前にその動作の運動(結果)を予測し、誤差を事前に修正するという、 運動の指令(原因)から運動(結果)を予測するのに使われる内部モデルである。

この場合、実際に動作をおこなっ ている場合でも、結果が戻る前に誤差を修正することができることで、円滑な動作へと導くことができる。

25 of 25

内部モデルの形成(逆モデル)

逆モデルとは、実際の動作(結果)から運動指令(原因)をつくるモデルであり、望みの運動の結果を入力すると、その運動を 実現するような運動指令を計算する内部モデルである。