河川がつくる地形(氾濫原)と 人々の生活
氾濫原における人々の生活の特徴を考えてみよう!
①氾濫原における人々の生活はどのようなものか?
②氾濫原ではどのような災害のリスクが考えられるか?
グループワークのお題
氾濫原とは?
河川の氾濫によって形成される低地
→低地での河川の氾濫により、
蛇行した流路が見られる
傾向にある。
google earth
氾濫原とは?
図のどこに集落がある?
→河川の流路に沿って集落
が分布している。
→一見、洪水被害を受けそう
で危険な気がするが…?
なぜこのような分布?
google earth
氾濫原を説明するにあたって
河川の氾濫によって形成される低地
【主な氾濫原にみられる地形】
・旧河道:過去に存在した河川流路の跡
※旧河道が氾濫の結果、短絡して湖となる=三日月湖(河跡湖)
・自然堤防:砂等が流路沿いに堆積してできた微高地
・後背湿地:自然堤防の背後にできる低湿地
氾濫原にみられる地形の形成過程
河川の断面図で考えてみよう
氾濫原にみられる地形の形成過程
河川が氾濫すると、低地には水が溢れる。
氾濫原にみられる地形の形成過程
河川が氾濫すると運ばれるのは水だけではない。
土砂が流路の両岸に運ばれる。
大きな粒子の土砂
小さな粒子の泥
氾濫原にみられる地形の形成過程
氾濫した水が引くと、流路沿いに自然堤防と呼ばれる微高地、
自然堤防の背後に後背湿地とよばれる低湿地が形成される。
自然堤防
後背湿地
氾濫原にみられる地形の形成過程
自然堤防:微高地であり、粒子の大きな土砂でできている
→水はけがよく、集落・道路・畑・果樹園などに利用される
後背湿地:低湿地であり、粒子の小さな泥(水)が残ってできている
→水はけが悪いが、水利の整備を行い水田などに利用される
自然堤防
後背湿地
氾濫原にみられる地形を地図で見てみると
地理院地図より作成
蛇行した跡のカーブ
が濃い緑で示されている
=旧河道
※図上部の旧河道には細長く切り取られた三日月湖もみられる
スライド10の地図作成の方法
スライド10の地図作成の方法
流路が変化してきたことを確認しよう
1910~1911年の地図 現在の地図
2枚の地図を比べてみよう!
今昔マップより作成
流路が変化してきたことを確認しよう
1910~1911年の地図 現在の地図
旧河道Aは約100年前は流路であった!洪水の結果、短絡してきたことがよくわかる!
今昔マップより作成
氾濫原の凹凸
主な土地利用
全体的に水田は多め。
畑・集落は微高地に
分布する。
この微高地の分布から
自然堤防が見られる
ことを確認する。
→実際にどのくらいの
高さの凹凸があるの
かというと…
地理院地図より作成
氾濫原の凹凸
氾濫原における凹凸は
微細なものである。
下記凡例の高さに注目!
地理院地図より作成
氾濫原の凹凸
図中のA-Bの断面図
青:旧河道・現在の河道
赤:自然堤防
地理院地図より作成
A
B
A
B
スライド16の地図作成の方法
地図の地点指定は割愛
・地図を重ね合わせる
→画面左上の「地図」ボタンを押す。
→左側のメニューから、
標高・土地の凹凸 > 自分で作る色別標高図
の順に地図を選択。
→高低差・色を指定するウィンドウ内の数値や色を変更可能
氾濫原ということは?
【メリット】
水田に近い=稲作が可能で食糧の確保が可能
【デメリット】
洪水時に浸水するというリスクがある。
→微高地の自然堤防上に集落を設ける!
スライド14・15の集落の分布でもう一度確認してみよう!
※ハザードマップの確認も近年では、重要です!
実際の災害の事例
平成27年9月関東・東北豪雨
常総地区の例
浸水直後の地図(左)と約2週間後の地図(右)の比較
→自然堤防上の集落は浸水を免れたものもあるが、後背湿地の浸水は
明らかである。
後背湿地にも開発が…!
その他、洪水対策の例
その他、洪水対策の例
放水路:河川の洪水を防ぐために、川の流路の途中に分岐を作り、
海へ流れやすくする工夫を施したもの。
→都市部では、この分岐を地下に作るものもある。
例)首都圏外郭放水路
事前に予約をすれば、内部の見学もすることができる。
壮大な設備が、観光名所ともなり、メディアにも取り上げ
られている。
おまけ 発表者勤務校の事例
城北中学校・高等学校
…東京都板橋区南西部に位置し、石神井川の流路に近い学校である。
校舎とグラウンドの高低差があることや河川の暗渠もみられる。
氾濫原~河岸段丘に位置する事例として活用可能。
※中学1年生の授業では、学校周辺の巡検を行っている。
おまけ 発表者勤務校の事例
スライド25の地図作成の方法
ひなたGISにアクセス
→地図画面の右上の右から3番目の「2画面」のボタンを押す
→2画面になった地図の左側の地図画面の右上の「背景」ボタンを押す
→開いたメニュー中「古地図フォルダ」→「迅速測図等フォルダ」
→「迅速測図(関東)」を選択
※その他、「背景」→「古地図フォルダ」→「今昔マップフォルダ」
→「首都圏フォルダ」からも複数の地図を重ねています。
参考資料
本スライドに登場したもの、それ以外のものもまとめた
Google Earthのプロジェクトです。
ご参考になるものがあれば、お使いください。
https://earth.google.com/earth/d/1uqqj-WZO3pfXZpMFExdh_EtRah6emAqf?usp=sharing
小嶋俊介(城北中学校・高等学校)
この教材はクリエイティブコモンズライセンス(CC BY 4.0)に基づいて使用許諾されています。
Credits
教材作成者
監修
ライセンス