鹿児島県総合教育センター
特別支援教育研修課
高等学校における特別支援教育の推進
② 個に応じた指導・支援と
学校における合理的配慮
個に応じた指導・支援
小・中学校,高等学校等の�通常の学級における特別な教育的支援
児童生徒一人一人の障害の程度や特性などを踏まえた
指導・支援
通常の学級に在籍する学習障害,注意欠陥多動性障害や高機能自閉症(診断されていない者も含む)への支援
学級担任,教科担任,養護教諭等
特別支援教育コーディネーター
校内委員会(全校支援体制)
校内研修等の充実
・ 弾力的なメンバー編成
・ 会議の目的の明確化,時間配分の提示
・ 小グループによる協議 など
複数指名,役割分担 など
校内委員会が機能するために
合理的配慮と基礎的環境整備
適切な支援がないと相互作用がうまくいかず,行動の悪循環が起こる。
相互作用
個人
環境
友達
教室
教材
個人と環境の相互作用をよくする
児童生徒
教師
個人の行動のレ
パートリーを拡大
する
環境を整える
合理的配慮と基礎的環境整備の関係
国,県,市町村,学校等による
環境整備
Aさんのための合理的配慮
Bさんのための合理的配慮
合理的配慮
合理的配慮の基礎となる環境整備
(基礎的環境整備)
基礎的環境整備
ネットワークの形成�多様な学びの場の活用
専門性のある指導体制�の確保
「個別の指導計画」�「個別の教育支援計画」の作成等による指導
教材の
確保
施設・設備の整備
専門性のある教員,支援員等の人的配置
個に応じた指導や学びの場の設定等による特別な指導
交流及び�共同学習の�推進
国・県・市町村,学校等による環境整備
学校における合理的配慮の観点
1 | 教育内容・方法 | (1) 教育内容 ① 学習上又は生活上の困難を改善・克服するための配慮 ② 学習内容の変更・調整 (2) 教育方法 ① 情報・コミュニケーション及び教材の配慮 ② 学習機会や体験の確保 ③ 心理面・健康面の配慮 |
2 | 支援体制 | (1) 専門性のある指導体制の整備 (2) 幼児児童生徒,教職員,保護者,地域の理解啓発を 図るための配慮 (3) 災害時等の支援体制の整備 |
3 | 施設・設備 | (1) 校内環境のバリアフリー化 (2) 発達,障害の状態及び特性等に応じた指導ができる 施設・設備の配慮 (3) 災害時等への対応に必要な施設・設備の配慮 |
合理的配慮の具体例
(参考)合理的配慮の例
視覚障害(弱視)のAさん 【状態】矯正視力が0.1で,明る過ぎると まぶしさを感じる。黒板に近付け ば文字は読める。 〇 廊下側の前方の席 〇 教室の照度調整のためにカー テンを活用 〇 弱視レンズの活用 | 学習障害(LD)のCさん 【状態】読み書きが苦手で,特にノート テイクが難しい。 〇 板書計画を印刷して配布 ○ 文字を拡大したプリント 〇 タブレット端末等によ る板書撮影や授業中の教 員の説明等の録音 |
肢体不自由のBさん 【状態】両足にまひがあり,車椅子を使 用。エレベーターの設置は困難。 〇 教室を1階に設置 〇 車椅子の目線に合わ せた掲示物等の配置 〇 車椅子で廊下を安全 に移動するための段差 の解消 | 聴覚障害のDさん 【状態】右耳は重度難聴,左耳は軽度難 聴。 〇 右耳の聴力を生かすための座 席配置 〇 FМ補聴器の利用 〇 口形をはっきりさせた形での 会話(座席をコの字型にして他 の児童の口元を見やすくする。) |
次に何をすればいいか分かりません。
活動に見通しがもてるように,絵カードや手順表が準備できそうだ。
友達と関わることが苦手なので,授業で急にグループ学習をすると言われると苦痛です。
グループ学習することを事前に伝えて,無理なときは個別に活動してもいいことにしよう。
「できること」から始める合理的配慮
障害特性に応じたICT活用例 | |
種別 | 活用例 |
視覚障害 | ・音声入力機能の活用 ・読み上げ機能の活用 ・タブレット端末等での拡大表示 ・点字ワープロの活用 ・画面コントラストの調整 など |
聴覚障害 | ・ワープロソフトや・スマートフォン(メール等)を利用した表現活動 ・文字変換ソフト等での授業における発話の見える化 など |
知的障害 | ・理解度に応じた 学習ソフトの活用 ・段階的に学ぶための学習教材の利用 ・学習内容の定着のために,録画授業の繰り返し視聴 など |
肢体不自由 | ・音声入力機能や視線入力装置の活用 ・タブレット端末のカメラ機能での板書の記録 ・ペイントソフトの活用 など |
病弱 | ・テレビ会議システムを活用した同時双方向型の授業 ・録画授業のオンデマンド視聴 ・進度に応じた学習ソフトの活用 など |
特別支援教育におけるICTの活用の例
文部科学省「特別支援教育におけるICTの活用」(2020)
困難さ
読む
書く
聞く
話す
例えば・・・
ICTの活用
読み上げ機能で聞く
ワープロソフトで
入力する
絵,文字,動画を
見る
カードや文字,
電子音声で伝える
学習に参加できる
文部科学省「学習者用デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン」のWebページ�https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/sho
tou/139/houkoku/1412207.htm
<学習者用デジタル教科書>
紙の教科書
学習者用コンピュータ
教職員や他者等
理解 学ぶ権利があること,合理的配慮は公平さを実現するものであること
生徒自身が学びたいこと
達成したい目標
活用する
獲得した代替機能
説明する
自己権利擁護する
扱う
アクセシブルな教科書
教材,オンライン教材
作る
非デジタル教材
の電子化
考えをまとめる
概念マッピング
アウトラインエディタ
計算する
計算機,数式入力
筆算支援の使用
書く
キーボード,音声入力録音,カメラ
読む
音声読み上げ機能,
録音図書,電子データ
代替する機能の獲得
環境の整備
生徒
障害のある
児童生徒の
ICT利用スキル
自己決定
学校でのICT利用による読み書き支援-合理的配慮のための具体的な実践- 金子書房
学校で取り組む合理的配慮のポイント
☆ 本人,保護者との丁寧な合意形成� を図る。(対話性)
☆ 生徒一人一人の特性等に応じた� 配慮を検討する。(個別性)
障害等のある生徒が一緒に活動に参加できるための調整
☆ 過度な負担がなく,無理なく続け
られる。(継続性)
合理的配慮の提供に係る具体的な進め方
1 本人・保護者からの申出内容の確認
2 障害の状態や学校生活上の課題の把握
3 必要な合理的配慮の検討
ケース会議や校内委員会等の活用
組織として対応
4 本人・保護者との丁寧な合意形成
6 合理的配慮の提供による改善の確認
5 合理的配慮の提供
合理的配慮の提供に係る具体的な進め方
7 個別の指導計画等への明記と引継
学校から,合理的配慮として提供されることがあっても・・・
・ 不公平と感じる(教師や保護者,本人,級友・・・)
・ 他の生徒と同じ方法で行うことにこだわる
本人が,十分にメリットを感じて
自分が必要とする配慮を決め,
周囲にその配慮を求め,
配慮の必要性を説明する。
関係者間で共有することが不可欠
学ぶ権利
合理的配慮に基づいた公平性
+
困難さ | 基礎的環境整備・合理的配慮等 |
指示や学習の理解が困難(知的障害) | ユニバーサルデザインの授業づくりをして,本人だけでなく,他の生徒にも分かりやすい授業となった。 |
聞こえにくさがある。大学進学したい。(聴覚障害) | 集会等必要な場面でのFM補聴システムの使用,2科目には要約筆記者,進学に関する特別授業など。 |
感情のコントロールや予定の把握,一斉指示での理解が困難(自閉症) | 特性を理解し,入学時から支援を継続。学習内容の変更・調整,教材の配慮などを実施。特別支援学校等のネットワークを形成した就労支援など。 |
相手の気持ちや場面の理解が困難でコミュニケーションが苦手(自閉症,ADHD) | ソーシャルスキルトレーニングの実施,授業や行事等における情報の視覚化,感情の高ぶりに気付くための定時報告,進学先(大学)との移行支援会議など。 |
情報の選択や文章を書くことが苦手だが大学に進学したい(LD,自閉症) | 出身中学校との情報の引継,校内支援体制の整備,記述式問題の対策,将来のビジョンの明確化 など。 |
高等学校における実践事例(インクルDBより抜粋)
生徒に対する指導上の配慮を検討する際に
○ 高等学校や特別支援学校の学習指導要領・解説
総則・各教科・自立活動 等
○ 「障害のある子供の教育支援の手引~子供たち一人一人の
教育的ニーズを踏まえた学びの充実に向けて~」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1340250_00001.htm
特別支援学校
卒業後
就学中
個別の指導計画
幼稚園等
小学校
高校
中学校
大学
一人一人の教育的ニーズに応じるための指導内容・方法等を具体化した,学校における計画
福祉や医療,労働などの関係機関が連携して,ニーズに応じた支援を効果的に実施するため計画
個別の教育支援計画
就学前
作成する目的や活用の仕方に違いがある。二つの計画の位置付けや作成の手続きを整理し,共通理解を図ることが必要。
特別支援教育の手引2
「一人一人に応じた支援
をめざして」
(鹿児島県教育委員会)
個別の教育支援計画(例)
http://www.pref.kagoshima.jp/ba11/kyoikubunka/school/shien/tokushi_tebiki/tokubetusien_tebiki2.html
※ 「資料編」に様式例があ
ります。
学校間等接続のためのパッケージ(県総合教育センター)
※ 県総合教育センターのWebページから成果物である「学校間等接続のための支援パッケー
ジ」がダウンロードできます。
令和2・3年調査研究
「校内外における指導・支援の接続に関する研究
- 特別な配慮が必要な児童生徒に焦点を当てて -」
長期目標(1年)
短期目標(学期ごと)
短期目標(学期ごと)の具体的な指導の手立て
いつ・どこで指導するか
長期目標(卒業時)
個別の指導計画(例)
評価等
「高等学校用特別支援教育研修パッケージ」の個別の指導計画の様式(例)
個別の教育支援計画と個別の指導計画
就学前
小学校(小学部)
中学校(中学部)
高等学校(高等部)
卒業後
移行期
個別の教育支援計画
個別の指導計画
上位概念
関係機関を
つなぐもの
移行支援シート
移行期
移行期
移行期
移行支援シートとは,就学や進学などに当たって,幼児児童生徒の情報をコンパクトにまとめ,焦点化して就学・進学前の支援機関から就学・進学後の支援機関へ引継ぐことで,早期に受け入れ等の準備を進め,幼児児童生徒が安心して就学・進学できるように活用するもの。
学校間連携のためのツール【移行支援シート】