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仏陀の教え 初期経典を読んでみよう-1

  • 1、読解の狙い
  • 2、初期経典;
  • 1)スッタニパータ
  • スッタは「たていと=経」、ニパータは「集成」。ブッダの「教えの集成」。
  • 1章 蛇の章12、 2章 小なる章14、3章 大いなる章12、4章 八つの詩句の章16、
  • 5章 彼岸に至る道の章18。

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仏陀の教え 初期経典を読んでみよう-2

  • 2)ダンマパダ:
  • ダンマ=法=教え、パダ=ことば。
  • 『法句経』
  • ひと組みづつ、はげみ、こころ、花にちなんで、愚かな人、賢い人、真人、千という数にちなんで、
  • 悪、暴力、老いること、自己、世の中、ブッダ、楽しみ、愛するもの、怒り、  汚れ、
  • 道を実践する人、道、さまざまなこと、地獄、象、愛執、修行僧、バラモン

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仏陀の教え 初期経典を読んでみよう-3

  • ブッダが入滅
  • (北方の伝承ではBC383、80歳)の後、
  • 仏弟子たちは教えの内容を整理し、韻文、詩句のかたちで表現した。暗誦のためである。
  • 最初は古マガダ語あるいはマガダ語の影響が強い俗語(東部インド語)の一種。
  • それがパーリ語に書き換えられ、現在ではパーリ語聖典として伝えられている。

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仏陀の教え 初期経典を読んでみよう-4

  • 『スッタニパータ』はパーリ聖典では『小部経典』の中で第5、『ダンマパダ』はその第2に位置づけられている。
  • いずれも原始経典の中の最古の成立部分を含んでいる。アショーカ王以前に成立していたとされる。
  • シナ、日本の仏教にはほとんど知られていなかったが、バラモン教やジャイナ教など古代インドの社会、宗教、文化などを知ることができる重要な経典でもある。

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仏陀の教え 初期経典を読んでみよう-5

  • 現代語訳
  • 中村元訳『ブッダのことば スッタニパータ』、
  • 宮坂宥勝訳『ブッダの教え スッタニパータ』、

『原始仏典 ブッダの詩(スッタニパータ)』

  • 中村元訳『ブッダの真理のことば 感興のことば』、
  • 原始仏典第7巻 ブッダの詩(ダンマパダ)』
  • 3;初期経典を読んでみよう
  • 1、スッタニパータ
  • 2、ダンマパダ
  • 3、ブッダが目覚めたことは何か、 目覚めた人=ブッダ
  • 4、何のために働くのか、何のためにいきるのか

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スッタニパーダ-1

  • 36 交わりをしたならば愛情が生ずる。愛情にしたがってこの苦しみが起こる。愛情から禍いの生ずることを観察して、。
  • 123 己は財豊かであるのに、年老いて衰えた母や父を養わない人、かれを賤しい人であると知れ。
  • 124 母・父・兄弟・姉妹或いは義母を打ち、またはことばで罵る人、かれを賤しい人であると知れ。

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スッタニパーダ-2

  • 128 他人の家に行っては美食をもてなされながら、客として来た時には、返礼としてもてなさない人、かれを賤しい人であると知れ。
  • 136 生れによって賤しい人となるのではない。生まれによってバラモンとなるのではない。行為によって賤しい人ともなり、行為によってバラモンともなる。
  • 262 父母につかえること、妻子を愛し護ること、仕事に秩序あり混乱せぬこと、これがこよなき幸せである

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スッタニパーダ-3

  • 263 施与と理法にかなった行いと、親族を愛し護ることと、非難を受けない行為、―これがこよなき幸せである
  • 387 諸々の色かたち・音声・味・香り・触れられるものは、ひとびとをすっかり酔わせるものである。
  • これらのものに対する欲望を慎んで、定められたときに、朝食を得るために(村に)入れよ。

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スッタニパーダ-4

  • 394 生きものを(みずから)殺してはならぬ。
  • また(他人をして)殺さしめてはならぬ
  • 。また他の人々が殺害するのを容認してはならぬ。
  • 世の中の強剛な者どもでも、また怯(おび)えている者どもでも、すべての生きものに対する暴力を抑えて。

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スッタニパーダ-5

  • 404 正しい法(に従って得た)財を以って母と父とを養え。正しい商売を行なえ
  • 。つとめ励んで怠ることなく暮らしている在家者は、(死後に)<みずから光を放つ>という名の神々のもとに赴く。
  • 574 この世の人々の命は、定まった相(すがた)なく、どれだけ生きられるか解らない。惨(いた)ましく、短くて、苦悩をともなっている。

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スッタニパーダ-6

  • 575 生れたものどもは、死を遁れる道がない。
  • 老いに達しては、死ぬ。
  • 実に生あるものどもの定めは、このとおりである。
  • 581 このように世間の人々は死と老いとによって害われる。
  • それ故に賢者は、世のなりゆ

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スッタニパーダ-7

  • 584 泣き悲しんでは、心の嘆きは得られない。ただかれはますます苦しみが生じ、身体がやつれるだけである。
  • 805 人々は「わがものである」と執着した物のために悲しむ。(自己の)所有しているものは常住ではないからである。この世のものはただ変滅するものである、と見て、在家にとどまっていてはならない。

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ダンマパダ-1

  • 1、ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によって作りだされる。もしも汚れた心で話したり、行ったりするならば、苦しみはその人につき従う。――車をひく(牛)の足跡に車輪がついて行くように。
  • 5、実にこの世においては、怨みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みの息むことがない。怨みを棄ててこそ息む。これは永遠の真理である

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ダンマパダ-2

  • 50、他人の過失を見るなかれ。他人のしたこととしなかったことを見るな。ただ自分のしたこととしなかったことだけを見よ。
  • 54、花の香りは風に逆らっては進んで行かない。栴檀もタガラの花もジャスミンもみなそうである。
  • しかし徳のある人々の香りは、風に逆らっても進んで行く。徳のあるひとはすべての方向に薫る。

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ダンマパダ-3

  • 69愚かな者は、悪いことを行なっても、その報いの現れないあいだは、それを蜜のように思いなす。しかしその罪の報いの現れたときには、苦悩を受ける。
  • 121「その報いはわたしには来ないだろう」と思って、悪を軽んずるな、水が一滴ずつ滴りおちるならば、水瓶でもみたされるのである。愚かな者は、水を少しずつでも集めるように悪を積むならば、やがてわざわいにみたされる。

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ダンマパダ-4

  • 129すべての者は暴力におびえ、すべての者は死をおそれる。
  • 己が身をひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてもならぬ。
  • 133荒々しいことばを言うな。
  • 言われた人々は汝に言い返すであろう。
  • 怒りを含んだことばは苦痛である。
  • 報復が汝の身に至るであろう。

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ダンマパダ-5

  • 152、学ぶことの少ない人は、牛のように老いる。
  • かれの肉は増えるが、かれの知慧は増えない。
  • 157もしもひとが自己を愛しいものと知るならば、自己をよく守れ。
  • 賢い人は、夜の三つの区分の一つだけでも、つつしんでめざめておれ

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ダンマパダ-6

  • 158先ず自分を正しくととのえ、次いで他人を教えよ。
  • そうすれば賢明な人は、煩わされて悩むことが無いであろう。
  • 159、他人に教えるとおりに、自分でも行なえ―。
  • 自分をよくととのえた人こそ、他人をととのえるであろう。
  • 自己は実に制し難い。

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ダンマパダ-7

  • 164、みずから悪をなすならば、みずから汚れ、みずから悪をなさないならば、みずから浄まる。
  • 浄いのも、浄くないのも、各自のことがらである。
  • 170、世の中は泡沫(うたかた)のごとしと見よ。
  • 世の中はかげろうのごとしと見よ。世の中をこのように観ずる人は、死王もかれを見ることがない。

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ダンマパダ-8

  • 182、人間の身を受けることは難しい。
  • 死すべき人々に寿命があるのも難しい。正しい教えを聞くのも難しい。
  • もろもろのみ仏の出現したもうことも難しい。
  • 204健康は最高の利得であり、満足は最上の宝であり、信頼は最高の知己であり、ニルヴァーナは最上の楽しみである。

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ダンマパダ-9

  • 223怒らないことによって怒りにうち勝て。善いことによって悪いことにうち勝て。
  • わかち合うことによって物惜しみにうち勝て。
  • 真実によって虚言の人にうち勝て。

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ダンマパダ-10

  • 388悪を取り除いたので(婆羅門)と呼ばれ、行いが静かに休まっているので( 沙門)と呼ばれる。おのれの汚れを除いたので、それゆえに出家者と呼ばれる。
  • 糞掃衣をまとい、痩せて、血管があらわれ、ひとり林の中にあって瞑想する人、かれをわれはバラモンと呼ぶ。
  • みずから自分を励ませ。みずから自分を反省せよ。修行僧よ。自己を護り、正しい念をたもてば、なんじは安楽に住するであろう。

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ダンマパダ-11

  • 333老いた日に至るまで戒めをたもつことは楽しい。信仰が確立していることは楽しい。明らかな知慧を体得することは楽しい。もろもろの悪事をなさないことは楽しい。

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ブッダが目覚めたことは何か-1

  • 425
  •  ネーランジャラー川の畔(ほとり)にあって、安息を得るために、つとめはげみ専心し、努力して瞑想していたわたくしに、

(悪魔)ナムチはいたわりのことばを発しつつ近づいてきて、言った、「あなたは瘠せていて、顔色も悪い。あなたの死が近づいた。

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ブッダが目覚めたことは何か-2

  • 427 あなたが死なないで生きられる見込みは、千に一つの割合だ。きみよ、生きよ。生きたほうがよい。命があってこそ諸々の善行をなすこともできるのだ。
  • 428 あなたがヴェーダ学生としての清らかな行いをなし、聖火に供物をささげてこそ、多くの功徳を積むことができる。(苦行に)つとめはげんだところで、何になろうか。

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ブッダが目覚めたことは何か-3

  • 429 つとめはげむ道は、行きがたく、行いがたく、達しがたい。」
  • 430 かの悪魔がこのように語ったときに、尊師(ブッダ)は次のように告げた。―「怠け者の親族よ、悪しき者よ。汝(なんじ)は(世間の)善業を求めてここにきたのだが、

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ブッダが目覚めたことは何か-4

  • 431 わたくしにはその(世間の)善業を求める必要は微塵(みじん)もない。悪魔は善業の功徳を求める人々にこそ語るがよい。
  • 432 わたくしには、信念があり、努力があり、また智慧がある。このように専心しているわらくしに、汝はどうして生命(いのち)をたもつことを尋ねるのか?

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ブッダが目覚めたことは何か-5

  • 433 (はげみから起る)この風は、河水の流れをも涸らすであろう。ひたすらに専心しているわが身の血がどうして枯渇しないであろうか。
  • 434(身体の)血が涸れたならば、胆汁も痰も涸れるであろう。肉が落ちると、心はますます澄んでくる。わが念(おも)いと智慧と統一した心とはますます安立するに至る。

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ブッダが目覚めたことは何か-6

  • 435 わたくしはこのように安住し、最大の苦痛を受けているのであるから、わが心は諸々の欲望にひかれることがない。見よ、心身の清らかなことを。
  • 436 汝の第一の軍隊は欲望であり、第二の軍隊は嫌悪(けんお)であり、第三の軍隊は飢渇(きかつ)であり、第四の軍隊は妄執(もうしゅう)といわれる。

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ブッダが目覚めたことは何か-7

  • 437 汝の第五の軍隊はものうさ、睡眠であり、第六の軍隊は恐怖といわれる。汝の第七の軍隊は疑惑であり、汝の第八の軍隊はみせかけと強情と、
  • 438 誤って得られた利得と名声と尊敬と名誉と、また自己をほめたたえて他人を軽蔑(けいべつ)することである。

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ブッダが目覚めたことは何か-8

  • 439 ナムチよ、これらは汝の軍勢である。黒き魔の攻撃軍である。勇者でなければ、かれにうち勝つことができない。(勇者は)うち勝って楽しみを得る。
  • このわたくしがムンジャ草を取り去るだろうか? (敵に降参してしまうだろうか?)この場合、命はどうでもよい。わたくしは敗れて生きながらえるよりは、戦って死ぬほうがましだ。
  • 或る修行者たち・バラモンどもは、この(汝の軍隊)のうちに埋没してしまって、姿が見えない。そうして徳行ある人々の行く道も知っていない

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ブッダが目覚めたことは何か-9

  • 軍勢が四方を包囲し、悪魔が象に乗ったのをみたからには、わたくしは立ち迎えてかれらと戦おう。わたくしをこの場所から退けることなかれ。
  •  神々も世間の人々も汝の軍勢を破り得ないが、わたくしは智慧の力で汝の軍勢を打ち破る。¯焼いてない生の土鉢を石で砕くように。
  •  みずから思いを制し、よく念い(注意)を確立し、国から国へと遍歴しよう。¯教えを聞く人々をひろく導きながら。

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ブッダが目覚めたことは何か-10

  •  かれらは、無欲となったわたくしの教えを実行しつつ、怠ることなく、専心している。そこに行けば憂えることのない境地に、かれらは赴くであろう。」
  • (悪魔はいった)、「われは七年間も尊師(ブッダ)に、一歩一歩ごとにつきまとうていた。しかもよく気をつけている正覚者(しょうがくしゃ)には、つけこむ隙をみつけることができなかった。
  • 烏が脂肪の色をした岩石の周囲をめぐって、『ここに柔らかいものが見つかるだろうか? 味のよいものがあるだろうか?』といって飛び廻ったようなものである。

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ブッダが目覚めたことは何か-11

  •  そこに美味が見つからなかったので、烏はそこから飛び去った。岩石に近づいたその烏のように、われらは厭(あ)いてゴータマ(ブッダ)を捨て去る。」
  • 悲しみにうちしおれた悪魔の脇から、琵琶がパタッと落ちた。ついで、かの夜叉は意気銷沈してそこに消え失せた。

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何のために働くのか、何のために生きるのか-1

  • 77 私にとって信仰が種子である。苦行が雨である。智慧がわが軛(くびき)と鋤(すき)とである。慚(はじること)が鋤棒である。心が縛る縄である。気を落ちつけることが、わが鋤先と突棒である。
  • 78 身をつつしみ、ことばをつつしみ、食物を節して過食しない。わたくしは真実をまもることを草刈としている。柔和がわたしにとっての〔牛〕の軛を離すことである

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何のために働くのか、何のために生きるのか-2

  • 79 努力がわが<軛をかけた牛>であり、安穏の地に運んでくれる。
  • 退くことなく進み、そこに至ったならば、憂えることがない。
  • 80 この耕作はこのようになされ、甘露(かんろ)の果実をもたらす。この耕作を行なったならば、あらゆる苦悩から解き放たれる。