ゲーム開発の
プロジェクト管理手法
知識編
早稲田ゲーム共創スタジオ
AGENDA
01
ウォーターフォール vs スクラム
02
各手法の採用事例
03
メリット・デメリット
04
ゲーム開発 × スクラム
05
マイルストーン
06
チケット管理
01|ウォーターフォール vs スクラム
2大プロジェクト管理手法の比較
ウォーターフォール
Waterfall
工程を順番に完了させる
伝統的な開発手法
要件定義
設計
実装
テスト
リリース
要件変更が難しい構造
向いているケース: 要件が明確で変化が少ないプロジェクト
(建設・製造・行政システムなど)
変更コスト
高い
スクラム(アジャイル)
Scrum / Agile
短い反復(スプリント)で
継続的に価値を届ける手法
📋 計画
⚙️ 開発
🔁 振り返り
📣 レビュー
繰り返し(1〜4週間 / スプリント)
向いているケース: 要件が変化しやすく、素早い
フィードバックが求められるプロジェクト
変更コスト
低い(スプリント内で吸収)
02|採用事例
あらゆるプロジェクトにおける実際の使われ方
ウォーターフォール
🏗️ 建設・インフラ
設計変更が構造に直結するため、厳格な工程管理が必要。
🏛️ 行政・官公庁システム
要件が法令で固定。ドキュメント義務付けも多く、段階的承認が前提。
🔩 製造業(組み込み)
ハードウェアとソフトが密結合。仕様変更コストが非常に高い。
🎮 大手コンソールゲーム
プラットフォーム審査・発売日・流通が先に固まるため計画優先。
スクラム(アジャイル)
💻 Webサービス・SaaS
市場の反応をすぐに機能へ反映。継続デプロイが標準的。
📱 モバイルアプリ
OSアップデートやユーザー動向に合わせた短サイクル開発。
🎮 インディー・モバイルゲーム
小チームで試行錯誤。プレイテスト結果を次スプリントに即反映。
🌐 スタートアップのMVP開発
仮説検証を繰り返しながら要件を段階的に固めていく。
03|メリット・デメリット
両手法の特性を正しく理解する
ウォーターフォール
✔ メリット
• 計画・成果物が明確で管理しやすい
• ドキュメントが充実し引き継ぎが楽
• 進捗の見通しが立てやすい
✖ デメリット
• 途中の変更対応が困難・高コスト
• 完成まで動くものが確認できない
• 問題の発見が遅れやすい
スクラム
✔ メリット
• 変化する要件に柔軟に対応できる
• 毎スプリントで動くものが確認できる
• チームの自律性・コミュニケーション向上
✖ デメリット
• スコープが膨らみやすい(スコープクリープ)
• ドキュメント不足になりがち
• チーム全員の習熟が必要
04|ゲーム開発 × スクラムが相性良い理由
なぜゲーム開発にスクラムが向くのか
🎯 「面白さ」は作ってみないと分からない
ゲームの本質的な楽しさは仕様書だけでは検証不可能。スプリントごとに遊んで確かめることが品質に直結する。
🔄 要件・アイデアが常に変化する
プレイテストのたびに「もっとこうしたい」が生まれる。変更を歓迎するアジャイルの姿勢がゲーム開発に最適。
👥 少人数チームで全員が多役をこなす
インディー開発では1人がデザイン・実装・QAを兼任することも多く、スクラムの自己組織化チームが機能しやすい。
📦 マイルストーンとスプリントの相性が良い
各スプリントの成果物がマイルストーンに積み上がる構造。進捗確認と品質チェックを同じサイクルで回せる。
05|マイルストーン
プロジェクトの節目・目標ポイントを設定する
📍 マイルストーンとは?
プロジェクト全体を通じて設定される「重要な節目(チェックポイント)」。スプリントより大きな単位で、フェーズの完了や品質ゲートを定義する。
コンセプト
M1
コンセプト確定
プリプロ
M2
GDD確定
Vスライス
M3
VS完成
プロダクション
M4
α版完成
α / β
M5
ゴールド
何を確認するか明確に
マイルストーンごとに「何が完了していれば次へ進めるか」の達成条件を事前に定義する。
スプリントとの関係
スクラムのスプリント(1〜2週間)を数個積み重ねてマイルストーン到達を目指す。マイルストーンはより大きな節目。
レビュー・意思決定の場
マイルストーンレビューでは継続・方針変更・スコープ削減など、重要な意思決定を行う。
06|チケット管理
タスクを「チケット」として可視化・追跡する
🎫 チケットとは?
「やるべきこと」を1枚のカードに書き起こしたもの。誰が・何を・いつまでに、をチームで共有し進捗を追跡する。
📌 タイトル
何をするか1行で表す。
例)「ジャンプ操作の実装」
👤 担当者
誰がそのチケットを
実施するか。
📅 期日 / スプリント
いつまでに完了するか。
スプリント番号で管理することも多い。
🔥 優先度
Critical / High /
Medium / Low などで分類。
⏱️ 見積工数
完了に必要な時間の
見積もり(h・ポイントなど)。
🏷️ タグ / ラベル
機能・バグ・ドキュメントなど
種類を分類するための印。
✅ 受け入れ条件
どうなったら「完了」か
を明確に書く(DoD)。
🔗 関連チケット
依存関係にある別の
チケットへのリンク。
💬 コメント / ログ
作業中の気づきや
変更経緯を記録する。
まとめ
ウォーターフォール
要件が固定・変更が少ないプロジェクトに強い。建設・行政・大手コンソールゲームなどで採用。
スクラム / アジャイル
変化する要件・試行錯誤に強い。Web・モバイル・インディーゲームなど幅広く主流。
ゲーム開発 × スクラム
「面白さは作って確かめる」という性質上、スクラムとの相性が抜群。少人数チームにも最適。
マイルストーン
スプリントより大きな単位のチェックポイント。フェーズ完了・意思決定の場として機能。
チケット管理
タスクをカードで可視化。タイトル・担当者・優先度・受け入れ条件など9項目を設定して追跡。
次回: 実践編(ポータルサイト・Git / GitHubの使い方)