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渇愛と「不死」

~生存欲を乗り越える涅槃への道~

渇愛と不死

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「不死」の同義語 (amata)

  • Nibbāṇa-涅槃の同義語としてよく使われています。
  • 仏道を全体的に示すためにも使うのです。
  • Khema-安穏、amata-不死, abhaya-無威, passaddhi-軽安・寂静, nirodha-寂滅,
  • と言う言葉の定義は第一禅定から初めて、色の界の禅定四つと無色界の禅定四つを得て、滅尽定(涅槃)に達することです。Aṅguttara Nikāya, navaka nipāta, 6-1, Khemavagga)

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「不死」の同義語

  • bhabba-資格という言葉も使われます。
  •  Rāgaṃ-欲, dosaṃ-怒り, mohaṃ-無知, kodhaṃ-瞋恚, upanāhaṃ-恨み, makkhaṃ-偽善, paḷāsaṃ-欺瞞, issaṃ-嫉妬, macchariyaṃ-惜しむこと
  • 以上の九つがない人は阿羅漢に達するための資格者であると説かれる。
  • Bhabbaはqualifiedという意味もありますので、仏教用語でqualified personとは阿羅漢です。 

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「不死」の見性・体験

  • Amataṃ tesaṃ, bhikkhave, sacchikataṃ yesaṃ kāyagatāsati sacchikatā、Aṅguttara Nikāya, eka nipāta, Amata vagga
  • 身随念処(身体の動きに対する気づき)を体験する人は「不死」を体験したことになります。
  • Yo ce vassasataṃ jīve, apassaṃ amataṃ padaṃ; Ekāhaṃ jīvitaṃ seyyo, passato amataṃ padaṃ. Dh.115 . 
  • 不死を見性せず百年生きるよりは、不死を見性して一日生きることが勝るのです。

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「不死」の道

  • 身、受、心、法の随念は不死に達する道です。
  • Tassa kāye kāyānupassino viharato yo kāyasmiṃ chando so pahīyati. Chandassa pahānā amataṃ sacchikataṃ hoti
  • 身随念する人に身体に対する意欲(chando)がなくなります。意欲がなくなると「不死」を体験します。

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定義

  • Evaṃ vutte so bhikkhu bhagavantaṃ etadavoca – ‘‘amataṃ, amata’nti, bhante, vuccati. Katamaṃ nu kho, bhante, amataṃ, katamo amatagāmimaggo’’ti? ‘‘Yo kho, bhikkhu, rāgakkhayo dosakkhayo mohakkhayo – idaṃ vuccati amataṃ. Ayameva ariyo aṭṭhaṅgiko maggo amatagāmimaggo, seyyathidaṃ – sammādiṭṭhi…pe… sammāsamādhī’(Saṅyutta Nikāya, Mahāvagga,Magga saṅyutto)
  • 尊師、「不死、不死」と言います。何が不死なのですか?不死に達する道はなんですか?
  • 貪瞋痴の滅尽は「不死」です。聖八正道は「不死」に達する道です。

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放逸とは「死」という意味

  • Appamādo amatapadaṃ amataṃ padaṃ, pamādo maccuno padaṃ; Appamattā na mīyanti, ye pamattā yathā matā. Dh. 2. Appamādavaggo 21 .
  • 不放逸は「不死」の道。(言葉という意味もあります。)放逸は「死」の道。不放逸を実践する人は死なない。放逸の人は既に死んでいるようなものに等しい。

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Amata & mata不死と死

仏教的な見方を解説します

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用語の意味

  • Amata-不死とは涅槃、解脱に使う同義語です。
  • 一般の人は究極的に善いとされる、「不死、至福、安穏、寂静、無為、涅槃」などの単語を解脱を示すために使われています。
  • しかし、一般的に考える死対不死という意味ではありません。
  • 俗的には生は善、死は悪、不死は最善です。
  • 仏教は、「生・死は苦」です。生死を乗り越えることは、「涅槃・不死」です。

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生-死、生きる、命、魂、死後

  • 人間の気になる概念です。
  • 生きることは、実体として考えるから最善だと考えて執着します。
  • 死は最悪だと思って、極端に怯える。
  • 仏教は魂、霊魂、アートマンなどの言葉で示す、絶対的に変わらない、永遠不滅の実体があると信じることは、誤解であり、錯覚だとします。

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命の構成

  • Rūpa色,vedanā受,saññā想,saṅkhāra行,viññāna識という五つのシステム(五蘊)で命はなりたっているのです。
  • 各蘊は因縁によってなりたつのです。瞬間、瞬間変化するのです。
  • 私、私の魂、私のアートマン、至福、永遠と言えるべきものは見当たらないのです。
  • 「私」というのは、五蘊に対する誤解です。

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愛着と怒り

  • 常に変化する色蘊の一部の変化に愛着する。一部の変化に怯える、嫌がる、恐怖を感じる。
  • 受,想、行、識の場合も同じく、愛着と怯えを感じるのです。
  • 自分が愛着する五蘊の一部だけが、永遠に続いて欲しいと期待する。
  • これは決して叶えられる期待ではないのです。
  • その故、更に希望が強くなる。

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渇愛-taṇhā

  • 常に変化する五蘊は希望通りに変化しないのです。
  • 変化は因園関係によって起こるのです。
  • この働きは皆、経験しているのです。
  • しかし、ありのままの事実を認めたくないのです。
  • 愛着→叶わない希望→愛着の流れの悪循環が起きています。渇愛と言います

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生死

  • 生死は一つの現象の表と裏です。
  • 生があって死が成り立つ。死によって生が成り立つ。
  • 生きるとは生死の流れです。
  • 誕生した人が死ぬわけではありません。
  • 一つの流れが壊れる(現象的な死)ことだけ気にするのは、無明と渇愛のせいです。

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生死

  • 生として、五蘊が現れたら、現象的な死を迎えるまえに、老いること、病、悩み、憂い、哀しみ、苦しみ、希望が叶わない、嫌なことと遭遇するなどの苦しみから逃げられない。
  • 要するに、「生」苦であり、苦の始まりでもある。
  • 五蘊に対する渇愛は、五蘊の流れを司る様々な原因のなかで、大きな原因です。
  • 気にするべき輪廻の原因は①無明と②渇愛です。

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輪廻

  • 今も五蘊は絶えず変化し続けているので、輪廻なのです。
  • しかし、五蘊は因縁により、生じて滅するのであって、自分の希望通りにはなりません。
  • しかし、個人の渇愛は重大な原因二つの一つです。
  • 従って、身体が壊れても、渇愛によって新たな命が現れるのです。
  • それから、老病死の循環をします。

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不死

  • 「死」のない、「生」はあり得ないのです。
  • しかし、生まれてから決して死なないことを期待します。極端な妄想です。誤解です。
  • 釈尊は五蘊に対する愛着を完全に捨てることで、生も死も成り立たない境地を経験できると説かれます。
  • それには、現象をありのままに観ることで起こる智慧が必要です。

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不死

  • 無常なのに、無常ではないと思うこと、
  • 自我がないのに、あると思うこと、
  • 死ぬのに、老いるのに、病に罹るのに、不死、無老、無病を期待することで
  • 人は苦難に陥って、苦を続けるのです。
  • この苦の循環から、脱出することが解脱、涅槃、不死なのです。

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理解出来る言葉は�「苦を乗り越える」です� Dukkhassantaṃ karissati

不死とは宗教家が誤って使っていた単語を正しく使うことです。「達するべき境地である」と感覚的に感じるだけで、具体的に理解出来る言葉ではありません。

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三宝のご加護がありますように

ご静聴を感謝いたします

生きとし生けるものが幸せでありますように

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