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防災訓練をより楽しく学びある内容にするための授業案

環orld

2021.01.16

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私たちの想い

プロジェクトの目的

私たちは、東日本大震災が起きた時に、東北の中学生でした。

忘れもしない2011年3月11日、東日本大震災が私たちの故郷、東北地方を襲いました。

未曾有の大災害と呼ばれ、数多くの方が被害を受けました。

まもなく、あれから10年。

当時中学生だった私たちも大人になりました。

改めてあの頃を思い出してみた時に、みんなが口を揃えて言ったのは

「助かったはいいけど、その後どうしたらいいのか分からなかったよね。」

地震が起きたら机の下に隠れる、でも隠れた後のことは、誰も考えてなかったのです。

命が助かった後にどうすればいいのか、何の知識も備えもありませんでした。

災害大国である日本では、またいつ大きな災害が起こるか分かりません。

今の中学生たちに、かつての私たちのような想いはして欲しくないのです。

次の災害が起きた時に、少しでも不安のない快適な日々を過ごして欲しい。

それが私たちの想いです。

全体企画

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私たちのミッション

ミッションは、防災訓練のアップデート

 

大人になるまで、防災をきちんと学ぶ機会は学校の防災訓練だけでした。

「揺れがおさまりました。速やかに校庭に避難しましょう」

日本の学校に通ったことがあれば、誰でも聞いたことがあるフレーズ。

しかし、校庭に逃げることが全てなのでしょうか?

あの日、私たちが繰り返してきた学校での訓練は役に立ちませんでした。

さらに、命に関わる防災は、生徒にとって前向きに取り組みたい内容であるとは限りません。

どんなに正しく実証された術であっても、それが身についていなければ、災害時に役には立たないのです。

生徒が進んで取組み、いつの間にか知識や術が身についているような、そんな防災訓練はないのでしょうか。

今まで学校で教えられてきた防災を、

より楽しく、より役に立つ状態へアップデートする。

それが、震災を経験した私達が、私達自身に課したミッション。

全体企画

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PLAY防とは?

全体企画

防災って、つまらない。

そんなの、自分も大切な人も守れない。

かつて私たちが経験していた防災訓練は、決して楽しいものではありませんでした。

「おかし (おはし、おかし も)」の掛け声で移動をさせられて、点呼をされて・・・。

やらされている気分になることもありました。

訓練の時間が終われば、防災のことを考えることはありませんでした。�

でもそれでは、いざという時に何の役にも立ちません。

災害時に中学生が正しい知識を持って最善の行動が取れるように、

防災訓練をただつまらないその場限りのものにしないためには、どうすればいいのでしょうか。

もし、防災が「いつも楽しくやっている遊び」になったら?

防災を「遊び」にすることで、時々「やらされている」ことから「いつも楽しくやっていること」

に転換できるのではないでしょうか。

その転換により、中学生が防災の知識や経験を自然と身に付けることができるはずです。

そんな発想から、私たちが考えた新しい防災訓練。それが・・・�PLAY防!」

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各企画の概要

プロジェクトの目的

全体企画

楽しく学べる「PLAY防!」の4つのコンテンツ

水が自由に使えない状況を想像して、

1日に必要な水の量を勉強し、

家での備蓄や使用方法のコツを考えよう!

Know No Water

限られた食材と調理環境の中で

創意工夫をこらすことで、

美味しい料理をつくりだします。

無人島メシ

クラスメイトで互いに褒め合い、

自分たち一人一人はみんな価値があって

大切なんだと感じることで、

命の大切さについて考えるきっかけにします。

ホメッテー ~君が死んだら悲しい~

確認しないと分からない

水害のハザードマップの情報を、

町中に青い波線シールでつけて、

直感的に水害の想定範囲を伝えよう!

みんなで逃げよう MACHINAMI

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Know No Water

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水を手に入れるために並んだあの日

プロジェクトの目的

2011年3月、私たちは生きるための水を

毎日1時間以上並んでようやく手に入れた。

“配水場で、水をもらうために待っていた時、「あっ」という悲鳴が聞こえました。�腰の曲がったお婆さんが、長時間並んでようやく受け取った水を全て溢してしまったのです。�水は薄いポリ袋に入っており、落としたら破けてしまうのは当然でした。

お婆さんは、悲しそうな顔をしながら帰っていきました。”

(企画メンバーの経験談)

人間が生きるために最も大切なのは「水」。

人間が水を飲まずに生きていけるのは、長くとも5日程度と言われています。

日本は水資源が豊かで、普段から水を手に入れるために苦労することはありません。

しかし、2011年の東日本大震災発生時には、長い間水道が止まりました。

多くの人が、たった数Lの水をもらうために、毎日1時間以上並びました。

人間にとって最も大切な「水」について、きちんと考えてみて欲しい。

そんな想いからこの企画は生まれました。

Know No Water  (ノーノーウォーター)

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日頃使っている水の量を知る!

5Lのウォーターバッグを使い、日頃使っている水の量を理解します。

自宅での水の備蓄や使用方法について生徒自身が考え、

生徒ひとりひとりが「自分(自分の家)はこう準備しよう」

というアイデアを持っている状態をゴールとしています。

そのゴールを達成するための手段として、

災害時など水が自由に使えない状況を中学生が想像・擬似体験し、

1日に必要な水の量を理解してもらうことがこの企画のコンセプトです。

この企画で配布・使用したウォーターバックを自宅へ持ち帰ることで、

ご家族と災害時の備えについて考えるきっかけを創造します。

学んだことが学校内にとどまらず、ご家庭、地域にまで広がっていく

ムーブメントになれば、これ以上の喜びはありません。

Know No Waterのために新しく

デザインしたウォーターバッグ。

メンバーの震災時の経験から、

落としても壊れない

丈夫なウォーターバッグをチョイス!

Know No Water  (ノーノーウォーター)

Know No Water

私たちに必要な水の量を知っていますか?

企画内容

ゴール&コンセプト

コメント

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実際にやってみよう

形式:グループワーク(最低でも2人組みで実施)

  1. うがいと手洗い、歯磨き、水分補給等で一回何L使っているか予測し、ワークシートに記入。
  2. グループにウォータータンク5Lを用意。
  3. 20分程度使って、うがい、手洗い、歯磨き(水分補給)をしてもらう。
  4. 実験を振り返り、予想と比べてみる。振り返りを記入する。
  5. 家庭でのワークを出す。(家でそのことを家族に報告、またはクイズにして出してみる等)

わざと少ない水で済ませようとしないこと。

できる限りいつも通り水を使うことで普段の使用量が分かります。

  • コロナ対策として、飛沫の飛ぶ可能性のある行為(例:うがい、歯磨き)等は、班の代表者のみが実施するまたは省略する等で対応可能です。
  • 水道をひとつおきに使用するなどソーシャルディスタンスを意識した実施をお願い致します。
  • 具体的なガイドライン等に関しましては、各自治体保健所の指示に従うようにしてください。
  • 一方で、上記企画は家庭内での実施も可能です。家庭内で安全に実施いただけることもこの企画の特徴です。

※使用したウォーターバッグは

以下のように保管してください。

水で軽く洗った後、

キッチンペーパーを注ぎ口に差し込み、

一晩置いておきます。

その後、蓋を閉めて冷凍庫に入れて保管します。

実施方法例

コロナウイルス感染対策

Know No Water  (ノーノーウォーター)

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笑いの絶えない、Know No Water!

プロジェクトの目的

Know No Waterの楽しさ

私たちはこの企画を作るにあたって、自分たちでも実践してみました。

実際にやってみると、水を注いでもらうときの共同作業があったり、

水を吹き出してしまうハプニングがあったりと、笑い声が絶えない時間となりました。

また、同じ行動(手洗い、うがい等)をしているにも関わらず、使用する水の量が異なることも多く、�企画チームとしても、新たな学びのある企画でした。

ぜひ、中学生の皆さんにも Know No Water を体験していただき、

楽しく日々の水の使用量を学んでもらえればと思います。

Know No Water  (ノーノーウォーター)

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参考:振り返り用ワークシート

プロジェクトの目的

■ワークシートは、以下からダウンロード可能です

https://drive.google.com/drive/folders/1st_K1djS7XdIqiitwkZ-bq2Wcf5ETrKQ?usp=sharing

Know No Water  (ノーノーウォーター)

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参考:ペットボトル蛇口の作成方法

プロジェクトの目的

ウォーターバッグを使わずに実施

ペットボトルを使用した簡易蛇口を代用することでも実施可能です。

Know No Water  (ノーノーウォーター)

  1. 清潔なペットボトル(2Lが好ましい)を用意。
  2. ペットボトル下の方に直径2-3ミリほどの穴を開けます。
  3. 穴を指で押さえながらペットボトルに入れ、

その後キャップを閉めます。

  1. 平な場所にペットボトルを置きます。
  2. キャップを緩めると、穴から水が出ます。

ペットボトル蛇口のつくり方

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無人島メシ

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「大丈夫?」「頑張って」「好き」「助けて」「ごめん」「会いたい」「お疲れ様」

伝えたい思いがあるのに、どうしても素直に表現できない時、

胸にしまった言葉の代わりに「ごはん行こう」と言ったことはありませんか?

食事には、食欲を満たす役割以外に、人と人を繋ぐコミュニケーションの役割もあると考えています。

一緒に食事を取ることで「ごはん行こう」という言葉の裏側に込められた思いを知るように、

食事を通して、人との繋がりや自分の存在を再認識できることもあります。

そして、食事が人と人を繋ぐコミュニケーションになることは非常事態発生時でも同じです。

東日本大震災の際も、みんな余裕がなく、特に避難所には殺伐とした空気が漂っていました。

しかし、食事にはその空気を変える力がありました。

みんなが持ち寄った限りある食料を分け合い、食事を通して同じ時間を共有する。

食事の時間が、お互いを思いやり、支えあう気持ちを保つことに繋がっていたのです。

私たちの命の一番近くにある「食」

食事は、食欲を満たすという意味でも、人と人を繋ぐという意味でも、私たちの命を支える大切な営みです。

そしてその価値は、通常時でも非常事態発生時でも決して揺らぐことはありません。

この企画に込めた私たちの思いが「食」を通して皆さんに伝わることを願って。

無人島メシ

企画経緯

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無人島メシ

企画経緯

いざという場合に備えて水や食料を備蓄することは大切ですが、

もし非常事態が発生してしまった場合、

備蓄品だけで全てを乗り切れるという考えは、あまり現実的ではありません。

Example

ある家庭の備蓄品(4人家族)

缶詰10缶、カップラーメン10個

1食につき、一人1アイテムずつ消費した場合...

20 アイテム ÷( 4 人 × 3 食)

= およそ 1~2日分

② 無人島メシ

備蓄品だけに頼らず、

手元にある食材を活用して

食を満たす工夫が必要です。

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おうちと無人島メシの関係

おうち 無人島

おうち 無人島

非常事態発生時に、生活インフラが止まってしまった場合、その様はまさに陸の孤島。

おうちが無人島のようになってしまいます。

無人島=家にあるもの最大限に活用しながら生き延びなければいけません。

在宅ワーク、在宅授業、在宅避難、何においても「在宅」がキーワードになる時代に、

防災訓練も学校ばかりでやることではありません。

それぞれのおうちで無人島状態を疑似体験することで、学校にいなくても防災について学ぶことができます。

無人島メシ

おうち

無人島メシ

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ルール

プロジェクトの目的

  • 作戦会議(10分)、調理(45分)、実食・片付け(25分)、評価・振り返り(20分)
  • 非常事態発生後3日目を想定し、生肉や生野菜は使用不可
  • 冷蔵・冷凍保存を必要としない食材は全て使用可(3〜4種類が目安)
  • 生活インフラが止まった状態を想定し、電子レンジや冷蔵庫、水道水、ガスコンロは使用不可
  • 出来合いの非常食を温めるだけ、盛り付けるだけは禁止
  • カセットコンロは使用可
  • ペットボトルの水は決められた量のみ使用可(目安:1〜2人分で2L)
  • 規定内のペットボトルの水で、片付けまで終わらせる
  • 片付け後は、振り返りシートを元にクラスメートと学びをシェアする

非常事態発生時と同様に、あえて何もかもが制限された状況を設定し、

限られた食材と調理環境で、創意工夫を凝らし美味しい料理をつくり出します。

ルール

Rules

無人島メシ

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  • 冷蔵・冷凍を必要としない食材(野菜、乾物、缶づめ、お菓子、ペットボトルの水など)を調達してください。
  • 使用できる調味料や備品に制限はありません。必要になりそうなアイテムを準備してください。
  • 生徒を、1グループ4~5人に分けてください。
  • 使用できる食材・調味料・備品をグループごとに分配してください。

実施場所

プロジェクトの目的

プロジェクトの目的

プロジェクトの目的

無人島メシは、学校/おうちのどちらでも実施することが可能です。

その時々の状態に合わせて、最適な実施場所を決定してください。

Place

学校で実施する場合

おうちで実施する場合

  • 食材や調味料を買い足す必要はありません。自宅にあるものをいかに活用できるかを考えることが重要です。

  • 使用した食材や味付け等の調理工程については、細かく記載し、共有してもらうようにしてください。

  • 両親や兄弟と協力するなど、できるだけ家族を巻き込んで実施してもらうことで、各家庭に無人島メシが根付くよう生徒に促してください。

  • リモートで無人島メシを実施することも可能です。

無人島メシ

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参考:実施例

無水ビーフシチューパスタをつくりました。

食器にラップを引き、節水のための工夫をしています。

買い出しはせず、自宅にあった食材のみを使用しました。

Memo

全体としてはとても美味しくできました。

節水のために無水ビーフシチューにした結果、

味が濃くなってしまい、余計にのどが乾きました。

カレーやシチューは一度にたくさんの量をつくれますが、

油分が多いため、洗い物で水をほぼ使い切ってしまいました。

無人島メシ

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参考:実施例

プロジェクトの目的

プロジェクトの目的

プロジェクトの目的

リモートで無人島メシを実施することも可能です。

使用する食材や調理工程、完成した料理などを写しながら、

その時々で感じたことを共有し合うようにしてください。

key

無人島メシ

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参考:学校での実施

プロジェクトの目的

プロジェクトの目的

プロジェクトの目的

無人島メシ

学校で実施する際のワークシート、指導案は以下からダウンロード可能です。

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ホメッテー ~君が死んだら悲しい~

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企画経緯

ホメッテー ~君が死んだら悲しい~

「お前が死んだら俺は悲しい」

隣にいる友達を見てそう思った。

東日本大震災で、私達の住む東北地方は多くの被害を受けました。

当時中学生だった私達の中にも、地震や津波の被害に遭い、心に傷を負ってしまった人もいます。

私たちと同じ歳で命を失ってしまった人もいます。

そんな経験を経て私たちは、「もしも、今隣にいる友達が死んだら悲しい」ということを感じました。

私たちの命は、私たちが思っているよりも大切で、価値があり、もし失ったら悲しむ人がいる。

「ある日突然失うかもしれない」と考えた瞬間、そう思いました。

しかし、日常の生活の中で「君が死んだら悲しい」と伝えられることも、

命の大切さについて考えることもあまりありません。

そこで、私たちがその機会を作り、少しでも多くの人に命の大切さについて考えてほしい、

自分達には価値があるんだと思ってほしい、そういう想いからこの企画は生まれました。

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企画経緯

プロジェクトの目的

ホメッテー ~君が死んだら悲しい~

子どもたちに命の大切さを考えさせる上で良い方法

それは、褒める!

褒められることは自分の価値や存在を認められるということであり、

「自分には存在する価値があるんだ」と子どもたちに気付かせることに繋がります。

ただ、日常の中で褒められる機会は少なく、

互いに褒め合うという行為は中学生からすると恥ずかしいことです。

そこで、サイコロを用いたゲーム性のある企画を行い、互いに褒め合う機会を作りました。

後半部分では、命の大切さについて考えます。

災害の様子の写真を見て、友達を失うとなぜ悲しくなるのか考えたり、

周りの人の存在の大きさや、自分の命の重さを感じたりします。

そして最後に、「命はどうして大切なのか」を子どもたちに考えてもらいます。

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企画コンセプト

プロジェクトの目的

クラス内で互いに褒め合い

「自分たち一人一人はみんな価値があって大切なんだ」と

気付かせたうえで災害の映像を見せ、

子どもたちに命の大切さについて考えてもらう。

ホメッテー ~君が死んだら悲しい~

ホメッテー

~君が死んだら悲しい~

防災をする意味に気づき、

防災行動に意識的になってもらうことに繋がる。

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実施方法

ホメッテー ~君が死んだら悲しい~

プロジェクトの目的

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導入

(10分)

今日のめあてを発表:自分たちの命について考える 

「命の大切さを相手に伝える方法があります!それは褒めることです!でも褒められる

機会ってなかなかないよね…だから今日の授業ではお互いに褒め合いましょう!」

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展開1

(15分)

サイコロのテンプレートを配布し、子どもたちがサイコロを作る。

席が近い人で3人グループを作り、出た目に従ってサイコロを振った人が褒めてもらう。

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展開2

(15分)

グループワークの後、災害の映像を視聴し、先生から問いかけをする

→「なんで大切な人を失うと悲しいんだろう?」

近くの人と感じたことを話し合い、その後出た意見について発表する。

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まとめ

(15分)

先生が問いかけをする

→命はなぜ大切か?

→子どもたちが自分の意見をワークシートに記入する。

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使用する資料一覧

☆サイコロのテンプレート

(画用紙に印刷して組み立てる)

☆説明用資料(教員用)

☆生徒配布用資料

☆まとめの時間で使うワークシート

☆サイコロのテンプレートを使わず、通常のサイコロを使う場合の対応表

以下からダウンロードできます。

https://drive.google.com/drive/folders/1c651pFbXiJ-HMg4V_vFHggfxqdG-Tks5?usp=sharing

使用備品

ホメッテー ~君が死んだら悲しい~

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ホメッテー ~君が死んだら悲しい~

ホメッテー、恥ずかしいけど・・嬉しい!!!

ホメッテーの良さ

私たちはこの企画を作るにあたって、自分たちでも実践してみました。

実際にやってみると、恥ずかしいながらもなんだかんだ嬉しく、褒める側も褒められる側も終始笑顔でした。

こういった機会がないと伝えられないこともあるので、充実した時間を過ごすことができました。

中学生の皆さんにも体験していただき、企画自体を楽しんでもらうと共に、

自分の価値に気付いて頂きたいと思っています。

メンバーのうち2人が東京に、

2人が福島にいるため、

リモートで行いました。

リモートでも問題なく実施できました。

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先生へのガイド

ホメッテー 〜君が死んだら悲しい〜

・グループワーク前に先生が見本となってください。

*サイコロの振り直しは可能

(極力やり直しが無いようにする。)

・授業前に来週「褒め合う」活動を実施することを予告し、お互いの理解を深めておくことをすればスムーズに進めることができます。

・展開2の際は子どもの意見を尊重するため意見の押しつけにならないよう導いてください。

・まとめの時、アウトプットさせるか問いかけて生徒に考えさせるかは、各クラスの状況に応じて臨機応変に変えてください。

展開1について

展開2について

展開1・2の共通点

授業の詳細についてはこちら

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企画経緯

中学生がつくる、水害に強い街。

自分が生まれ育った街の、見慣れた景色。

災害が起きたら・・・?とイメージするのはなかなか難しいと思います。

東日本大震災が起きた時、

いちもくさんに避難所を目指して逃げ、なんとか助かりました。

ただ、その途中にある川から津波が来るなんて、考えたこともありませんでした。

学校や集会所など、様々なところに掲示されているハザードマップ

水害や津波への備えでとても重要な役割を果たしています。

防災教育などの場面で眺める機会はあっても、その場だけの学びになってしまうことが多く、

実際に震災の時に役立てることができなかったという経験があります

このハザードマップを用いた防災訓練を、中学生にとっておもしろく、

そして正しい知識や行動を身につけられるものにするには何ができるか。

このような想いからできたのが、今回の企画です。

中学生が、水害や津波に対する防災について学ぶことだけではなく、

街の人たちも巻き込んでいく共助の視点も持ちながら

街の中に、そしてその街に住む全ての人たちの生活の中に

防災の意識が身についていってほしいと考えています。

みんなで逃げよう MACHINAMI

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水害の備えで重要な役割を担うのがハザードマップですが、

情報の集合体でつまらなく、開くのは水害が起きた時だけ。

確認しても忘れてしまい、いざというときに手元にないなんてことも。

ハザードマップの課題

・自宅や勤務先などの知りたい場所の浸水深や近くの

避難所・避難場所を確認できる

・アンダーパスや内水氾濫などの危険箇所も確認できる

・避難に必要な多くの防災情報について確認できる「情報の取得方法」や「避難の目安」、「非常持ち出し品に関する情報」など

・防災に興味がない人は、浸水深を確認するまでに至らない

 可能性がある

(意識しないとハザードマップは確認されない)

・浸水の高さをイメージしづらい

ハザードマップの課題

ハザードマップのメリット

ハザードマップの課題に対して、平成18年から国土交通省では、

まちごとまるごとハザードマップという施策を行っています。

みんなで逃げよう MACHINAMI

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まるごとまちごとハザードマップからの改善点

①まちなか”にあるので無意識に目に入る

②日常生活上で視認されやすく防災に興味が無い人でも 浸水深や避難所などの情報を知ることができる

③浸水深を感覚的に理解できる

まるごとまちごとハザードマップとは?

水害ハザードマップの内容である浸水の実績深さ、避難所などを、

それぞれの地域で具体的に、臨場感をもって認識し、避難の実効性を高める施策。

■設置方法

■設置例

ハザードマップからの改善点

素敵な施策ですが、この手段をより直感的に魅力的に伝える方法がないか?

そこで、中学生の言葉の力を借りて街に落とし込んでいくことを考えました。

https://www.mlit.go.jp/river/bousai/main/marumachi/

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MACHINAMIルール

プロジェクトの目的

浸水深を表す線

線の説明看板

①看板のあるところには 補足として設置

②既存の看板がないところには高さを確認し設置

浸水深の高さに設置する ”青いテープ” を直感的にわかるような ”波線” に変え、

”注目が集めにくい注意看板” を、水害に対して中学生が考えた ”つぶやき”

デザインとして追加することで、水害に対して強い街並みを表現し、実装していきます。

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授業タイムライン

・自分の地域の災害について学ぶことで、災害に対する危機感と正しい知識を身に付ける。

・町の人に向けたメッセージを考え、人に伝える文章の書き方を身に付ける。

・自分の地域の人の役に立つことで、一市民・町民としての共助の意識を持たせる。

MACHINAMIの授業の狙い

・学校新聞/学級誌にMACHINAMIの体験談を掲載する

・地域新聞/地方紙とタイアップし、連載企画を掲載する

発展的内容

水害の被害 ”高さ” を知る

(1)水害について学習する

(2)地域のハザードマップを確認する

(3)危険性や対策、災害時の適切な行動について調べる

(4)調べた地域の水害の被害が想定される街並みの写真に

MACHINAMIラインを引き可視化する

避難に導くキャッチコピーを考える

(1) 調べたことをまとめてグループで共有する

(2) 全体で交流する

(3) メッセージを考える

(4 )考えたメッセージをグループで発表し合い、

発表したメッセージを推敲する

水害の高さを伝える実際の高さに線を引く

(1) 水害の被害が想定される高さの建物に

MACHINAMIラインを設置する

(2) 学んだことを生徒自身の言葉で伝える活動

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メッセージ作成時の注意点

プロジェクトの目的

・水害の浸水の深さ(実績浸水深)やどこの場所まで水が

 来たなど過去の水害の事実を引用すること

・データベースや聞き取り調査をもとに

 作成されている事実かどうかを確認する

・実際にあった災害の名前があるとより信憑性が高まる

中学生が作成するメッセージは、住民の命にかかわるメッセージになるため、

制作する際に下記のルールを設定しました。

メッセージ作成ルール

・実績のある水害の浸水深や津波の高さが分かる場合は、  

 実績の数字を使用すること

 ※津波のハザードマップで想定の数値を出されているが、

  想定以上の水害が起こった際に命にかかわるため、 

  基本的に過去の水害の深さを示すことが望ましい。

・想定浸水深を使用する場合も、中学生のつぶやきの中で想定浸水深をもとに安全基準を示すコメントは避けるようにする。

メッセージ作成時の注意事項

〇良い例

×悪い例

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掲出イメージ

みんなで街の景色を変えていくことで、

中学生や地域の人たちが災害を自分ごととして捉え、

生活の中に防災が浸透していくための力になってほしいと思います。

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参考:学校での実施

プロジェクトの目的

プロジェクトの目的

プロジェクトの目的

学校で実施する際のワークシート、指導案は以下からダウンロード可能です。

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さいごに

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さいごに

プロジェクトの目的

あとがき

いかがだったでしょうか?

今までの防災訓練とは全く違う形に、驚かれた方も多いと思います。

「遊びながら防災を学ぶ、知識を身につける」

そんな新しい形が、今後日本の防災訓練の当たり前になることを想像してみてください。

そうなれば、もし大きな災害が起きても、きっと生き延びられる人が増えるはず。

最後にひとつ、中学校の教員の皆さんや生徒の皆さんにお願いがあります。

この「PLAY防!」をさらに進化させて欲しいです。

もっとこうした方がいいな、家族とやってみたいな、地域ではこんなことができるかも!

そんな意見・感想が出たら、私達にもぜひ教えてください。

中学生の皆さんが主体となって「遊ぶ」ことで、さらに価値のある防災訓練になると思います。

これからもみんなで、「PLAY防!」

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私たちは・・・

私たちは、2012年春から2014年夏までの約2年半「OECD東北スクール」という復興教育プロジェクトに参加していたメンバーです。

私たちは「チーム環」というチーム名を名乗り、フランスのパリで「東北の魅力を世界にアピールするイベント」を開催しました。

�震災が起きた時は中学生、パリでイベントをした時は高校生だった私たちですが、大人になり、また再集結しました。

そして、東日本大震災を経験した私たちにしか作れない、新しい防災訓練を考えました。

私たちの名前は「環orld(ワールド)」です。かつて「チーム環」であった私たちがまた集い活動していることや、

新しい防災を子ども達の世界(World)に届けたいという思いからこの名前をつけました。

東日本大震災の経験から、防災訓練をアップデートする。そんな私たちは

です

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ワールド

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「PLAY防!」の協力サポーター

プロジェクトの目的

NOSIGNER代表。OLIVE・東京防災・PANDAIDなど、防災デザインの第一人者として知られている。慶應義塾大学特別招聘准教授。デザインで美しい未来をつくること(デザインの社会実装)発想の仕組みを解明し変革者を増やすこと(デザインの知の構造化)この2つの目標のために社会的視点でのデザイン活動を続け、SDGsに代表される社会課題における共創から多くのプロジェクトを実現し、100以上の国際賞を受賞し、また審査員を務める。発明の仕組みを生物の進化から学ぶ「進化思考」を提唱し、変革者を育成する活動を続けている。

今回、この「PLAY防!」にも進化思考が活かされている。

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慶應義塾大学環境情報学部准教授。専門は地震学・災害情報・防災教育等。高校1年生の時に起こった阪神・淡路大震災を機に地震学を志す。2001年北海道大学理学部地球惑星科学科卒業、2006年東京大学大学院理学系研究科にて博士号を取得後、カリフォルニア大学サンディエゴ校スクリプス海洋学研究所にて日本学術振興会海外特別研究員。2008年4月より東京大学地震研究所助教。2013年4月より現職。

主な著書に『超巨大地震に迫る-日本列島で何が起きているのか』(纐纈一起教授との共著、NHK出版新書)、『地球の声に耳をすませて』(くもん出版)など。2012年9月『情熱大陸』、2014年11月朝日新聞『フロントランナー』、2016年4月朝日新聞『耕論』。

NOSIGNER代表・デザインストラテジスト

太刀川 英輔たちかわ えいすけ)

慶應義塾大学環境情報学部(SFC)准教授

大木 聖子(おおき さとこ)

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スタッフリスト

太刀川 英輔(NOSIGNER)

大木 聖子 (慶應義塾大学)

高汐 康浩(府中市立府中第二中学校校長)

浜野高宏(日本放送協会)

吉田宏徳(グローバルメディアサービス)

梛木泰西(テレビマンユニオン)

環orld

植田唯、及川萌、小山結有、柏木由衣、草野みらい、佐々木藍、佐藤花恋、

佐藤洸希、佐藤陸、白岩春奈、鈴木千秋、鈴木萌子、薗部優、富永貴子、

中井李乃葵、中村誓人、根本李安奈、畠大輝、吉田祐真

企画制作

統括

監修

appendix

彼ら(現:環orld)のことを知ったのは震災直後の2012年のことです。NHKの「Tomorrow」という番組で 「OECD東北スクール」を取材させて頂いた時でした。当時、中学生や高校生だった10代の若者が、2年半かけたプロジェクトと真剣に向き合う姿が印象的でした。

昨年2019年からNHKでは、防災減災キャンペーン「生きるスキル」という取り組みを続けています。首都直下地震や南海トラフ地震の発生確率が高まり、台風や豪雨による災害が激しくなり、さらに新型コロナウィルスの感染拡大と、防災減災の意味をかつてないほど大きくなっている今、防災減災ノウハウを出来るだけ多くの方々に伝え、自分ごととして貰うことが目的です。

今回、大人になった彼らと再会し、キャンペーンで何か出来ないかと相談すると、「自分たちの経験を元に“進化した防災訓練”を考えることで、自分たちが被災した年頃の子どもたちに何かを残したい」という、熱い思いを聞くことが出来ました。NHKでは、2021年の東日本大震災から10年を前に、この取り組みを放送したいと考えています。多くの方々に、新しい防災の形が伝わり進化していくことを切に望んでいます。

浜野高宏(日本放送協会)