ありたい姿を考えて
チケット駆動マネジメントを
導入するヒント
2023/7/7 redmine.japan
redmineエバンジェリストの会 門屋浩文
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目次
1.はじめに
2.自己紹介
3.マネジメントの次元と次への壁
4.壁を超えるためのヒント
5.最後に
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はじめに
方眼紙管理、便利ですよね
でも、限界が見えてきているかも
その限界をどう越えるか、悩み苦しんでる方々も多いと思います
今回は越えられない理由と越えた時のメリットについてお話しします
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昭和49年生まれ 愛媛県出身 redmineエバンジェリストの会主宰
23歳:民需系のSIシステム導入(販売管理・財務管理)で社会人デビュー
23歳:まもなく創業100周年になる老舗IT企業です。転職歴なし
28歳:起業家セミナー仲間と勉強会立ち上げ(B-clock)
31歳:年齢に似合わない大病を経験・マネジメントの重要性を痛感
32歳:新設されたPMOへ異動 / 34歳:PMP取得
2013年~
39歳:Redmineを知る(最初はEPM−X)。大きな可能性と魅力を感じた
43歳:redmineエバンジェリストの会を立ち上げ 定期的に勉強会実施
47歳:RedmineAwardにて優秀賞
現在:redmine.tokyo、redmine大阪で講演多数
現在:予防型PMOとしてトラブルをゼロにすべく悪戦苦闘中
提案書のレビュー・重要PJのモニタリング・PM教育
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門屋浩文(@Madowindahead)
ブログもあります 毎日更新
・プロジェクトマネジメント
・チームビルディング
・Redmine この3つにピンときたらお声かけを
こんなことありませんか?
・管理資料が多すぎる(情報が断片的なものばかり)
・最新がファイルを開いてみないとわからない(開いてもわからない)
・経緯がわからない
・何度もやってるはずなのに、結局記憶に頼ってる(そして同じ失敗を)
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なんとかしたいですよね
こんな感じの状況に対しての対応のヒントです
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口頭は止めて
ドキュメント化できた!
表でまとめることが
できた!
ドキュメントも増えてきた
まとめないと、わからないよね
ファイルが多すぎて
なにがなんだかわからない
ど、どうしよう・・・
マネジメントの次元について
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ものごとをマネジメントするときに以下の方法があります
次元 | 要素 | 例 | ツール |
0次元 | 記録なし | 口頭・テレパシー | 電話・阿吽の呼吸・呼びつけ |
1次元 | 平面の記録 | 単票 | 指示書・SLACK・メール |
2次元 | 記録を2方向から | 表・方眼紙 | EXCEL・GoogleSpreadSheet |
3次元 | 2方向+時系列 | チケット | Redmine、Backlog、Asana、JIRA |
4次元 | 3次元+??? | ???(未来形) | ??? |
今はどれを使っていることが多いですか?
2次元から3次元にあがるときの壁
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2次元から3次元に上がる壁を感じてる方・・・多いのでは?
1次元から2次元に管理方法をかえたときは、あまり難しくなかったのに、なぜ3次元にするのは難しいのだろうか?
人間が3次元の世界に住んでいるので、
2次元で一瞥できる管理までは親和性があるのではないだろうか?
マネジメントする対象はどんどん複雑になっていますが、
2次元で「一瞥できればいい」で本当にいい?
壁を超えるには
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むずかしいから意志のない誰かに任せてはダメ!
いままでこれでやってきたんだし
いいのでは?
もっといい状況を作りたい
精度の高い情報から物事を把握したい
この対立に向き合って解決しないと、易きに流れるになります
次のページからは、どういう状況だとチケット管理をしたほうがいいのをお話しします
タスクの完了までの手数①
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何回くらいのやりとりでタスクは完了しますか?
例えば5手詰め
1.依頼 → 2.作業 → 3.確認 → 4.一部修正 → 5.完了
単独で5手詰めくらいなら
方眼紙でいい
方眼紙のほうが
管理コスト少ないし
並列での作業が発生したり
5手以上の手数になったら、方眼紙管理はやめたほうがいい
時系列で整理できるチケット管理のほうがいい
滞留状況・誰から・完了条件・決定の経緯・やらない理由・作業間の関連・・あたりが情報欠損しがちです
タスクの完了までの手数②
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手数が多い
複数人かかわる
時間がかかる
状況不明
作業粒度がバラバラ
ボールがどこに
滞留がわからない
そして滅亡へ
滅亡しないためには、完了を意識した情報のまとめ方を工夫する必要があります
・いつでも誰でも見えるようにする
・一元化
・情報の鮮度を保つ
・・・など
情報の残し方と活用
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どうやって残していますか、再利用はどのようにしていますか
・どのくらいつかう?
・何回くらいつかう?
その場限りでいいのであれば、なんだっていいのですが
たとえば、「90日とかしか残らない」だと厳しいですよね?
去年のあれってどうやったっけ?
年に1回だけど毎回やる
前回やったことを参照したい
情報を整理していれば
不要な情報は案外少ない
導入するためのヒント まとめ①
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経緯を残して
過去のノウハウを活用する
過去・今の情報を
未来の自分たちに引き継ぐ
状況を一元把握し
複数の目線・複数人で一緒にやる
どういう状況を作り出したいですか?
導入するためのヒント まとめ②
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方眼紙からの脱却は難しいから、意志が必要
作業完了まで複数の手順を踏むものは、ぜひチケット管理を
ありたい姿を
何度もくりかえし考え
意志をもってやる
redmineエバンジェリストの会で議論した内容の紹介
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redmineエバンジェリストの会では、
チケットでのプロジェクトマネジメントをもっと活用できるシーンがあると考え、
仲間と議論を重ねてきていました
似たようなところで壁にぶつかってる
壁を越えたノウハウを共有すれば
絶対にみんなよくなる
成長の過程があるので
それを悩んでいる人に伝えよう
いい未来が見えるよ
意志をもって実施するためのテクニック
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redmineエバンジェリストの会では、2つのモデルを作成しています
1.必ず壁があるので、どうやって解決していくか
どのようになりたいか・導入における壁と対処方法
・マズローの欲求5段階説と対象業務
・難敵への対応 マズローの要求5段階説とTOCの抵抗の6階層
・難敵への対応 さくせん
2.いい変化は、行動や発言の変化に現れる
ツール利用の効果と変化
・PMxTM(ピーエムクロスティーエム)
マズローの欲求5段階説と運用対象業務
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プロジェクトマネジメント目線ですが、マズローの欲求5段階説と運用対象業務について
運用対象業務はプロジェクトマネジメントで定義しています
立場・役割に基づき考えてみてください
振舞 | 利用人数 | リアルタイム性 | チケット関連付 他システム連携 | 情報量 | メトリクス | 運用対象業務 |
自ら改善を始める | 大多数 | リアルタイム | 作業経緯と成果物の完全一致 | すべての経緯が確認できる | 定量的改善 | 自律型ナレッジ |
ないと仕事にならない | 大多数 | ほぼリアルタイム | 作業と成果物が同期されはじめる | 作業や進捗状況が見える | 定量的改善 | プロジェクト |
あれば便利 | 複数名 | バッチ処理、ちょいリアルタイム | 作業との関連はそれなり | 記載の粒度がバラバラ | (なし) | チェックリスト スケジュール表 |
周りに合わせる | 複数名 | バッチ処理 | 作業との関連は薄い | 事象の把握のみ。 | (なし) | 課題管理 |
命令されれば使う | 1人 | バッチ処理 | なし | 少ない | (なし) | 日報 |
脱却における難敵のふるまい
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難敵への対応 マズローの要求5段階説とTOCの抵抗の6階層
詳細は、効果的なRedmineの導入のヒント をご参照ください
| 問題に対して | 解決の方向性 | 解決策に対して | 実行すると新たな問題発生 | 実行前の障害 | 未知への不安 |
自律的ナレッジ | なんでやっているかわからない | 何が変わるかわからない | もっといい解決方法があるのでは | この業務なくなって大丈夫? | 技術的制約がある | 前例がない |
プロジェクト | なんでやっているかわからない | なんで変えるかわからない | 個人として解決していると思っている | 人間関係が悪化する | リソースがない | 責任は誰がとるんだ |
チェックリスト スケジュール表 | 取組む理由がわからない | なんで変えるかわからない | 自分にメリットがない | 自分たちの仕事が増える | 教えてくれない | 解決実行を手伝ってくれない |
課題管理 | めんどくさい | 今のままがいい | 使ったことがない | ー | ー | ー |
日報 | めんどくさい | 今のままがいい | 使ったことがない | ー | ー | ー |
難敵を対処するための作戦
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1.パーティ組もうぜ
事実の把握・できる人の力ではなくツールで巻き込む
2.パーティのレベルアップ
技術的・心理的両面から習熟度を上げる工夫
事実の把握から、予防、スケジュール把握へ
目標+αをもって実施できる高めあう仲間たち
3.仲間になりたそうに見ている
身近なうまくいっている例から、どういう結果が待っているかの良いイメージをもつ
4.できちゃった
許可・承認より謝罪、もうやっちゃってます
特命係長・マフィアオファー・政治的圧力
5.そして伝説へ
神の手の仕組化
チケット管理システムの文房具化
個々は鋭く・チームは丸く
「PMxTM」 マネジメント能力向上と変化
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トラブル発生率は低いが
リスク把握が難しい
問題時に状況が不明で
リカバリーに時間がかかる
トラブル発生率が低く
リスク把握がしやすい
問題が発生しても状況が
わかり、リカバリーしやすい
座学のみでは、
マネジメント技術の向上は難しい
×
育成強化ライン
PM技術力
ツールの利用度
この位置のメンバーを増やす!
ツールの活用を通じてプロジェクトマネジメント技術の向上を図る
「できる人の活動を真似る」
今のやり方で特に問題起きてない
やってない人の意識の問題だ
チケットに残しておいたほうが、
あとでわかりやすいから便利ですよね
ルールだから守ってきましたが、少しずつ理由がわかってきました
マネジメントをどうしたいかが先にあってその後にツールが有る
状況の把握はRedmineで、打合せは対策の検討を主に
状況を把握したいから、データをインポートしてくれないか?
答えはいつも「がんばります」
(聞いたことに答えてくれない)
作業実績の説明はなく、予定と他人のことについての話に終始
文化を変える
きっかけとなる
詳細はプロジェクトマネジメント技術向上についてを参照してください
実際に出てきた発言をピックアップしていることを伝えられるようにする
またお会いしましょう
理念やヒントを主にお話しさせていただきました
自分の中で具体化・トライし、仲間たちと話をしてみてください
小さなことから始めるのがいいです
一人でやると厳しいかったり既存勢力に負けたりしますので
redmineエバンジェリストの会にご相談ください
世代・業界を超えた仲間たちがいます
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Redmineで世界(プロジェクト)を救済する!