成人発達理論包括資料
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成人発達理論�(Adult Development Theory)
理論としてのADTの概要
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「成人」の発達を扱う発達心理学の一分野
これまで発達心理学は「大人になったら成長は止まる」という前提から、基本的には身体の発達に沿って「幼年期〜成人まで」「高齢期」に焦点が当たっていた。
そのなかで、ハーバード教育大学院教授 組織心理学学者の Robert Kegan が中心となって1980年代から発展し始めたのが「成人」の発達に着目した「成人発達理論」
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諸学問の領域イメージ
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発達心理学
成人発達理論(ADT)
自我発達(EDT)
能力発達
認知発達
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自我発達理論�(Ego Development Theory)
「包容力」の拡張について
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Stage3
Stage4
Stage5
自我が発達するにつれて 包容力が拡張していく
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「含んで超える」という基本コンセプト
成人のほとんどの成長は、水平的・拡張的なものである。人々は新たな技術、新たな方法、新たな事実、そして知識を体系づ ける新たな方法さえ学ぶが、しかし彼らの位置する段階すなわち世界に関する心的モデル (mental model) は同じままである。
一 方、自我発達理論では、心的モデルそれ自体が、時とともにどのような段階を踏んで発達していくのかということが記述される。それぞれの新たな段階は、以前の段階を部分集合として含む。それぞれの新たな段階は、それ自身のなかで一貫性をもつ新たな意味体系であると同時に、より大きくて複雑な意味体系の一部なのである。(論文より)
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自我発達理論では「垂直的発達」を扱う
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Goさんコメント
「脳科学やマスタリー、成人発達理論のガイドがなければ、今の自分の葛藤が正しいものなのかがわからなかった。」
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OS(垂直発達)とApp(水平発達)の有名なメタファー
垂直発達と水平発達の関係は、OSとアプリの関係と比較されることが多いです。
自我が発達するほど、より多くのスキルを習得でき、より複雑なスキルを扱うことができます。
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「包容力」が重要な測定ファクターです
自我・器・意識構造とも呼べるものの発達段階が上がるということは、「処理できる複雑性を増す」ということ。具体的には人称が増え、とらまえられる時間軸が増える。論文図参考。
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自我発達理論�(Ego Development Theory)
なぜADTがReapraで有用なのか
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ReapraのMission
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研究と実践を通じ、
新産業を創出することにより、
社会に貢献する
REAPRA VenturesのREAPRAとはResearch And Practice (研究と実践)を現しています。
私たちは、理想的な起業家スピリットと共に、複雑ビジネス領域を開拓するベンチャービルダーとして、経験学習をベースに「世界の複雑性をより深く取り込み、エフェクチュアル*に行動する」ことで産業レベルの事業体を創出しながら、その再現性を研究・実践し、社会に貢献します。�
*:REAPRA WAY
*エフェクチュエーション:経営学者、サラス・サラスバシーによって体系化された概念。「未来は予測されるものではなく、行為者の戦略それ自体によって、構築されるもの」という前提に立ち、分析的なアプローチで戦略を構築・実行するのではなく、行動を起点にステークホルダーを巻き込み、予測不可能な未来を紡ぎ出すというアプローチによる価値の創出を推奨している。
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仮説:ステージ5への発達が 社会と共創するマスタリーの体現には必要なのではないか
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ステージ5(自律的段階)の特徴
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他者の包摂
拡大された4人称視点によって、個々人の経験を特定の世界観という文脈のなかに、そして人生全体のなかに位置づける
他者変容
の触媒
人には意味を生成して新たな物語を語る力があるということをはっきり理解する。自分自身と他者にとって意味のあるような人生を積極的に創造することに意識的に傾倒する
システム思考
システム的なパターンや長期にわたる傾向性を理解することができるようになる。関係性とプロセスが相互連結している多様なシステムを理解できるようになる
複雑性の高い
マスタリー
自らの中にある全く異なる多数の部分を「所有」し、統合することができる
感情の完全な
メタ認知
内なる仕事(inner work)になれている。感情が相反するのは自然なことであると認識する
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ステージ5(自律的段階)の特徴
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学習捨象の包摂
自分自身の影(shadow)を側面を以前よりも更に認められるようになり、新たな統合と全体性が実現されうるようになる
複雑性への
向き合い
言葉によって、人生の複雑性を公平に表現しようとす
協働学習への
開かれ
悩ましい感情への我慢強さが増し、他者とともに共有することができるようになる。他者とのやり取りによって、自分一人では見落としがちな自己の諸側面にふれることができると理解し、他者を自身の幸福にとって不可欠な存在であるとみなすようになる
自己変容への
開かれ
一方で自己内省のために一人になる時間をも必要とする。自己は、展開しつつあるものとして経験され、絶えず再評価される。自己がこのように「展開」していくことを見ることが、この段階での主要な喜び
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インタビューに向けての事前ワーク
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主体客体インタビュー実施にあたって
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インタビュアー
時間
内容
沢津橋 / 永見
Reapra研究員がインタビューを実施いたします。
60分のインタビューを予定しています。
起業家としての「これまでの成長」と「現在の課題」についてお聞きします
事前準備
のお願い
事前に「これまでの成長」と「現在の課題」についてリストを作成するようお願いします。それをもとにインタビューを実施いたします。
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以降参考資料
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ステージ理論について
主要な発達段階
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成人発達に関するRobert Kegan の発達段階論
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環境依存型知性について 1
発達段階3は「私たち」、あるいは属する集団に焦点を当てる段階です。自己イメージは、内面化された他者、あるいは物理的な他者が考えるものによって決定づけられます。それゆえに、この段階の人々は完全にではないにせよ、社会的な規範やルールと強く同一化されています。仮に、地位・権力などが、属する社会システムにおいて重要であると認識されていれば、この段階の個人にとって、それらは非常に重要なものとなります。そうした社会的な地位を手に入れることは、彼らにとって重要になり、彼らを競争に駆り立てることになります。「目標を達成するために手段を選ばない」という発達段階2のような戦略を取ることはなく、発達段階3の人々は、「ルールに従いながら」、「公明正大に」勝ち負けを競います。
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環境依存型知性について 2
発達段階3の人々は、確立された原則を越えて思考することはほとんどなく、「彼らが所属する」組織の価値観を越えて思考することも非常に稀です。なぜなら、彼らの認識は現状(現体制)に囚われており、変化が必要であったとしても、リスクを取ろうとしないからです。仮に組織に変革が必要であるという客観的な分析結果が十分にあったとしても、また、より効率的な企業経営が行えるという客観的かつ十分な分析データがあったとしても、リスクを取ろうとしないでしょう。ゆえに、発達段階3の人々は、決して変化を促す触媒の役割を果たすことはできません。彼らが信じる有益な変化というものは、常に多数派の声を汲み取ったものなのです。
この段階の人々がリーダーのポジションにいる場合、彼らは自分の信じる慣習や規範に従い、それらに応じて組織や集団の文化を築き上げようとするでしょう。しかしながら、それらの慣習や規範が社会において認識や信頼を得られない時には、彼らが組織や集団の文化を築き上げることは非常に困難になるでしょう。それゆえに、彼らが築き上げようとする気風は、個人の業績に焦点を当てるのと同様に、集団の効率性についても焦点を当てたものとなります。
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自己主導(著述)型知性について 1
発達段階4は「私」段階とも形容されますが、発達段階2でいう「私」とは意味がかなり異なります。発達段階4の人々は、誰か他の人間になろうとするよりも、自分自身を発見した人のことを指します。彼らは、発達段階3で掲げた目標を持ち続け、それらを追求することがあるかもしれませんが、自分が属する集団の価値観を客観的に見る「眼」を獲得しています。つまり、彼らは完全にとまではいかなくても、他者に依存することなく、他者の独自性を尊重しつつも自分自身の価値観を持つことができます。
彼らにとって、自分の中にある空虚さ、つまり自分の無価値さを発見し、それと向き合うことは大変困難です。しかし、自分の中にある空虚さが発見されれば、彼らは徐々にそれらを受け止めることができるでしょう。こうした意味において、彼らは、発達段階4に至っていない人々に比べて、より自己を受け止めることができます。
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自己主導型知性について 2
しかしながら、彼らは以前自分自身を強く定義していた価値観や考え方を避けようとします。彼らはとても客観的な視点を持っているので、自分を定義する価値体系を変化させるために何をする必要があるのかということに関して優れた洞察を有しています。そして、一度そうした洞察を獲得すると、彼らは現在の意識の重心構造をより強固なものにしていきます。
しかし、彼らが言うところの変化とは、往々にして自己を越えたより広大なものに自分を変化させていくというよりも、今の自分の価値観に自分を近づけていくことを指します。すなわち、自分独自の価値観や行動原理を保持しながら、現状維持を心掛けた変化を生み出そうとします。
発達段階4の人々は、自分の認識の枠組みに囚われているため、より高度に意識段階が発達した人に比べて、他者の価値観を尊重することができません。こうした点は、彼らがより成長することや彼らの学習を妨げる要因となります。
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自己変容型知性について 1
発達段階5にいる人々は、もはや自分の認識の枠組みが作り上げた、いかなる対象物(個性、地位、資産など)にも強く同一化することはありません。彼らは、自分が考えること全ては、世界の限られた側面しか映し出さないことを知っています。結果として、彼らは、人生というものが一生涯にわたる学習であるということを、単なる陳腐な決まり文句としてではなく、深いレベルで理解しているのです。彼らにとって、生涯続く学習そのものが、自分の人生になるのです。
発達段階5の人々にとって、協働することは、異なる認識の枠組みを理解する機会となります。そこでは、自己と他者をより良く理解するために、頻繁に自己の限界というものを曝け出そうとします。こうした特徴は、彼らのレベルでコンセンサスを築き上げることを可能にし、彼らは優れた統治者になりえます。また、企業のゴール、企業システム、企業文化を創出する価値観を再考する際にも、彼らは貴重な存在として重宝されるでしょう。
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自己変容型知性について 2
発達段階5の人々は、明確なビジョンを持ってリスクを取るポジション、他者・組織、広義においては社会そのものを発達させるポジションに最適だと言えます。彼らは、自分の認識を他者に照らし合わせる際の限界点を明確に捉えることができます。また、自分を客観的に見る眼に優れ、非常に謙虚です。
発達段階5の人々が組織において醸成する気風は、非常にオープンであり、探求を支援し、合理的な限界を認識しながらリスクを取ることを後押しするような特徴を持っています。また彼らは、他者および組織全体を発展させること、そして持続可能な成長を奨励するような文化を醸成することができます。
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自己と他者の視点からみた段階論
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Stage 2.0 自己中心型
2.0
Stage 3.0 環境依存型
3.0
Stage 4.0 自己主導型
4.0
Stage 5.0 自己変容型
5.0
自己
他者
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発達段階 4に向けて
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ステージX.2 ~ X.8の一般原則
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自己主導型知性への発達に向けて
発達段階3から4へ至る際に下記のような現象が個人の意識の中で生じます。
発達段階3の個人にとって、上記三つのステップを経ることは大変困難です。なぜなら、彼らは、自分自身が物理的および内面化された他者によって定義づけられていることに気付いていないからです。それゆえに、発達段階4の価値観を体現化するのではなく、単純に表面的な言葉で支持することが頻繁に見受けられます。
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自己主導型知性について
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自己主導型知性には「創造者的感覚」が必要である
創造者的感覚(self-authorship)とは、衝動や知覚、欲求、関心や、対人関係、アイデンティティなど文化的・社会的規範に大きく左右される自己の価値観システムといった、いわば「とらわれ」が存在していること、そしてその「とらわれ」が自らの認知や思考に影響を及ぼしていることを俯瞰し、受けとめた上で、自らの在りようを創造する(self-authoring)感覚といえる。
(別文献にて)
「排他的な思考や環境の期待の虜になることなく、経験から学び、自ら考える」精神的秩序
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発達段階 5 に向けて
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EDTは自我と自分との距離に関する理論である
「この理論で定義されている成長のプロセスは、私達が主体的である世界を理解する方法において、私たちが見えずに未検査なものたちを、見ることができ精査できる場所に移すことです。そしてそれらは、私たちの精査の対象になり、選択した場合は、内省の対象になります。」
(ジェニファー・ガーベイ・バーガー)
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起業家として自我を客体化する必要性
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シャドーが視点を限定してしまう。(学習捨象)� 価値観に埋め込まれた隠れた前提=シャドー
シャドウはそれ自身の認識装置そのもので、無意識のままであるため認識が困難です。シャドウは、自分自身または他人に引き起こされた感情的苦痛の分野に潜むザッピングエネルギーです。他人の影のエネルギーを認識するのは簡単なことがよくあります。しかし、影は粘り強いので、誰かの影を指摘することはしばしば抵抗と出会います。
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Blind Spot
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複雑性との向き合いとシャドーワーク
相対的に現在より複雑性の高いもののマネージに挑戦し続けることで、自我の範囲を拡大し続けることが「自我の発達」のための手法
(マスタリーの範囲が拡大していく上記イメージと同様)
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・相対的に単純な業務
・コンフォートゾーン
・現状の自我で使える「意識」内だけでマネージ可能
・相対的に複雑な業務
・現状の自我(意識)でマネージできる範囲と難易度を超える
・必然的にシャドー(無意識)に向き合わされる
・アンコンフォート(ラーニング)ゾーン
複雑性の拡大
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自己変容型知性
自己変容型知性の持ち主も、情報を受信するためのフィルターをもっている。しかし、自己主導型知性の持ち主と違うのは、フィルターと自分が一体化していないことだ。フィルターを通してものごとを見るだけではなく、フィルターと距離を置いて、フィルターそのものを客観的に見ることができる。…時間が経過して世界が変化すれば、いま有効なやり方が明日は効力を失う可能性があると理解しているのだ。
自己変容型知性の持ち主は、ほかの人とコミュニケーションを取るとき、自分の目標や計画を前進させることだけを考えない。それを修正したり改善したりする余地をもっている。自己主導型知性の持ち主と同様に、情報を得るための問いを発する場合もあるだろう。しかしそういうときも、自分の計画の枠内で問いを発するのではなく(言い換えれば、自分の掲げる目標を推進するうえで有用な情報だけを求めるのではなく)、計画そのものの妥当性を判断するための情報も欲しがる。計画を強化し、磨きをかけ、修正するきっかけになるような情報を得ようとするのだ。そうやって、計画に多くの要素を反映させていく。情報を発信するのは、自分の思い描く目的地に向けて車を走らせるためではない。道路地図を描き直したり、目的地を修正したりすることが目的だ。
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自己変容型知性への発達に向けて
必要な内省:「弱み」にフォーカス/換言すれば、「自分が見ようとしていないもの」「捨象」「重要だとも思っていないもの」に気づく
(心理学用語では「シャドー」)
「強み」だと思っているものの裏で、何が「弱み」となっているのかを認知する
その「弱み」の形成過程の認知と、その「弱み」が自覚せぬ形で発露してしまっている局面の認知のための内省
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シャドーワーク
発達段階 5 に向けて
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自己主導型知性 vs 自己防衛機能
単なる変容への見通しでさえ、私たちの先天的な自己防衛メカニズムを引き起こすには十分である可能性があり、私たちが実際に変容し始める前に、私達の努力を妨害する原因となります。 (ロバート・キーガン)
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Phase1 : 現在の意味構築機能に疑いを持つ(stage 4.2)
発達段階4.0の人は自己防衛的です。
より高次への発達に際しては、彼らは自身の意味構築機能に限界があることを受け容れる必要があります。
手法:
360°フィードバック
HRMにおける葛藤
etc…
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Phase2:シャドー発見のための支援(stage 4.4)
自分の「影」と直接向き合う心理的作業は容易ではありません。そのため、多くの場合、「私」はしゃくに障る「他者」の振る舞いを通して自分自身の「影」と出会うことになります。言い換えると、「私」は自分のものとして認められない心の動きを「他者」に押しつける傾向を持っているのです。この心的機制は「投影」と呼ばれています。皆さんも自分自身の「影」を多かれ少なかれ「他者」に向かって「投げ捨てる」ことを日常的に行っているはずです。
しかし、「影」を誰かに投影しても、本当の意味で「投げ捨てる」ことはできません。逆に、「影」を投影することで、その相手の一挙手一投足に悩まされようになり、常にイライラせざるを得なくなるでしょう。
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Blind Spot
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発達的な退行リスク
発達課題の積み残しは、発達範囲としての下限値に影響する。上限値として発揮できている意識構造のなかで、状況によっては意識構造が一時的に退行してしまうリスクがある。
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シャドーの概念的イメージ
要因:
幼少期の欲求不満
発達を強いられた
母に甘やかされ自制心が育たなかった
父が厳格で抑圧された
結果を出さなければ認められなかった
…etc
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Phase3:シャドーを構造的に理解する
人間は方向性をもって発達成長する生き物であり、認知構造が上がる段階では圧倒的なエネルギーを必要とする、全身全霊でとりくまなければ突破できないような課題を経て実現していくもの。
そのためには無意識の領域に存在している「シャドー」を放置していては、それを抑圧する事にエネルギーが使われてしまう。
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「シャドーに向き合う」とは
私たちは「it」(3人称の視点)として他に作られたものを取り上げることによってプロセスの「3」の部分からスタートし、それと関係を取り戻し、直接に接触することで、それに対峙します。私たちはそれから「it」として見られていたものを取り上げ、私たちの側面を、「you」(二人称の視点)としての部分的な気づきへと回復します。私たちはそれと話し、それに携わり、それと問答し、それと関係します。プロセスの「2」の部分で、私たちは、そのフックにアプローチしますが、しかしまだそれと同一化することはありません。それから、最後にプロセスの「1」部分で、「you」として部分的に照明されていただけのものを取り上げ、それになる(by being it)ことによって(一人称の視点)十分にそれを「me」あるいは「mine」として主張します。こうして私たちは3-2-1プロセス:三人称の視点から二人称の視点、そして一人称の視点へ、をもちます。「it」であったものは「you」に回復し、それは最後にまさに私の自己の側面として「me」へと回復するのです。
私たちは、それと対峙し(face it)、それと話し合い(talk to it)、最後にそれに「なる(be)」のです。それが3-2-1プロセスの本質であり、抑圧された心理の次元との関係において深遠な自己理解を獲得するまさにシンプルな方法なのです。
ケン・ウィルバー他『【実践】インテグラル・ライフ 自己成長の設計図』
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シャドーに向きあうプロセス
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無意識
認識
対話
受容
・エニアグラム
自分の人格や性格の特徴を客観的に認識する
・MBTI
自分の思考や性格の特徴を客観的に理解する
・スキーマセッション
性格や認識の歪みの歴史や、その現れ方について構造的に理解する
・シャドーセッション
沢津橋などとの対話を通して、シャドーの願いを考える
個性に関する理論を用い、「自己」についての発見と認識を促します。
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シャドーワークの概念的イメージ
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否定的な感情
なぜそんな風に感じるんだい?
昔何かあったのかい?
It(3人称)の発見
自分のものに戻していく
対話する(2人称)
自分(1人称)のものにする
それ(it)は自分から出ていると悟れ。
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シャドーのライフサイクル
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シャドーとの向き合いは幸福感を増大する
シャドーの言語化は非常に重要です。シャドーには願いがあります。
あなたの内なる欲望について話す(言語化する)ことは非常に重要です。これらの欲求(影の願い)が表面化しない場合、私たちの行動は一貫性を失い、日々の行動は代償行為になります。
抑制された影の非言語化の例。
人の本当の欲求とニーズが満たされていないため、人に悪影響を及ぼし続ける可能性があります(害の程度はさまざまです)。たとえば、母親に愛されたいので自分を傷つけたいと表現する手首を切った女の子(代償行為)。私たちの社会のメンバーにも何らかの補償があります。
熟達の概念は、あなたの奥深くから来る願い(シャドー)が習熟によって実現することを示唆する指針です。
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マスタリーとは 熟達を通じてシャドーの願いを叶えることを示唆している
マズローが教えるように、自己表現と達成による低レベルの欲求の昇華は、人間としての高レベルの欲求です。
影が必要とするものを達成するために、彼らはそれを行う能力を持っています。特に、起業家精神、経営、またはそれらとの関わりによって影への願いを実現したい場合、スキルまたは習熟が不可欠です。影の願いを明確にし、それらを実現するために超長期的に行くこと。これがCCwS Masteryの意味です。 (沢津橋)
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Reapraの支援概要
支援ツール
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Reapraでは、Stage5.0への発達を支援する
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Stage 5.0
stage5.0は、個々の経験を人生全体の中に位置づける事ができ、そうした事象を長期的なシステムとして理解できるようになる。また、他者との交流を通じて、一人では見落としがちな諸側面に触れることができ、共同学習に開かれ、自己変容に開かれている。また、他者の存在が自身の幸福にとって不可欠であると認識し、他者を変容させる触媒となれる。
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発達に必要なもの
1)環境
やむにやまれず発達するような環境
2)内発的動機
自らの「自我」(エゴ)にこだわらない高い目標
3)メンター(内省の促進)
上の視座の世界での考え方で常に対話してもらう
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発達段階を 0.2 刻みで測定します
Reapraは発達段階測定ツールとして、ロバート・キーガンの主体客体インタビューを使用しています
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「過去の語りの重奏化」を支援します。
発達段階5に向かいにつれて、自分の過去のストーリーの語りが重奏的になります。
それは、シャドーを認識するに従い、「語られなかったストーリー」を認識するようになるためです。
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理想的な自我発達は会社の成長と連動するか?
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Biz-Dev
SO
IPO
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Stage/個人に応じた支援を提供します
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Schema Session
iFD
Enneagram
強みを伸ばす
弱みに
向きあう
Immunity to change
Shadow
Session
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Reapraの支援概要
過去の支援事例
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事例1:投資先CEO�CEOの課題との向き合い
coming soon..
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日本での実践的な支援事例
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3.6
3.8
4.0
4.2
Before
After
Potential
Gravity
risk
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Appendix
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ステージ5(自律的段階)の特徴
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ステージ5(自律的段階)の特徴
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