1 of 56

Singularityではなく�Pluralityという未来

2025-07-05 未踏ブースト会議 Lightning Talk (v2)�サイボウズ・ラボ 西尾泰和 (2002年未踏ユース)

2 of 56

2024年5月Plurality本が出版

  • Audrey TangとGlen Weylが中心となって�GitHub上で書かれたOSSとしての本
  • PLURALITY:�THE FUTURE OF�COLLABORATIVE TECHNOLOGY�AND DEMOCRACY
  • 協力技術と民主主義の未来

3 of 56

Plurality本の和訳が出ました

  • 翻訳: 山形浩生 解説: 鈴木健(2002年未踏本体OB)�SmartNews創業者 / “なめらかな社会とその敵”
  • AudreyとGlenから日本向けに熱い前書きも!
  • すでに増刷が / Kindle版とAudible版もあります

4 of 56

自己紹介: 西尾泰和

  • 英語版の編集
  • 本文にも少し寄稿している
  • 和訳Scrapboxを運営してたら�日本語版作成チームリーダーに指名された

GitHubのContributors

2024-07-25 Funding the Commons

5 of 56

Pluralityとは何?

  • これはLTの限られた時間ではきちんと説明できない
  • ある概念が既存の言葉で簡潔に説明できるなら、それは新しい概念ではない
  • Audrey Tang “我々が表現したいことを表現するには�たくさんの形容詞が必要です。�しかし、形容詞が多すぎると、言葉が長くなりすぎて�誰も聞いてくれなくなります。”
  • 残り時間でとても雑に説明すると…

6 of 56

Singularity�でいいのか?

7 of 56

21世紀のイデオロギー

バズワードとしての「Singularity」�“AIが全部やるから人間は必要ない”的考え

8 of 56

技術が強い力を生み出す時

  • 技術が生み出す力は社会のあり方に大きな影響を与える
  • 技術は中立で、社会を良い方向にも悪い方向にも変えうる
  • 技術に詳しい専門家が社会の舵取りに参画しないとヤバい

Wikipedia: 国民ラジオ

Wikipedia: キノコ雲

Wikipedia: 天網

Wikipedia: UCAV

9 of 56

SingularityとPluralityの方向性の違い

技術にブレーキをかけるのではなく、ハンドルを握る

  • 雑にいうと:
  • Singularity: 技術で効率を高めていこう�(そのためには能力のない奴は切り捨てることになるよね)
  • Plurality: 技術で多様な人々の協力を促進しよう�(そのためには意見や文化の異なる人を排除できないので効率は下がるよね)
  • 効率と包摂のトレードオフ�→バランスが大事、効率をKPIにしてSingularity100%にするのは危険

10 of 56

世界はひとつの声に支配されるべきではない

多様な意見がある状態を維持すべきだ

11 of 56

協力促進技術の例: ブロードリスニング

会誌「情報処理」Vol.64(2023-08)

12 of 56

協力促進技術の例: ブロードリスニング

  • 東京都 “シン東京2050”
  • 通常のパブコメより2桁多い�3万件近い意見が集まった
  • それをLLMでEmbeddingしてUMAPで可視化、西尾の新アルゴリズムも提供

2025-01-31 日本テレビ

13 of 56

ブロードリスニングは人間の能力増強

  • 人間の「他の人々の考えを理解する能力」を増強することによって�より良い協力をもたらす技術
  • 「デジタル民主主義」と呼ぶと政治のことだと視野狭窄してしまいがちだが�AudreyとGlenが目指す「協力技術」は個人でも民間企業でも使える技術
  • これらに“Plurality”と名前がつくことで思考の手助けになる

14 of 56

Audrey Tang said:

Whenever we hear that�a singularity is near,�let's always remember�the plurality is here.

「シンギュラリティが近い」と聞いたら� プルラリティがここにあることを思い出しましょう

15 of 56

16 of 56

21世紀のイデオロギー

17 of 56

3つのイデオロギーの間に2つの対立軸がある

18 of 56

19 of 56

Figure 3-0-A. Three-part definition of ⿻ 數位 Plurality

20 of 56

21 of 56

Figure 4-0-B. A hypergraph that visualizes people, groups, relationships, and digital assets

22 of 56

23 of 56

情報処理,52(12),1487-1487 (2011-11-15)

24 of 56

25 of 56

Figure 5-0-A. The trade-off between breadth of diversity and depth of collaboration�represented as points along a production possibilities frontier

26 of 56

27 of 56

第三の著者 ⿻Plurality Community

  • コミュニティメンバーの平均顔

28 of 56

  • 5月にAudrey TangとGlen Weylの書籍の和訳がサイボウズから出ます(翻訳: 山形浩生さん)
  • これはAIが発展していくこれからの時代に「シンギュラリティがきて全部AIがやる未来」が唯一の選択肢なの?別の道があるのでは?という本
  • 人々がより良い協力をできるようにAIが支援する
  • サイボウズは「チームワークあふれる社会を創る」がミッション。�ソフトウェアに限らず創っていく!
  • 理想に共感する方のご応募をお待ちしてます!

2025-01-31 日本テレビ

2024-07-25 Funding the Commons

29 of 56

30 of 56

Singularityではなく�Pluralityという未来

2025-03-09 未踏ナイト Lightning Talk�サイボウズ・ラボ 西尾泰和 (2002年未踏ユース)

31 of 56

Plurality本が出版された

  • 2024年5月英語版が出版された
  • Audrey TangとGlen Weylが中心となって�GitHub上で書かれたOSSとしての本
  • PLURALITY:�THE FUTURE OF�COLLABORATIVE TECHNOLOGY�AND DEMOCRACY
  • 協力技術と民主主義の未来

32 of 56

Plurality本の和訳が出ます

  • 5月2日発売予定 (翻訳: 山形浩生)
  • 5月上旬に両著者の来日イベントも開催予定
  • 解説: 鈴木健(2002年未踏本体OB)�SmartNews創業者 / なめらかな社会とその敵
  • AudreyとGlenから日本向けに熱い前書きが!
    • Audrey: ⿻Plurality 新たなるギャザリング
    • Glen: まったく予想外の⿻の舞台
  • Amazonで既に300冊以上も予約されている

33 of 56

自己紹介: 西尾泰和

  • 英語版の編集
  • 本文にも少し寄稿している
  • 日本語版作成チームリーダー

GitHubのContributors

2024-07-25 Funding the Commons

34 of 56

Pluralityとは何?

  • これはLTの限られた時間ではきちんと説明できない
  • ある概念が既存の言葉で簡潔に説明できるなら、それは新しい概念ではない
  • Audrey Tang “我々が表現したいことを表現するには�たくさんの形容詞が必要です。�しかし、形容詞が多すぎると、言葉が長くなりすぎて�誰も聞いてくれなくなります。”
  • 残り時間でとても雑に説明すると…

35 of 56

Singularity�でいいのか?

36 of 56

ここでいうSingularityは…

  • 単純化された未来像�“AIが全部やるから人間は必要ない”
  • 元々の技術的特異点の定義から離れて�不明瞭なバズワードとして世の中に広まり技術への恐怖を煽っている
  • 未来が見えない不安感・技術進歩に対する反発・終末思想の苗床

37 of 56

技術に対する反感

(ここにいる人は好感持ってる側だと思うけど)

2025-02-16サンデージャポン

  • 斎藤幸平氏「技術でよりよくしていこうってのは危険な思想」
  • 「技術」のもたらすものが、良いものも悪いものもあいまいにひとくくりにされて、まとめて批判されてしまう
  • しかもSNSではなんか人気

「技術でよりよく」のどういう方向が「よい」のかを明確化していくのが大事

38 of 56

SingularityとPluralityの方向性の違い

  • 雑にいうと:
  • Singularity: 技術で効率を高めていこう�(そのためには能力のない奴は切り捨てることになるよね)
  • Plurality: 技術で多様な人々の協力を促進しよう�(そのためには意見や文化の異なる人を排除できないので効率は下がるよね)
  • 効率と包摂のトレードオフ�→バランスが大事、Singularity100%にするのは危険

39 of 56

世界はひとつの声に支配されるべきではない

多様な意見がある状態を維持すべきだ

40 of 56

協力促進技術の例: ブロードリスニング

会誌「情報処理」Vol.64(2023-08)

41 of 56

協力促進技術の例: ブロードリスニング

  • 東京都 “シン東京2050”
  • 通常のパブコメより2桁多い�3万件近い意見が集まった
  • それをLLMでEmbeddingしてUMAPで可視化、西尾の新アルゴリズムも提供

2025-01-31 日本テレビ

42 of 56

ブロードリスニングは人間の能力増強

  • 人間の「他の人々の考えを理解する能力」を増強することによって�より良い協力をもたらす技術
  • 「デジタル民主主義」と呼ぶと政治のことだと視野狭窄してしまいがちだが�AudreyとGlenが目指す「協力技術」は民間企業でも使える技術
  • これらに“Plurality”と名前がつくことで思考の手助けになる

43 of 56

Audrey Tang said:

Whenever we hear that�a singularity is near,�let's always remember�the plurality is here.

「シンギュラリティが近い」と聞いたら� プルラリティがここにあることを思い出しましょう

44 of 56

45 of 56

Plurality本の鈴木健さんの解説(限定公開)

  • 校正前の原稿のため、一部変更の可能性があります
  • 将来的に一般メディアで公開予定ですが現時点では拡散しないでください
  • SNSに感想を書くことは大歓迎です。�どこで読めるの?とか聞かれたら�「未踏ナイト限定公開だった」でOK

46 of 56

47 of 56

Figure 3-0-A. Three-part definition of ⿻ 數位 Plurality

48 of 56

49 of 56

Figure 4-0-B. A hypergraph that visualizes people, groups, relationships, and digital assets

50 of 56

51 of 56

情報処理,52(12),1487-1487 (2011-11-15)

52 of 56

53 of 56

Figure 5-0-A. The trade-off between breadth of diversity and depth of collaboration�represented as points along a production possibilities frontier

54 of 56

55 of 56

第三の著者 ⿻Plurality Community

  • コミュニティメンバーの平均顔

56 of 56

  • 5月にAudrey TangとGlen Weylの書籍の和訳がサイボウズから出ます(翻訳: 山形浩生さん)
  • これはAIが発展していくこれからの時代に「シンギュラリティがきて全部AIがやる未来」が唯一の選択肢なの?別の道があるのでは?という本
  • 人々がより良い協力をできるようにAIが支援する
  • サイボウズは「チームワークあふれる社会を創る」がミッション。�ソフトウェアに限らず創っていく!
  • 理想に共感する方のご応募をお待ちしてます!

2025-01-31 日本テレビ

2024-07-25 Funding the Commons