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CDシンポジウム2025

�セッション番号:CD08

テーマ:アクセシブルな取説を考える

JTCAシンポジウム2025        2025年 8月29日(金)

登壇者: 下川 和男  一般社団法人 日本電子出版協会  

CDシンポジウム 2025

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自己紹介、日本電子出版協会のご紹介

  • 下川和男 元イースト株式会社 社長
    • 1981年 日本初のMS-DOSワープロ企画・開発
    • 2010年 ブラウザーへの日本語組版導入
    • 2020年 電子復刻:古い出版物のデジタル化

  • 一般社団法人 日本電子出版協会
    • 1986年 岩波書店 広辞苑CD-ROM
    • 出版のデジタル化を推進・日本語組版
    • 毎年30本のセミナーをYouTube公開 ⇒

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はじめに:デジタル = アクセシブル

no one left behind ⇒ Access for All, Education for All, ・・・

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デジタルドキュメントの形式:PDF、HTML、EPUB、Word

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PDF:画像

PDF:テキスト

HTML

EPUB

Word

画面での読みやすさ

△固定

△固定

◯リフロー

◎ 目次・拡大縮小

レイアウトの美しさ

ファイルの作りやすさ

アクセシビリティ

  • EPUB「頁番号がない」、メタ情報に論理目次アリ。論理項目で読んだ頁を認識できる。
  • EPUBを作るには、マークダウンからコンバーターで変換、でもビュアーがない
  • PDFは単なる版面内の位置情報と書体、文字コード、文字サイズの羅列だが、EPUBやWordの内部は構造化文書であるHTMLとCSSなので、Web標準そのもの。メタ情報として目次や書誌情報も加えることが出来る。
  • HTMLとEPUBとWordは「兄弟!」 構造化されている

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EPUBとは(HTMLとCSSをZip圧縮、2011年

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  • Open Type Font
  • MP3 Audio
  • H.264 Video  …etc.
  • HTML5
  • SMIL
  • SVG
  • CSS3
  • Math Jax

EPUB 3

.epub(=.zip)

 <Text> HTML

 <Styles> CSS

 <Images>

  ・・・

 W3C       IDPF ⇒ W3C

サービスからプロダクツ

スクロールから改頁(リフロー)

EPUB 3 = EPUB 2 + a11y(accessibility) + i18n(internationalization)�JEPAセミナー映像 もう一つの『EPUB戦記』

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EPUB書籍の例(Amazon Kindle)【デモ】

目次(ナビゲーション)、リフロー、読上げ、検索、アクセシビリティ

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Wordドキュメント

  • Wordドキュメント(.docx)は国際標準規格�⇒ 仕様が公開されている OOXML
    • 中身はEPUBと同じようにzip圧縮された「XML」 
    • Googleドキュメントでもdocxは読める

  • デジタル庁の事例
    • デジタル庁は、docx、xlsx、pptxなども一部、公開している
    • デジタル庁のHPは文字(テキスト)主体で、シンプルな構造(アクセシビリティ)
    • Word文書は改ざん可能だが、改訂履歴がdocx内に残るので、真偽が判定できる

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HTML書籍の例

日本電子出版協会「電子出版クロニクル」

https://www.jepa.or.jp/jepa/chronicle/

「紙」と「PDF」と「HTML」で出版

HTMLの読み上げでは画像の「代替テキスト」を設定

「EPUB」にはしていない

⇒標準ビュアーが存在しない

 一時期、マイクロソフトEdgeのベータ版に� 入っていた

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PDFのテキスト化

  • 総務省デジタルディバイド解消事業 「版面解析」と「OCR」
  • 2021 Google Cloud Vision
  • 2022 国立国会図書館 NDL OCR
  • 2023 生成AI活用 GPT-4o(Omni)で精度が飛躍的に向上

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DXからAX(AI Transformation)へ

  • デジタルトランスフォーメーション ⇒ AIトランスフォーメーション
  • 例:Google検索で「iPhoneからダイレクトに印刷」
    • AIが組み込まれているので、手順を教えてくれる

  • 取扱説明書などをWeb上で一般公開する
    • HTMLでもPDF(画像)でもPDF(テキスト)でも良い
    • そこにサーチンエンジンが来てくれればOK
    • 新規サイトの場合はGoogleに登録

  • 数年後には・・・
    • 各国語に自動翻訳される
    • 各国の言語での音声問い合わせに、音声で応答(アクセシビリティ)
    • 動画を自動生成し、手順を説明してくれるかも?

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付録:電子出版・近未来 資料要約映像(2024/09)

  1. 国会図書館の全蔵書が正しい構造化テキストに
    1. 本の改訂もEPUB制作も容易に
  2. ChatGPTが日本的に話し出す
  3. 出版物と対話する
  4. 教科書は友だち
  5. 試験がデジタルに
  6. 証書がスマホに
  7. 科学論文がデータとロジックに
  8. 画面で読む
  9. 言語の壁がなくなる
  10. マンガは世界同時配信

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