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動画配信

基礎知識

情シス編

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動画配信とは

  • オンデマンド配信
    • Amazon Prime・Netflix・YouTube等
      • 編集済みビデオ番組を配信する

  • ライブ配信
    • YouTube Live・ニコニコ生放送・Twitcasting等
      • リアルタイムにビデオ映像を配信する

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動画配信とは

  • オンデマンド配信
    • Amazon Prime・Netflix・YouTube等
      • 編集済みビデオ番組を配信する

  • ライブ配信
    • YouTube Live・ニコニコ生放送・Twitcasting等
      • リアルタイムにビデオ映像を配信する

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「ライブ配信をしたい」と相談されたら

  • 番組構成をしっかり練りましょう
    • 誰に何を伝えるための番組配信なのか
    • 脚本
      • 台本
      • 絵コンテ�
  • 関係各所と連携しましょう
    • 広報部
    • マーケティング部
    • 情報システム部

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「ライブ配信をしたい」と相談されたら

  • 番組構成をしっかり練りましょう
    • 誰に何を伝えるための番組配信なのか
    • 脚本
      • 台本
      • 絵コンテ�
  • 関係各所と連携しましょう
    • 広報部
    • マーケティング部
    • 情報システム部

脚本は台本や絵コンテ等をすべて内包した、いわば詳細設計書です。そこから、機能別設計書として、

・台本=いつ誰が何をしゃべるか

・絵コンテ=いつどういった画をだすか

といった物が必要になります。

タイムラインに沿って移り変わっていくので、ガントチャートっぽいものも作ってみてもよいかと思います。

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情シスがライブ配信

  • ITに明るい技術者がいるイメージ
  • パソコンを使ったりしてるからきっとできるという期待�

いつも何とかしてくれているから、�何とかしてくれるに違いない

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情シスがライブ配信

  • ITに明るい技術者がいるイメージ
  • パソコンを使ったりしてるからきっとできるという期待�

いつも何とかしてくれているから、�何とかしてくれるに違いない

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情シスは何をするのか

  • ライブ配信に必要な機材の調達
    • ビデオカメラ
    • パソコン
    • 映像ミキサー
    • 音声ミキサー
    • 映像キャプチャー などなど
  • ライブ配信をする会場との調整
    • ホテルの宴会場
    • ライブハウス
    • 映像スタジオ
  • 実際のライブ配信時の配信作業
    • 機材は多岐にわたるので一人では無理

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情シスは何をするのか

  • ライブ配信に必要な機材の調達
    • ビデオカメラ
    • パソコン
    • 映像ミキサー
    • 音声ミキサー
    • 映像キャプチャー などなど
  • ライブ配信をする会場との調整
    • ホテルの宴会場
    • ライブハウス
    • 映像スタジオ
  • 実際のライブ配信時の配信作業
    • 機材は多岐にわたるので一人では無理

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情シスは何をするのか

業者に頼るのも一つの手

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機材について - 選定のポイント

  • ビデオカメラ
    • 広角時の画角
    • ズーム性能
    • 明るさ
    • インターフェース
      • HDMI・SDI・USB�
  • パソコン
    • 配信ビットレート
    • Open Broadcaster Software等の利用�
  • 映像ミキサー
    • カメラの台数
    • インターフェース
    • キー
  • 音声ミキサー
    • マイクの本数
    • ライン入力の数
    • USB搭載
    • 付加機能
      • エフェクター
      • ディレイ�
  • 映像キャプチャ
    • 解像度
    • フレームレート
    • レイテンシー
    • パススルー

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ビデオカメラ

  • 広い会場で使わないのであれば、家庭用ビデオカメラの上位機種で十分
  • 家庭用ビデオカメラはHDMI出力。HDMIに対応するキャプチャ機器等が必要
  • 会議室等、広くない部屋では広角時に広めの画角が必要になることが多い
  • カメラに付属しているマイクは期待しない。音声は別に対応する
  • 一眼・コンパクトデジカメの動画機能はライブ配信には向かない
  • 通常の会議室では明るさが足りないので別途ビデオライトを使う

画角について35mm換算と表記されることが多いです。

業務用カメラは外部マイクを繋げられます。

熱暴走したりしますので、ビデオカメラが無難です。

テレビ局等では、キャストさんにマットなメイクをしてガンガン照明を当てるレベルです。照明で暑くなります。

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配信用パソコン

  • CPU - 配信用エンコードを担当
    • Intel Skylake(第6世代) 以降の 4 Cores / 8 Threads 以上
    • AMD Ryzen Zen+ 以降の 4 Cores / 8 Threads 以上
  • GPU - 画面合成を担当
    • GeForce GTX 1060 以上が望ましい
    • Intel Coffee lake(第8世代)以降であればCPU内臓型GPUでも動く
  • メモリー
    • 32GB以上を推奨
      • 同時に立ち上げるソフトウェア要件による(会議用ソフトウェア・OBS等)
  • ディスク
    • 配信と同時に録画する場合は配信ビットレートに合わせたストレージを用意する

Intel QSV等の拡張命令が必要です。

個人的にはCPU内蔵GPUでも今の世代は十分ですが、画面出力等を考えると外部GPUがいいかと思います。

安定稼働させるためには16GB以上必須です。Teams、Zoom、WebEx等を使うとその分も消費します。

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映像ミキサー・スイッチャー

PCで画面合成をするとどうしても不安定になるときがある

放送機材と呼ばれるものもあわせて、レンタル・購入で用意が可能

  • 入力数
  • キー数
  • 出力数
  • USB接続
  • 録画機能

Blackmagic Design ATEM mini

Roland V-8HD

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映像ミキサー - 入力数

  • HDMI 入力数
    • HDMI(一般的に使われる映像端子)の入力
    • スケーラー(映像サイズ変換)の内臓有無
    • HDCP(著作権保護機能)の対応有無�
  • SDI - Serial Digital interface 入力数
    • HDMIよりも長距離を同軸ケーブルで引き回せる(~100m程度)
    • SDI出力のビデオカメラは基本的に業務用
    • BNCコネクタを利用しているため、不慮の端子抜け事故がおきづらい
    • 大抵の解像度の場合、HDCP のない HDMI と SDI の相互変換が可能

スケーラーがないと、PCをつないだときに映像が正しく出ない等の相性が出ます。

DVD/Blu-rayプレーヤー等を使う場合は注意してください。

SDIはSMPTEという団体の規格です。対応解像度・fpsについては

SD-SDI(SMPTE 259M)

HD-SDI(SMPTE 292M)

3G-SDI(SMPTE 424M)

あたりを参照してみてください。

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映像ミキサー - キー

透過処理を行うための映像信号

  • 特定の色をキーとして透過処理を行う「クロマキー」
  • 明るさをキーとして透過処理を行う「リニアキー・ルミナンスキー(ルマキー)」
  • 特定の映像パターンをキーとして透過処理を行う「外部キー」

これらを利用して映像の合成を行うことになるが、利用する機材によって数や種類をどれだけ利用できるかが違うので注意

グリーンバック、ブルーバック等を使うパターンです。

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映像ミキサー - 出力数

映像ミキサーの出力は大きく分けて3種類

  • メイン(プログラム)アウト
    • すべての映像合成が完了した状態の映像
  • マルチビュー
    • 各入力端子と出力のすべての映像が一覧できる映像
  • AUX・SUBアウト
    • 合成前の映像や、いわゆる白完パケと呼ばれる状態の映像等�
  • 入力と同様、HDMIかSDIかを確認する

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音声ミキサー

マイクやPCの音声を合成する機材

  • マイク入力数
  • ライン入力数
  • ライン入力レベル
  • ライン出力数
  • USB接続
  • 付加機能
    • エフェクト
    • ディレイ
    • ポン出し

YAMAHA MG16XU

Soundcraft Ui24R

アナログミキサーの代表例です。

アナログミキサーにはディレイはありません。

デジタルミキサーの一例です。

UIはLANを用いてPCやiPad等から操作できます。

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音声ミキサー - マイク入力

XLR(キャノン)コネクタで配線、バランス信号で伝送されることが多い

ファンタム電源� 電話の -48VやPoEのように� 信号線に電源を乗せることができる� コンデンサマイク等を使う時に利用

民生機においてはTSフォンプラグが�利用されるが、ファンタム電源が使えず、�ノイズに弱いアンバランスのため�XLRコネクタで配線をおこなうのが望ましい

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Xlr-connectors.jpg

コンデンサマイク、DIボックスを使うときに使います。逆に、ダイナミックマイクやワイヤレスマイク受信機にファンタム電源を入力すると機器が壊れる恐れがあるので注意してください。

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音声ミキサー - ライン入力

TRS(Tip(3)/Ring(2)/Sleeve(1))フォンプラグで配線、バランス信号で伝送されることが多い(右図上)。XLRコネクタで配線される場合もある。

ステレオ信号は2ch分ミキサーを使う

TSフォンプラグ(右図下)、RCAプラグは�先のマイク同様アンバランス信号により�ノイズに弱いため、できるだけ�TRSプラグで配線を行うことが望ましいが、�マイクほど気にしなくてよい

TRSフォンプラグはステレオ信号に使う場合�もあるので要注意

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Jack_plug.png

ステレオの場合はTip(L) / Ring(R) / Sleeve(GND) のアンバランス信号となります。バランス信号入力につなぐと音が完全に変になるので注意です。

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バランス信号

位相反転

伝送

ノイズ

混入

合成するとノイズ

同士が

打ち消しあう

位相反転

HOT信号

COLD信号

バランス信号とアンバランス信号を混在させる場合は、音声ミキサー等で入出力端子が対応しているかを確認してください。混在環境では、機材が壊れたり音が歪む原因となります。

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ラインレベル

業務用ラインレベル� +4dBu ≒ 1.228V�  基準 / 0dBu = 0.775V�プラヨンと言ったりします

民生機ラインレベル� -10dBV ≒ 0.316V�  基準 / 0dBV = 1V

-10dBV ≒ -7.8dBu

+4dBu ≒ +1.8dBV

YAMAHA MG10XUF

ちなみに、マイクは数mVレベルの出力なので、民生機のラインよりもノイズに弱いのです。

こういった「XLR/TRSコンボ端子」の場合はマイクレベルにXLR、ラインレベルにTRSを使うように取り扱い説明書に書いてある場合があります。

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映像キャプチャー

最終的に配信用PCに映像を入力する

  • スイッチャー内蔵型
    • スイッチャーで合成した映像をそのまま�取り込める手軽さがある
  • 単独キャプチャ
    • パススルー端子の有無
    • AUX(Audio) INの有無

UVC (Universal Video Class) 対応のものが�面倒がなくて良い

Blackmagic Design ATEM mini

Roland UVC-01

最近のOSではドライバのインストールが不要

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映像規格

解像度

  • 1080p
    • 横1920px * 縦1080px FullHD
    • プログレッシブ映像�
  • 720p
    • 横1280px * 縦720px HD
    • プログレッシブ映像�
  • 1080i
    • 横1920px * 縦1080px FullHD
    • インターレース映像

フレームレート fps (Frame per Second)

  • ドロップフレーム
    • 23.976fps
    • 29.97fps
    • 59.94fps�
  • ノンドロップフレーム
    • 24fps
    • 30fps
    • 60fps

日本においてはNTSCという規格が元になっているため、29.97fpsが多いです。

わかりやすくするために、29.97fpsを30fpsと表示している民生用機材が多いです。「※」等で但し書きされているパターンが多いので、注意深く確認しましょう。

地デジテレビの解像度はこちらですが、実は1440*1080pxの映像が送られてきています。ピクセル自体のアスペクト比が1:1ではないのです。興味あれば調べてみてください。

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機材について - それぞれの機能

  • ビデオカメラ - 実際の人・モノを撮る
    • 広角時の画角
    • ズーム性能
    • 明るさ
    • インターフェース
      • HDMI・SDI・USB�
  • パソコン - 配信エンコードと画像合成
    • 配信ビットレート
    • Open Broadcaster Software等の利用�
  • 映像ミキサー - 画像合成
    • カメラの台数
    • インターフェース(HDMI・SDI)
    • キー(クロマキー・ルマキー・外部キー)
  • 音声ミキサー - 音声合成と付加機能
    • マイクの本数
    • ライン入力の数とレベル
    • USB搭載
    • 付加機能
      • エフェクター
      • ディレイ�
  • 映像キャプチャ - PCと映像機材を繋げる
    • 解像度
    • フレームレート
    • レイテンシー
    • パススルー

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遠隔登壇の注意点

  • パソコンの内蔵マイクはできるだけ利用しない
    • 打鍵音が響いたり、机からの振動を拾ったりします�
  • Bluetoothヘッドセットはできるだけ利用しない
    • 音楽を聞いているときはA2DPで高音質だが、�マイクを使うとHFP/HSPという低音質なプロファイルになってしまうことが多い�
  • 事前の音声テスト・映像テストを必ず行う
    • 音声レベルが適正かどうか
    • 音質が問題ないかどうか
    • 反響が多く聞きづらくなっていないか
    • 映像が正しく表示されているか
    • アニメーションや色の表示が大丈夫か
      • 遠隔だとフレームレートが落ちるのでアニメーションはできるだけ使わないようが良い

パソコンで使うのであれば、個人的にはゼンハイザーというメーカーの

USB接続タイプヘッドセットをおすすめします。

あとはYAMAHA YVC-200等

映像は、「画が連続して変化する場合」に一番CPUとネットワーク帯域を食います

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Q&A in InternetWeek 2020

  • Microsoft Teams のライブ配信機能を弊社内でよく使っていますが、配信中に映像・音声のズレに悩まされることがよくあります。このようなズレを起こさないようにするために何かポイントはありますでしょうか?
    • 最初は良かったが、だんだん映像が遅れてくるという場合は、CPUのスペックが足りないパターンが多いです。音声と映像の処理は基本的にプロセス・スレッドが別れているため、ハイスペックなPCで試してみていただくのが良いかと思います。�最初から映像と音声が一定のズレを持っている場合は、映像ミキサー・音声ミキサー等でディレイ(遅延)の調整をおこなうのがよいかとおもいます。�
  • OBS以外の配信用ソフトでおすすめのソフトはありますか? (有償製品等)
    • 個人的にはOBSが一番のおすすめですが、それ以上にちゃんとした機材が安定します。�ソフトウェアであれば、XSplit や Streamlabs 等からも出ているのでUI・安定性等を比較してみてください。�
  • 大学の情報システムの者です。Zoomを使用して授業を行っています。よく教員の配信のカメラ映像がカクついたり、PowerPointのプレゼンを画面共有時にPCが異常に重くなると、クレームが出ます。色々確認していくと、配信PCにおいてメモリよりもCPUの方が重要な気がしました。今回IWで登壇された方々のPCで要求したメモリやCPUのスペックはありましたか。
    • 個人的には、プレゼン共有時に重くなるのはCPU不足かネットワーク帯域不足が考えられます。�プレゼン共有は、実はカメラ共有よりも解像度が高い共有になるため、CPUと帯域を食います。�特に「ビデオに最適化」すると非常に重くなります。メモリについては、同時立ち上げするソフトウェア数等で検討を行ってみてください。