シビックテックにおける技術者と非技術者の間の協働を促進する要素に関する研究
北陸先端科学技術大学院大学
先端科学技術研究科
◯大西翔太・小林重人・橋本敬
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5374.jp
さっぽろ保育園マップ
身の回りにある「シビックテック」の事例
市民が主体となった「シビックテック」による成果物
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知識の新たな活用手段としてのシビックテック
ITテクノロジーの発達により変わりつつある市民活動
→Civic technology(Omidyar network, 2015)
→市民が持つ知識の新たな活用手段
毎週100人以上の多様な市民が集まり議論や開発をするChi hack night
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シビックテックの立ち位置
| 内容 | 市民の声の反映 | 透明性 | 参加のハードル |
委員会 | 決められたことを 遂行 | 一部の人の声 だけが反映 | 低い 議事録の操作 | 低い 話を聞くだけでも大丈夫 |
ワークショップ | 舵取りの仕方で 議論が深化 | トピック設定の仕方 によって多様な声の反映 | 高い ログが残せる | 中程度 議論が苦手な人やトピックと 相性が悪い人には難しい |
シビックテック | 実際に作る | アプリケーションなどの形で反映 | 高い
| 高い 専門性が必要と認識(野村, 2017) |
技術者(技術に関する知識を有する人)と非技術者(地域に関する知識を有する人)が
実際に課題解決を行うということが新しい?
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日本のシビックテック参加者の偏り
国内のシビックテック現場での問題点
問題解決の困難さ(庄司, 2015)
→短期的なイベント等に終止
技術者と非技術者の間の長期的な協働の難しさが存在?
協働に関する認識の調査(大西他, 2017)
協働の価値を認識していながら、実現できていない
図1 協働の必要性
図2 協働の実現度合い
協働の定義(中村他, 2010)
異なる主体が長期的に協力すること
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シビックテックにおける「協働」に関する問い
協働がもたらす価値
| 海外 | 日本 |
課題の 性質 | 行政の改善�(Lee et al., 2015) | 身近な課題解決 (稲継, 2018) |
課題への 取組み方 | 中央集権型ネットワーク (Omidyar network, 2016) | 地域分散型活動 (白川, 2018) |
表2 海外と日本の課題と取組み方の比較
身近な課題解決を目指す地域分散型の活動においては協働はどのような価値をもたらす?
協働を促進する要素
異なる知識基盤を持つ人同士が水平につながるコミュニティでは何が協働を促進する要素となる?
| トップダウン型組織 | シビックテック |
メンバー間の関係性 | リーダーが メンバーを管理 | 水平なつながり |
目的意識 | 共通の目的 | 異なる知識基盤と 異なる目的意識 |
表1 トップダウン型組織とシビックテックの比較
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本研究の目的
研究目的の設定
シビックテックにおける下記の要素の解明
シビックテックにおける協働と価値生成の関係性の解明
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1. 協働に関する仮説と仮説から想定されるモデルの作成
→協働に影響しうる要素、協働の構成要素、協働が生み出す価値の関係を推測
研究の方針
2. 質問紙調査の実施
3. 調査結果の分析による仮説検証とモデルの作成
→協働に影響する要素の解明(研究目的1)
→協働の発生・促進と価値生成プロセスを表すモデルの作成(研究目的2)
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本研究で用いる仮説モデル
協働の構成要素
技術者・非技術者
それぞれの定期的参加
技術者と非技術者の足場かけ関係
技術者・非技術者
それぞれの参加姿勢
①
②
③
既存の協働の理論
本研究で想定する理論の拡張部分
仮説4
長期的に運用される
アプリケーションの数
協働が生み出す価値
⑥
仮説1
仮説2
仮説3
外部団体との関係
いつでも集まれる場所
課題の相互依存性
コミュニケーションと調整
関係の持続性
ソーシャル・キャピタル
自律性向上
協働に影響しうる要素
④
⑤
③
導出方法
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質問紙調査の実施
調査の概要
調査日:2018年4月
調査対象:国内のシビックテックコミュニティ代表者もしくは幹部(1組織1回答)
質問紙:仮説に示した要素を定量的に分析可能な形に指標化
配布形式:Google formを利用したWebアンケート
配布数:アンケートの送付が可能な連絡先を見つけることができた90組織
回収数:50組織
分析対象としたコミュニティの条件
→条件を満たした36組織のデータを分析に使用
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分析1:協働に影響しうる要素の再検討
要素名 | 特徴 | α係数 |
協力的な関係性 | メンバーの協力的な関係ができている程度 | 0.93 |
持続的な関係構築 | 長期的な参加と協力関係の形成をするための工夫の程度 | 0.88 |
協働のための場づくり | 協働をするための場や関係を作るための工夫の程度 | 0.86 |
協働の場における協力関係の強化 | 協働の場において協力関係を高めるための工夫の程度 | 0.91 |
外部との関係とその強化 | 外部との友好な関係性と関係構築のための工夫の程度 | 0.80 |
表4 因子分析によって見出された協働に影響しうる要素
影響しうる要素の構成を再編
→下記の5因子を新たな協働に影響しうる要素として今後の分析で使用
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分析2.1:協働に影響しうる要素が協働の構成要素に与える影響
仮説 | 分析方法 | 従属変数 | 有意な影響 |
1 | 順序回帰分析 | 技術者と非技術者の 足場かけ関係 |
|
2 | 順序回帰分析 | 技術者の参加姿勢 | 無し |
非技術者の参加姿勢 |
| ||
3 | 重回帰分析 | 技術者の定期的参加 |
|
非技術者の定期的参加 |
|
結果から判明したこと
表5 協働に影響しうる要素を独立変数、協働の構成要素を従属変数とした回帰分析の結果
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図4 協働に影響しうる要素と構成要素の関係を示すパス図
協働の第1段階
持続的な関係と協働の場づくり
協働に影響しうる要素に以下の2段階の存在が示唆
分析2.2:パス解析による分析結果の深堀り
下位尺度の多くが協働の場や持続的な関係の構築を前提とする工夫
第1段階から第2段階へのパス
協働の第2段階
協力的な関係構築
協働の場における
協力関係の強化
協力的な関係性
持続的な協力関係
の構築
協働のための
場づくり
外部との関係と
その強化
非技術者の参加
姿勢(R2=.39)
.45***
.39*
.38*
.35*
.69***
.36**
.25†
技術者と非技術者の
足場かけ関係(R2=.36)
.36*
.36*
非技術者の定期的な
参加(R2=.26)
.51***
技術者の定期的な
参加(R2=.20)
.44**
†p<.1, *p<.05, **p<.01, ***p<.001
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分析2.3:事例との比較による協働の段階存在の検証
比較対象としたコミュニティ:Chi hack night
協働の第1段階の存在(メンバーが協働するイベントの定期的な開催)
→課題解決の場づくりを下位尺度に持つ「協働のための場づくり」に該当
→メンバーが抜けにくくする仕組み作りを下位尺度に持つ「持続的な関係性の構築」に該当
協働の第2段階の存在(協働の場におけるメンバーの活躍の場や相互依存的な関係構築)
→メンバーが成功体験を得られる支援を下位尺度に持つ「協力関係の強化」に該当
→技術者と非技術者が互いを必要にしているを下位尺度に持つ「協力的な関係性」に該当
協働の第1段階が起きてから第2段階が起きることを支持する事実
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表6 構成要素間の相関分析結果
分析2.4:協働の構成要素同士の相関関係
参加姿勢、定期的参加共に
技術者・非技術者間に高い相関
足場かけ関係とその他の多くの要素との間に高い相関
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分析3:協働が生み出す価値についての新たな示唆
協働できている
と認識している群
協働できていないと認識している群
成果物が多い群
図5 協働の実現程度によるクラスター
分類結果(Ward法)
多様な視点や対話の場が
協働の価値であると認識
アウトプットの量や質向上を
価値とする群も存在
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仮説と検証結果のモデルに現れた多くの差異
図7 協働の促進と価値生成の検証結果モデル
検証結果1
検証結果2
検証結果3
検証結果4
仮説1
仮説2
仮説3
仮説4
図6 協働の促進と価値生成の仮説モデル
仮説ごとの検証結果について考察
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足場かけ関係(仮説1)についての考察
仮説1 | 課題の相互依存性、コミュニケーションと調整、関係の持続性、ソーシャル・キャピタルが高い、または高める工夫をしているコミュニティは技術者と非技術者が深い足場かけ関係を構築 |
結果 | 協働の第2段階にあたる「協力関係の強化」と「協力的な関係性」のみが影響 |
考察 | 「足場かけ関係」の裏にある前提の存在
→協働の場作りや継続的な関係ができた後に協力関係が築かれることで高まる |
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参加姿勢(仮説2)についての考察
仮説2 | 参加者の自律性向上の工夫をしているコミュニティは参加者が自ら率先して参加 |
結果 |
|
考察 | 技術者の「課題の保持者である非技術者」への依存
→スキルを持った技術者が社会貢献などを目的に参加していることが示唆 非技術者が抱えている「不安」の存在
→非技術者は課題解決をしたいと考えながらも「不安」を抱えて参加している |
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定期的参加(仮説3)についての考察
仮説3 | 協働の場や外部団体との関係ができている、もしくは高める工夫をしているコミュニティは、より多くの参加者が活動に定期的に参加 |
結果 | 技術者、非技術者ともに「協力的な関係性」のみが影響 |
考察 | 「定期的に参加する」ということのハードルの高さ
→「協力的な関係」が高まることで課題解決ができるようになり誘因を提供できる |
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協働の価値(仮説4)についての考察
仮説4 | 技術者と非技術者の足場かけ関係が構築され、メンバーが自ら率先して参加し、定期的に参加するメンバーが多いコミュニティは運用期間の長いアプリを多く開発 |
結果 | 協働の価値を運用期間の長いアプリケーション数で測定できないことを示す結果
|
考察 | 「協働」が目指す方向性や指す意味のコミュニティによる違い
→協働に対する価値観にコミュニティによる差異, それが活動内容にも影響 |
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結論
本研究の目的
協働に影響する要素:非技術者へのサポートが協働に与える影響
→場づくりや外部との関係構築で非技術者の「不安」減少が協働の発展につながるという示唆
協働が生み出す価値:多様な協働の価値観がもたらす活動の多様性
→多様な協働に対する価値観と、それに対応した多様な価値共創の形
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今後の課題
協働の理論拡張
代表の認識とメンバーの認識、現場の状況の差異
→メンバー視点での認識や実際の活動現場との差異を把握する必要性
協働がもたらす価値
→価値の具体的な中身について明らかにする必要性
協働発展の具体的な中身
→段階の変化が起きる原因や、その変化について把握し、モデルの精緻化を行う必要性
シビックテック以外の活動との関係性
→他活動への応用可能性や関係性を見出すことによる理論の一般性向上
シビックテックによる価値生成の促進
現場での実装
24
協力的な関係性(下位尺度得点)
技術者と非技術者の足場かけ関係の程度
4.00
5.00
3.00
2.00
1.00
1
2
3
4
5
6
図8 足場かけ関係と協力的な関係の関係を示す箱ひげ図
0.00
議論:足場かけ関係の深堀りによる協働の第3段階についての示唆
一元配置分散分析によって協働の第3段階が示唆
→工夫のみでは到達できない段階が存在する?(再検討の必要性)
技術者と非技術者の足場かけ関係の程度
1
2
3
4
5
6
100
80
60
40
20
0
技術者の定期的な参加(%)
図9 足場かけ関係と技術者の定期的な参加の関係を示す箱ひげ図
突出して高い値に集中
25
参考文献
Barnard, C. I. & Andrews, K. R. (1968). The Function of the Executive. Harvard University Press. (山本安次郎・田杉競・飯野春樹訳 (1968)『新訳 経営者の役割』ダイヤモンド社.)
Chi hack night Blog. (2015). “10 lessons from organizing Chi Hack Night”. https://chihacknight.org/blog/2015/11/23/10-lessons-from-organizing-the-chi-hack-night.html. Retrieved 4 February 2019.
Frey, B. B., Lohmeier, J. H., Lee, S. W., & Tollefson, N. (2006). Measuring collaboration among grant partners. American Journal of Evaluation, 27(3), 383-392.
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Johnson, P., & Robinson, P. (2014). Civic hackathons: Innovation, procurement, or civic engagement? Review of Policy Research, 31(4), 349-357.
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Onishi, S., Kobayashi, S., & Hashimoto, T. (2018). Skill Combination Game for Resolving Acceptance Concern in Civic Tech Collaboration. The 49th Conference of the International Simulation and Gaming Association (ISAGA '18),Nakhon Pathom, Thailand,2018/07/09-13.
Putnam, R. D., Leonardi, R., & Nanetti, R. Y. (1994). Making democracy work: Civic traditions in modern Italy. Princeton university press.
荒木昭次郎. (1990). 『参加と協働: 新しい市民・行政関係の創造』, ぎょうせい.
稲継裕昭. (2018). 『シビックテック ICT を使って地域課題を自分たちで解決する』, 勁草書房.
榎並利博. (2018). シビックテックに関する研究: IT で強化された市民と行政との関係性について. 富士通総研経済研究所 研究レポート, 452.
大西翔太, 小林重人, 橋本敬. (2017). 日本国内のシビックテックにおける技術者と非技術者の協働促進に関する研究. 地域活性学会研究大会論文集, 9, 26-29.
岡田涼, 中谷素之. (2006). 動機づけスタイルが課題への興味に及ぼす影響. 教育心理学研究, 54(1), 1-11
櫻井茂男. (2009). 『自ら学ぶ意欲の心理学』, 有斐閣.
庄司昌彦. (2014). オープンデータの定義・目的・最新の課題. オープンデータ, 国際大学 CLOCOM, 4-15.
白川展之. (2018). 日本におけるシビックテック・コミュニティの発展ー国内外のネットワーク形成とCode for Japanー. 経営情報学会普及紙誌, 27(3).
瀬戸寿一, 関本義秀. (2018). 地域単位でのシビックテック活動の波及と持続可能性に関する研究. 都市計画論文集, 53(3), 1515-1522.
中村和彦, 塩見康史, 高木穣. (2010). 職場における協働の創生: その理論と実践. 人間関係研究, (9), 1-34.
野村敦子. (2017). 公共分野におけるデジタル変革をいかに進めるか: アメリカにみるシビックテックの動向と課題. JRIレビュー, 2017(3), 2-36.
原亮, 関治之, 古川和年, 宮田正秀. (2015). シビックテクノロジーは地域経済を活性化するか. 調査季報, 176, 38-45.
福島健一郎. (2017). オープンデータとその利活用に関する最近動向. 電子情報通信学会誌, 100(1), 47-52.
藤岡奈美, 小野富美子. (1993). 『グループ・プロセス集団内行動と集団間行動グループ・プロセス集団内行動と集団間行動』, 北大路書房.
朴容寛. (2003). 『ネットワーク組織論』, ミネルヴァ書房.
松崎太亮. (2017). 『シビックテックイノベーション 行動する市民エンジニアが社会を変える』, 株式会社インプレスR&D.
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議論したい内容
27
付録
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足場かけ関係を測る指標
→協働の構成要素の1つとして「技術者と非技術者の足場かけ関係」
表7 本研究で用いる足場かけ関係の指標(Frey, 2006)
(※)実際の調査ではこれに加え、両者が全く関係ない「Nothing」を加えた6段階評価を使用
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参加姿勢を測る指標
企業と水平コミュニティの協働の違い
→協働の構成要素の1つとして自律性の程度を示す「メンバーの参加姿勢」
表8 自律性の程度を測る指標(岡田他, 2006; 櫻井, 2009)
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インタビュー調査結果の概要
シビックテックに関する文献調査
→Chi hack nightとCode for Kanazawaの代表者に向けたインタビュー調査を実施
インタビュー調査
Chi hack night(2017年2月)
→市民の参加を増やすため
Code for Kanazawa(2015年9月)
→地域を知り、市民の意識を上げるため
協働主体が定期的に参加する企業では上記のような取り組みは行われない
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仮説をもとにした指標の作成
協働が生み出す価値(質問:2項目)
協働の構成要素(質問:5項目)
→参加姿勢と定期的参加は技術者と非技術者に分割
協働に影響しうる要素(質問:44項目)
→5段階のリッカート尺度(順序尺度)
表3 関係の持続性の質問項目
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因子分析の概要
因子分析による協働に影響しうる要素の新たなまとまり作成
33
因子分析の結果
図10 因子分析結果
34
下位尺度一覧
表9 下位尺度一覧
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分析手法:重回帰分析
独立変数:協働に影響しうる要素のまとまり(比例尺度)
従属変数:技術者の定期的参加(間隔尺度)
分析結果
「協力的な関係性」のみが技術者の定期的参加に影響
表10 協働に影響しうる要素が技術者の定期的参加に与える影響(重回帰分析)
協働に影響しうる要素が技術者の定期的参加に与える影響
36
分析手法:重回帰分析
独立変数:協働に影響しうる要素のまとまり(比例尺度)
従属変数:非技術者の定期的参加(間隔尺度)
分析結果
「協力的な関係性」のみが非技術者の定期的参加に影響
定期的参加は技術者・非技術者の違いよって協働に影響しうる要素との関係が大きく変わらない
協働に影響しうる要素が非技術者の定期的参加に与える影響
表11 協働に影響しうる要素が非技術者の定期的参加に与える影響(重回帰分析)
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分析手法:順序回帰分析
独立変数:協働に影響しうる要素のまとまり(比例尺度)
従属変数:技術者と非技術者の足場かけ関係(順序尺度)
分析結果
「協力的な関係性」と「協働の場における協力関係の強化」が技術者と非技術者の足場かけ関係に影響
協働に影響しうる要素が足場かけ関係に与える影響
表12 協働に影響しうる要素が足場かけ関係に与える影響(順序回帰分析)
38
分析手法:順序回帰分析
独立変数:協働に影響しうる要素のまとまり(比例尺度)
従属変数:技術者の参加姿勢(順序尺度)
分析結果
本調査で測った協働に影響しうる要素の中に技術者の参加姿勢に影響を与えるものは存在しない
協働に影響しうる要素が技術者の参加姿勢に与える影響
表13 協働に影響しうる要素が技術者の参加姿勢に与える影響(順序回帰分析)
39
協働に影響しうる要素が非技術者の参加姿勢に与える影響
分析手法:順序回帰分析
独立変数:協働に影響しうる要素のまとまり(比例尺度)
従属変数:非技術者の参加姿勢(順序尺度)
分析結果
「協力的な関係性」「協働のための場づくり」「外部との関係とその強化」が非技術者の参加姿勢に影響
参加姿勢は非技術者のみが協働に影響しうる要素から影響を受ける
表14 協働に影響しうる要素が非技術者の参加姿勢に与える影響(順序回帰分析)
40
アプリケーション開発数と協働の構成要素間の相関関係
協働の構成要素とアプリケーション開発数の間に有意な相関関係が見出されなかった
→回答者の協働の価値についての認識を用いたテキスト分析によるアプローチの検討
表15 アプリケーション開発数と協働の構成要素の相関分析結果
41
クラスター4
クラスター3
クラスター2
クラスター1
協働の実現度合いによるクラスター分析結果
協働の構成要素の相関分析を行い、多くの要素と相関が高かった「足場かけ関係」を協働の代替変数として、足場かけ関係と因果関係が見出された2つの因子でクラスター分析(Ward法)
アプリケーションの数に有意差
足場かけ関係に有意差
表16 協働の実現程度による一元配置分散分析
図11 協働の実現程度によるクラスター分類結果
42
自由記述回答結果
クラスター | 特徴 | 実際の記述 |
1 | 成果物多い |
|
2 | 協働の認識低い |
|
4 | 協働の認識高い |
|
表17 協働の価値に対する認識の自由記述回答結果
43
協働の促進と価値生成のモデル
協働の促進と価値生成プロセス
→多様な視点や対話の場などの価値
モデル生成に至る分析
分析1:協働に影響する要素の分析
分析2:協働の構成要素の分析
分析3:協働の価値の分析
図3 協働の促進と価値生成のモデル
⑤
①
①
①
①
①
②
②
②
②
②
②
③
③
③
③
④
④
44
研究室で主催したシビックテックイベントの概要
シビックテックイベントにおいて発生する「懸念」とその解消方法について調査をするために実施
表18 イベント開始前と後での自身のスキルの活用に対する認識の変化