インターネットと�国際人権法の接続�〜表現の自由、プライバシー、暗号化〜
2021年10月27日 IGF 2021国内事前会合 D1-3� ITジャーナリスト�星 暁雄 (ITと人権、ブロックチェーンなどに関心を持つ)�
今回のお話
以上が人権(Human Rights)の不可分な一部として
認められた(ただし暗号化の権利は議論中)
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人権についての注記
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国境を越えるもの:
国際人権法とインターネット
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表現の自由と、その規制の条件
(国際人権規約・自由権規約(ICCPR)より)
第十九条
1 すべての者は、干渉されることなく意見を持つ権利を有する。
2 すべての者は、表現の自由についての権利を有する。この権利には、口頭、手書き若しくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とのかかわりなく、あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む。
3 2の権利の行使には、特別の義務及び責任を伴う。したがって、この権利の行使については、一定の制限を課すことができる。ただし、その制限は、法律によって定められ、かつ、次の目的のために必要とされるものに限る。
(a) 他の者の権利又は信用の尊重
(b) 国の安全、公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護
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国際人権法と日本の法体系との接続
日本国憲法�第九十八条 ②�� 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
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議論の前哨戦
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国際的な議論と合意の流れ
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論点1 検閲への懸念
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論点2 規制対象コンテンツ
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論点3 規制の条件
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論点4 匿名化、暗号化
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その後の発展
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2016 国連人権理事会の決議より
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Contract for the Webより(その1)
■政府が守るべき原則
原則1 すべての人がインターネットに接続できることを保証する
原則2 インターネットは常に利用可能な状態に保つ
原則3 人々の基本的なオンラインプライバシーとデータの権利を尊重し、保護する
■企業が守るべき原則
原則4 すべての人がインターネットを手頃な価格で利用できるようにする
原則5 ユーザーのプライバシーと個人データを尊重して保護し、オンラインでの信頼を構築する
原則6 人類の中で最良の人々を支える技術の開発と、最悪の事柄への挑戦
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Contract for the Webより(その2)
■市民が守るべき原則
原則7 ウェブ上のクリエイターやコラボレーターになる
原則8 市民の対話と人間の尊厳を尊重する強固なコミュニティの構築
原則9 ウェブのために戦う
(ここは市民が共有するべき倫理規範である点に注目)
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結論
※ 予測可能性、透明性、正当性、必要性、比例性の原則を守り、独立機関が濫用への保護のうえ運用すること
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結論の続き:法規制について
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「暗号化の権利」は議論中
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追補1:独、仏のSNS規制法
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追補2 参考文献
1) Frank La Rue, Report of the Special Rapporteur on the promotion and protection of the right to freedom of opinion and expression, May 16, 2011
https://www2.ohchr.org/english/bodies/hrcouncil/docs/17session/A.HRC.17.27_en.pdf��2) UN Internet Governance Forum (IGF) ;The Internet Rights and Principles Dynamic Coalition(IRPC), The Charter of Human Rights and Principles for the Internet, 2011
https://internetrightsandprinciples.org/charter/
3) Vinton G. Cerf, “Internet Access Is Not a Human Right,” The New York Times, January 4, 2012
https://www.kean.edu/~jkeil/Welcome_files/Internet%20Access%20Not%20a%20Human%20Right%20NYT.pdf
4) Stephen B. Wicker, Stephanie M. Santoso, “Viewpoint: Access to the internet is a human right,” Communications of the ACM, vol.56 no.6, June 2013
https://dl.acm.org/doi/fullHtml/10.1145/2461256.2461271
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追補2:参考文献(続き)
5) NETmundial Multistakeholder Statement, April 24, 2014
https://netmundial.br/wp-content/uploads/2014/04/NETmundial-Multistakeholder-Document.pdf �(翻訳として https://www.nic.ad.jp/ja/translation/governance/20140424.html )
6) United Nations Human Rights Council (UNHRC), “UNHRC Resolution on The Promotion, Protection and Enjoyment of Human Rights on the Internet (A/HRC/32/L.20),” ORAL REVISIONS of 30 June, 2016 https://www.article19.org/data/files/Internet_Statement_Adopted.pdf
7) Niels ten Oever, Corinne Cath, RFC 8280 Research into Human Rights Protocol Considerations, October 2017 https://datatracker.ietf.org/doc/rfc8280/
8) World Wide Web Foundation, Contract for the Web, 2019 https://contractfortheweb.org/
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