鹿児島県総合教育センター
特別支援教育研修課
高等学校における特別支援教育の推進
③ 通級による指導
「通級による指導」とは
通常の学級に在籍する障害のある生徒が,ほとんどの授業を通常の学級で受けながら,一部,障害に応じた特別な指導を特別な指導の場(通級指導教室)で行う教育の形態。
「通級による指導」の対象となる生徒
言語障害
口蓋裂,構音器官のまひ等器質的又は機能的な構音障害のある者,吃音等話し言葉におけるリズムの障害のある者,話す,聞く等言語機能の基礎的事項に発達の遅れがある者,そのほかこれに準じる者(これらの障害が主として他の障害に起因するものではない者に限る。)で,通常の学級での学習におおむね参加でき、一部特別な指導を必要とする程度のもの
「学習におおむね参加できる」とは,他の生徒と同じようにその学級での学習をほぼ支障なく行っていくことができる状態です。
自閉症
自閉症又はそれに類するもので,通常の学級での学習におおむね参加でき,一部特別な指導を必要とする程度のもの
情緒障害
主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもので,通常の学級での学習におおむね参加でき,一部特別な指導を必要とする程度のもの
1週間に1~2回の指導で,その他は通常の学級でもてる力を発揮できる生徒
「通級による指導」の対象となる生徒
学習障害
全般的な知的発達に遅れはないが,聞く,話す,読む,書く,計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示すもので,一部特別な指導を必要とする程度のもの
注意欠陥多動性障害
年齢又は発達に不釣り合いな注意力,又は衝動性・多動性が認められ,社会的な活動や機能に支障をきたすもので,一部特別な指導を必要とする程度のもの
「通級による指導」の対象となる生徒
聴覚障害
補聴器等の使用によっても通常の和声を解することが困難な程度のもので,通常の学級での学習におおむね参加でき,一部特別な指導を必要とする程度のもの
診断はなくても,校内委員会等で今まで述べた障害と同様の困難さが日常的にあると判断した生徒であれば,「通級による指導」の対象となります。
知的障害のある生徒は,「通級による指導」の対象にはなりません。
「通級による指導」の対象となる生徒
「通級による指導」の指導形態
① 自校通級
対象となる生徒が在籍する学校で指導を受ける。
② 他校通級
対象となる生徒が通級指導教室のある学校で指導を受ける。
③ 巡回指導
対象となる生徒が自校に巡回してくる通級による指導の担当教員から指導を受ける。
※ 現在,鹿児島県の高等学校では「自校通級」のみ実施
通級指導教室に関する現状
高等学校における通級による指導の制度
化(H30.4~)
鹿児島県は,
開陽高等学校,
鹿屋農業高等学校,
鶴翔高等学校
奄美高等学校
加世田常潤高等学校 に設置
高等学校における「通級による指導」の 開始までの流れ(例)
中学校で「通級による指導」を受けていた生徒に関しては,本人及び保護者が継続を希望する場合,速やかに判断して指導を開始することもあります。
① 教育相談等による希望調査の実施
② 生徒の情報収集及び実態把握
③ 特別支援教育校内委員会等における検討
④ 個別の教育支援計画,個別の指導計画の作成
⑤ 生徒,保護者との合意形成
⑥ 通級による指導の開始
通級による指導の担当者の役割
2 校内において特別支援教育を推進するキー パーソンの一人
1 困難さを抱える生徒・保護者のよき理解者
3 地域における特別支援教育の推進役
1 困難さを抱える生徒・保護者のよき理解者
通級による指導の担当者の役割
◇ 生徒の思いに寄り添う
「できるようになりたい」� 「分かりたい」
◇ 保護者の意向を尊重しつつ,生徒� の教育を第一に考える姿勢で
◇ 保護者から学ぶ
通級による指導の担当者の役割
2 校内において特別支援教育を推進する� キーパーソンの一人
◇ 情報収集と情報提供
◇ 校内委員会,就学指導委員会への参加
◇ 理解・啓発のための情報発信
※ 特別支援教育コーディネーター� として指名される場合もあります。
通級による指導の担当者の役割
3 地域における特別支援教育の推進役
◇ 特別支援学校や地域の小・中学校等の� 特別支援教育コーディネータ-との連携
◇ 地域の教育資源の共有を目指して
※ 「ネットワーク」� 「フットワーク」� 「チームワーク」
「居場所があること」
学校の中に,どの生徒にも
学校の中で自分が必要とされ,そこに自分がいる価値を実感できることが必要
通級指導教室の役割
通級指導教室で最も大切にすること
在籍学級との連携
※ 通級指導教室での支援はきっかけであり,そのきっかけをいかに実際の場で生かすことができるか大切。
在籍学級担任との連携
・ 生徒の状態や学級担任の困難さの把握
・ 指導目標や方法の共通理解,情報の共有
・ 在籍学級担任への指導・支援方法の提供
と共有化
・ 特別支援教育コーディネーターとの連携
在籍学級担任との連携
・ 在籍学級との情報共有
・ 教育相談の実施
・ 授業参観の実施
機会を設定した
情報交換
日常的な
情報交換
・ 連絡帳の活用
・ 在籍学級への情報発信
(例) 通級指導教室便り
個別の指導計画等の作成支援
研修会への協力 など
高等学校における「通級による指導」は,校内の特別支援教育を推進する機能と役割を担うことが期待されています。
指導を担当する教員だけでなく,全ての教員がその意義や目的,基本的な考え方について共通理解をし,在籍学級における指導・支援と通級による指導の連続性を考えておく必要があります。