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ボードゲームで学ぶ経済学

関西学院大学 安岡 匡也

Email: yasuoka@kwansei.ac.jp

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1.はじめに

  • 経済学を学ぶために有効なツールとしてボードゲームがある。
  • 年齢層に応じたボードゲームを選択しプレイさせることによって効果的に経済学の学習ができるのではないかと考えている。
  • 本報告ではこれまで様々なボードゲームをプレイさせた経験を通じて、ボードゲームがどのような形で経済学を学べるかを説明する。
  • さらに、私自身の自作のボードゲームやゼミ生により制作されたボードゲームについても説明する。

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2. 人生ゲーム

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タカラトミーホームページ「人生ゲーム」

https://www.takaratomy.co.jp/products/jinsei/product/jinsei_7th/index.html

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ゲームの概要

  • よく知られているゲーム
  • 対象年齢は6歳以上
  • 大学生にとってもゼミなどで活用することで今後のゼミ運営にもポジティブな影響が発生
  • ルールはシンプルであり、ルーレットを回してコマを進めるだけ。
  • 戦略性はあまりない。
  • 一番お金持ちのプレイヤーが勝ちとなる。(株券や家も売却対象)

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どのような部分が経済学と関連するのか?

  • 株券の保有により景気が良い時はお金が入り、悪い時はお金が無くなる。
  • 保険の加入によって、損失に対する費用を支払う必要がなくなる。
  • (生命保険、火災保険、自動車保険)
  • 職業は様々存在する。
  • タレントはルーレットの出た目で決まり、収入が不安定である。
  • フリーターの存在
  • 専門的な職業であれば給料は高い
  • 借金(約束手形)を返済する場合は元本だけでなく利子も合わせて返済する必要がある。
  • マスを見ると経済学で示される家計の行動が示されている
  • 増税前にまとめ買い。$10000支払う。
  • 消費税アップ。全員$10000ずつ支払う。

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3. 電力会社

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アークライトゲームホームページ「電力会社 充電完了! 完全日本語版

https://arclightgames.jp/product/%E9%9B%BB%E5%8A%9B%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E5%85%85%E9%9B%BB%E5%AE%8C%E4%BA%86%EF%BC%81/

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ゲームの概要

  • 対象年齢は12歳以上
  • プレイ時間は2時間とあるが3時間は必要
  • 説明書を読むだけではなかなか理解できないので、説明を読みながら試しプレイが望ましい。
  • 戦略性はかなりある。
  • プレイヤーは電力会社を経営。
  • 発電所と資源と送電網への投資により都市に電気を流すことができ、収入を得る。
  • 最終的に一番多くの都市に電気を流すことができたプレイヤーの勝ち

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発電所を買うためには固定費用が必要

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固定費用が低いものは送電できる量も小さい。

一方で、固定費用が大きいものは送電できる量も大きい。

エコな発電所もあり、資源を一切利用しないが、固定費用は大きい。

発電所を動かして電気を発生させるためには資源が必要である。

その資源を購入するためにもコストがかかる。

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資源は需要量が多くなるとその購入価格は上昇する

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定期的に資源は供給される。

購入量が増えていくと価格は上昇する。

同じような資源を使っているプレイヤー同士はどちらか片方は価格上昇により不利な状況となる。

資源の需要がプレイヤー間で被らないような選択は戦略的に必要

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そして送電網�

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電気を流すためには都市部及び送電線の投資が必要である。

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発電所、資源、送電網は補完関係

  • 発電所を増やしても資源がなければ発電できない。
  • 資源を増やしても発電所が無ければ発電できない。
  • 送電網が無ければ発電できてもそれを都市部に送って収入を得ることができない。

  • それぞれの要素は補完的である。
  • バランスの良い投資が求められるのである。
  • 資源は発電量以上に購入することは可能である。

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4. ファクトリーマネージャー

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労働者と機械を使って生産をして収入を得るゲーム

生産に従事するためには労働者が必要である。

そして、電力も必要である。

機械によっては生産に従事する労働者を減らすことができ、その労働者をより生産を拡大するための部門に従事することが可能となる。

この場合は機械と労働者は代替的な関係にあると言える。

アマゾンホームページ「ファクトリーマネージャー

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88-Arclight-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC-%E5%AE%8C%E5%85%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E7%89%88/dp/B004IWRJQE

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5. ピット

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アマゾンホームページ「ピット

https://www.amazon.co.jp/Winning-Moves-1019-%E3%83%87%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%83%E3%83%88-Deluxe/dp/B00000DMBD

小麦、砂糖など8種類の商品がそれぞれ9枚あり、その1種類の商品のカード9枚をそろえれば良いというゲーム。

プレイヤー同士でカードを交換し合って、カードをそろえていく。

対象年齢は7歳以上であるが、大学生でのプレイはとても盛り上がる。

誰が何をそろえているのかを推測しながら、カードを集めていく(麻雀と似ている?)

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6. 生活設計・マネープランゲーム

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知るぽると「生活設計・マネープランゲーム

https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/navi/content/simulation321.html

様々な人生の選択においてカードを引いて、収入、支出、思い出が一生を通じてどのように決まるのかをシミュレートするゲーム

収入格差があったり、退職金格差があったり、けがをしたり、でもけがは保険を購入していれば支出を回避出来たりと、かなりの実際の社会を経済の観点から学べるゲームである。

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7.ライフサイクルゲーム�

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第一生命「消費者教育・金融保険教育教材「ライフサイクルゲームⅢ~生涯設計のススメ~」https://www.dai-ichi-life.co.jp/tips/lc_game/index.html

人生ゲームと似ているが、

・ボーナスチャンスカードというものがあり、社会保障制度のクイズに答える形式となっている。

・トラブルに会った際にアクションカードを引いて、トラブルを回避することができる。(その際、トラブルを回避できる場合は、実際の相談先が明記されている。)

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8. 人生ゲーム(ゼミ生による作品)

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人生ゲームをベースにした作品

若年期と老年期をそれぞれ分けたステージを用意

お金はおもちゃのお金

さいころは100均で購入

コマはお菓子のおまけを使う

それぞれのステージを2周すれば、次のステージに進む

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若年期のフェーズ

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若年期ステージ

正社員と非正規社員の格差

正社員からアルバイトになる場合もあればその逆もある

株価の変化による儲け、損失もあり

保険による損失のカバー

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老年期のフェーズ

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老年期ステージ

年金をもらう

でも、最近は退職年齢がどんどん上がっているので、年金をもらいながら働くケースを考えている

医療保険の必要性

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9. マクロ経済ゲーム(自作)

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安岡匡也のページ https://sites.google.com/view/myasuoka1978/home

コマを進めて、色んなイベントが発生しながら、生産要素への投資を行い、総需要を高め、国内総生産を高めるゲーム

「海外の景気が悪くなり輸出が1減る」

「少子高齢化対策により労働者が1増える」

政策を行うことにより総需要や生産要素の増加を通じた総供給の増加が可能

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ゲームシート

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各ターンごとにGDPを求める

生産GDPは資本と労働は補完的であり、この場合は資本の大きさによって3と決まる。

支出GDPは総需要の合計で示され、この場合は2。

従って、この場合のGDPは総需要によって決まり、2となる。

そして、それがそのまま税収となり財政余剰が発生

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10.ミクロ経済ゲーム(自作)

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安岡匡也のページ https://sites.google.com/view/myasuoka1978/home

原材料を購入し、製品を作り、それを販売することで収入を得る。

定期的に供給されるのは、

小麦、卵、肉である。

それらの定期的に供給される原材料を購入して、パンやたまごやきを作る。

それらを販売しても良ければ、より高付加価値を生む、製品を作って売ることもできる。

基本は麻雀に似ているかも?

セット販売などを考えるともっと麻雀に近い

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生産するためには労働者が必要

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生産するためには労働者が必要である。1つのものを生産するためには労働者が1人必要である。

労働者を多く雇うほど、追加的に支払う賃金水準は大きくなる。

(労働需要の増加に伴う)

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11.まとめ

  • 経済学を学ぶゲームは様々存在することが分かるが、いくつかのパターンに分けられると考えられる。
  • ルーレットを回してコマを進め、マスのイベントを通じて、経済学の学習につながるもの。
  • 行動の戦略性が求められるもの。特に行動については機会費用やトレードオフの概念が強く含まれている。
  • 年齢に応じたゲームの選択を通じて、経済学の学習を効果的に行うことが可能である。
  • スマホゲームも開発したが、手軽に開発できるツールが現在は存在しない。(2021年まではアンシールという開発ツールがあった)

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メモ

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