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2025年3月30日(日) 20:00〜

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自己紹介 まつど X アカウント@matsudotsuyoshi�  

��詳しい知識は教育学まわり。心理学が比較的得意です。元ITエンジニアです。�最近はFGO(2023年9月から始めた)をきっかけに神話周辺の原典や神話学について興味をもち、FGOの元ネタ読書会などを企画して神話入門しています。

活動実績�(主催)『パルツィヴァル』スペース、アーサ王伝説について語る会。

(参加)『古事記』読書会、松村一男『神話学入門』読書会。

次回は『アエネーイス』読書会(2025年4月12日)。

読書会のメンバー募集中作品『神曲』『カレワラ』『エッダ』『トーイン』『ブィリーナ』『ニーベルンゲンの歌』『アイスランドサガ』『リグ・ヴェーダ』『ポポル・ヴフ』『エヌマ・エリシュ』『とある魔術の禁書目録 創約』

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本企画の主催意図

①FGOを始めてみたものの、シナリオで分からないところがたくさんある。�②原典をあたろうとして、入門書などを読んでいたが、なかなか学んだことを話す機会がなかった。�③私自身はまだ神話に入門して1年経ってないぐらいなので、長く神話や英雄譚について触れてきているFGOのマスターの皆さんに色々と教えてもらえたらいいなと思い企画。�④FGOの原典にあたるために読書会を企画しているが、なかなかメンバーが集まらず、�参加のハードルを高めているのはなにか考えてみた。�→何を読むべきか分からない�→そもそも読みたいと思っていない�→書籍を買うのは高い�⑤ニーズが現状ないのなら、作ればいいということで、国会図書館の個人送信の使い方をマスターしてもらい、入門書などを無料で読める環境に気づいてもらうことが目的。

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本日の内容

①国会図書館の個人送信について�②リファレンス技術に学ぶ調べるコツ �③サブカルコンテンツの原典を当たること�④国会図書館の個人送信を活用することのメリット・デメリット�⑤読書環境、文献探索環境の現在�⑥今後の課題��本日のスライドは以下のGoogleドキュメントから作成しました。�https://docs.google.com/document/d/10rMt5X8sDLeF_fERsgkOpIUJUHstjMSTpzqCFBaXd9w/edit?usp=sharing��スピーカーにあがってくださる門前照二さんの補足記事です。�国立国会図書館デジタルコレクションで資料検索する際のコツ(メモ)�https://note.com/euqitsatnaf/n/ne5b9f493a169

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「個人送信対象資料」について。(2025年3月30日時点)�

・「送信サービスで閲覧可能」の対象の書籍を、全ページ閲覧できる。�・一度に最大「100ページ」のPDFでのダウンロードができる�・「絶版等の理由で入手困難なもの(著作権者等の申出を受けて、3か月以内に入手困難な状態が解消する蓋然性が高いと当館が認めたものを除く。)が対象」��→入手が難しい書籍を自宅で閲覧およびダウンロードができる公的なサービス。��

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実際問題、FGOの原典にあたるのに、�個人送信はどれぐらい役立つの?

・原典の抄訳などが収録されていることも多い。�・神話学や英雄譚の入門書も多く収録されている。�・小さい図書館には置いてない名著も一部収録されている。�・それほど予算がかけられないけど、つまみ読みしたいニーズには合致している。���たとえばこんな本が読めます。��個人送信で読めるFGOに関連しそうな書籍例

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①国立国会図書館の「個人向けデジタル化資料送信サービス」について

国立国会図書館がデジタル化した資料のうち、絶版等の理由で入手が困難な資料を、利用者自身の端末等を用いてインターネット経由で閲覧できるサービス�https://www.ndl.go.jp/jp/use/digital_transmission/individuals_index.html���→本日は「個人送信対象資料」について扱いたいと思います。����

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まず、地元の図書館に通ってますか?

地元の図書館で読める神話や英雄譚の入門書をとりあえず全探索しよう。�→どこの書棚にあるか。書庫にはどれぐらい読みたい本があるか。��できたら、通える大きめの図書館や本屋でもリサーチしよう。��

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②リファレンス技術に学ぶ調べるコツ (個人送信に出会う前の)私の文献探索あるある

①カーリルで調べる。たまにカーリルローカルで調べる。

②よく通う図書館にない所蔵の本は遠めの大きな図書館に行って借りる。�③東京に住んでいたころは、都立図書館の所蔵を確認して、相互貸借の申請を出す。�④大学在学中はmaruzen ebookの試読期間に全文検索で調べて読んだりしていた。�⑤事典や辞典はできるだけ引くように、読むようにはしていた。�⑥書籍によっては断裁してスキャンしてOCRをかけてPDFにしてタブレットで読んでいたり、jpegにして、Googledriveで全文検索にしたりしていた。�⑦OCRをかけたものは、読み上げソフトで読み上げる読書はたまにしていた。�⑧英語圏のデータベースや論文は頑張って探したりはしていたが、あまり使いこなせてはない。�⑨専門分野については論文などは国会図書館や都立図書館まで調べに行った。�⑩本屋には定期的に通って、新刊をチェックしたりしていた。

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地元の図書館等は活用してる?

(実は!)アーサー王伝説などの基本文献の邦訳や入門書はたいていの公立図書館には所蔵があるので、ぜひ借りてみてください。いわゆる「原典」は大きめの図書館にしかなかったりしますが、ライトユーザ向けのコンテンツはそこそこ充実してることが多いです。��大きめな図書館を活用できる方は、「カーリル」などを使いながら、複数の図書館の蔵書を確認する癖をつけましょう。���参考文献��FGOを楽しむための文献リスト�https://docs.google.com/spreadsheets/d/1vQgTFxe_PnrCjLR0Heb87OLEwnANaU6MBnhYZ9bNATo/edit?usp=sharing

格闘系司書「FGOから始める、楽しい読書」�https://youtu.be/3syLBPpPG0o?si=RjDiLUz2DDNE2T9M

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国会図書館のデジタルコレクション活用記事

国立国会図書館デジタルコレクションで読める怪奇幻想文学(2024年9月大幅増補)�https://note.com/euqitsatnaf/n/n2b12046c9f35��国会図書館デジタルコレクション個人送信サービスで読める戦後日本の文芸評論|kado/Ryusei Kashima �https://note.com/relatarefer0/n/n496771523ecc�国会図書館デジタルコレクション個人送信サービスで読める人類学系の翻訳書(著者篇)�https://note.com/masakiueta/n/nde0884848c61

国立国会図書館「次世代デジタルライブラリー」で「特許調査」について書かれた本を探してみた

https://note.com/sakaimisato/n/n462224532856

Webコラム「 大検索時代のレファレンス・チップス 」

https://libro-koseisha.co.jp/webcolumn_category/mail-reference-tips-daikensaku/

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②リファレンス技術に学ぶ調べるコツ 

調べものをするときはまず似たようなリファレンス事例がないかを「レファレンス協同データベース」で調べる。��個人送信内での人名の表記については、「Web NDL Authorities」で表記ブレ等を把握できる。��Cinii Booksやカーリル、国立国会図書館サーチ、Googleブックスなどのデータベースを活用する。

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『独学大全』を読み返す①

第7章 知りたいことを発見する�無知くんと親父さんの対話7 悩みをぜんぶ書き出せ

技法16 脳内知識の棚卸し「カルテ・クセジュ」

技法17 古代弁論術に始まる自己問答「ラミのトポス」

技法18 知的多角測量法「NDCトラバース」

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『独学大全』を読み返す②

第8章 資料を探し出す��無知くんと親父さんの対話8 「ググる」以外の武器を手に入れよう

技法19 思い付きの検索を卒業する「検索語みがき」

技法20 知の分類の航海術「シネクドキ探索」

技法21 巨人の肩によじのぼる「文献たぐりよせ」

技法22 調べものの航海日誌「リサーチログ」

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『独学大全』を読み返す③

第9章 知識への扉を使う

無知くんと親父さんの対話9 古典はあなたのために書かれていない

技法の前に 運に頼らない本の選び方

技法23 第1のレファレンスツール「事典」可能性としての博識

技法24 第2のレファレンスツール「書誌」調査の達人からの贈り物

技法25 第3のレファレンスツール「教科書」入門書・事典・書誌を兼ねた独学者の友

技法26 欲しい書物と出会う技術「書籍探索」

技法27 知の最前線に向かう「雑誌記事(論文)調査」

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・事典、辞典、百科事典をどう活用するか

個人送信で事典をどう活用するか。��タイトルに「事典(もしくは辞典)」、本文検索に「調べたいキーワード(ここでは景清)」�→これで辞典や事典と書籍名にある本の中で景清という単語が出るものだけを絞り込むことができる。事典の項目をかるく頭に入れて、調べる方向性を検討する。

����

門前照二「国立国会図書館デジタルコレクションで�読める百科事典(1980年代)」�https://note.com/euqitsatnaf/n/ne5b9f493a169

「国立国会図書館デジタルコレクションで�読める辞書関連本(2024年12月公開)」�https://note.com/euqitsatnaf/n/nb49842cad2e4

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事典、辞典を活用することのメリット

・事典などの要約された知識を事前に頭に入れてから探索に臨むことを心理学では、頭に入れた知識が先行オーガーナイザー(つまり、先行して、後方の作業を駆動させる働き)として機能すると表現することができる。簡単にいえば、見取り図を知ってから調べたほうが、無闇に調べるよりも精度が高くなる。���参考文献�三宮 真智子『メタ認知で〈学ぶ力〉を高める』

p.99「これから学ぶ内容のテーマや要約を先に見ておくと理解しやすくなる」

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リファレンス本(書誌等)を活用しているか

個人送信の書誌はどう探す?�・出版者「日外アソシエーツ」で検索

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パスファインダーは活用してる?

パスファインダーとは

��岩手県立図書館 パスファインダー No.37 日本神話�https://www.library.pref.iwate.jp/reference/pathfinder/pdf/pf_037.pdf��日本の神々について調べるには�https://eichi.library.pref.miyagi.jp/ics/view_data?dataId=0430461

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人文リンク集はどれぐらい活用できる?

リサーチ・ナビ 人文リンク集�https://ndlsearch.ndl.go.jp/rnavi/humanities/humanitieslinks

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邦語文献を対象とする参 考 調 査 便 覧

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国立国会図書館デジタルコレクションの画面

検索項目について

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国立国会図書館デジタルコレクションの画面

NDLC分類 NDC分類 活用できてますか?

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NDCとNDCLはどう違うの?

国立国会図書館分類表(National Diet Library Classification:NDLC)�https://www.ndl.go.jp/jp/data/catstandards/classification_subject/ndlc.html

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Web NDL Authorities を活用しよう。

典拠データを使った資料検索:Web NDL Authoritiesガイド�https://www.ndl.go.jp/jp/data/data_service/authorities/ndla.html

・使ってみた感想。なんかヒットしない人名多いような…。

 →クー・フーリンとかないのかな。� →メイザースやウェルギリウスはヒットしたけど。

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検索例

①キーワード「神話」 →検索結果 340,648 件�②タイトル「神話」→検索結果 1,443 件

③件名「神話」→検索結果 466 件�④NDC分類「164」→検索結果 68 件

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国立国会図書館デジタルコレクションの画面

請求記号 活用できてますか?

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似てる本を探したいというニーズ

川端康成 等監修『少年少女世界の名作文学』2(古典編 2),小学館,昭和42. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1657306 (参照 2025-03-27)��これに似た本を探したい。

→請求記号で探してみたら、どうだろう?�→シリーズなどをまとめて� 絞り込むときに役立つ。

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どんなキーワードで検索すればいいか

方法①まず図書館に行って、棚にある気になる書籍のタイトルをメモして帰ってくる。�方法②ChatGPTにキーワードを聞く�方法③デジタル書棚を活用する(たとえば都立図書館)�

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シネクドキ検索

検索と〈探しもの〉の力を拡張する、レトリックが教える3つの考え方ー図書館となら、できること�https://readingmonkey.blog.fc2.com/blog-entry-764.html

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国会図書館デジタルコレクションの書籍を管理したい。

・Zoteroを用いる。

  →DOIで書誌情報をインポートできる。

  →一応、Webページとしてインポートすることもできる。

エキスポートしたデータはGoogleスプレッドシートなどを用いて共有することもできる。��FGOを楽しむための文献リスト�https://docs.google.com/spreadsheets/d/1vQgTFxe_PnrCjLR0Heb87OLEwnANaU6MBnhYZ9bNATo/edit?usp=sharing

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FGOをやることは「読書」?

・読書研究では、読書の定義に何をもって読書とするかの議論がある。�たとえば読書の定義として「「本」を読むことが読書」とする。また冊数にて定量的に定義するなら、FGOをやることは読書ではないが、新聞やネット記事を読むこともまた調査対象から漏れてくる。

読書の定義として「文字数」で定義するなら、FGOをやる場合、シナリオを読むことで読書に定義される。FGOをやる場合でも、「シナリオ」を読んでいない場合、読書ではない。����

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FGOのシナリオを読むことの難しさ

①シナリオの量が多い。�②ゲームをやる必要があるので、シナリオを読んでる暇がない。�③シナリオがあまり面白くない。面白く読めていない。シナリオを読むことで誰かと楽しさを共有できていない。�④シナリオの原典ネタがよく分からない。�⑤ソシャゲなので、ネットに繋がってるときしか読めず、通勤時に読むのが難しい。�����参考文献�FGOのシナリオの量の章ごとの比較�https://x.com/Petrikow/status/1715715436099109167�九条水音 @mizune「FGOを引退した人達の「私はこれで引退しました」という理由、普通に聞きたいんだよね。」

https://x.com/mizune/status/1905104827119698168

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FGOのシナリオを読む方法

シナリオを読むことがなければ、読解への欲求が生じない。

また、1人で読むのも、原典ネタなどを知らないことが多いため、むずかしい。��①ゲームをしながら、シナリオを読む�→サブアカウントの作成、もしくはYouTubeの読み上げ配信の活用。�おすすめ配信チャンネル

どどりあのもうだめぽチャンネル

人詰ノアちゃんねる�②ご飯食べてるときなどスキマ時間に配信チャンネルを流す。

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Fateにはメディアミックス作品がたくさんある

・シナリオを読んでしまって、とくにやることのない人はそちらを当たるのがいいかも。��おすすめ

小説

『ロード・エルメロイII世の事件簿』『ロード・エルメロイII世の冒険』�『Fate/strange Fake』�『Fate/Requiem』�『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』��ゲーム�『魔法使いの夜』�『月姫』��漫画

『Fate/Grand Order -Epic of Remnant- 亜種特異点IV 禁忌降臨庭園 セイレム 異端なるセイレム』

『Fate/Grand Order -Epic of Remnant- 亜種特異点EX 深海電脳楽土 SE.RA.PH』�『フェイト/エクストラ CCC FoxTail』

アニメ�『Fate/Apocrypha』�『Fate/EXTRA Last Encore』�『Fate/stay night[Unlimited Blade Works]』��ドラマCD�『Garden of Avalon』

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個人送信で何を読むべきか

・入門書�・専門書�・いわゆる原典訳、抄訳�・美術書�・事典、辞典、百科事典�・目録

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デジタル環境での読書のメリット

・情報の加工に繋げやすい(OCR,読み上げ、AI活用)�・大量に持ち運びなどがしやすい。�・端末の数だけ、同じ書籍を開ける。�・全文検索ができる。つまり部分読みがしやすい。�

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デジタル環境での読書のデメリット

・何を読むべきか、多動的に興味が動いてしまい、同じ書籍に向き合えなくなる。�・どんな書籍があるか存在を忘れがち。死蔵の問題が生じる。�・軽く読み流すことが難しい。ぽちぽちページを捲る必要があり、速読に向いてない。�・書き込みがしにくい。PDFへの書き込み環境がないと、メモは別で残す必要がある。���参考文献:�メアリアン・ウルフ『デジタルで読む脳 X 紙の本で読む脳 :「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる 』

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FGOに関して調べものニーズが発生するのはどのような場合か

①情報生産者を目指すときに、知るべきことがでるから。�例.<1>二次創作イラスト制作、マンガ制作�

<2>研究の文脈で

読書研究、ゲーム研究、趣味研究、メディア論研究(オタク研究、オーディエンス研究、心理学や社会学アプローチ)。文芸批評、評論(文学理論など含む)。��②消費者として理解したいことがでるから(原典にあたる読書などはこれ)

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研究を志すと、調べ物のニーズが発生する

①国会図書館の個人送信を活用したいと思えるような調べものニーズが発生するためには、そもそも何かを知りたいという動機づけが必要である。�②原典ネタにあたりたいというのは、敷居の低く、調べ物ニーズが発生する例として分かりやすい。実際、国会図書館の個人送信で読める神話や英雄譚の本は多いし、知りたいことに出会える可能性が高い。�③読書アイデンティティを有している人は、余暇読書を多めに行っている傾向にあるという研究がある。研究者としてのアイデンティティも同様の効果が期待できるのではないか。他の誰でもない私が知っているべきと感じるなら、使える情報源は使わない手はないので。

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なぜ働いてると「研究」も「読書」もできないのか。

①仕事のための読書と余暇読書があったとして、仕事に責任が生じるから、仕事のための読書しかできなくなる傾向にある。�②研究がもしできない状況があるのなら、�<1>そもそも仕事のための読書に時間が奪われているのかも。�<2>余暇読書が充実していて、それが研究に向かっていない。研究をそもそも志していない(知的遺産を残したいという動機づけに欠けている)�<3>そもそも仕事のための読書も余暇読書もしてない。その他の、やるべきことに時間がとられている(家事、育児、その他)。��気になってる書籍�三宅 香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書)』

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シリアスレジャーとしての読書

趣味研究において以下の2つに分類できる。�→シリアスレジャーとカジュアルレジャー����参考文献��『「趣味に生きる」の文化論―シリアスレジャーから考える』��FGOというソシャゲで、原典読書(『イリアス』『ギルガメッシュ叙事詩』などを読むこと)を行うことは趣味研究においてどのように検討できますか?

https://x.com/i/grok/share/8hvdBGcYAIKCGucCEeaUcwutA

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オタク研究におけるFGO

「弱い紐帯」としてのソシャゲコミュニティ���参考文献�『楽しみの技法―趣味実践の社会学』�『サブカルチャーの心理学』��心理学のオタク研究、オーディエンス研究におけるFGOの受容のあり方について、検討したいですが、どのようなトピックがありえますか。�https://x.com/i/grok/share/Bea34d5Y5GeWVP7PVvSiYpWDP

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ゲーム研究から考えるFGO

����参考文献�吉田 寛『デジタルゲーム研究』�イェスパー・ユール『ハーフリアル ―虚実のあいだのビデオゲーム』�社会科学系でのゲーム研究の卒業論文指導�https://www.jstage.jst.go.jp/article/digrajproc/10/0/10_48/_article/-char/ja/

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③サブカルコンテンツの原典を当たること

原典群�(虚構や史実)

FGO(虚構)

読者

FGOの登場人物の元ネタや原典をあたるという検索課題は、そもそも

原典(元ネタ)→FGO

の矢印を逆にたどる道なので、すでに虚構作品へのヴァリアントとしての受容をしたFGOから、どこが原典に存在するか(どこが原典と違うか)という問題が生じている。

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原典読書にあたって読者へのハードルの高さ

①たとえば日本の古典にあたるなら、古典文法や漢文法の知識が必要。くずし字などの読解力も必要。

②歴史の知識が必要。世界史や日本史の知識があると調べるときに楽。�③そもそも日本語での読書に慣れているか。読書に対する抵抗がないか。�④原典によっては邦訳が手に入らない場合もある。そのときは英訳などを読んだりすることも。�⑤原典の完訳などは買うと高い。大きめの図書館にしか置いてない。�

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異質な他者と出会うこと

FGOというフィクションには、様々な神話や英雄譚の登場人物がでてくる。�歴史や文脈も様々な古典作品は、これまで様々な形で受容されてきた。�プロパガンダや統治の正当性としての活用だけでなく、�抵抗の象徴、自己啓発としても神話は受容されてきた。�原典に当たることで、まずその人物が、私たちの中で生き生きとしたあり方で、立ち上がってくる。FGOという作品が捨象したノイズをも含めて、私達は本当の意味で出会い直すことができる。�→最初にFGOの中で出会い。次に原典で出会う。また原典の受容を知り、これまで生きてきた人々がどのようにその人物と向き合ってきたかを知る。英雄を知ることを通じて、�その英雄を愛した人々がどこに興味を持ったかを知ることができる。��参考文献:リナ・ボルツォーニ『すばらしい孤独』

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古典を読むことは孤独な営みか

①古典学習の難しさって基本的に孤独さを感じることにあるのではないか。� →学んでいることに成果が出るならいいけど、でないと、もっと別のことを学んだほうが楽しいのではないかと感じてしまう人は多いのではないか。� →特定の古典界隈や神話クラスタはあったとしても、そこに参画できるとか、居場所を感じることができるレベルまでもっていける学習者はそれほど多くないのではないか。��

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FGOと幻想文学 ①

FGOと関係するところ�キーワード

シェイクスピア、フランケンシュタイン、ラヴクラフト、吸血鬼(カーミラなど)、ジキルとハイド、シャーロック・ホームズ、デュマ(Fate/strange Fake)、サロメ、オペラ座の怪人、人狼、ゾンビ、ファウスト、セイレム(ホーソン関連で)�����アレイスター・クローリーとかも関係してるのね(『とある魔術の禁書目録』に出てくるので気になってます。)��参考文献�『幻想文学大事典』(p602の「ヨーロッパ大陸の伝統」あたりが気になりました。)

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FGOと幻想文学②

Fateシリーズは型月伝奇と呼ばれている。�→『空の境界』や『月姫』あたりは幻想文学作品っぽい。���������型月伝奇研究ことはじめ:《型月伝奇》って何?�https://note.com/kata_den_ken/n/ne7749397bbbb

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読書体験は人によって大きく異なる

��参考文献: キャサリン・シェルドリック・ロス『続・読書と読者―読書、図書館、コミュニティについての研究成果』

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学習科学では、AI活用をどう考えることができるか

��参考文献�『学習科学ハンドブック』�『情報時代の学校をデザインする』�『デジタル社会の学びのかたち: 教育とテクノロジの再考』�『しょうせつ教育学原論』

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学習評価について

真正の評価とは。��学習の目指すべき方向性について。���『パフォーマンス評価入門:「真正の評価」論からの提案』

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読書を続けることの動機づけ

学習動機の二要因モデル���������参考文献 �『新・動機づけ研究の最前線』北大路書房��【学習動機の二要因モデル】あなたはどのタイプ?何のために学習するのか知ろう

https://learn-tern.com/two-factors-model/

研究所第 8 回フォーラム 「学ぶ意欲をどう高めるか-授業方法と学習方略の視点から-」

https://imsar.jp/pdf/imsar06/imsar_06_10.pdf

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学習のサイクルについて

コルブのサイクルモデルによる経験学習論が「体験学習」と誤解されがち。�

→創造性の高い学習を行う際に、特定の道具を用いて作業して、それに関して内省を経由して、使い方を工夫していくというサイクルをまわすことで習熟することを経験とみなすならば、調べ学習における様々なツールの活用もまたサイクルモデルで検討できるはず。

��参考文献『Experiential Learning: Experience as the Source of Learning and Development 』

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生涯学習における古典学習の意義

参考文献�『成人教育・生涯学習ハンドブック』�『なぜ古典を勉強するのか ―近代を古典で読み解くために―』�『古典教育と古典文学研究を架橋する ―国語科教員の古文教材化の手順―』�エラ・バーサド『文学効能事典 あなたの悩みに効く小説』�菱岡憲司『その悩み、古典が解決します。』

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FGO経由してどんな学びに繋がるか

・原典を読むために語学学習への接続�・壷絵や芸術、当時の建築様式への興味�・歴史への興味�・文芸批評、文学的な興味�・神話学�・宗教学�・メディア論(オーディエンス研究)、趣味縁研究

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批判:FGOは神話のリスペクトのない二次創作を行う。

例示:アイヌ由来と明記されたシトナイ�   ディオスクロイ剽窃問題��問題提起:偽史的な受容であったり、剽窃問題が伴うことがある。��→現代の著作権概念において問題が生じている。

→信仰の対象でありうるものを二次創作することの難しさ。��

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検討:神話における再生産の歴史

例①、アーサー王伝説の成立過程�例②、『アエネーイス』の受容の過程�例③、シャルルマーニュ伝説成立の過程�例④、古事記の受容の過程�例⑤、レヴィストロース『神話論理』の北米と南米の神話の700の神話の検討�例⑥、キリスト教の聖書のカノン化の歴史�例⑦、ユダヤ教のタルムードについて��様々な神話のバリエーションをどう考えるかという問題がある。�

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理解すること

���犬塚 美輪『読めば分かるは当たり前? ――読解力の認知心理学』(ちくまプリマー新書 480)

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書くことと読むこと

���『イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室』�上野千鶴子『情報生産者になる』(ちくま新書)

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宗教代替物としてのソシャゲ

儀礼�・周回ゲーム(延々と繰り返す戦闘)��祭り�・新規シナリオ、新規イベント��果たして、宗教代替物たりうるのか。���参考文献:エリアーデ『永遠回帰の神話』

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自己啓発としての神話

��ジョセフ・キャンベル『神話の力』

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趣味縁とソシャゲ

・正統的周辺参加��クラスタという島宇宙�・神話クラスタ(創作、読書会、評論)�・ソシャゲクラスタ�・型月クラスタ(FGO、批評、イラスト)��

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FGOと批評コミュニティ

型月伝奇研究センター

>奈須きのこ・TYPE-MOON評論誌「Binder.」を刊行。型月伝奇の多角的研究に取り組んでいます。�https://note.com/kata_den_ken

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読書コミュニティにおける神話読書会

図書館のネズミ�・発狂ホメロス読書会(毎週水曜日)�

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⑤読書環境、文献探索環境の現在

デジタル環境の激動時代��→LLMの急速な発展

ChatGPT、NotebookLM、Deep Researchなど。��→レファンレスツールの活用もAIが視野に入るか�たとえば、ChatGPTで「Deep Researchで、神話の登場人物について調べる方法を聞こうと思ってます。プロンプトは何がよいでしょうか。」とプロンプトを作成し、それを英語に変換して、GeminiのDeep Researchで探し方のレファンレスを作成してもらう。�

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NotebookLMを神話読書にどう活用するか

https://notebooklm.google.com/

���「神話や英雄譚の読書をNotebookLMで行いたいのでPDFなどでアップロードできるデータが手に入るサイトを整理してください。」

https://x.com/i/grok/share/21IlSN9Yc3NOvf20XuqZQTGnq

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個人送信の書籍の管理および文献目録の作成

・Zoteroの活用�・PDFの管理法(Windowsだと?)��Cathy�https://gigazine.net/news/20121115-cathy/

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デジタル環境での読書体験

・タブレットなどは何を使うか。��・どうやってPDFを読むか�→Googleレンズの活用

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AI時代のmonkey bench

読書猿「2016.04.04 ライブラリーリサーチのための対話環境をJupyter Notebookの上につくってみた」����→現在は、Deep ResearchやNotebookLMが登場している。���→FGOとDeep Research 出力サンプル集https://docs.google.com/presentation/d/1IWNwH_1Fx72p4X_cQA5YM-_d0rZCWIllmjtilv-_Etc/edit?usp=sharing

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Deep Researchの結果をどう評価するか

①たとえば、よい入門書があるキャラについてなら、その入門書と比較してどれぐらい違っているかで判断してみる。�②出典先にあたってみて、どれぐらい信用できそうか判断する。�  →間違い探しとして出典先との違いを調べてみる。�③使ったことのないデータベースやサイトを活用して出力結果を出している場合、自分でも使ってみるきっかけにはなるかも。�④自分の詳しい神話や英雄譚について基本的な調べ物と難しめの調べ物をさせてみる。�

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さいごに

①FGOで推し鯖について、これはおすすめという文献があれば紹介いただけたらなと。�②興味をもっていただけたら、ぜひ、推しサーヴァントについて、調べてみて、SNSなどでどのように調べたかを共有してみてください。�③もし、興味があれば、神話や英雄譚関連の読書会を開いているので、読書会したいという書籍があれば、教えてください。一人では読めない、もしくは誰かと読んだら楽しいと思える書籍があれば、頼れそうな人に声をかけてみましょう。�④あなたの原典への興味や関心は、どういう動機づけによってなされているでしょうか。SNSなどでそれを共有してみることもいいかもしれません。

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今回勉強不足だと思っている項目①

・メタデータ周りの技術的な知識が欠けていた。��参考文献�『知識資源のメタデータ』

『メタデータとウェブサービス』

『メタデータ技術とセマンティックウェブ』

『Linked Data』

『知識資源のメタデータへのリンクトデータ・アプローチ』

『RDA ―資源の記述とアクセス : 理念と実践―』

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今回勉強不足だと思っている項目②

・その他、文献調査や検索技術、データベースまわりの書籍を読む時間がとれず。���『問いをつくるスパイラル―考えることから探究学習をはじめよう! 』�『スキルアップ!情報検索』�『プロの検索テクニック検索技術者』�『プロ司書の検索術』�『情報検索の認知的転回』�『情報検索の基礎』�『情報検索 :検索エンジンの実装と評価』�『検索システム ― 実務者のための開発改善ガイド』

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調べるコツの話なのに、リサーチ技法について言及が少なすぎた件

司書がどのようにリファレンス対応しているかを学べる書籍。�もっと難しめの探索事例等に対応するための話を準備するべきだった。��参考文献�小林 昌樹『調べる技術』�小林 昌樹『もっと調べる技術』�→Webコラム「 大検索時代のレファレンス・チップス 」(メルマガを書籍化)�https://libro-koseisha.co.jp/webcolumn_category/mail-reference-tips-daikensaku/

�大串 夏身、小林 昌樹『レファレンスと図書館 ある図書館司書の日記』

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FGOに限らず、エンタメから調べ物事例に繋がることはあるかも。

これも学習マンガだ!�https://gakushumanga.jp/�司書の情報収集能力で、好きな作品の情報を調べてみた ~日本刀のゲーム編~�https://youtu.be/ZQ26tzuA9gY?si=c6rpIYPyNGrJPeI0

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次回以降のスペース企画予告

「アエネーイス」読書会(録音なし)2025/4/12 20時~��「神話や英雄譚をYouTubeで学ぶには(スペース企画)」�時期未定(2025年年末予定)���