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20mSvの被ばくをさせたことの違法性

弁護団 田辺保雄

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高裁判決の骨子

  • 公衆被ばくの線量限度
  • 学校衛生基準
  • 防護の最適化の原則
  • 4月19日通知
  • 原子力安全委員会の助言を4月19日まで求めなかった
  • 3月29日付け福島県教育委員会通知

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原判決の判断 公衆被ばくの線量限度

  • 「本件原発事故のように被ばくの大きさや範囲を合理的に予測することが困難な状況が発生し、緊急の対策を必要とする場合にも妥当するものとして、上記実効線量が定められたものではないから、本件原発事故発生時における学校教育現場における子どもたちの被ばく限度を、炉規法及びその関連法令に従って定めるべきであったということはできない」

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公衆被ばくの線量限度 ICRP1990年

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事故後の「介入」について

  • ICRP勧告は難解な用語を用いている 例)「行為」「介入」
  • 事故後には「介入」が問題となる
  • 「介入」の必要性あるいはその規模を決定する際には「線量限度を用いない」ことを勧告
  • ただ、事故後の介入については計画が必要となるが、日本法には、その点について、なんら定めるところがない
  • 結局、線量限度を守る、という法規範以外は存在しない

  • 結論)日本の法制度とはなんら関係のない、一民間団体の勧告をもって、 法の欠缺の補充の根拠とした

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原判決の判断 学校衛生基準

  • 学校環境衛生基準には、放射性物質に関する定めはされていないことから、ICRPの非常事態収束後の参考レベルを暫定的な目安として、今後できる限り児童生徒等の受ける線量を減らしていくことが適切であるとした4月19日文科省通知を始めとする各通知が不合理といえないことは原判決の説示するとおりである

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問題点

  • 学校環境衛生基準に放射性物質に関する定めがなかった場合、これは法の欠缺という状況であるが、その場合に裁判所がとるべき解釈は、その時点における関連法規との整合性に基づく補充である

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防護の最適化の原則

  • (防護の最適化の)原則について、防護のレベルが一般的な事情の下において最善であるべきであり、害を上回る便益の幅を最大にすべきであることを意味しており、最適化手法の大幅に不公平な結果を回避するための制限として参考レベル等があるべきであるとし、最適化された防護は、被ばくによる損害と個人の防護のために利用できる諸資材とで注意深くバランスをとった結果である

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原判決の問題点

  • 参考レベルは個人の権利、人権という観点からみた場合、功利主義的に個人の権利、人権を切り捨てることを意味する
  • 防護の最適化を検討する場合において、どのような要素を勘案するかを政府に一任したかのような判断や、個人の権利、人権への侵害を一律に容認するかのような結論は、そもそもICRPが認めるものではない。

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4月19日通知

  • 4月19日文科省通知が示した暫定的考え方は、検討過程で2007年勧告の参考レベルである1~20mSv/年を使用しているが、児童•生徒等の校庭・園庭で過ごす割合を考慮して校庭利用に関する指標として「3.8μSv/h」という基準を定めることで20mSv/年を超えることはないとし、その期間を概ね8月下旬までの期間として、その後は1mSv/年以下としたことは上記認定のとおりであるから、4月19日文科省通知は20mSv/年の被ばくを許容するものではない

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原判決の問題点

  • 参考レベルは、あくまで年あたりの線量で規定されており、累積の線量をもって定められているものではない

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原子力安全委員会の助言を4月19日まで求めなかった

  • 4月19日通知は原子力安全委員会の助言を求め、その回答に基づいて発出された

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原判決の問題点

  • 文部科学省が、原子力安全委員会に学校再開基準について再三、助言を求め、その都度、原子力安全委員会がそれを決定するのは文部科学省であるとしつつ、公衆被ばくの線量限度が年1mSvであることを指摘されていた
  • 原子力安全委員会から受けた公衆被ばくの線量限度についての検討を実質的に行うことなく、4月19日通知を発出したことの合理性が判断されるべきだった

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3月29日付け福島県教育委員会通知

  • 3月29日福島県教育委員会通知は、各市町村の教育委員会に対し、各市町村立小中学校の始業日等の方針を示したものではなく、ヨウ素131の半減期が8日であるとしても、4月上旬と同月19日以降の放射線量の差は明らかではないし、仮に、福島県内の各市町村教育委員会が、新学期の開始時期について3月29日福島県教育委員会通知に沿う形での判断をしたものであるとしても、本件子ども控訴人らの被ばく、リスクが特別に上昇したことを示す具体的事情は見当たらない

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原判決の問題点