制作準備概論 作り始める前に
24.04.24 稲田和巳
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自己紹介
稲田 和巳(いなだ・かずみ)
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……ほんとうにこれだけ?
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今日はここを考えます
このへんは分野依存
詳しい人が他にもいる
インプットがないと、アウトプットも出来ない
→ どうやって出会い、学ぶのがよいのか
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本日のおしながき
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最近なにか「展示」を見に行った人?
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「展示」を見られる場所
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近隣かつ稲田がよくいくところからいくつか
博物館・科学館
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近隣かつ稲田がよくいくところからいくつか
美術館
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近隣かつ稲田がよくいくところからいくつか
企画展・コレクション展の違い
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宮島達男《それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く》
Keep Changing, Connect with Everything, Continue Forever
いつでも会える、おなじみの存在としてのコレクション
ギャラリー
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戸谷成雄『視線体:散から連 連から積』�Shugo Arts(六本木)2022
横山奈美「遠くの誰かを思い出す」ケンジタキギャラリー六本木(六本木)
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野村在 「君の存在は消えない、だから大丈夫」資生堂ギャラリー(銀座)
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ギャラリー
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つくばのギャラリー
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筑波大学アートコレクション選2023-Ⅱ『オマージュ石膏像—東京高等師範学校の遺産』芸術系ギャラリー(2023)
どこをみればいいの?
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きょうは、展示形式/文章/施工方法について
「展示形式そのもの」
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アントニー・ゴームリー『反映/思索』東京国立近代美術館
画像出典:https://www.momat.go.jp/collection/s00377
対称な2体の彫刻�ガラスで視覚効果を作る
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アントニー・ゴームリー “Two Times II” 東京オペラシティ
エレベーターホールの�空間構造に呼応させる
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ロン・ミュエク�『スタンディング・ウーマン』�十和田市現代美術館
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光線環境の変化する場所�表情の変化をつくる
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『ダミアン・ハースト 桜』�国立新美術館(2022)
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『ダミアン・ハースト 桜』�国立新美術館(2022)
巨大な展示室をお花見のような、�にぎやかな空間に
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『マーク・マンダース マーク・マンダースの不在』東京都現代美術館(2021)https://youtu.be/Zlt1g2Sn28Q
同じ作品を形を変えて何度も展示
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『マーク・マンダース:保管と展示』�東京都現代美術館(2021)
参考:マーク・マンダース、ふたたび。東京都現代美術館で特別展示「マーク・マンダース:保管と展示」 - 美術手帖(2021年7月17日)
https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/24333
「マンダースの不在」展では、個々の作品を精緻に配置することで、作品間の関わりを辿る「一つのセンテンス」の実現が企図されていましたが、本展示では、個々の作品がセンテンスを構成する以前の、いわばバラバラな単語の集合体として、一種中間的な状態が提示されます。同じ作品でありながら全く別のインスタレーションとなります。
(美術館ステートメントより)
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マーク・マンダース《狐/鼠/ベルト》
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🤔
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ポスト出典:https://togetter.com/li/1797064
場所選びも展示づくりの作業のひとつ�違った観客との関わりが生まれるかも?
映像の展示って難しくない?
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ジャン・シュウ・ジャン(張徐展) 《熱帶複眼》 https://youtu.be/rbWkZ38a5OI
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六本木アートナイトに出品
作品と場の魅力を引き出すには�どう展示するのがよい?🤔
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ジャン・シュウ・ジャン(張徐展) 《熱帶複眼-動物故事系列》六本木アートナイト2023
路上になにやらいかつい物量のセットが登場
LEDビジョン、スピーカ8本!
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ジャン・シュウ・ジャン(張徐展) 《熱帶複眼-動物故事系列》六本木アートナイト2023
https://twitter.com/nandenjin/status/1662413228893433867
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画像(左)出典:六本木アートナイト2023に 台湾アーティスト張徐展の動画作品『熱帯複眼』出展 -
台北駐日経済文化代表処台湾文化センター https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000193.000042392.html
眩しい映像と突き抜ける音、屋外とは思えない迫力の映像体験
👆(楽士の人形がスピーカーに載っている)
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『佐藤雅晴 尾行-存在の不在/不在の存在』水戸芸術館(2021)�記録映像:https://youtu.be/UyjpONS1n7o
ループするアニメーションが作る、淡々と流れる時間
優しいが底なしの恐さがある空間……
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『佐藤雅晴 尾行-存在の不在/不在の存在』水戸芸術館(2021)
👆トイレ前にトイレットペーパーの映像がある
👇向かい合った壁に展示されている
デザインも難しくない?
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デザイン作品は展示空間のためのものではない。�展示空間で魅力的になる形に作り直さないといけないかも
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『未来のかけら』21_21 DESIGN SIGHT(開催中)より、nomena+郡司芽久
進化の過程で生まれたデザインを�触って感じられる模型に
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『未来のかけら』21_21 DESIGN SIGHT(開催中)より、山中俊治+マンフレッド・ヒルド《Apostroph》
デザイン作品の中心は�モノではなく思考のプロセス?
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『ジャン・プルーヴェ 椅子から建築まで』東京都現代美術館(2022)より、《「メトロポール」チェア》
椅子の前脚を浮かせて傾けるのが�好きだった作家。�構造がわかるようにバラして見せる
実は稲田も
《住人たち》(2019/2021)
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会場に置けるモノを作ることにした
👆サイズ感覚が崩壊したので近所の駐車場に置いてみている図
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審査もう1段進めたので実物ももう一度作ることにした
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映像+模型+時差ライブ配信で乗り切りました(『CAF賞展2021』代官山ヒルサイドフォーラム)
文章を見る
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Q. どこ見ればいいの?
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作品の横にあるキャプション
『みらいのかけら』21_21 DESIGN SIGHT(開催中)
『遠距離現在』国立新美術館(開催中)
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『みらいのかけら』21_21 DESIGN SIGHT(開催中)
『大巻伸嗣 真空のゆらぎ』国立新美術館(2023)
会場や章の入口にあるステートメント
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作品だけが展示の内容を語るのではない。言葉も作家の世界を支えている
「建物としての自画像は時間がすべて凍結しています。�私の作品、私にとってすべての作品は同じ瞬間に存在します。」
『マーク・マンダース マーク・マンダースの不在』東京都現代美術館(2021)
少ない言葉でも、読んだ途端�会場に流れる時間に目が行くようになる
(美術)展覧会にまつわるテキスト
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稲田は最近、いいなと思ったやつを全部写真に撮っています
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自分ひとりでやるときはちょっと工夫が必要
ステートメントも解説も全部自分で書かなければならず、ごちゃる……
『稲田和巳 潮 重なり隣り合う世界』つくば市民ギャラリー(2024)https://nandenjin.com/e/tsukuba24
施工方法を見る
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Q. どこ見ればいいの?
上級者向けです
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『CAF賞展2021』代官山ヒルサイドフォーラム
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『ジャン・プルーヴェ 椅子から建築まで』東京都現代美術館(2022)より、《「メトロポール」チェア》
例えばこの壁から生えてる�謎の台、どうなってる?
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ケリス・ウィン・エヴァンス《照明用ガス…(眼科医の証人による)》ポーラ美術館
工事現場もかくやな設営作業
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『稲田和巳 潮 重なり隣り合う世界』つくば市民ギャラリー(2024)
この壁に直接貼られてる文字とかも知らないと謎ですよね
ぜひ観察してみてほしい
そのあとなにをすればいいのか
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インプットがないとアウトプットも出来ない(再掲)
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幅広いものにアクセスする
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好きなものに敏感になる
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稲田は最近、自分の見たものや�いいなと思ったコンテンツの�記録を取ってみています
https://scrapbox.io/kazumi-inada-bookmarks/
時間をきちんと取る
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完成品
大量の試作品
山程のアイデア
アホほど多いインプット
ちなみに:インプットはどれくらい必要?
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KYOCERA✕明和電機 アートコラボプロジェクト
登場しては次々とボツになるアイデア……!
まとめ
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