有志によって
日本最大級の選挙情報サイトが生まれた物語
Developers Summit 2023
10-A-6
河野 文弥(Kohno Fumiya)
自己紹介
河野 文弥 / Kohno Fumiya / @fnwiya
【所属】
・株式会社ユーザベース INITIAL事業 執行役員CPO
・株式会社wellday 執行役員CPO
・NPO法人Mielka 顧問�� 政治情報可視化サービス「JAPAN CHOICE」開発者
【キーワード】
#SaaS #エンプロイーサクセス #エンゲージメント
#スタートアップ #政治 #選挙 #Rust #wasm
こんな方に向けて
目次
JAPAN CHOICEとは
2017年10月の衆院選をきっかけに生まれた選挙情報プラットフォーム�https://japanchoice.jp/
データビジュアライズ技術等を駆使し、各政党の公約比較や過去の公約の実現度、自身の考えに近い政党のマッチングなどを提供
過去4回の国政選挙で300万ユーザー以上に利用され、�第 14 回マニフェスト大賞 コミュニケーション戦略賞等受賞多数
JAPAN CHOICEとは
運営母体は学生を中心とし、中高生に向けたシティズンシップ教育等を実施するNPO法人Mielkaだが、�アプリケーション開発はそれまで政治や選挙とは関わりが薄かった�多数のデザイナー/エンジニアの協力*により実現
※一定の報酬はお渡ししています
どのように社会を「Inspire」する
プロジェクトが立ち上がったか
プロジェクトの成り立ち
はじまりは
・学生時代の活動の成果実感のなさ
・自身のエンジニアとしての経験
・米国の先進事例
学生時代の活動の成果実感のなさ
2014年ごろからNPOの前身となる活動を開始。
政治へのハードルを下げるべく、政治家を呼んだ交流イベントや
選挙速報のパブリックビューイングを実施。
活動自体は楽しく充実していたが、、
自身のエンジニアとしての経験
エンジニアとして働くようになり、�自分の書いたコードが多くのユーザーが利用するサービスとして動いている実感
�一方でクライアントワークではなく、�自らサービスを作りたいという想い
米国の先進事例
2016年の米大統領選を現地で取材
政治とテクノロジーの結びつき、
圧倒的にわかりやすい情報の可視化を実現
プロジェクトの立ち上げ
日本でもテクノロジーを活用して
政治/選挙の情報をわかりやすく見える化するサービスを立ち上げよう!!
開発は元々Mielkaに所属している自分+データに強いエンジニアの2名体制でスタート
半年ほどの時間軸でサービスを開発していく予定
_人人人人人人人_
> 突然の解散 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
突然の解散
投開票は3週間後。
リリースまでのタイムリミットは2週間
圧倒的に
時間も人手も足りない
圧倒的に時間も人手も足りない
とった手段
知人を「隙間時間にちょっと(ちょっととは言ってない)だけ手伝って欲しい」と勧誘
→
後日談「聞いてた10倍大変だった。騙された笑」
圧倒的に時間も人手も足りない
一定サービスができてきたタイミングでSNSを使っても募集
「こんなに素晴らしいサービスなのにご覧の通りモバイルのUIが崩壊しています。
助けてください。」
→
複数の方が手を挙げて手伝ってくれ、なんとか形に!
無事リリース
たくさんの方の協力によりリリース!
解散発表から15日。
Fake it till you make it.
Fake it till you make it.
まだ何もない状態で人を巻き込むために重要なのは夢とノリ
自分が本気で信じて正解にする覚悟があるなら
それは騙したことにはならない
Fake it till you make it.
・大義を掲げる
・少しでもいいからイメージを作る� プロトタイプでもfigmaでも手書きGenerative aiでもOK
・本気である
2回目以降
初回の反響が想定以上に大きく2回目(2019参院選)以降アップデートを重ねてきたが、
その多くは1回目に(良い意味で)巻き込まれた人やそのご紹介で
一緒になったデザイナーやエンジニアの方々の手によるもの。
→
輪がどんどん広がってfakeがfactに
デベロッパーが
どのように「Inspired」されたか
プロジェクトから得たもの
成果
多くのユーザーに利用していただき、メディアでも多く取り上げていただいた。
SNSでもJAPAN CHOICEをきっかけに
投票に行こうという声も上がっている。
一緒に開発したメンバーも活動を通じて選挙への関心⤴︎
技術
普段の業務では触らない技術スタックや要件、
早い時期からフルリモートでのチーム開発などに
触れることができた
ex. Nuxt.js、OGPの動的生成、地図データの扱い、d3.js…etc
キャリア
名刺がわりになるプロダクトができた。
実際に現職への転職時もJAPAN CHOICE知ってもっていた上でスカウトをもらった。
巻き込まれた方も転職のきっかけに。
仲間
今でも連絡を取り合い、
本業のお手伝いをしてもらうなどずっと続く仲となった。
意外な反響
家族や地元の友達など、今までは仕事の内容を
「IT関係」程度にしか伝えられなかった人たちが
自分が直接勧めたわけはないのに使ってくれていた
Lifework
シビックテックという考え方
シビックテックとは
シビック(Civic:市民)とテック(Tech:テクノロジー)をかけあわせた造語。市民自身が、テクノロジーを活用して、行政サービスの問題やや社会課題を解決する取り組みをいう。
https://www.sbbit.jp/article/cont1/32211
≠PoliTech, GovTech
シビックテックの事例
シビックテックの事例
Code for Japan
デジタル庁-包括的データ戦略 -
Society 5.0 の実現という本戦略のビジョンを実現するためには、�①広範なデータが使えること(デジタルツインの実現)、�②データをコントロールできること、安心して使えること(人間中心のデータ利活用)、�③ステークホルダーが連携し新たな価値を創出すること(新たな価値の創出)、が必要であり、�官民の双方に共通する基本的行動指針として、以下に掲げるデータ活用原則を示したところである(第一次とりまとめ)。
① データがつながり、いつでも使える�・つながる(相互運用性・重複排除・効率性向上)�・いつでもどこでもすぐに使える(可用性・迅速性・広域性)
② データを勝手に使われない、安心して使える�・自分で決められる、勝手に使われない�・(コントローラビリティ・プライバシーの確保)�・安心して使える(セキュリティ・真正性・信頼)
③ 新たな価値の創出のためみんなで協力する�・みんなで創る(共創・新たな価値の創出・プラットフォームの原則)
シビックテックの考え
NPO活動をしましょう!ということではない。
ビジネスも本質的には誰かの問題解決。
シビックテックの考え
技術を使いこなし、
自ら手を動かして作ることのできるデベロッパーはかっこいい。
だからこそその技術をどの課題解決に活かすのか。
シビックテックの考え
NPOやプロボノに限らず、
キャリアの考え方も限りなく近いはず。
巻き込まれ力
巻き込まれ力
確かにリソースは足りなかったが、決して誰でもよかったわけではない。
巻き込まれ力
・Willの表明
・人間関係/信頼関係
・ノリと勢い
巻き込まれ力
知人の脳内SEO対策をして何か事が起きる時に声がかかる人である
「今サポート業務がメインだけどサービス開発もやってみたい」と
表明してくださっていたからこそ声かけできた。
巻き込まれ力
課題に出会う機会を作る
・身の回りや過去を振り返ってみる
・エンジニア以外の人と接する機会を増やす
最後に
今までJAPAN CHOICEに関わってくださった全ての方と
ユーザーのみなさんありがとうございます。
最後に
まだまだ、この世界は解決を待つ魅力的な問題でいっぱい。
社会にPRを投げよう