国立国会図書館ビジョン2021-2025�「国立国会図書館のデジタルシフト」�
2021年9月12日 Code4Lib JAPAN Conference 2021
鼎談 『ビジョン2021-2025 国立国会図書館のデジタルシフト』から�ライブラリーの未来を考える
大場 利康(国立国会図書館電子情報部長)
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国立国会図書館の使命と役割
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[参考]国立国会図書館法への道
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年月日 | 事項 |
昭和22年7月12日 | 両議院図書館運営委員会合同懇談会の決定に基づき、両院議長からGHQに対し、図書館運営の専門家の招へいを要請 |
昭和22年12月14日 | 米国図書館使節来日� V・W・クラップ(米国議会図書館副館長) C・H・ブラウン(米国図書館協会東洋部委員長) |
~昭和23年1月6日 | 米国図書館使節覚書の提示 |
昭和23年2月3日 | 衆議院図書館運営委員会議院運営委員会連合審査会にて起草原案を審議 |
昭和23年2月4日 | 衆議院本会議にて法案可決 参議院図書館運営委員会にて採決後、本会議において法案可決 |
昭和23年2月9日 | 国立国会図書館法公布 |
昭和23年2月10日 | (片山哲総理、退陣表明) |
詳しくは『国立国会図書館三十年史』を参照のこと https://id.ndl.go.jp/bib/000001406257
[参考]議會圖書館設置に關する件
右の請願は我國に於ける政策の非科學性は政治上の一大缺陷にして其の因由するところ周到綿密なる調査研究の施設乏しきに在るは萬人の齊しく認むる所なるに依り政府は之か缺陷を充足すへき喫緊の措置として速にアメリカ合衆國のライブラリー・オブ・コングレスを範とし且請願書記載の要項に基く議會圖書館を設立し以て國策樹立の上に貢獻すると共に方に文化國家として再出發の途上にある我國文運確立の要請に應へられたしとの旨趣にして貴族院は願意の大體は採擇すへきものと議決致候因て議院法第六十五條に依り別册及送付候也
(昭和21年9月17日 帝国議会貴族院本会議(議事速記録33号p.439-440))
https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/#/detail?minId=009003242X03319460917&spkNum=47&single
※賛成演説は姉崎正治。帝国図書館を吸収して、国立図書館機能を持たせることも提言。�https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/#/detail?minId=009003242X03319460917&spkNum=49&single
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[参考]國會圖書館設置に關する決議
國會が「國權の最高機關」であることは、それが國政の向上に對する最高の責任者であることを意味する。然るにわが國政の重大な缺陷の一つは、政治の非科學性にあると言はれてゐる。
われらは、日本再建のための新しい政治が科學的基礎の上に立たねばならぬことを確信し、この目的を達成する方途として、差當つて完備した一大國會圖書館を設置したいと思ふ。
この圖書館は單に廣汎にわたる圖書資料の蒐集に止まらず、研究調査の設備、專門的な相談係、行届いた索引等を備へた、國政のための實效ある「働く圖書館」でなければならぬ。
斯樣な圖書館の設置は、國會が付託された國政上の任務遂行のための必須な條件であるばかりでなく、實に文化國家として再出發しようとするわが國に取つて、最も喫緊な文化的使命なのである。宜しく政府はわれらのこの要望に副ひ、至急國會圖書館設置のために必要な措置を講ずべきである。
右決議する。(昭和21年10月11日 帝国議会衆議院本会議(議事速記録55号p.921))https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/#/detail?minId=009013242X05519461011&spkNum=23&single
※賛成演説は森戸辰男。国策研究機関の旧蔵書の集約等も提案。�https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/#/detail?minId=009013242X05519461011&spkNum=24&single
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何のための「ビジョン」か
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今回のビジョン策定の背景
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ビジョン2021-2025の構成
Ⅰ 国立国会図書館のデジタルシフト� -情報資源と知的活動をつなぐ7つの重点事業-
【※5年間に特に注力する事業をピックアップ】
Ⅱ 基本的役割
1 国会活動の補佐
2 資料・情報の収集・整理・保存
3 情報資源の利用提供
4 各種機関との連携協力
【※事業の全体像を4つの領域に整理】
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4つの基本的役割①
<国会活動の補佐> ※国会支援と国会発の情報の発信
<資料・情報の収集・整理・保存> ※紙・電子を問わないアクセス保証
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4つの基本的役割②
<情報資源の利用提供> ※必要な情報へのアクセス手段の提供
<各種機関との連携協力> ※協力を通じた知識・文化基盤の整備
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デジタルシフト 7つの重点事業①
<ユニバーサルアクセスの実現>� ※様々な利用者に、必要とされる情報を提供
1 国会サービスの充実
量的・質的に拡充したデジタル情報基盤と利便性を向上させた検索手段を用いて、さらに充実した国会サービスの提供を図ります。
2 インターネット提供資料の拡充
インターネットや身近な図書館で閲覧できるデジタル資料の拡充を図ります。そのための著作権処理や関係者との合意形成を進めます。
3 読書バリアフリーの推進
視覚障害等の理由で読書に困難がある利用者向けに、バリアフリー対応の資料の収集・検索・提供サービスと、利用しやすいテキストデータの製作支援を推進します。
4 「知りたい」を支援する情報発信
専門知識を活かして膨大な資料・情報をキュレーションし、効率的な調べ方のガイドや、知識を深めるための資料の紹介等、社会に役立つ情報を発信します。
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デジタルシフト 7つの重点事業②
<国のデジタル情報基盤の拡充>� ※情報資源蓄積・提供の恒久的なインフラを整備
5 資料デジタル化の加速
デジタルで全ての国内出版物が読める未来を目指し、この5年間で100万冊以上の所蔵資料をデジタル化します。テキスト化も行い、検索や機械学習に活かせる基盤データとします。
6 デジタル資料の収集と長期保存
有償の電子書籍・電子雑誌の制度収集を開始し、著作者や出版者の協力を得て、安定的収集を実現します。また、他機関のデジタル資料の収集・移管、再生困難なデジタル資料の形式変換等、多面的な取組によってデジタル資料の長期保存を目指します。
7 デジタルアーカイブの推進と利活用
図書館の領域を超えて幅広い分野のデジタルアーカイブを連携させる「ジャパンサーチ」を通じて、多様な情報・データがオープン化され、活用が促進される環境づくりを支えます。
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[参考]�ジャパンサーチとデジタルアーカイブ社会
出典:「3か年総括報告書 我が国が目指すデジタルアーカイブ社会の実現に向けて」�(令和2年8月19日 デジタルアーカイブジャパン推進委員会・実務者検討委員会)p.8 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/digitalarchive_suisiniinkai/pdf/r0208_3kanen_houkoku_honbun.pdf
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