ソーシャルフォースモデルによる群衆の行動解析
中央大学理工学部物理学科 学部4年
香取研究室 米長駿
交通流(歩行者流)とは
道路上の車の流れや、通路上の人の移動など、多数の個体が空間内を移動する様子を「流れ」としてとらえた表現。なかでも、特に歩行者の挙動や移動に着目したものを歩行者流という。
ex) 車の渋滞、歩行者のレーン形成
これらの特徴的な現象は、多数の個体が集団になった系において、個体間に何らかの相互作用がはたらくことにより生じる。
歩行者流のモデル化
集団としての歩行者の動きを数理モデルで表す。
→ ソーシャルフォースモデル
集団内の各個体が行動するための動機(目的地へ向かう、障害物を避ける等)を社会的な力(Social Force)として導入することによって、実際の行動を再現する。
2方向の人の流れがある通路(レーン形成)
各個体にはたらくソーシャルフォース
歩行者モデルのようす
モデルから分かること
時間がたつにつれて、同じ方向へ進む歩行者どうしが列状に連なり、秩序を持った形を形成していることが分かる。
レーン
この現象を、
レーン形成という。
数理モデルを解析する用途
・実際の人の流れをシミュレートすることにより、駅や商業施設などの通路の設計に役立てられる。
・緊急時における群衆の避難行動をシミュレートし、密集状態に陥ることによる危険性や、その対策を考えることができる。
現在研究していること
駅改良工事における歩行者の経路選択の変化とそれに伴う影響
対象駅:JR松戸駅(千葉県松戸市)
https://www.jreast.co.jp/press/2019/tokyo/20200214_to01.pdf
改良前
改良工事中
改良工事に伴う人流の変化
作成した歩行者モデル(仮)
今後の課題
・駅構内を再現した歩行者モデルを完成させる。
・駅改良による改札前の人の流れや人口密度、個体の速さの変化の有無を調べる。
・変化がみられる場合、その原因として考えられるものを考察する。
参考文献
・小田垣孝・佐野幸恵・山崎義弘・山本健,
社会物理学-モデルでひもとく社会構造とダイナミクス-,共立出版,2022
・JR東日本.”松戸駅が便利になります! ~利便性向上に向けた駅改良工事の着手について~ ”
https://www.jreast.co.jp/press/2019/tokyo/20200214_to01.pdf
・混雑時におけるミクロ歩行者流動モデルの構築
http://www.plan.civil.tohoku.ac.jp/kuwahara/publications/2006-013.pdf