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『忘れる』練習

~~~「記憶」の取り扱い方法~~~

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憶える仕組み

  • こころには、基本的に無明と渇愛があります。
  • 生きていきたいという感情は根深いのです。
  • 生きるために、死を避けるためにものごとを憶えるのです。
  • 渇愛は、貪瞋痴として機能します。
  • 痴に憶える能力がないので、貪と瞋という二つの感情に刺激されて、こころはものごとを憶えるのです。
  • 憶えたものは「真実」ではなく、自分の存在欲を支えると思われるものになります。

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記憶は大事でしょうか?

  • 生きるために、死を避けるために、必要な情報を記憶しなくてはならないのです。
  • 世間の知識は、欲と怒りという二つの器に入るものです。
  • 記憶がゼロなら、生きていられない。
  • 渇愛は一切の生命に共通するので、全ての生命は生存するために欠かせない情報を知っているのです。
  • 記憶する情報は「概念」に限ってないのです。

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感情の分化

  • 無明と渇愛は分化するので、1500煩悩になってしまいます。
  • 感情という器の中に記憶するデータが保存されます。
  • それによって、人間の場合は、知るべきもの、知ってはならないもの、役に立つもの、立たないもの、関係があるもの、関係がないものなど、様々なデータを憶えておくのです。

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感情の暴走

  • 感情は暴走し易いのです。
  • これは、知識にも、記憶にも影響を与えます。
  • ある感情が強くなった時、それに関連するものごとをいとも簡単に憶えたり、
  • 普通に憶える必要があるものを憶えられなくなったり、
  • 憶えたものがこころから削除されたり、
  • 憶えたデータが混乱して、ありもしない、変なものになったりします。

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どのように、憶えるのでしょうか?

  • 生存に欠かせないものは自動的に憶えてしまいます。
  • また、そのデータは忘れることもありません。
  • 生存に間接的に必要なものを努力して憶えなくてはならないのです。(勉強など)
  • 復習しない場合と必要がなくなる場合その記憶はなくなります。
  • 激しい欲、恐怖、怒りなどの感情を引き起こしたできごとも、長期記憶になるのです。忘れられません。

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記憶は期間限定

  • 一般的に言えば、生存とは肉体の維持です。
  • 従って、記憶は身体の状況によって変わるのです。
  • 死で、全ての記録は消されます。(人に過去世は思い出せない)
  • しかし、無明、渇愛、貪瞋痴などに記憶によって起こる影響は長きに渡って残ります。
  • 瞑想修行によって、こころが身体に依存することを一時的にストップすることで、認識次元を超えられます。

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記憶は曖昧、確実ではない

  • 感情(煩悩)によって、ものごとを記憶するので「憶え」の質は人によって変わります。
  • それからも、感情の波によって、「憶え」が編集され、書き換え、元と全く違うものになったりもします。
  • 我々の脳が入るデータを必ず「自分勝手に編集して、現象化して、残すのです。
  • 感情の変化によって、元の「憶え」が完全に消えたりもするのです。
  • 「記憶」に“final report”はありません。

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想いだすこと

  • ①.勝手に記憶が蘇る。

  ②.意図的に想いだす。

③.状況に応じて必要なデータが現れる。

  • ①は感情の荒波です。貪瞋痴が暴走しています。
  • とりとめようもない、妄想の回転になります。
  • 精神的に病気になってしまいます。
  • 煩悩が強化して、頑丈に固定されます。
  • 人格向上を目指す人にとっては、最大の障害です。

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②意図的に想いだす

  • 勉強する時は強引に憶えなくてはならない。
  • 試験では、強引に、意図的に記憶を蘇えらせなくてはならない。
  • 仕事をする時、研究する時
  • 講演する時、起さなくてはいけないできごと。
  • しかし、これも感情が割り込むと上手くいかない。
  • メモを書いたり、先に練習したりする必要もあります。

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③状況に応じて必要なデータが現れる

  • 人に出会ったら、その人と交わした約束を想いだしします。
  • 外国人に出会ったら、憶えた外国語を想いだす。
  • 弁護士が趣味で料理をするとしましょう。
  • 料理の仲間といる時、料理知識を想いだす。
  • 仕事場では、法律に関わることを想いだす。
  • この能力はお釈迦様が推薦されます。
  • 人生をトラブルなく過ごすためには必要な能力です。

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忘れるとは

(Quick sand)流砂にのまれないために

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忘れることができますか?

  • 忘れることは、残念ながら、自動的に起こるのです。
  • 憶えておくべきことを忘れて、忘れるべきことばかり、こころに刻まれます。
  • 意図的に、何かの訓練をして、憶えたことを忘れることは、不可能です。
  • そのために、暗示を使ったり、洗脳したりなどのやましいことまでします。
  • 憶えたデータをあえて忘れる必要はありません。

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感情とのコネを切る

  • 貪瞋痴の感情がデータを憶えさせる。
  • それも、ありのままではなく、勝手なストーリーに合わせてです。
  • 感情の暴走によって、記憶がいつでも、新たなバーションを作っては現れる。蘇る場合もある。
  • 人は、記憶を忘れるのではなく、悪感情を制御した方が正しいのです。
  • 災害に遭った人は、災害を忘れるのではなく、「恐怖感、悲しみ、落ち込み」を忘れるのです。

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感情とのコネを切る

  • 感情とのコネを切ることができれば、憶えたデータは何の問題も起こさないのです。
  • かえって、客観的に、明晰に憶えておくことができるのです。
  • 記憶をなくすことも不可能、
  • 都合の良いものを憶えて、都合の悪いもの忘れるなんかは成り立ちません。
  • 記憶されたデータと感情のコネを切ったところで、こころが自由に、安らぎになるのです。

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記憶術

記憶に対する倫理

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記憶は基本的に悪・不善

  • 生存するために、貪瞋痴が捏造したデータをこころに刻むので、
  • 先ず、記憶は「悪」だとしなくてはいけません。
  • そこで、選別をします。
  • 生きるためには欠かせない知識。
  • 生きることを支える知識。
  • 生きることの障害になる知識
  • プラスアルファの知識
  • どうでも良い知識。(順番が大事)

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目的を確定する

  • 何となく学ぶ人は、役に立たない愚か者で終わります。
  • 何のために学ぶのかと、目的を設定すれば、脳はものごとを楽に憶えておくのです。
  • 有意義か否かと関係なく、脳には「有意義」という保証が必要です。
  • 理性のある人に聞いて、真理を学んで、文字道理の「有意義」を発見すると
  • 学ぶことも、記憶も「善」になります。

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感情の制御

  • 欲、怒り、嫉妬、憎しみ、恨み、競争心、高慢、見栄などの感情でもものごとを憶えられる。
  • しかし、その「憶え」が自分の、他人の役に立つか否かは問題です。
  • また、以上の同じ感情は、反対のデータを遮断する。
  • 客観的な比較・評価を否定する。
  • 知識を捏造する。
  • 真理・事実を知ることと反対の態度です。

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感情の制御

  • 汚れた感情を清らかな感情で置き換えればよろしいのです。
  • しかし、「清らかな感情」は理解できない概念。
  • 仏教は無理にでも、慈・悲・喜・捨を実践しなさいと言うのです。清らかな感情に馴染めます。
  • それから、理性と客観性を推薦します。
  • 入るデータを一時記憶して、内容を調べる。分析する。理解する。有意義か否かを決める。
  • それで、自動的に長期記憶になっているのです。

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記憶に必要なもの

  • ①有意義か否かを決めること。
  • ②脳が「面白い」と感じること。
  • ③学ぶことで脳が楽しみを感じること。
  • ④探究心
  • ⑤「無知は惨めだ」とするプライド。
  • ⑥しっかりした「論理性」
  • ⑦物事の順番を決めるストーリーがあること。ない場合は自分で作るのです。
  • ⑧復習すること。⑨実行すること。

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仏教的記憶術

昔の仏弟子たちは記憶の達人でした

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暗記文化

  • 釈尊が現れてからほぼ400年後までは、仏教を暗記して護ったのです。
  • 活字よりも暗記を信頼したのです。
  • 経典のスタイルを調べると、記憶する技を発見することができます。
  • Ānanda尊者が暗記力の第一人者です。
  • それは、audio-memoryであって、photographic memoryではなかったのです。
  • 仏教は複雑な教えなのに、グラフ、チャートなどはありません。

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①有意義ある

  • これから学ぶ教えは絶対的な価値のある、生きとし生けるものの役に立つ、
  • 暗黒の生命世界に現れた、真理をという太陽である、
  • 凡夫が聖者に昇格する力のある、
  • 生きる苦しみを乗り越える、
  • 完全たる解脱に導かれる内容であると
  • 皆、納得していたので、「有意義は◎」
  • 憶えるために、脳は必死になります。

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論理性・ストーリー

  • 仏教は一方的に説かれる「神の言葉」ではありません。
  • 仏教はあなたと「対話」するのです。
  • 理解したものは「自分の知識であり、自分の発見なのです。(自動的に憶えてしまう)
  • そこで、物語ができています。
  • ない場合は様々なたとえ話を駆使した物語があります。

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論理性・ストーリー

  • 仏教は次第説法と言います。
  • これは、脳に理解できるように、順を追って語ることです。
  • 先ず、分かっているところから初めて、高度な真理、それから、超越した境地という順です。
  • 仏弟子たちの頭が、完全に論理的に、理性的に成長するので、憶えて措くのは「朝飯前」。
  • 内容を観察すると、更に論理性は強くなります。

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発見の喜び

  • 仏教は闇から光へ導く教えです。
  • 話を聞く個人は、「目から鱗が落ちる」ことに感激します。
  • 自分の人格が向上することに、生きるべき道が見えてくることに感動します。
  • 宗教と違って、依存・信仰・折伏はありません。
  • 弟子は無知を破って自分を征服するのです。
  • 自分に勝つことが最大の勝利です。
  • この喜びが記憶力を作ります。

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その他の技

  • 経典の言葉にはリズムがあります。
  • Audio memoryは可能です。
  • 決まっているスタイルで語ります。
  • 用語などは決まっているスタイルで、順番で現れます。
  • 憶える語彙は洗練された詩句が多い。
  • 繰り返しフレーズが必ず、多数でます。
  • 実践は絶対的条件。
  • 仏教界では、記憶能力は今も生きています。

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気づき

  • Satiとは解脱に達する実践方法ですが、仏教は記憶にもsatiと言います。
  • Satiの実践で、データをありのままに知ることができるようになるのです。
  • そちらに因縁関係が見えてくるのです。
  • 因縁法則を発見する人には、当然記憶能力も現れるのです。
  • 記憶力を上げたいなら、satiの実践することです。

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後書き

  • 感情を不善から善に変えてみる。
  • 記憶したものを忘れるのではなく、感情との縁を切る。
  • 学ぶ時は、常に、「有意義か否か」という篩(ふるい)にかけてみる。
  • 復習する。実行してみる。
  • 真実をしりたいという意欲の明かりを決して消さないこと。

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三宝のご加護がありますように

ご静聴を感謝いたします。

生きとし生けるものがしあわせでありますように

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