1 of 22

第70回国家試験:放射線計測学その他

2 of 22

 放射線の種類と性質で正しいのはどれか。

1.電磁波は質量を持つ。

2.電磁波は電荷を持つ。

3.マイクロ波は電離放射線である。

4.直接電離放射線は荷電粒子線である。

5.間接電離放射線は二次的に発生した荷電粒子線である。

ans:4

解説

1.電磁波は質量を持たない(P34)。

2.電磁波は電荷を持たない(P34)。

3.電磁波には電波(長波,中波,短波,マイクロ波),光(赤外線,可視光線,紫外線),X線γ線

が属し,これらは電磁波の持つエネルギー(振動数や波長)により分類されている。

4.荷電粒子は直接電離放射線である。(P31)

5.間接電離放射線(X線,γ線)は電荷を持たない。(P30)

3 of 22

光子について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.真空中の速度は一定である。

2.Fermi<フェルミ粒子>である。

3.静止エネルギーは0.511MeVである。

4.運動量はde Broglie <ド・ブロイ>波長に比例する。

5.エネルギーはPlanck<プランク>定数と振動数の積である。

ans:1,5

解説

1.光子は真空中では常に光速で移動する。

3.静止エネルギーを持たない

5.エネルギーはプランク定数と振動数の積である。

E = hc/λ...

E : 1eVは1.6x 10 -19 J

h :6 .6 x 10 -34 (J・s) (プランク定数)

c : 3 x 108 [m・ s -1 (光速)

波長λ(m)

4 of 22

同一管電圧で得られた2つのX線エネルギースペクトルを図に示す。正しいのはどれか

1.AとBは管電圧40kVのものである。

2.Bはロジウム付加フィルタを使用したものである。

3.Aはモリブデン付加フィルタを使用したものである。

4.AとBはタングステンターゲットを使用したものである。

5.AとBにはK殻への遷移による特性X線が認められる

ans:5

1.グラフから光子エネルギーの最大値は30keV。よって管電流は30keV。

2.実データのスペクトルの形が異なる。

3.実データのスペクトルの形が異なる。

4.タングステンターゲットによって発生する特性 X線には59.3keVの K ‑X線,67.2. keVの K ‑X線などがある。

5.一般的に、特性X線は、陽極の元素(タングステン)にぶつかったときK殻にある電子をはじき飛ばすことによって発生する。K殻が空孔となりK殻への遷移が発生。

次資料①、②参照

5 of 22

参考資料①

実データのスペクトル

問題のスペクトル

6 of 22

第66回の類似問題(診断領域 X 線のエネルギースペクトルの問題)

診断領域 X 線のエネルギースペクトルを図に示す。

正しいのはどれか。

1.A の管電圧は 95 kV である。

2.A と B の管電流は同じである。

3.A と B のターゲットは異なる。

4.B にフィルタを付加するとAの形状に近づく。

5.A と B に L 殻への遷移による特性 X 線が認められる。

ans:1

1

2

95keV

参考資料②

1.グラフから光子エネルギーの最大値は95keV。よって管電流は95keV。

2.AとBは光子数が違うので管電流は同じではない。

3.単一スペクトルのエネルギーが1と2で同じなので、ターゲットは同じ。

4.フィルターを付加すると低エネルギー領域の光子がカットされる。

5.一般的に、特性X線は、陽極の元素(ここではタングステン)にぶつかったとき、タングステンのK殻にある電子をはじき飛ばすことによって発生する。K殻が空孔となりK殻への遷移が発生。

7 of 22

電子エネルギーに対するある物質の質量放射阻止能と質量衝突阻止能の

関係を図に示す。ある物質はどれか。

1.13Al

2.29Cu

3.42Mo

4.74W

5.82Pb

ans:2

解説

Srad/Scol≒EZ/820

臨界エネルギー

電子の衝突阻止能をScol、放射阻止能をSradとし、電子線の運動エネルギーをEeV、物質の原子番号をZとするとScolとSradの比はSrad/Scol=E・Z/820で近似的に表す事ができる。(P58)

電子線の衝突損失と放射損失が等しくなるエネルギーのことを「臨界エネルギー」といい,このときの衝突阻止能Scolと放射阻止能SradはScol=Sradとなる。この式を用いて(1.13Al )(2.29Cu) 3.(42Mo)

4.(74W ) 5.(82Pb)の臨界エネルギーを求めると

1.63MeV 、2.28.2MeV、3.19.5MeV、4.11MeV、5.10MeV、と計算できる。図よりこの物質の臨界エネルギーは28.2MeVとなりある物質は(2.29Cu)であることが解る。�

電子の衝突阻止能をScol、放射阻止能をSrad

電子線の運動エネルギーをEeV、物質の原子番号をZ

とすると電子線の衝突損失と放射損失が等しくなるエネルギーのことを「臨界エネルギー」といい上式は1≒ EZ/ 820となる

図より臨界エネルギーを読み取るとある物質はZ≒29で2の29Cuと推測

できる。(P58参照)

8 of 22

     chat gptによる前問の解りやすい解説

電子の衝突阻止能をScol、放射阻止能をSradとし、電子線の運動エネルギーをEeV、物質の原子番号をZとするとScolとSradの比はSrad/Scol=E・Z/820で近似的に表す事ができる。(P58)

電子線の衝突損失と放射損失が等しくなるエネルギーのことを「臨界エネルギー」といい,このときの衝突阻止能Scolと

放射阻止能SradはScol=Sradとなる。この式を用いて(1.13Al )(2.29Cu) 3.(42Mo) 4.(74W ) 5.(82Pb)の臨界エネルギーを求めると

1.63MeV 、2.28.2MeV、3.19.5MeV、4.11MeV、5.10MeV、と計算できる。

図よりこの物質の臨界エネルギーは28.2MeVとなりある物質は(2.29Cu)であることが解る。

9 of 22

光速の0.8倍に加速された電子の全エネルギーEと静止エネルギーE0との比E/E0 に最も近いのはどれか。

1.0.20

2.0.80

3.1.00

4.1.67

5.3.34 ans:4

解説

E = mc2、E0 = m0c2より

m/m0 = 1 / √(1 - 0.82) ≒ 1.67

10 of 22

中性子について正しいのはどれか。

1.Β+壊変で陽子に変わる。

2.光核反応にしきいエネルギーはない。

3.速中性子の遮へいには鉛が有効である。

4.速度が大きいほど中性子捕獲反応が生じやすい。

5.熱中性子の最頻の運動エネルギーは約0.025eVである

ans:5

解説

1.中性子はβ-壊変で陽子に変わる

2.光核反応を起こす光子のエネルギーは、原子核を構成している陽子と中性子の結合エネルギーを上回る必要がある。数MeV~数十MeV以上のエネルギーにより反応が起こる。(P44)

3.遮蔽には水素を多く含んだ材料が用いられる。(P38)

4. 中性子捕獲は、低速~中速中性子線のエネルギー範囲で起こり、特に熱中性子によるものは熱中性子捕獲と呼ばれる。(P69)

5.熱中性子の最頻の運動エネルギーは約0.025eV、速さ約2,200m・s-1である。(P68)

11 of 22

エネルギーが線スペクトルを示すのはどれか。

1.β+

2.β-

3.対生成の陽電子

4.Auger<オージェ>電子

5.Compton<コンプトン>電子

ans:4

解説

1.連続スペクトル

2.連続スペクトル

3.連続スペクトル

4.線スペクトル

5.連続スペクトル

次資料①参照

12 of 22

線スペクトルを示す放射線

連続スペクトルを示す放射線

α線  

β線

γ線

制動X線

特性X線

コンプトン電子や散乱光子

医療用加速器によるスキャタリングホイル通過前の電子線、陽子線、炭素線

医療用加速器によるスキャタリングホイル通過後の電子線

拡大ブラッグピーク内の陽子線、炭素線

内部転換電子、光電子(光電効果で放出)

オージェー電子

核分裂片エネルギー(252Cfなどから放出される中性子)熱中性子のエネルギー分布はマックスウェル・ボルツマン分布に従う連続スペクトル

線スペクトル、連続スペクトルのまとめ(重要)

資料①

13 of 22

光子エネルギーに対する水の質量減弱係数の関係を図に示す。

0.45 MeVの細い光子ビームが厚さ10cmの水を通過したときの一次線透過率に

最も近いのはどれか。ただし、e=2.7とする。

1.0.10

2.0.37

3.0.50

4.0.60

5.0.69

ans:2

次資料①参照

14 of 22

光子エネルギーに対する水の質量減弱係数の関係を図に示す。

0.45 MeVの細い光子ビームが厚さ10cmの水を通過したときの一次線透過率に

最も近いのはどれか。ただし、e=2.7とする。

1.0.10

2.0.37

3.0.50

4.0.60

5.0.69

ans:2

0.45[MeV]

グラフより光子エネルギー0.45[MeV]に相当する

質量減弱係数は0.1[cm2/g]

線減弱係数=質量減弱係数×密度となる。

水の密度は1[g/cm3]→線減弱係数は0.1[cm-1]

放射線の強度を表す式 I=I0e-μxを利用して 

透過率I/I0=e-μx = e-0.1×10= 2.7-1 =0.3703 (P47)

資料①

15 of 22

質量衝突阻止能が最も大きいのはどれか。

1. 1MeVのα線

2. 2MeVのα線

3. 2MeVの炭素線

4.10MeVの陽子線

5.20MeVの陽子線

ans:3

次資料①参照

16 of 22

資料①(chat gpt)

17 of 22

放射線計測で用いられる物理量と単位の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

1.カーマ   J・kg-1

2.吸収線量 C・kg-1

3.質量阻止能 m-2・kg-1

4.フルエンス m2

5.質量エネルギー吸収係数m2・kg-1

ans:1,5

18 of 22

空洞空気を取り囲む水の吸収線量をBragg-Gray ブラッグ・グレイの空洞理論 によって表す式はどれか。 ただし、空洞に生じた電荷量をQ、空洞の質量をm、空気中でイオン対を作 るのに必要な平均エネルギーをW、素電荷をe、水の質量衝突阻止能を(Scol/ρ)w、 空気の質量衝突阻止能を(Scol/ρ)airとする。

ans:2

19 of 22

NaI:Tlシンチレーション検出器と比較した場合の高純度Ge半導体検出器の特性で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.検出感度が低い。

2.時間分解能が低い。

3.エネルギー分解能が低い。

4.使用時は冷却を必要とする。

5.エネルギー依存性が大きい。

ans:1,4

解説

γ線の測定には主にヨウ化ナトリウム(NaI)シンチレーション検出器またはゲルマニウム (Ge)半導体検出器が利用される。NaI検出器はγ線のエネルギー分解能は劣るが、ガンマ線の計数効率はGe検出器よりも優れ、Ge検出器はエネルギー分解能に優れているが、計数効率はNaI検出器より劣る。また、高純度Ge半導体検出器は

検出器の冷却は使用時のみで、保管は室温でできるという利点を持つ。

20 of 22

端窓型GM計数装置による放射能絶対測定に必要がないのはどれか。

1.幾何学的効率の補正

2.イオン再結合補正

3.線源の自己吸収補正

4.数え落としに関する補正

5.試料台による後方散乱補正

ans:2

解説

1.3.4.5は端窓型GM計数装置に必要な補正(P216,P217)。

2.は電離箱線量計に必要な補正(P92,P93)。

21 of 22

エネルギースペクトルで正しいのはどれか。

1.90Sr のβ線は線スペクトルである。

2.241Am のα線は線スペクトルである。

3.60Co のγ線は連続スペクトルである。

4.リニアック治療装置のX線は線スペクトルである。

5.拡大ブラッグピーク内の陽子線は線スペクトルである。

ans:2

次資料①参照

22 of 22

線スペクトルを示す放射線

連続スペクトルを示す放射線

α線  

β線

γ線

制動X線

特性X線

コンプトン電子や散乱光子

医療用加速器によるスキャタリングホイル通過前の電子線、陽子線、炭素線

医療用加速器によるスキャタリングホイル通過後の電子線

拡大ブラッグピーク内の陽子線、炭素線

内部転換電子、光電子(光電効果で放出)

オージェー電子

核分裂片エネルギー(252Cfなどから放出される中性子)熱中性子のエネルギー分布はマックスウェル・ボルツマン分布に従う連続スペクトル

線スペクトル、連続スペクトルのまとめ(重要)

資料①