スピノザ哲学に学ぶ、
「猫モードの神」と
人間の自由な生き方
2025.09.28
本日の内容
1
はじめに:スピノザ哲学「エチカ」とは
2
すべての存在は「神のモード」である
3
「不自由」から「自由」への道筋
4
スピノザが説く「本当の自由」とは
株式会社ドモドモコーポレーション
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1. はじめに:�スピノザ哲学�「エチカ」とは
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西田幾多郎記念哲学館 哲学講座より
講師は東京国際大学商学部の吉田量彦教授。スピノザの主著「エチカ」の思想から、現代を生きるための指針を学びます。
開催場所: かほく市 西田幾多郎記念哲学館
テーマ: 17世紀の哲学者スピノザの思想
核心: スピノザの世界観が、現代の仕事や生き方に重要な視点を与える
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2. すべての存在は�「神のモード」である
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唯一の実体「神」と多様な「様態(モード)」
スピノザによれば、この世界に究極的に存在する「実体」は唯一「神(あるいは自然)」だけであり、個々の存在はその現れにすぎません。
神(実体)
唯一究極の存在
様態(モード)
実体が形を変えた姿
個々の存在
人間、動物、机など
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私たち自身も「神」の一つの現れ
「猫モードの神」という比喩で考えると、道端の猫も、この記事を読んでいるあなたも、そして私自身も、唯一の存在である神の異なる現れ方ということになります。
道端の猫は、独立した存在ではない
神が「猫の様態(モード)」で現れている姿
同様に、私も「私というモードの神」である
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3. 「不自由」から�「自由」への道筋
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感情に支配される「隷属」と理性が導く「自由」
スピノザは、物事の一側面だけを捉えた感情に振り回される状態を「隷属(不自由)」と呼び、そこからの脱却を目指します。
隷属(不自由)の状態
外部の刺激に無自覚に反応する
欲望や怒りなどの情念に流される
物事の一側面しか見えていない
「雑な観念」に支配されている
自由の状態
自らの感情の原因を客観的に探求
理性の光を当てて因果関係を分析
物事の構造を体系的に理解する
「適切な観念」へと整理する
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理性による「観念」の整理プロセス
人間が持つ「理性」の力で、無秩序な感情を分析し、より客観的で体系的な理解へと高めていくことが「自由」への鍵となります。
STEP 1
外部からの刺激
STEP 2
情念の発生(雑な観念)
STEP 3
理性による原因の探求
STEP 4
構造の理解(適切な観念)
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4. スピノザが説く�「本当の自由」とは
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「運命論」と「決定論」の決定的な違い
すべてが決まっていると諦める「運命論」ではなく、因果の中で理性を働かせ、主体的に行動する「決定論」こそがスピノザの立場です。
運命論(諦め)
すべては予め決まっている
個人の意志や努力は無意味
ただ大きな流れに身を任せる
決定論(主体的行動)
物事の因果関係を深く見つめる
理性を最大限に働かせて意思決定
主体的に行動し、未来を創る
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ビジネスにおける「自由」な意思決定とは
好き勝手に振る舞うことではなく、外部環境や自社の状況という必然性を深く理解し、その上で最善の戦略を主体的に決断することです。
原因の分析
市場動向、顧客ニーズ、競合の動きといった外部要因(原因)を正確に分析・理解する
自己の認識
自社のリソース、強み・弱みといった内部要因を客観的に把握する
主体的決断
分析・認識に基づき、感情論に流されず、最も合理的で善い戦略を主体的に選択・実行する
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まとめ:変化の時代を生き抜くための指針
物事の因果を深く見つめ、その中で自らの理性を最大限に働かせて意思決定し行動する。スピノザ哲学は、不確実な未来を切り拓くための確かな羅針盤となります。
諦めるのではなく、理解する
運命論に陥らず、物事の背後にある法則性や因果関係の理解に努める
感情に流されず、理性を働かせる
短期的な感情や『雑な観念』に支配されず、客観的な分析に基づき行動する
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