勉強部屋ZOOMセミナー 2025年度第5回
森林・社会の変貌から考える
これからの森林管理
ー蓄積された日本の森林に関する知識や
文化を、世界に発信ー�
太田猛彦(東京大学名誉教授)
2026年3月7日(土)14時~
☆
太田猛彦:自己紹介・・・私の経験・関心事・現職
・防災、特に土砂災害への対処法 治山と砂防
豪雨による土砂災害・流木災害 地震による土砂災害
深層崩壊/土石流災害/火山災害 土砂災害防止法(居住地の安全)
・海岸(防災)林の再生 国際NPOオイスカへの協力
三保松原の保全と松枯れ対策 森林除染/林業復興
・ 森林と水の問題 日本水フォーラム 水循環基本法 地球の水循環
・持続可能な社会/レジリエントな社会 SDGs “森林飽和”
・新たな森林管理システム/森林環境税 林業振興・地方創生
・森林管理/森林の多面的機能 森林認証制度
・FSCジャパン代表 ・さいたま緑のトラスト協会理事長
・かわさき市民アカデミー理事長(前学長)
(・みえ森林・林業アカデミー名誉学長)
など
現職
森林・社会の変貌から考えるこれからの森林管理
蓄積された日本の森林に関する知識や文化を、世界に発信
(1) ・社会が変われば森も変わる。そのリアクションへの新たな
対応
<森林管理と社会の関係(まとめ)>
・森林管理の基本をおさらい(森林の多面的機能の発揮)
<1990年以降の森林を取り巻く状況を踏まえた森林管理の原則>
(2) ・ネイチャーポジティブ、カーボンニュートラルと森林
<現代社会における森林管理の位置づけ>
・森から視た現代文明
(3) ・生物多様性保全の推進
・TNFDとTCFD
・・・企業の協力が不可欠
(4) ・21世紀中葉の森林管理に向けて ・・・日本林業の立ち位置
・森林・林業に関する日本からの発信
●青字は2023年の勉強部屋
ZOOMセミナーで講演
「みんなが知りたいシリーズ 森林の疑問 50」
(一社)日本森林学会監修、(株)成山堂書店
〇森林の基本(17問)
①日本にはどのような森林がありますか。
・
・
〇森林の利用と文化(16問)
⑱日本の森林は減少していますか。 (赤字:太田担当)
・
⑳私たちは森林からどのような恩恵を受けていますか。
・
㉔海岸林にマツが使われることが多いのはなぜですか。
・
〇森林と環境問題(16問)
・
・
㊿森林で数が増えて問題になっている動物はいますか。
本年4月刊行?
森林が豊かな日本列島に縄文人が住みついたその時から日本人は森林を利用して生活を営み、社会を発達させてきました。食料も道具の材料も燃料も森林の生産物でした。
稲作農業が伝来し人口が増加してもその人口を支える資源の大部分は森林生産物でしたので、森林は次第に荒廃し、山崩れや洪水が頻発するようになりました。 その結果、人々は森林が水害や土砂災害を防いでくれることを知ることになり、江戸時代には「治山治水」のような言葉も生まれ、日本人の中に森林を大切にする思想が広がりました。
さらに防災や生活・生産環境の改善のために防風林や海岸林を積極的に造成するようになりました。
明治時代以降も昭和時代中期まで状況は同じでした。
●治山治水は大事だが、森林の管理については「人」と
「森林利用」との「直接の関係」を考えればよかった時代
⑳ 森林の恩恵➡多面的機能の紹介
●(しかし)20世紀の後半になって、先進国で化石燃料などの地下資源を含む自然資源が大量に利用され、また人口の増加によって世界各地で生態系の劣化が進んだ結果、地球の温暖化や生態系サービスの低下が懸念されるようになるとともに、森林はその両者に深くかかわっていることがわかってきました。
すなわち世界の森林は全体として気候の安定や生態系サービスの維持に貢献することによって私たちの住む生物圏の環境すなわち“地球の環境を保全”していたのです。
地球環境問題が人類の行く末に重大な影響を与えることが判明した21世紀にあっては、 森林の劣化が地球環境の保全や人類社会の持続可能な発展に悪影響を及ぼしている ことも知る必要があるでしょう。
→ 20世紀後半になって、私たちの森林を取り巻く
状況が大きく転換した
⑳ 森林の恩恵➡多面的機能の紹介
●近代以降の森林・林業関係基本法の変遷
(多面的機能) (+環境)
ー国土保全法ー
ー高度経済成長に貢献ー
ー地球環境問題の克服ー
(継続)
(すでに廃止)
1897森林法(保安林制度) 1896河川法(治水)
1964林業基本法(林業振興) 1964新河川法(+利水)
1961農業基本法
(国内)自然保護や生物多様性が意識され始める (国外)地球環境問題
2001森林・林業基本法 1997新河川法改正
1999?食料・農業・農村基本法
☆
(1)
森林管理を考える場合、 1990年頃までは国内のことを考えればよかった
それは気候は安定しており、生物多様性の保全についても地球規模では心配がなかったから・・・
森林管理を取り巻く状況は有史以来1990年頃までと、その後では大きく変化した
●つまり、 「森林と人間の関係」を直接考えればよかった
☆
“森林飽和”と森林管理の原則
●近代以降の森林・林業関係基本法の変遷
(多面的機能) (+環境)
ー国土保全法ー
ー高度経済成長に貢献ー
ー地球環境問題の克服ー
(継続)
(すでに廃止)
1897森林法(保安林制度) 1896河川法(治水)
1964林業基本法(林業振興) 1964新河川法(+利水)
1961農業基本法
(国内)自然保護や生物多様性が意識され始める (国外)地球環境問題
2001森林・林業基本法 1997新河川法改正
1999?食料・農業・農村基本法
1990年頃まで
日本社会の発展(歴史)と森林の変遷
との関係を通して
森林法の成立や森林管理の原則
を学ぶことができる
日本の森林の変遷
現在も存続
している
・はげ山から“森林飽和”へ
NHKブックス
『森林飽和』
(2012年刊)参照
『森林飽和』 ― 国土の変貌を考える
NHKブックス No.1193
第一章 海辺の林は何を語るか ― 飛砂から津波まで
一 津波被害の実態
二 津波を「減災」したマツ林
三 なぜ海岸にマツ林があるのか
第二章 はげ山だらけの日本―「里山」の原風景
一 日本の野山はどんな姿をしていたのか
二 石油以前、人は何に頼っていきていたのか
三 里山とは荒れ地である
第三章 森林はどう破壊されたか―収奪の日本史
一 劣化の始まり
二 産業による荒廃の加速
三 山を治めて水を治める
第四章 なぜ緑が回復したのか―悲願と忘却
一 荒廃が底を打つ
二 回復が緒につく
三 見放される森
第五章 いま何が起きているのか―森林増加の副作用
一 土砂災害の変質
二 山崩れの絶対的減少
三 深層崩壊
四 水資源の減少
五 河床の低下
六 海岸の変貌
第六章 国土管理の新パラダイム―迫られる発想の転換
一 〝国土″を考える背景
二 新しい森をつくる
三 土砂管理の重要性
四 海岸林の再生
2012年 7月30日 第 1 刷発行
2023年 8月 5日 第13刷発行
NHKブックス No.1193
選書シリーズNHKブックスでは過去
15年間で実質的に最も売れた本
☆
世界の年降水量分布
モンスーンアジア ・・・ 夏季雨が多く、湿潤である
気候
夏雨型
冬雨型
モンスーンアジア
植物が
良く茂る
☆
日本:温帯多雨林
●
日本
気候と森林のタイ (ホイッタカー)
〇森林タイプを決める要素は
気温と降水量
○ 温帯林の中でも最も豊かな
日本の森林
“温帯多雨林”
植生
房総半島の天然林
縄文時代
原生林の時代
かけがえのない日本の森
温帯多雨林
日本の森林の変遷
秩父の山にも森はない
関戸郷
多摩丘陵もはげ山に近い
江戸時代
愛知県春日井郡坂下町(現春日井市)1904年(明治37年)
里山の森林の典型的な荒廃状況
☆
明治時代の山地の状況
農耕社会
163 ページ
大正時代の丹沢山地
奥山にも豊かな森はない!
林野庁の2024年の8月号写真
日本の森林は充実!
➞ 『森林飽和』
現代社会・・・森林(人工林)回復
● 我が国の森林総蓄積は
100億㎥の時代に突入!
(億㎥)
(推定値)
100
「森林資源現況調査」 と 「森林生態系多様性基礎調査」 の比較
第4回 「森林生態系多様性基礎調査」
の結果が発表されました
まだ森林
は貧弱!
52.4憶㎥
☆
94億㎥
78億㎥
49億㎥
2条森林
5条+7条2森林
●我が国の森林総蓄積は100億㎥の時代に突入!
森林生態系多様性基礎調査 森林資源現況調査
年 公表値(2条) 推定(5条+7条2) 公表値 (5条+7条2)
2011(3期) 78.1億㎥ 76.7億㎥
2012 49.0億㎥
2016(4期) 86.2億㎥ 82.3億㎥
2017 52.4億㎥
2021(5期) 94億㎥ 88億㎥
2022 55.6億㎥
2025 99.4億㎥
2026(6期) 102億㎥ 94億㎥
青字:推定値 (熊谷)
日本の森林の総蓄積(2調査の比較)
:林野庁による公表数値
(概算) (概算)
(概算) (概算)
現森林・林業基本計画
の基準となってる数値
新計画の基準数値(2月公表)
☆
平成時代
森林回復期→ “治山治水”は成功したか
治山・砂防・造林事業の成果に加えて地下資源への転換
●日本の森林は400年ぶりの緑を回復している
・・・森林はもはや荒廃していない!
・海岸林の造成完了
・山腹緑化の成功
・土砂コントロールの進展 地すべり対策の進展
→森林の回復、崩壊、土石流など山地の土砂災害の軽減
→水害の減少 森林資源の充実
● 熊沢蕃山以来の“治山治水”は成功したと言える
・2004年治山治水緊急措置法廃止
・保安林整備臨時措置法終了
「森林飽和」
第4章
144 ページ
⇒『森林飽和』の時代
と称している
☆
・・・表面侵食の消滅/表層崩壊の減少
→深層崩壊が目立つ →土砂生産の減少
・・・流出量の減少/流量の平均化
→洪水緩和機能はすでに発揮、
森林の水消費を減らす:木材生産と両立
→ 「“治山治水”は成功した」か? ・・・Yes!
→国土は大きく変貌しているようだ →『森林飽和』
→ 国土保全事業の“これから”の基礎認識
海岸環境の変化
・・・飛砂の減少
(海岸林の防風効果もあって)
「森林飽和」
第5章
149 ページ
● 森林飽和の影響
☆
● 生態系の変化
・放置された里山での生態遷移の進行:森林化
→ ◎ 本来、森にとっては歓迎すべきこと
荒地のアカマツ林/植栽したクヌギ・コナラ林→照葉樹林
マツの衰退/マツ枯れ →マツ材線虫病 抵抗性マツ
・・・マツ林での遷移と攪乱のバランスが崩れる、富栄養化
林床植生(ササなど)・低木の繁茂
竹林の繁茂
ナラ枯れ/カシノナガキクイムシ ・・・ナラ類の老齢化
・人工林の成長・・・1000万ha以上、間伐推進対策→主伐再造林へ
“標準伐期齢”?を超えた 花粉症対策(無花粉スギ苗)
・獣害の増加 ニホンジカ、イノシシ、クマ類など
里山の奥山化!
226 ページ
竹林の繁茂や花粉症のまん延などの新たな問題
←過疎化
☆
昭和時代中期と現代の表層崩壊発生数の比較
同程度の豪雨に対して表層崩壊発生数は100分の1以下に減少
狩野川台風(伊豆地方)
と
2019年東日本台風
との比較
伊那谷災害
と
2020年7月豪雨
との比較
☆
小田原市の海岸線後退状況
1954年 2008年
「おだわら無尽蔵プロジェクト・環境(エコ)シティ」のパンフレットより
口絵 D
☆
低水流出への影響
1996年発表
『森林飽和』196ページ
森林が成長すると
洪水流量
☆
70年
80年
80年
社会の変貌により森林も変貌する
・・・そのリアクションは?
●縄文時代 原生林の時代
●農耕社会への変化→森林の劣化
→森林からのリアクション
・森林資源の枯渇
・獣害・動物性蛋白源の減少、野鼠・野兎の増加、絶滅種?
・水害・土砂災害・舟運に支障・飛砂害
人間社会側の対策が必要
●地下資源利用社会への変化→森林の回復
地球全体では森林劣化が起こっている(複雑)
→森林からのリアクション
・木材資源の増加、里山景観(生態系)の劣化・消滅
・土砂災害・洪水氾濫の減少、水資源消費・海岸侵食増加
・獣害の増加
人間社会側の対策が必要
☆
「森林」が変わる
=「森林生態系」が変わる
まとめ
●近代以降の森林・林業関係基本法の変遷
(多面的機能) (+環境)
ー国土保全法ー
ー高度経済成長に貢献ー
ー地球環境問題の克服ー
(継続)
(すでに廃止)
1897森林法(保安林制度) 1896河川法(治水)
1964林業基本法(林業振興) 1964新河川法(+利水)
1961農業基本法
(国内)自然保護や生物多様性が意識され始める (国外)地球環境問題
2001森林・林業基本法 1997新河川法改正
1999?食料・農業・農村基本法
1990年頃まで
森林の機能についての認識の変遷(政府)
明治~昭和前期 昭和後期~平成初期 平成中期~
森林法1897 林業基本法1964 森林・林業基本法2001
山地災害防止 木材生産 生物多様性保全
(国土保全) (林業)
木材生産 山地災害防止 地球環境保全
(林業・林産物採取) ・土壌保全 (地球温暖化防止)
水源涵養 山地災害防止・土壌
保健・休養 水源涵養
文化 快適環境形成
(貴重種保護) 保健・レクリエーション
文化
木材生産(林業)
森林の公益的機能
森林の多面的機能
適切な林業は公益
的機能を高める
(予定調和論)
都市住民の
要望を意識
保全
外部経済性として処理
1990年代まで
国内での森林と人間の直接的関係を考えればよかった
予期しない新たな課題・・・地球環境問題
1990年以降
地球温暖化 など
国内では、 1970年代頃から
自然保護運動 なども
350ppm
1990
・二酸化炭素濃度の年平均値は上昇している
・二酸化炭素濃度は1年を周期に変動している
/極大値 : 5月、極小値 : 11月
・ハワイ島第2の高山(4169m)の3400m地点で1956年観測開始
・半世紀以上前にもかかわらず観測精度が高い
1956
1992年の土木学会誌から
● CO2濃度の上昇を観測
マウナロア、1956年~
2023年:
420.0ppm
地球サミットの年
産業革命以前:280ppm
☆
マウナ・ロア山(ハワイ州ハワイ島) 4,169m
マウナ・ケア山より36m低い
マウナロア山の観測所(標高3400m)
この辺り
ハワイ島・マウナロア山の観測所(標高3400m)を訪問(1995)
1956年、ハワイ島・マウナロア山で大気中のCO2濃度観測を開始
地球温暖化
向かいの山はマウナ・ケア山
(4,205m)
観測棟
(標高3400m)
○ 土地と水の利用の問題
・森林減少 熱帯林破壊
・砂漠化
・淡水の過剰利用
→動植物の絶滅
・土壌流亡 塩類集積
・ヒートアイランド
・津波 高潮 洪水氾濫
・土砂災害
・生物多様性喪失
○ 地下資源利用の問題
→ほとんど廃棄物問題といえる
・地球温暖化(気候変動)
・海面上昇
・酸性雨 光化学スモッグ O3
・オゾンホール→消滅?
・土壌汚染 重金属?
・富栄養化 河川・湖沼
・環境ホルモン?
・大気汚染?
・海洋汚染 赤潮 青潮 酸性化
・廃棄物 産業廃棄物 家庭ごみ
● 地球環境問題を分類すると・・・
→ エネルギー問題
難分解性物質汚染
☆
●国土環境の変貌 森林が回復・・・『森林飽和』
・森林の変貌/生態系の変貌 ・山地の変貌
・水循環の変貌 ・海岸の変貌
●地球環境問題の浮上
●昭和後期〜平成時代に顕在化してきた環境問題
→ 1964年林業基本法では対応できない
自然保護
環境保全
国有林の累積赤字解消問題をきっかけに、森林・林業政策の見直しも進んだ
1972 国連人間環境会議(ストックホルム会議)
1987 (国連)ブルントラント委員会報告書“Our common future”
1992年 地球サミット国連環境開発会議(リオデジャネイロ)
・気候変動枠組み条約 ・砂漠化対策協定
・生物多様性条約 ・森林原則声明
→ 林業基本法の改定が必要!
ノルウェーの
女性首相
の声
森林に対する国民の期待
森林・林業基本法制定
国内
森林に対する国民の期待の変化
森林管理における現代の基本法
☆
森林・林業基本法の制定
(背景)
・地球環境問題の顕在化
・国内でも環境保全に期待
・国有林の累積赤字の解決→国有林改革
・木材価格の長期低落による森林所有者の経営意欲の低下
・間伐遅れと再造林の放棄
→ 森林・林業基本法 の制定
・森林の多面的機能を重視・・・木材生産機能もその一つ
・「森林吸収源対策」 による造林(間伐)助成制度の充実
・森林計画制度の変更、ゾーニング
・林業事業体の育成
森林の多面的機能
森林・林業基本法(2001):
森林整備の第一目的は、
“森林の多面的機能の持続的発揮”
森林・林業基本法と森林の多面的機能
●近代以降の森林・林業関係基本法の変遷
(多面的機能) (+環境)
ー国土保全法ー
ー高度経済成長に貢献ー
ー地球環境問題の克服ー
(継続)
(すでに廃止)
1990年以降
1897森林法(保安林制度) 1896河川法(治水)
1964林業基本法(林業振興) 1964新河川法(+利水)
1961農業基本法
(国内)自然保護や生物多様性が意識され始める (国外)地球環境問題
2001森林・林業基本法 1997新河川法改正
1999?食料・農業・農村基本法
森林管理の原則
(基本)
(おさらい)
日本学術会議
2001年「答申」
参照
●森林の“多面的機能の持続的な発揮”を考えるため
森林管理の基本原則を二つ考えました・・・
・“森林と人間の関係に関する”森林の原理
日本学術会議から農林水産大臣への
答申(2001)の中で提案
→ 森林・林業基本法の時代の適切な森林管理の原理
・ 新しい森林の原理
2003年の日本学術会議対外報告「真の循環型社会を求めて」
で原案を提示
233 ページ
概要は『森林飽和』第六章第二節
基本的考え方
もう四半世紀前・・・
● 「森林と人間の関係」を考えるまえに、
● 「森林と環境の関係」を考える必要
があると思った。
これまで
(日本学術会議答申2001)
環境原理
森林は、地形・地質・気候とともに陸域の自然環境を構成する要素の一つであり、しかも生命活動を行っている要素である。
さらに、人類が生存している地球上の現環境は、森林が地球上に初めて出現した約3.6億年前から、陸域に森林が存在することを前提として、少しずつ形成されたものである。
森林の中から生まれ出た人類にとって、とくにかっての森の民・日本人にとって、それは生存そのものを保障する基盤の一部でもある。したがって、生活のほとんどの場面で森林が有益なのは当然である。
利用原理
木材の生産は、光合成生産物の最も効率的な(直接的)利用法である。しかし、物質を森林の外に取り出す利用は、森林環境原理とトレード・オフの関係にある。
文化原理
日本人の文化や民俗性も、長い間の森林との関わりで形成された。すなわち、森林は日本人の「こころ」にも影響を及ぼしている。
A
B
C
D
235 ページ
国連のミレニアム生態系評価とほぼ一致する「森林の原理」
☆
気 候
地 形
地 質
植生/森林
人 類
自然環境
水
大 気
土 壌
自然環境の構成要素
(相互に作用し、バランスが取れている)
注)土壌は地形・地質・気候・植生・時間によって形成される二次的要素である。
(水圏)
(地圏)
(大気圏)
(生物圏)
縄文時代
太陽エネルギー
水・物質
(エネルギー)
循環
「森林飽和」
第3章
A
☆
森林は約3.6億年前に地球上に出現した
(1) 植物の上陸 : 4.65億年前(オルドビス期前期)
(能率的な光合成を求めて)→コケ植物→シダ植物
森林の成立 ・・・3.6億年前ごろ
(2) 維管束系の発達:シダの大森林
→ 炭素(石炭)の固定と貯蔵
(3) 種子植物 : 乾燥地への適応 (森林の内陸へ拡大)
→
(4) 被子植物 : 動物との共存 (共進化で多様化促進)
→ 生物多様性の獲得
→豊かな土壌の形成
(5) 草本植物 : 寒冷化と乾燥への適応
(裸子植物)
シダ植物
針葉樹
広葉樹
草本
B
クックソニア
気候の安定
水・物質
(エネルギー)
環 境
気 候
地 形
地 質
植生/森林
人 間
水
大 気
土 壌
太陽エネルギー
弥生時代以降(農耕社会)の環境の要素
循環
現代社会
A
「人間と環境」とは、各要素間でバランスが取れている状態の中での人間と各要素間との関係
農耕社会の地域システム
農村(里地・里川)
2000 年以上続いた日本の稲作農耕社会
食料以外の資源・エネルギーはほとんど全て森林生産物であった
したがって、
日本人は「稲作農耕森林民族」であった
森林は当然日本人のこころにも影響を与えた
持続可能な自給自足社会といわれている
江戸時代の人口は3000 万人
その頃の里山の状態 ははげ山であった・・・
里山生態系はそのような生態系である
それは約75 年前まで続いていた
里地里山システム
C
文化原理
ムラ
ヤマ ノラ
再掲
文化
保健・レクリエーション
生物多様性保全
(森林動植物の保護)
地球環境保全:温暖化緩和
気候システムの安定
土砂災害防止・土壌保全
水源涵養
快適環境形成
物質生産
環
境
文化
環境原理
文化原理
物質利用原理
多面的機能の種類と森林の原理の関係
×
D
トレードオフ
の
関係
D
☆
・環境原理を犯さない森林の管理と利用、
すなわち、環境原理と物質利用原理の両方を満たす森林の管理と利用こそ
「“持続可能な”森林の管理と利用」
・それを可能にする技術と施策が必要
→それは「多面的機能の持続的発揮」の技術
→それを保証するのが である。
・“多面的機能の持続的発揮”には「森林の原理」で対応
・・・従来の森林管理技術の総括が必要
FSCなどの森林認証
◎ 森林の多面的機能の特徴を知ってほしい
・多様性 ・・・きわめて多様な機能を持つ
・総合性
・一つ一つの機能はそれほど強力ではない(機能の限界性)が、多くの機能を重複して発揮することができ、総合的に強力である。
・ただし、他の環境の構成要素と複合して発揮される機能や、森林の中の異なる部分で作用が対立する機能もある。
・一つの機能の評価結果からその場の森林の存在そのものを評価することはやめたい
・階層性
・・・多様な機能には管理上重視すべき順番がある
(林業(木材生産)の適地は全林地の一部)
・定量的評価が困難 ・・・近年、環境経済学が発展
● 森林の多面的機能の持続的発揮に資する森林管理
☆
森林の機能の階層性
森林の機能の階層構造(イメージ図)
● 森林の多様な機能はその立地条件によって管理上重視すべき順番がある
☆
●林業(木材生産=人工林)の適地は全林地の一部!
(里山)
環 境
7文化
6保健・レクリエーション
1生物多様性保全
2地球環境保全
3土砂災害防止・土壌保全
4水源涵養
5快適環境形成
8 物質生産
森林の
“多面的機能”
の種類
日本学術会議の答申(2001年)における森林の多面的機能の分類
・・・毎年公表される「森林・林業白書」での森林の多面的機能の説明で引用されている。
7つの機能から見る現代の森林問題(21世紀初頭時点)
1 生物多様性保全(森林動植物の保全)機能
・里山二次林生態系の劣化、マツ材線虫病・ナラ枯れ、生息域の破壊・
縮小・移行、獣害特にシカ等の食害 ➞クマ(アーバンベア) 2025年加筆
2 地球環境保全(地球温暖化緩和、気候システムの安定)機能
・カーボンニュートラル/森林吸収源対策の推進、循環型/カスケード型利用
3 山地災害防止・土壌保全機能
・極端気象現象による崩壊・土壌流出、未間伐林・食害地での表面侵食
4 水源涵養機能
・成長した森林による水資源の消費抑制➞水源林での適切な木材生産
5 快適環境形成機能
・海岸防災林の管理(間伐対策)、特にマツくい虫(マツ材線虫病)対策
6 保健・レクリエーション機能
・森林空間利用促進、森林セラピー/森林療法の普及、森林サービス産業
7 文化機能
・大径木生産、檜皮・漆の生産
8 物質生産(木材生産)機能は省略
(林業問題)
・齢級構成がいびつ ・・・若齢級(幼齢林)が減少
・再造林が進んでいない ・・・伐採利用の促進と再造林の不徹底解消
・獣害、特に新植地におけるシカの食害、クマの危害
・大規模自然災害 ・・・・厚めの表層崩壊・風害・雪害、森林火災
・林道網の整備不足
・林業労働者の減少・高齢化
・国産材の需要は未だ低迷?
・山元立木価格も低迷
・森林所有者の林業経営放棄 ➞森林経営管理法への期待
・・・境界不明土地、所有者不明土地
・サプライチェーンの未整備 ➞製材・合板工場の大型化に期待
・木材工業界の変化(CLTの開発など)に対応できていない
・新しい需要(森林バイオマス需要など)に対応できていない
●川中・川下にも問題がある
●適切な森林管理は?
現代の林業問題(21世紀初頭時点) ← 8 物質(木材)生産機能
(2025年部分修正)
環 境
7文化
6保健・レクリエーション
1生物多様性保全
2地球環境保全
カーボンニュートラル・気候安定
3土砂災害防止・土壌保全
4水源涵養
5快適環境形成
8物質生産
環境原理
文化原理
(物質)利用原理
生活の向上にかかわる機能
自然環境に
かかわる機能(注)
(注)森林という自然資本が本来的に発揮している機能
●持続可能な森林管理/適切な森林管理/「森林の
多面的機能」を持続的に発揮させる管理 の実際
1 生物多様性保全に貢献する森林管理(林業)
第二、第三のバッファゾーンを意識した管理を
具体的には長伐期施業・小面積皆伐を
2 地球温暖化緩和に貢献する森林管理(林業)
森林吸収原対策に貢献する管理、長期的には
持続可能で多面的機能に配慮した林業を振興すること
3 山地災害防止・土壌保全に貢献する森林管理
いわゆる「災害に強い森づくり」の推進
丁寧な伐採・搬出、下層植生保護。非皆伐施業が理想
4 水源涵養機能の発揮に貢献する森林管理
(はげ山の復旧と)蒸発散量抑制のための水源林
での持続可能な林業の推進
☆
林野庁
新指針
(後述)
結論
(後述)
同じ!
森林の機能についての認識の変遷(政府)
明治~昭和前期 昭和後期~平成初期 平成中期~
森林法1897 林業基本法1964 森林・林業基本法2001
山地災害防止 木材生産 生物多様性保全
(国土保全) (林業)
木材生産 山地災害防止 地球環境保全
(林業・林産物採取) ・土壌保全 (地球温暖化防止)
水源涵養 山地災害防止・土壌
保健・休養 水源涵養
文化 快適環境形成
(貴重種保護) 保健・レクリエーション
文化
木材生産(林業)
森林の公益的機能
森林の多面的機能
適切な林業は公益
的機能を高める
(予定調和論)
都市住民の
要望を意識
都市住民の
要望を条文化
保全
総括
外部経済性として処理
☆
21世紀中葉の森林管理に向けて
(知っておくべきこと)
先の「答申」での森林の原理での考察は第2部の先取りになっている
☆
(2)
○ 土地と水の利用の問題
・森林減少 熱帯林破壊
・砂漠化
・淡水の過剰利用
→動植物の絶滅
・土壌流亡 塩類集積
・ヒートアイランド
・津波 高潮 洪水氾濫
・土砂災害
・生物多様性喪失
○ 地下資源利用の問題
→ほとんど廃棄物問題といえる
・地球温暖化(気候変動)
・海面上昇
・酸性雨 光化学スモッグ O3
・オゾンホール→消滅?
・土壌汚染 重金属?
・富栄養化 河川・湖沼
・環境ホルモン?
・大気汚染?
・海洋汚染 赤潮 青潮 酸性化
・廃棄物 産業廃棄物 家庭ごみ
● 地球環境問題を分類すると・・・
→ エネルギー問題
難分解性物質汚染
再掲
「生態系サービス」について
●人類は生態系の一員。 他の生態系に支えられて生存している
・1940年代:人間の自然環境への依存の研究
・用語としては1970年に初出
・1981年に科学用語としてほぼ確定
〇1962年:レイチェル・カーソン「沈黙の春」
・1972年:国連人間環境会議(ストックフォルム会議)
「生物多様性」について
・1985年にできた造語
・生態系サービスの基礎
●生物多様性喪失に対する危機感
詳しくは
後述
地球サミット とその後 (国連関係)
・1972年国連人間環境会議(ストックフォルム会議)
・1982年ナイロビ会議
・1987年ブルントラント委員会 “Our Common Future”
・1992年地球サミット
正式名称:環境と開発に関する国際連合会議 UNCED
ブラジル、リオデジャネイロで開催
「気候変動枠組条約」
「生物多様性条約」
リオ宣言
アジェンダ21
森林原則声明
ほかに、砂漠化対策協定
・2002年 リオ+10
・2012年 リオ+20 リオデジャネイロで開催
・2015年 国連でSDGs採択
ノルウェーの女性首相
● 以上は、20世紀末までに分かっていたこと・・・
私たちの生活
⇧
安定した気候 生態系サービス
温室効果ガス削減 生物多様性保全
↓ ↓
地球の温暖化 生物多様性減少
↑ ↑
気候変動枠組条約 生物多様性条約
↑ ↑
1992年:地球サミット(国連環境開発会議)
↓ ↓
京都議定書 (対策提示されるも進まず) 愛知目標
1997年、COP3 2010年、COP10
(現実)
(対策の必要性)
1
☆
SDGs
持続可能な開発目標
持続可能な開発のための2030アジェンダ(2015年9月国連サミットで採択)
(Sustainable Development Goals)
国連でSDGs採択
2017年度版環境白書の図に加筆
SDGs(持続可能な開発目標)—2030年の時点で達成すべき世界目標
17目標 ー 169ターゲット ー 232(244)指標
国際ルールを作
らず、各国等が自
主的に設定
進捗状況を
毎年レビュー
野心的な目標を設定―バックキャ
スティング
包括的な目標ー
全ての課題は繋
がっている
だれ一人取り
残されない
全てのセクターが参加
① 経 済
② 社 会
③ 環 境
3つの課題を解決
1
1
2
2
3
企業も
持続可能な社会/レジリエントな社会
☆
パリ協定 <京都議定書の後継>
気候変動枠組条約締約国会議(COP21)2015.12で採択
・共通の長期目標:世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて2度より十分低く保ち、1.5度以内に抑える努力をする
・具体的には、2050年までに世界の温暖化ガス排出量を実質ゼロにする
・すべての国が各国の事情を加味して、5年ごとに「国が決定する貢献」(Nationally Determined Contribution、NDC)とよばれる削減目標を自主的に作成・提出する
・その達成に向けて国内対策を実施することが義務付けられた
・先進国に加え、途上国も資金を提供
・目標達成に市場メカニズムを活用
・ほぼすべての国が批准
・ただし、米国は2019年11月にトランプ大統領が正式な離脱を表明したが、次のバイデン大統領によって協定へ復帰
またトランプ大統領が・・・
温暖化対策
☆
・先進企業も協力
→TCFD
・2018年 1.5℃特別報告書 『“気候変動の脅威への世界的な対応の強化や、持続可能な開発及び貧困撲滅への努力という文脈において、工業化以前の水準から 1.5℃の地球温暖化による影響及び関連する地球全体での温室効果ガス(GHG)排出経路に関する” IPCC 特別報告書』
・2018年12月 COP24:パリ協定の実施指針を採択。先進国と途上国が共通のルールで温暖化ガスの削減に取り組む。
・2019年12月 COP25:詳細決定合意できず
2020年10月 菅内閣 カーボンニュートラル宣言
“炭素の排出を2050年にネットゼロに”
●日本政府もやっと動き出した・・・
☆
しかし、状況は深刻さを増している
気候危機(大気の温暖化)の顕著な影響
〇 積雪の減少➞太陽放射を吸収
大陸氷床の減少・氷河の後退
〇 海水温度の上昇、海面の上昇
● 豪雨、最も大きい影響を受けた
国は日本?(水害)
〇 世界では 旱魃、森林大火災
偏西風と黒潮の蛇行
2024年:
1.5℃を超えた
国内最高気温
2025年8月5日
伊勢崎市41.8℃
☆
豪雨の発生の原因:
❶大気中の水蒸気量の増加
❷海面水温の上昇
「G X 実現に向けた基本方針」閣議決定 (2023年2月10日)
(概要)
気候変動問題への対応に加え、ロシア連邦によるウクライナ侵略を受け、国民生活及び経済活動の基盤となるエネルギー安定供給を確保するとともに、経済成長を同時に実現するため、主に以下二点の取組を進めます。
❶エネルギー安定供給の確保に向け、徹底した省エネに加え、再エネや原子力などのエネルギー自給率の向上に資する脱炭素電源への転換などGXに向けた脱炭素の取組を進めること。
❷GXの実現に向け、「GX経済移行債」等を活用した大胆な先行投資支援、カーボンプライシングによるGX投資先行インセンティブ、新たな金融手法の活用などを含む「成長志向型カーボンプライシング構想」の実現・実行を行うこと。
(注)カーボンプライシング:排出する炭素、吸収する炭素に価格を付けること
排出削減の具体的経路が見えない?
岸田内閣
☆
それぞれの時代に生まれた人が70歳になったときの世界
(朝日新聞の表題)
将来の排出シナリオ
1850~1900レベル
の世界の気温との差
0℃ 4℃
2020年生まれ 2090年70歳
1980年生まれ 2050年70歳
1950年生まれ 2020年70歳
更に
温暖化
● 気候変動に如何に対処するかによって決まる将来の気温上昇
すでに1.1℃上昇
(IPCC 第6次 統合報告書 より)
☆
世界中の専門家が参加する「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」( IPBES )は2019年 5月6日、陸地の75%が人間活動で大幅改変され、約100万種の動植物が絶滅危機にあるとの報告書を公表した。
現在の絶滅速度は、過去1000万年間の平均に比べて10~100倍以上で、さらに加速しているという。
同組織は生物多様性や自然の恵みなどを科学的に評価しており、初めて地球規模の現状や将来予測をまとめた。
報告書によると人間活動で世界の海域の66%が影響を受け、湿地の85%は消滅、16世紀以降に少なくとも680種の脊椎(せきつい)動物が絶滅した。過去40年で絶滅リスクは上昇し、現在は約25%の動植物が危機に直面。両生類40%以上▽造礁サンゴや海生哺乳類約33%▽昆虫約10%――で絶滅可能性がある。
IPBESの生物多様性報告書 「100万種が絶滅危機」
☆
国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)
(2022年12月にカナダ・モントリオールで開催)
●「昆明・モントリオール生物多様性枠組」・・・2010年「愛知目標」の後継となる生物多様性の新しい世界的な枠組み ・・・2050年に「自然と共生する社会を」・・・愛知目標と同内容
●「昆明・モントリオール2030年目標」 ・・・2030年までに自然の損失を止めてプラスに転じる「ネイチャーポジティブ」の達成を目指す23の行動目標。
主な目標 ・・・数値目標に加え、企業への要請が多く盛り込まれた
・「陸と海の30%を保全(30by30)」(目標3)
・「侵略的外来種の導入率・定着率を半減」(目標6)
・「環境への栄養分流出を半減、農薬リスクを半減」(目標7)
・「気候変動の生物多様性への影響の最小化」(目標8)
・「食料廃棄を半減する」(目標16)
➞ TNFD(2021年)
➞ (日本では)生物多様性国家戦略2023-2030
第2回
☆
私たち日本人の営み
↑
人類の生存(持続可能な社会)
安定した気候 生態系サービスの維持
カーボンニュートラル 生物多様性完全回復
↑ ↑
生物多様性国家戦略
2023-2030
↑ ↑
シャルム・エル・シェイク実施計画
(COP27) /自然エネルギー3倍増
(COP28)
「パリ協定」 「昆明・モントリオール枠組」
↑ SDGs ↑
気候変動枠組条約 生物多様性条約
↑ ↑
2030年: ネイチャーポジティブ
・企業も関連財務情報開示を
(国内)
(全世界)
GX実現に向けた基本方針
(注) GX:グリーントランスフォーメーション、 FD:フィナンシャルディスクロージャー
TCFD (企業) TNFD
持続可能な社会
に向けて
対策の現状
2
☆
森林が両者に深くかかわることもわかってきた
すなわち
ネイチャーポジティブと森林御関係
環境省
これらの生物は森林という
空間で非常に密接で複雑
な関係を築き上げている
その第一は生物多様性の保全
●森林には陸地にすむ動植物種の2/3以上が存在している
☆
水・物質・(エネルギー)
環 境
気 候
地 形
地 質
森林(植生)
人 間
水
大 気
土 壌
太陽エネルギー
循環
A
「人間と環境」とは、各要素間でバランスが取れている状態の中での人間と各要素間との関係
他の
生態系
現代社会の環境要素
(森林-人間関係を中心に)
☆
生態系サービス (ポール・エーリッヒ(スタンフォード大)2004)
供給サービス: 利用原理
木材 水産物 薬品 水 受粉
調節サービス: 環境原理
水・物質・エネルギーのコントロール 廃棄物処理
文化サービス: 文化原理
・生物に対する関心・愛情・絆を本能的に持っている:生物にとっての長い進化の過程の中で人間に刷り込まれたもの(エドワード・ウィルソン(ハーバード大)のバイオフィリア仮説)
・自然とのふれあいが喜びや悲しみ、精神的充足を与える:太古からの自然に抱かれての生活がもたらしたヒトの「こころ」の適応進化(鷲谷)
基盤サービス: 「森林の原理」の前提
光合成 物質循環(食物連鎖) 生物同士の関係性(受粉、種子散布)
(国連ミレニアム生態系評価、2001~2005)
☆
循環利用
カスケード型の利用
●森林をめぐる炭素循環はカーボン・ニュートラル(中立)!
再造林が必須
二酸化炭素の吸収と炭素の貯蔵
(炭素隔離)
貯蔵
二酸化炭素
吸収
☆
●森がない大陸は、奥地に雨が降らない
海の近くでは、海水がいつも蒸発しているから、雨が多い。でも海からの蒸発でできた雲が移動する範囲はせいぜい1000㎞まで。海岸から1000㎞より奥に雨が降るためには、陸上に森があり、蒸発する水がなきゃいけない。
●森は「海」
水の循環という見方で森を見ると、その役割は海と同じ。特に大陸の奥地ではこの「海」がないと雨が降らなくなる。
水と土をはぐくむ森(太田猛彦、1996)
水は世界をめぐり、森は気候を安定させる
●地球環境史の中の森林
植物の進化により乾燥に強い種子植物(針葉樹林)が生まれて、森林は徐々に大陸の内部に拡大していった。
→地球の気候が安定 ・・・
B
森林の拡大が必要!
☆
樹木はCO2を吸収して光合成をおこない成長する
CO2
CO2
A0層の存在により
年降水量の約半分は蒸発・蒸散作用で大気中に戻る
森林
草原
耕地
その他
湖
海
435.5 6.4 1.5 7.6 21
29
391 111 陸に降る雨
(48.9) (40.1)
(29.3) (2.9) (12.6)
単位面積当たりの 0.22 0.52 0.60 0.43 0.72
蒸発散量比較
森は草原の1.7倍、その他土地からの3.3倍
年間総降雨量 502、大気中の水蒸気量 13。
水循環の速度 502÷13=38.6回/年・・・365÷38.6=9.5日
● 陸地の雨は海と陸からの蒸発散により供給される
65.5 陸からの蒸発散
45.5 111
65.5が付加
海へ 45.5
輸送量単位
10 3 ㎞3/y
54
31
11.7 2.7 11.6
私たち(人類)の生活
⇧
安定した気候 生態系サービス
カーボンニュートラル 生 物 多 様 性
↑ ↑
地球温暖化防止 生物多様性の保全
↑ ↑
森林による炭素の隔離 生物多様性に富む
及び陸地を森林で覆う 森林生態系を保全
↑ ↑
地球環境保全機能← → 生物多様性保全機能
・木材利用を含めて ・生物多様性保全に
炭素貯留を増やす に資する森林管理
➞林業・木材産業
森林の
多面的機能
温暖化緩和と
気候の安定
CO2の吸収
3
☆
地球温暖化に関する私見
・・・地下資源依存社会からの脱却を
カーボンニュートラルを破壊
森から視る現代文明
林業が持続可能な社会に貢献しうる理由の背景を探る
『森林の機能と評価』(木平編著・太田分担執筆、2005)及び
『農林水産業の技術者倫理』(祖田・太田編著、2006)より
原案は日本学術会議対外報告「真の循環型社会を求めて」、(循環型社会奥別委員会、2003)の報告書本編に記載
地下資源由来の廃棄物が多いので地下資源を使う意味を考える
→ 地上の資源・エネルギーを利用する必要性が分かる
太陽エネルギー
植物
動物
森
ごみ
自然界/自然環境
水 大気
川 大地 海
地球
●農耕社会では、廃棄物は自然界の中で処理された
●人間活動は必ず廃棄物を生み出すが
水
地上資源依存社会
現太陽エネルギー依存社会
(注)
植物:光合成生産
動物:その消費者
人間活動
農業
農村
E
(注)
微生物:
分解者
農耕社会
(人類史)
森から視る現代文明
☆
カーボン・ニュートラルの時代
地下資源
太陽エネルギー
材料資源
化石燃料
植物・動物
水
森
廃棄物
CO2
自然界/自然環境
水 大気
川 大地(土) 海
現代社会 (工業社会・都市社会)
(生態系)
地球
●廃棄物は自然界ばかりか地球そのものに影響を与え始めた
●地下資源を利用することにより、人間活動が拡大した現代社会では
地球環境問題
地下資源依存社会
古太陽エネルギー依存社会
人間活動
社会生活
家庭生活
鉱業
エネルギー・
電力業 製造業 商業 通信
金融 交通 輸送
食料
農村 都市 (人工環境)
●私たちは豊かになった。 が・・・
E
☆
閉鎖型農耕社会(自給自足社会)
健全な炭素循環が維持される・・・持続可能なグリーン社会
しかし、人口の増加により維持困難・・・森林の衰退/ハゲ山
開放型近代社会(工業化社会)
地下資源・化石エネルギーを利用 無限の成長が見込まれる・・・と思ったが、
健全な炭素循環の破綻(大気中に 二酸化炭素が蓄積)・・・温暖化!
●“地球の容量”の壁にぶつかり、行き詰まる
現太陽エネルギー依存
古太陽エネルギーや地球の進化の産物を利用 (ハゲ山は消滅)
掘り出せば、いくらでも使えるため
● 農耕社会と工業化社会を比較する (人類史)
E
☆
地球の内部
(地球の環境の外)
宇 宙
(地球の環境の外)
対流圏
海洋
・地球の内部(地下/岩石圏)は地球環境外
・地球環境の場とは地球表面の厚さわずか
2、30㎞の薄っぺらな空間(対流圏+海洋)
→ それが“生物圏”の空間
地球の環境容量とは“薄っぺらな空間”の環境容量
私たちは地球の表面の“薄っぺらな空間”の中で活動している
“生物圏空間”
対流圏+海洋
☆
23億年
人類圏以外の生物圏
人類史 E
持続可能な社会は地球史と人類史をつないで見れば分かる・・・(日本学術会議で提案)
地球史 B
土壌
(表層)
生物圏空間
・最初96%もあったCO2は減少してわずか0.028%になった
・酸素は20数億年前大気中に出現した
現在は0.042 %になった!
❶ 大気の組成の変化
CO2
B
地球の進化
・地球は寒冷化してきた!
・液体の水が常に存在した ・・・生物の存在・進化の必要条件
❷ 寒冷化
B
地球の進化
地球の進化
➌ 大陸の移動
・生命の誕生 海底での化学合成細菌・浅海での光合成細菌
・光合成生物シアノバクテリアの進化・増殖
→酸化鉄などの沈殿●
→大気中への酸素の放出
・全球凍結と酸素の急増
→生物の飛躍的進化 /真核生物・大型化(コラーゲン)
・オゾン層の生成(紫外線防止)・・・現在の1/10でよかった
→ 上陸への準備
少なくとも3回
(熱水噴出孔) /古細菌 (酸素を作らない)
(酸素を作る光合成・・・24.5億年以前)
生命の誕生・海中で進化
(27億年説)
真正細菌
❹
B
宇宙由来?!
地球の進化
植物/森林の進化の歴史
(1) 植物の上陸 : 4.65億年前(オルドビス期前期)
コケ植物:能率的な光合成を求めて→クックソニア(シダ
植物)→アルカエオプテリス(葉を持つ植物)
→森林の成立・・・3.6億年前ごろ
(2) 維管束系の発達:シダの大森林
→ 炭素(石炭)の固定と貯蔵③
(3) 種子植物 : 乾燥地への適応 (森林の内陸への拡大)
→ 気候の安定①
(4) 被子植物 : 動物との共存 (共進化で多様化促進)
→ 生物多様性の獲得②
(5) 草本植物 : 寒冷化と乾燥への適応
(裸子植物)
シダ植物
針葉樹
広葉樹
草本
B
❹
(再掲)
地球の進化
人類文明発祥以前の森林環境史
①森林は徐々に大陸の内部に拡大し、気候を安定させた
②森林は大量絶滅を乗り越え、生物多様性を増大させた
③森林は炭素を固定し、それを地下に閉じ込めた
人類文明発祥以後、とくに、産業革命後の森林(地球)環境史
❶人類は森林は徐々に縮小させた
❷人類は生物多様性を減少させた
❸人類は化石燃料やその他の地下資源を再び地上に
戻した → 地球表面に二酸化炭素と廃棄物 (自然物
でない)が蓄積
● これは地球環境系の共進化の方向に逆行している
BとEを繋ぐ
B
E
☆
大気圏
(対流圏)
海洋
宇宙・・・地球の環境の外
地球の内部・・・ここも 地球の環境の外
地球環境の空間
(生物圏)
46 38 25 19 5 4 3 2 1億年 5000万年 700万年 3万年
億年前 前
大気の組成の変化
水質の変化
気温・水温の変化
生命の誕生
シアノバクテリア
酸素加入
酸素濃度上昇 オゾン層形成
生物の上陸 裸子植物 被子植物 猿人 現代人
多細胞生物
マントル対流 →大陸移動 パンゲア 現代の大陸配置
地球内部の熱
エネルギ―
太陽エネルギー →太陽定数の変化
生物は変化する地球の環境の中で進化した
鉄鉱石 石灰岩 石炭 石油 リン鉱石
B
☆
地下資源(化石燃料)
森林・自然
廃棄物
エネルギー
地下資源
自然エネルギー(水力・風力・太陽光など)
「資源生産性」の重視
太陽エネルギー
バイオマス循環
マテリアルリース
製品化
レンタル利用
消費者
生 産 者
都市
農 村
省エネルギー・グリーン社会
低炭素社会・循環型社会
地下資源利用を減らす
脱
CCS (CO2回収・貯留)は意味がある
持続可能な社会(原典では真の循環型社会)では
・・・再び現太陽エネルギーとその産物を使うべき
● 自然エネルギーの利用
● バイオマスの利用
○ 持続可能な社会と森林 /新しい森林の原理
現在なら・・・
再生可能エネルギー
・光合成の重要性(資源の生産、太陽エネルギーの固定)
・木材の利用の重要性
エネルギーとしても、資源としても
地域でまとめて利用するのが合理的
脱炭素カーボン・ニュートラル社会
地下資源(化石燃料)
森林・自然
廃棄物
エネルギー
地下資源
水力・風力・太陽光など
「資源生産性」の重視
太陽エネルギー
循環(農業)
マテリアルリース
製品化
レンタル利用
消費者
生 産 者
都市
農 村
循環(森林)
林業
地下資源利用を減らす
工業
鉱業
持続可能な社会
においても循環
利用できる
貴重な
資源
脱炭素社会・循環型社会
カーボン・ニュートラル社会
☆
新しい「森林の原理」 (2004)
環境原理
利用原理
木材の生産は、光合成生産物の最も効率的な(直接的)利用法である。しかし、物質を森林の外に取り出す利用は、森林環境原理とトレード・オフの関係にある。
持続可能な木材生産を行えば、木材は現太陽エネルギーの産物であり、持続可能な社会における本源的資源である。
文化原理
日本人の文化や民俗性も、長い間の森林との関わりで形成された。すなわち、森林は日本人の「こころ」にも影響を及ぼしている。
持続可能な社会を「こころ」の面から支える役割を果たす。
持続可能な社会では森林の環境原理が最大限生かされる
・木造建築の積極的推進
・木質バイオマスを活かす
・生物多様性の保全
・国土保全
・森林セラピー
・観光
・環境教育
235 ページ
☆
森林の原理
森林は自然環境を構成する要素の一つであり、4億年にわたって現在の地球と地域の環境を形成してきた。したがって、環境保全機能は森林の本質的機能である。
日本人の文化や民族性は森林との長いかかわりから生まれた。したがって、森林は日本人のこころに豊かさをもたらす。
木材等の利用は最も効率のよい光合成生産物の利用であり、生活を豊かにする。しかし、特に環境原理とトレード・オフの関係にある。
新しい森林の原理
森林の環境保全機能が最大限生かされる社会が持続可能な社会である。
持続可能な社会を「こころ」の面から支える役割を持つ。
持続可能な木材の生産・利用は現太陽エネルギーの合理的な利用法で、持続可能な社会における最も根源的な資源である。
環境原理
文化原理
物質利用原理
・健全な森林と人間との良好な関係は以下の原理によって表すことができる
(注)「森林の原理(日本学術会議2001)」及び「新しい森林の原理(2004)」の内容を整理した。
235ページ
生態系サービス
調節サービス
文化サービス
供給サービス
環境原理
文化原理
(物質)利用原理
新しい森林の原理
森林の原理
環境原理
文化原理
(物質)利用原理
対立
支える
・持続可能な森林管理とは、「森林の原理」において、環境原理と物質利用原理の双方を共に生かす森林管理のこと。具体的には森林の多面的機能を持続的に発揮させること。
・「森林の原理」では環境原理と物質利用原理はトレードオフの関係にあるが、「新しい森林の原理」では物質利用原理が環境原理を支える役割を果たす。すなわち、持続可能な範囲で森林を積極的に利用することが、持続可能な社会づくりに貢献することになる。
( 2001 ) ( 2004 )
☆
生物多様性保全活動の推進
(報告)
(付)地球環境問題への企業のかかわり
・・・温暖化問題より
取り組みが遅れた
・・・ TNFD、TCFD と森林
(3)
☆
・生物多様性とは、生きものたちの豊かな個性とつながりのこと。
・地球上の生きものは40億年という長い歴史の中で、さまざまな環境に適応して進化し、3,000万種ともいわれる多様な生きものが生まれました。
・これらの生命は一つひとつに個性があり、全て直接に、間接的に支えあって生きています。
・生物多様性条約では、生態系の多様性・種の多様性・遺伝子の多様性という3つのレベルの多様性を指摘。
生物多様性とは 環境省
●様々な生き物が、バランスを取り合って、繋がって生きている状態のこと (2010名古屋COP10パンフレット)
生物多様性
☆
生物多様性 WWFジャパン
・地球上の生命、その中には、ヒトやトラやパンダ、イネやコムギ、大腸菌、さまざまなバクテリアまで、多様な姿の生物が含まれています。この生きものたちの、命のつながりを、「生物多様性」と呼んでいます。
・これらの生きものはどれを取ってみても、自分一人、ただ一種だけで生きていくことはできません。
・多くの生命は他のたくさんの生物と直接かかわって、初めて生きていくことができるのです。
・このかかわりをたどっていけば、地球上に生きている生きものたちが、全て直接的・間接的につながり合い、壮大な生命の環を織り成していることが分かります。
・「生物多様性」は、この地球という一つの環境そのものであり、そこに息づく生命の全てを意味する言葉です。
1985年造語
生物多様性の保全の意味
●環境の変化への適応を保障
・生物多様性の直接的利用 生物資源 新薬開発など
・生物多様性に学ぶことができる
● その生態系の構成要素の利用を持続可能にする とは
●生態系の様々な材料 自然資本
・・・その生態系の「多面的機能」の発揮の源泉
生態系サービスを持続可能に受けることである
「名古屋議定書」
バイオミミクリー:かわせみのくちばしと新幹線車両
(日本で、特に森林生態系については)
(森林の)生態系サービスを持続的に受ける
とは
その生態系 (森林)の多面的機能 を
持続的に発揮させる
ことと同じ
● 「多面的機能」で表示する方が具体的で分かり易いのでは
●生態系サービスの分類 (ポール・エーリッヒ(スタンフォード大))
供給サービス: →利用原理
木材 水産物 薬品 水 受粉
調整(調節)サービス: →環境原理
水・物質・エネルギーのコントロール 廃棄物処理
文化サービス: 分かりにくい? →文化原理
・人間は生物に対する関心・愛情・絆を本能的に持っている:生物にとっての長い進化の過程の中で人間に刷り込まれたもの(エドワード・ウィルソン(ハーバード大)のバイオフィリア仮説)
・自然とのふれあいが喜びや悲しみ、精神的充足を与える:太古からの自然に抱かれての生活がもたらしたヒトの「こころ」の適応進化(鷲谷)
基盤サービス: →「森林の原理」の前提
光合成 物質循環(食物連鎖) 生物同士の関係性(受粉、種子散布)
(国連ミレニアム生態系評価、2001~2005)
2004年
「生物多様性保全」の重要性を説く考え方の歴史
・「自然保護」運動、貴重な動植物の保護 (1970年代以降)
・「生態系サービス」の考え方
1980年頃、分類は2004年
生態系サービスとは、生物・生態系に由来し、人類の利益になる機能(サービス)のこと 。「エコロジカルサービス」や「生態系の公益的機能」とも呼ぶ。自然資本の重要な一部。
→生態系サービスを受けるためには 生物多様性の保全が不可欠
・「生物多様性条約」 1992年地球サミット(リオデジャネイロ)
・WWF「エコロジカル・フィットプリント」 (1992年頃)
地球の環境容量をあらわしている指標で、人間活動が環境に与える負荷を、資源の再生産および廃棄物の浄化に必要な面積として示した数値。通常は、生活を維持するのに必要な一人当たりの陸地および水域の面積として示される。
☆
改めて、「生物多様性の保全」について
・・・さらに深い意味がある
・・・ 生物の進化をたどるとわかる
・生命の誕生 海底での化学合成細菌・浅海での光合成細菌
・光合成生物シアノバクテリアの進化・増殖
→酸化鉄などの沈殿●
→大気中への酸素の放出
・全球凍結と酸素の急増
→生物の飛躍的進化 /真核生物・大型化(コラーゲン)
・オゾン層の生成(紫外線防止)・・・現在の1/10でよかった
→ 上陸への準備
少なくとも3回
(熱水噴出孔) /古細菌 (酸素を作らない)
(酸素を作る光合成・・・24.5億年以前)
生命の誕生・海中で進化
(27億年説)
真正細菌
❹
B
宇宙由来?!
❶ ❷ ❸は後出
(再掲)
植物/森林の進化の歴史
(1) 植物の上陸 : 4.65億年前(オルドビス期前期)
コケ植物:能率的な光合成を求めて→クックソニア(シダ
植物)→アルカエオプテリス(葉を持つ植物)
→森林の成立・・・3.6億年前ごろ
(2) 維管束系の発達:シダの大森林
→ 炭素(石炭)の固定と貯蔵③
(3) 種子植物 : 乾燥地への適応 (森林の内陸への拡大)
→ 気候の安定①
(4) 被子植物 : 動物との共存 (共進化で多様化促進)
→ 生物多様性の獲得②
(5) 草本植物 : 寒冷化と乾燥への適応
(裸子植物)
シダ植物
針葉樹
広葉樹
草本
B
❹
(再掲)
生物の進化と生物多様性
● 遺伝子内、種、生態系の多様性 ・・・その本当の意味は?
・多様な生物の形・色・生理・行動は、すべて多様な環境への適応戦略/生き残りの戦略。・・・他にも生活史戦略、繁殖戦略。
・生物の進化(突然変異、自然淘汰・絶滅の帰結)・多様化も生物界の生き残りの戦略
・生物多様性の全体像は、現在の多様な生物が持っている「生きのびるための仕組み」に関する情報の全て
・生物の多様化(長い生命の進化史)の結果として人類が生存
・現在の地球上の「生物の多様性の全体」が、40億年以上も地球上に生物が存在し続けてきた 証拠
(鷲谷いづみ先生の解説から)
B
☆
生物多様性 とは、
・その場所での長い進化の歴史の中で、互いにつながりあうに至ったさまざまな生物の集まり(種の多様性)
・それぞれの生物が長い進化の果てに得るに至った個体ごとの様々な個性(遺伝子の多様性)
・それぞれの生物がそれぞれの居場所を見つけられるようなバリエーション豊かな環境(景観の多様性)
○ 種の多様性の詳しい説明:
その場所での長い進化の歴史の結果、どの生物にも天敵がいて、そのために単独の生物だけがはびこることがなく、かつ、天敵がいるからといって滅びるわけでもなく、さらに、お互いが支えあう関係まで成立している
(正木隆先生の文章から)
☆
・もし19億年前に地球の生物が絶滅していたとすると、
地球には単細胞生物しか存在しなかったことになる。
→火星のような星?
・40億年以上も地球上に生物が存在し続けてきたから、
今その進化の結果人類が地球上に繫栄し、それを取
り巻く多様な生物界が広がっている。それら生物は互
いにつながりあっており、人類もそれらに支えられて
存在している。
→生態系サービスに支えられている。
・1992年 生物多様性条約 (地球サミット)その後
生物多様性の保全/国家戦略の作成・実行/遺伝資源の利用
・1995年 最初の生物多様性国家戦略
・2001年~2005年 ミレニアム生態系評価 “生態系サービス”
・2002年 COP6 「2010年目標」 →達成せず
・2008年 生物多様性基本法
・2010年 COP10 「愛知目標」 20項目
主な侵略的外来種の根絶/陸域・内陸水域の効果的な保護区設定/既知絶滅危惧種の絶滅防止など
・2012年 IPBES設立 ・・・IPCC設立は1988年
・2012年 「生物多様性国家戦略2012-2020」
・
・
・
1993年12月29日発効
世界中の専門家が参加する「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」( IPBES )は2019年5月6日、陸地の75%が人間活動で大幅改変され、約100万種の動植物が絶滅危機にあるとの報告書を公表した。
現在の絶滅速度は、過去1000万年間の平均に比べて10~100倍以上で、さらに加速しているという。
同組織は生物多様性や自然の恵みなどを科学的に評価しており、初めて地球規模の現状や将来予測をまとめた。
報告書によると人間活動で世界の海域の66%が影響を受け、湿地の85%は消滅、16世紀以降に少なくとも680種の脊椎(せきつい)動物が絶滅した。過去40年で絶滅リスクは上昇し、現在は約25%の動植物が危機に直面。両生類40%以上▽造礁サンゴや海生哺乳類約33%▽昆虫約10%――で絶滅可能性がある。
「100万種が絶滅危機」IPBESが生物多様性の報告書
2019年5月
(再掲)
2030年:ネイチャーポジティブ
生物多様性回復へ
2050年:CO2
ゼロエミッション
(ネット ゼロ)
森林伐採・農牧地化 移動・運搬
地下資源利用?
自然環境の悪化
経済社会の発展
人口の増加(都市の発展)・テクノロジーの発達・貿易の増加
↓
エネルギーの増加・食料の増加・原材料の増加
↓
土地利用の変化 過剰消費・汚染 侵略的外来種 温暖化
↓
生物多様性の喪失 気候変動
・100万種が絶滅危機 パリ協定
・哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類・魚類 COP26
・・・1~2.5%が絶滅
↓
☆
2020年代からの新しい動き
(国際)
➊昆明・モントリオール生物多様性枠組
(わが国の対応)
➋生物多様性国家戦略2023-2030
・ネイチャーポジティブに対応
・具体的には 30by30 に対応
自然共生サイトをOECMに登録
➞➌生物多様性増進活動促進法制定
(その中で)
・「自然共生サイト」を法制化
・増進活動実施計画等の認定
2022年
2024年
第15回生物多様性条約締約国会議 COP15
2022年12月モントリオールで開催
●昆明・モントリオール目標 ・・・愛知目標の後継
・30by30 2030年までに保全地を30%まで拡大
・外来種の侵入・定着を半減させる
●企業等の事業活動による生物多様性への影響を
公表・評価
・・・温室効果ガス削減対策に遅れること20年、
やっと企業を巻き込むことに!
・遺伝子情報の利益を共有
→ ネイチャー・ポジティブへ
→ 日本:生物多様性国家戦略改定へ
☆
➊
生物多様性国家戦略2023-2030 の概要
1.位置づけ
・新たな世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」に対応した戦略
・2030年のネイチャーポジティブ(自然再興)の実現を目指し、地球の持続可能性の土台であり人間の安全保障の根幹である生物多様性・自然資本を守り活用するための戦略
2.ポイント
・生物多様性損失と気候危機の「2つの危機」への統合的対応、ネイチャーポジティブ実現に向けた社会の根本的変革を強調
・30by30目標の達成等の取組により健全な生態系を確保し、自然の恵みを維持回復
2023年3月31日 閣議決定(案)
☆
➋
・自然資本を守り活かす社会経済活動(自然や生態系への配慮や評価が組み込まれ、ネイチャーポジティブの駆動力となる取組)の推進
3.構成・指標
・第1部(戦略)では、2030年のネイチャーポジティブの実現に向け、5つの基本戦略と、基本戦略ごとに状態目標(あるべき姿)(全15個)と行動目標(なすべき行動)(全25個)を設定
・第2部(行動計画)では、第1部で設定した25個の行動目標ごとに関係府省庁の関連する具体的施策(367施策)を整理
→「持続可能な農林水産業の拡大」などが入っている
・各状態目標・行動目標の進捗を評価するための指標群を設定(昆明・モントリオール生物多様性枠組のヘッドライン指標にも対応する指標を含む)
☆
生物多様性増進活動促進法の制定(2024年)
環境省・農林水産省・国土交通省共管
・ネイチャーポジティブに対応
・OECM(保護地域以外の生物多様性保全地域)を
拡大する
→ 30by30に対応
・「自然共生サイト」(2023年スタート)の法制化
→ OECMに登録
・(連携)増進活動実施計画の認定
☆
➌
自然共生サイト
OECMとして登録
30 by 30
昆明・モントリオール枠組:ネイチャーポジティブ
☆
水・物質
(おもに廃棄物・汚水、
つまり負荷)
水
食料
物質
(資源)
多面的機能(生態系サービス)
多面的機能(生態系サービス)
多面的機能(生態系サービス)
多面的機能(生態系サービス)
多面的機能(生態系サービス)
森林
河川
湖沼
沿岸海域
農耕地
(人工生態系)
都 市
森林・自然域/農耕地/河川:多面的機能を発揮!・・・“自然資本”
生態系サービス
☆
自然資源省?
「森林の生物多様性を高めるための林業経営の指針」
林野庁(2024年3月、2025年3月改定)
〇森林ポジティブ計画 ・・・森林の生物多様性を高めるための
「森林管理計画」を作成して実施
・森林経営計画
・増進活動実施計画/連携増進活動実施計画
生物多様性増進活動促進法 に基づく
(環境省、2024年4月成立) ・・・「自然共生サイト」の法制化も
・森林認証制度
☆
➍
「森林の生物多様性を高めるための林業経営の指針」
林野庁(2024年3月、2025年3月改定)
具体的な事例:人工林での日々の森林施業現場での取組
・伐採・搬出時の攪乱の抑制、土砂流出の防止
・計画的な施業(適時・適切な間伐)
・多様な動植物の生育・生息空間としての質をさらに高める取組
・作業種(地拵え、植栽、下刈り・除伐、間伐)毎のきめ細かな配慮
(例えば) ・地拵えは、必要最小限の刈り払いや整地にとどめるとともに、
枝条をある程度林地に残す、
・・・など
・尾根筋の保全
・病虫獣害対策
・外来種の防除
・絶滅危惧種等の保全
ポジティブリスト(生物多様性保全の取組手法例の一覧表)も示している
●森林認証制度はこれらのほぼ全てを先取りしている
・攪乱後の生物残滓・微地形<レガシー>の保全も (中村太士先生)
☆
SDGsが注目された理由・・・
〇 企業の参画でにわかに注目され始めた!
ー企業と社会の関係ー
①公害対策の時代・・・企業は指摘されて対策を進めた
②CSRの時代・・・企業は社会的責任として環境や安全に配慮
するようになった。積極的に社会貢献を目指す企業も現れた。
・・・例えば清掃活動や植林活動、フェア・トレードなどを推進
③ESG(Environment, Society, Governance)投資の時代(2006年)
・・・企業への投資の際に、財務情報だけでその企業を評価する
のではなく、環境、社会、ガバナンスの観点からも企業を評価し、
投資先としてふさわしいかどうかを決めるようになった。
→その際、企業のSDGsへの貢献はプラス評価される。
→ ・機関投資家の関心 ・経団連の参加
④サスティナビリティ―の時代
TNFD、TCFD と森林
☆
〇ESG投資と国連責任投資原則(2006年〜)
ESG投資 2014年:18兆ドル→2018年:30兆ドル
〇機関投資家が企業に気候変動対策を求める
・CA100+( “排出ネット ゼロ”を企業に説く)
(投資家グループ“Climate Action 100+”による)
・SBTs企業(科学に基づく目標設定を推進)
・RE100企業(再生可能エネルギー利用を推進)
(国際環境NGOのCDPとThe Climate Groupによる)
・マイクロソフトのムーンショット<ムーンショット:壮大な目標・挑戦>
●2015年パリ協定
● 2015年:気候関連財務情報開示タスクホース TCFD設置
・移行リスク(脱炭素社会に向かう社会の変化に伴うリスク)
・物理的リスク(気候変動の影響リスク) ・チャンスも
●気候変動イニシアティブ JAPAN CLIMATE INITIATIVE
2018年7月
G20
☆
パリ協定以降の動き(特に 企業関係 の対応)
経済界
2000年頃以降
「G X 実現に向けた基本方針」閣議決定 (2023年2月10日)
(概要)
気候変動問題への対応に加え、ロシア連邦によるウクライナ侵略を受け、国民生活及び経済活動の基盤となるエネルギー安定供給を確保するとともに、経済成長を同時に実現するため、主に以下二点の取組を進めます。
❶エネルギー安定供給の確保に向け、徹底した省エネに加え、再エネや原子力などのエネルギー自給率の向上に資する脱炭素電源への転換などGXに向けた脱炭素の取組を進めること。
❷GXの実現に向け、「GX経済移行債」等を活用した大胆な先行投資支援、カーボンプライシングによるGX投資先行インセンティブ、新たな金融手法の活用などを含む「成長志向型カーボンプライシング構想」の実現・実行を行うこと。
(注)カーボンプライシング:排出する炭素、吸収する炭素に価格を付けること
排出削減の具体的経路が見えない?
岸田内閣
(再掲)
・GXグリーントランスフォーメーション(岸田内閣)とは、環境に配慮した先端技術を使い、産業構造を 変革 する取り組み
・2050年カーボンニュートラルや、国としての2030年温室効果ガス排出削減目標(2013年度比46%削減)の達成に向けた取り組みを「経済の成長の機会」と捉え、排出削減と産業競争力の向上の実現に向けた、経済社会システム全体の変革。
単に脱炭素社会の実現を目指すのではなく、「産業競争力の向上」やひいては「経済社会システム全体の変革」をも図っていくと言える。
背景:
・地球温暖化による気候変動� ・カーボンニュートラル宣言(2020年10月、菅内閣総理大臣
:脱炭素社会を目指す)� ・ESG投資の市場拡大 → TCFD
トランスフォーメーション
企業の動向がキーポイント!
☆
TCFD と TNFD
金融安定理事会FSBが設置
● TCFD 気候関連財務情報開示タスクフォース
Task Force on Climate-related Financial Disclosures
(2015年)
企業が気候変動に関するリスクと機会を評価し、開示するための国際的枠組み
● TNFD 自然関連財務情報開示タスクフォース
Task Force on Nature-related Financial Disclosures
(2021年)
企業が自然資本や生物多様性に関するリスクと機会を評価し、開示するための国際的枠組み
企業の責務
☆
TCFD、TNFDで開示する内容は?
●開示内容を企業の年次報告書に記載
(開示内容はおおむね以下の4項目)
①ガバナンス
財務監督体制と評価管理する経営者の役割を開示
②戦略
目標シナリオを考慮した長期的な組織戦略
③リスク管理/インパクト管理
リスクと機会を開示
④指標と目標
パフォーマンスの目標と実績を開示
☆
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の開示内容には、以下の4つの主要な項目があります**:
国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)
(2022年12月にカナダ・モントリオールで開催)
●「昆明・モントリオール生物多様性枠組」・・・2010年「愛知目標」の後継となる生物多様性の新しい世界的な枠組み ・・・2050年に「自然と共生する社会を」・・・愛知目標と同内容
●「昆明・モントリオール2030年目標」 ・・・2030年までに自然の損失を止めてプラスに転じる「ネイチャーポジティブ」の達成を目指す23の行動目標。
主な目標 ・・・数値目標に加え、企業への要請が多く盛り込まれた!
・「陸と海の30%保全(30by30)」(目標3)
・「侵略的外来種の導入率・定着率を半減」(目標6)
・「環境への栄養分流出を半減、農薬リスクを半減」(目標7)
・「気候変動の生物多様性への影響の最小化」(目標8)
・「食料廃棄を半減する」(目標16)
(再掲)
→TNFD設置
私たち日本人の営み
↑
人類の生存(持続可能な社会)
安定した気候 生態系サービスの維持
カーボンニュートラル 生物多様性完全回復
↑ ↑
生物多様性国家戦略
2023-2030
↑ ↑
シャルム・エル・シェイク実施計画
(COP27) /自然エネ3倍増(COP28)
「パリ協定」 「昆明・モントリオール枠組」
↑ SDGs ↑
気候変動枠組条約 生物多様性条約
2030年: ネイチャーポジティブ
・企業も関連財務情報開示を
(国内)
(全世界)
GX実現に向けた基本方針
(注) GX:グリーントランスフォーメーション、 FD:フィナンシャルディスクロージャー
対策の現状
2
↑ ↑
TCFD (企業) TNFD
私たち(人類)の生活
⇧
安定した気候 生態系サービス
カーボンニュートラル 生 物 多 様 性
↑ ↑
地球温暖化防止 生物多様性の保全
↑ ↑
森林による炭素の隔離 生物多様性に富む
及び陸地を森林で覆う 森林生態系を保全
↑ ↑
地球環境保全機能← → 生物多様性保全機能
・木材利用を含めて ・生物多様性保全に
炭素貯留を増やす に資する森林管理
➞林業・木材産業
森林の
多面的機能
温暖化緩和と
気候の安定
CO2の吸収
3
再掲
「森林の生物多様性を高めるための林業経営の指針」
(2024年3月、2025年3月改定)
具体的な事例:人工林での日々の森林施業現場での取組
・伐採・搬出時の攪乱の抑制、土砂流出の防止
・計画的な施業(適時・適切な間伐)
・多様な動植物の生育・生息空間としての質をさらに高める取組
・作業種(地拵え、植栽、下刈り・除伐、間伐)毎のきめ細かな配慮
(例えば) ・地拵えは、必要最小限の刈り払いや整地にとどめるとともに、
枝条をある程度林地に残す、
・・・など
・尾根筋の保全
・病虫獣害対策
・外来種の防除
・絶滅危惧種等の保全
ポジティブリスト(生物多様性保全の取組手法例の一覧表)も示している
●森林認証制度はこれらのほぼ全てを先取りしている
・攪乱後の生物残滓・微地形<レガシー>の保全も (中村太士先生)
再掲
森林の有する多面的機能に関する企業の
自然関連財務情報開示に向けた手引き
0<森林に関するTNFD情報開示の手引き>
令和7年4月
森林に関するTNFD情報開示の手引き
TNFD開示事例集
令和7年4月
企業の経営は森林などの自然資本に依存しているが、企業活動が自然資本に及ぼす悪影響を避けるため、企業自身が自然資本への依存度・リスクを評価し、経営戦略に活かすことが不可欠。
自然資本への関わりを評価して公表する「TNFD情報開示」が推奨されている。
林業・製紙パルプ・木材産業、建設・不動産、飲料の各セクターの事例を紹介
● 森林の多面的機能の発揮に関する優れた手引きだと思います。企業関係者以外の方も是非参考にされるとよいと思います。
☆
❺
2025年
水・物質
(エネルギー)
環 境
気 候
地 形
地 質
植生/森林
人 間
水
大 気
土 壌
太陽エネルギー
循環
現代社会での「自然環境」の構成要素
A
地下資源
すべて自然資本
☆
ガバナンス
戦 略
A)自然関連の依存、影響、リスクおよび機会に関する取締役会の監視について説明する |
B)自然関連の依存、影響、リスクおよび機会を評価管理するための経営者の役割を説明する |
C)先住民族、地域社会、影響を受けるステークホルダーとの関係を説明する |
A)短期、中期、長期にわたって識別した自然に関する依存、影響、リスクおよび機会について説明する |
B)自然関連リスクと機会が組織の事業や戦略、バリューチェーンに与える影響について説明する |
C)自然関連リスクと機会に対する組織の戦略についてシナリオを想定して説明する |
D)企業活動や資産の所在地を開示する |
TNFD
リスクとインパクト管理
指標と目標
A i)直接事業における自然関連リスクと機会を特定、評価するプロセスを説明する |
A ii)上流・下流のバリューチェーンにおける自然関連の依存、影響、リスク、機会を特定、評価するプロセスを説明する |
B)自然関連リスクと機会を管理するプロセスを説明する |
C)自然関連リスクを特定、評価、管理するプロセスがどのように組み込まれているかを説明する |
A)自然関連リスクと機会の評価、管理のために使用する指標を開示する |
B)自然への依存と影響を評価、管理するために使用する指標を開示する |
C)自然関連の依存、影響、リスクおよび機会を管理するために使用している目標やゴール、目標に対するパフォーマンスを説明する |
TNFD
〇 持続可能な社会における森林の役割
・・・「森林管理」の新しい意味を考える
(結論)
森林・林業基本法施行後の動向、最近の変化に注視!
日本と世界の森林管理
☆
(4)
2025年秋号
●2011年から “ぐりーん&らいふ” に寄稿しています。
森林の多面的機能
森林・林業基本法(2001):
森林整備の第一目的は、
“森林の多面的機能の持続的発揮”
森林・林業基本法と森林の多面的機能
(再掲)
現在も有効
森林の機能についての認識の変遷(政府)
明治~昭和前期 昭和後期~平成初期 平成中期~
森林法1897 林業基本法1964 森林・林業基本法2001
山地災害防止 木材生産 生物多様性保全
(国土保全) (林業)
木材生産 山地災害防止 地球環境保全
(林業・林産物採取) ・土壌保全 (地球温暖化防止)
水源涵養 山地災害防止・土壌
保健・休養 水源涵養
文化 快適環境形成
(貴重種保護) 保健・レクリエーション
文化
木材生産(林業)
森林の公益的機能
森林の多面的機能
適切な林業は公益
的機能を高める
(予定調和論)
都市住民の
要望を意識
都市住民の
要望を条文化
保全
総括
再掲
外部経済性として処理
森林に対する国民の期待
森林・林業基本法制定
再掲
1996 欠 ●木材生産が再び低下
・「生物多様性」を明示していない
最近の動向
☆
1970年代まで 2000年頃
治山・治水 治山・治水 治山・治水
木材生産 地球温暖化防止 地球温暖化防止
→ 地球沸騰化
大気浄化等 水資源涵養 水資源涵養
水資源涵養 大気浄化等 大気浄化等
(野生生物生息) レクリエーション 木材生産
レクリエーション 野生動物生息
木材生産
→ 生物多様性保全
森林の多面的機能への「国民の期待」の変遷(第2次大戦後)
と 最近(2015年以降)の変化
この時代、
地球温暖化防止や生物多様性保全の概念は知られていない
災害大国
“日本”
の特性
レクリエーション
森林・林業
森林・林業
の公益的
機能
?
野生生物生息
森林・林業
基本法
SDGs
新しい時代?
☆
現代~
林業基本法
1970年代まで 2000年頃
治山・治水 治山・治水 治山・治水
木材生産 地球温暖化防止 地球温暖化防止
→ 地球沸騰化
大気浄化等 水資源涵養 水資源涵養
水資源涵養 大気浄化等 大気浄化等
(野生生物生息) レクリエーション 木材生産
レクリエーション 野生動物生息
木材生産
→ 生物多様性保全
● 最近(2015年以降)の変化<BからCへの変化>は何か
この時代、
地球温暖化防止や生物多様性保全の概念は知られていない
災害大国
“日本”
の特性
レクリエーション
森林・林業
森林・林業
の公益的
機能
?
野生生物生息
森林・林業
基本法
SDGs
新しい時代?
A B C
現代~
林業基本法
私たち(人類)の生活
⇧
安定した気候 生態系サービス
カーボンニュートラル 生 物 多 様 性
↑ ↑
地球温暖化防止 生物多様性の保全
↑ ↑
森林による炭素の隔離 生物多様性に富む
及び陸地を森林で覆う 森林生態系を保全
↑ ↑
地球環境保全機能← → 生物多様性保全機能
・木材利用を含めて ・生物多様性保全に
炭素貯留を増やす に資する森林管理
➞林業・木材産業 注目されるようになった!
森林の
多面的機能
温暖化緩和と
気候の安定
CO2の吸収
3
再掲
・人々の考えが、「国内の森林・林業(あるいは森林の管理)を考える立場」 から 「地球上の森林の管理(森林環境や林業)」 を考える立場に替わったのではないか。
しかし、森林の要求する機能(多面的機能=森林の生態系サービス)の内容は変わらない。
すでに森林・林業基本法には織り込み済み。
2001年日本学術会議「答申」参照
森林の機能の認識の変遷
明治~昭和前期 昭和後期~平成初期 平成中期~
森林法1897 林業基本法1964 森林・林業基本法2001
山地災害防止 木材生産 生物多様性保全
(国土保全) (林業)
木材生産 山地災害防止 地球環境保全
(林業・林産物採取) ・土壌保全 (地球温暖化防止)
水源涵養 山地災害防止・土壌
保健・休養 水源涵養
文化 快適環境形成
(貴重種保護) 保健・レクリエーション
文化
木材生産(林業)
森林の公益的機能
森林の多面的機能
適切な林業は公益
的機能を高める
(予定調和論)
都市住民の
要望を意識
都市住民の
要望を条文化
保全
A B
21世紀初頭
B
A
(森林の機能の認識の変遷)
明治~昭和前期 昭和後期~平成初期 平成中期~
森林法1897 林業基本法1964 森林・林業基本法2001
山地災害防止 木材生産 生物多様性保全
(国土保全) (林業)
木材生産 山地災害防止 地球環境保全
(林業・林産物採取) ・土壌保全 (地球温暖化防止)
水源涵養 山地災害防止・土壌
保健・休養 水源涵養
文化 快適環境形成
(貴重種保護) 保健・レクリエーション
文化
木材生産(林業)
森林の公益的機能
森林の多面的機能
保全
現代
森の少ない国も人類生存の基盤である森林の保全を要求できるはず
かつて(森のない)平地の住民が水害防止のために森林の保全を要望したように、
C
B→C
グローバルな立場ではCは
森の少ない時代 森の多い時代 :森の多い国・森の少ない国
B
A
森林の機能の認識の変遷
明治~昭和前期 昭和後期~平成初期 平成中期~
森林法1897 林業基本法1964 森林・林業基本法2001
山地災害防止 木材生産 生物多様性保全
(国土保全) (林業)
木材生産 山地災害防止 地球環境保全
(林業・林産物採取) ・土壌保全 (地球温暖化防止)
水源涵養 山地災害防止・土壌
保健・休養 水源涵養
文化 快適環境形成
(貴重種保護) 保健・レクリエーション
文化
木材生産(林業)
森林の公益的機能
森林の多面的機能
保全
現代
C
森の少ない時代 森の多い時代 森の多い国・森の少ない国
公害・自然保護→環境保全も含めて公益的機能として意識(都市住民の要望に対応)
平地の住民は
「治山治水」
のみに関心
今や
全人類の要望
C
☆
森林の公益的機能
森林の多面的機能
保全
C
森の少ない時代 森の多い時代 森の多い国・森の少ない国
持続可能な木
材生産(林業)
なら人類に貢
献できる。
全人類の要望
地球は一つ、
人類は運命共同体
たまたま森林が豊かな国なので林業が可能なのである
林業そのものが公益的産業
森林の機能の認識の変遷
明治~昭和前期 昭和後期~平成初期 平成中期~
森林法1897 林業基本法1964 森林・林業基本法2001
山地災害防止 木材生産 生物多様性保全
(国土保全) (林業)
木材生産 山地災害防止 地球環境保全
(林業・林産物採取) ・土壌保全 (地球温暖化防止)
水源涵養 山地災害防止・土壌
保健・休養 水源涵養
文化 快適環境形成
(貴重種保護) 保健・レクリエーション
文化
木材生産(林業)
私たち日本人の営み
↑
人類の生存(持続可能な社会)
安定した気候 生態系サービスの維持
カーボンニュートラル ネイチャーポジティブ
↑ ↑
生物多様性国家戦略
2023-2030
↑ ↑
シャルム・エル・シェイク
実施計画(COP27)
「パリ協定」 「昆明・モントリオール枠組」
↑ SDGs ↑
気候変動枠組条約 生物多様性条約
↑ ↑
2030年ターゲット:
30 by 30
(国内)
(全世界)
GX実現に向けた基本方針
(注) GX:グリーントランスフォーメーション
*30年目標の用語
*
分かり易い
C
私たち日本人の営み
↑
人類の生存(持続可能な社会)
安定した気候 生態系サービスの維持
カーボンニュートラル 生物多様性完全回復
↑ ↑
生物多様性国家戦略
2023-2030
↑ ↑
シャルム・エル・シェイク実施計画
(COP27) /自然エネルギー3倍増
(COP28)
「パリ協定」 「昆明・モントリオール枠組」
↑ SDGs ↑
気候変動枠組条約 生物多様性条約
↑ ↑
2030年: ネイチャーポジティブ
・企業も関連財務情報開示を
(国内)
(全世界)
GX実現に向けた基本方針
(注) GX:グリーントランスフォーメーション、 FD:フィナンシャルディスクロージャー
TCFD (企業) TNFD
実際は
CO2 ネットゼロ
〇 森林の多面的機能を持続的に
(生物多様性保全を含む)
発揮させる森林管理とは
繰り返しになりますが ・・・
木を使うことは良いことだ!
・・・と言われています。
しかし、
その木は持続可能な森林管理の
下で生産されたものですか?
と問いたいのです。
・木材生産(林業)によって森林が伐採される以前は、<その森林が人工林であっても>森林の多面的機能を発揮していたはずです。
・森林を伐採した直後は森林の多面的機能の大部分を失ってしまいます。
★木材を使うことは一方で大きな損失を伴っているのです。
・そこで、適切な森林管理(特に丁寧な伐採とその後の再造林)を行って、失った機能を早期に回復させることが必要です。
?
大面積皆伐では“早期に回復”
とは言えません。
現代の林業・木材産業(木材の利用)
・地球時代:
●人類社会が持続可能であることが大前提
・森林の多面的機能の発揮 を持続可能にする森林
管理の下での
・木材生産はその恩恵を人類全体のために役立てる
ことができる
・・・・・それが現代の林業
“公益的産業” になる
これらの機能を保証する森林管理の下で林業を振興して木材を大いに利用する
地球温暖化防止に貢献
する林業の振興とは
林業がグローバルな課題解決に寄与する
☆
ローカルな課題に寄与
木曾のヒノキ
(天然林)
速水林業
(人工林)
人工林でも生物多様性は豊か
☆
グローバルな機能
①生物多様性保全
②地球環境保全
温暖化緩和
気候システムの安定
ローカルな機能
土砂災害防止・土壌保全
④水源涵養
⑤快適環境形成
⑥保健・レクリエーション
⑦文化(森と木の文化)
⑧物質生産(木材生産)
森林の多面的機能の分類
これまで
これから
⑧物質生産(木材生産)
⑦文化➞ 観光?
☆
世界文化遺産 インバウンド
③
● 他の多面的機能の発揮を保証する形で持続可能な木材生産を行えば、それは地球温暖化緩和に貢献する。すなわち木材生産機能はグローバルな機能であり、林業は公益的産業といえる。
● 世界で唯一ともいえる豊かな温帯多雨林の中で発展してきた日本人が築き上げた森林と木の文化は、世界的にも貴重で独特な文化であり、森林の文化機能もグローバルな機能といえる。それゆえインバウンドの観光客が多数訪れている。
● 日本の世界文化遺産の中に森林や木(木造建築など)が主役の文化財が多数存在する。
→もっと地域の森林や森林文化を積極的に世界にPRする
7) 文化機能:
森林の美しい景観や森林内での諸活動あるいは林産物を利用する暮らしなど森林との多様なかかわりが、文学、音楽、美術など芸術面でのモティベーションを高め、また宗教心をはぐくみます。これは、森林と人とのかかわりが感性、思考、思想など人の「こころ」のあらゆる面に多大な影響を及ぼすからです。
森林の利用と文化103
「私たちは森林からどのような恩恵を受けていますか」
世界に発信すべき森林・林業関連事項
・地殻変動帯(火山・高山・湖沼・海岸・島嶼) /モンスーンアジア(温帯多雨林・雪)の世界自然遺産 白神山地、屋久島・・・
・稲作農耕・木材利用・森林景観利用の世界文化遺産 神社、仏閣、三保の松原・・・
・治山・砂防技術/森林・林業基本法の理念・森
林管理技術(森林計画制度)?
「森林の多面的機能の持続的発揮」
・豊富な森林資源の存在を発信すべき
→輸出促進を!
☆
美しい森林・森林文化の発信を