海岸段丘
©岩見和行/全地研 CC BY 4.0
ねらい
海岸段丘の地形と人々の生活の関わりを理解しよう
問い
海岸が階段状になるのはどうして!?海岸が階段状になっていたらどんな生活が営まれるのか?
海岸段丘とは?
離水(隆起)海岸の一種で、地盤の隆起や海面の低下で形成された階段状の地形。 写真は代表例の室戸岬(高知県)
房総半島南部で「階段状」を確認しよう!
↑高さ倍率を10倍にして海岸段丘を確認してみよう!
Q.一番古い段丘面はA~Eのどれ?
画像:「国土地理院|関東地方測量部|地理に関する情報|房総半島の海岸段丘」https://www.gsi.go.jp/kanto/chiri001.htmlより引用し一部加筆修正
A
B
C
D
E
上位段丘面ほど古い(一番古いのはA)
画像:「国土地理院|関東地方測量部|地理に関する情報|房総半島の海岸段丘」https://www.gsi.go.jp/kanto/chiri001.htmlより引用し一部加筆修正
A
B
C
D
E
隆起
海水準の推移
現在の海面
波があたる部分が徐々に侵食されて崖になる(海食崖)。また、性質的に波は一定の深さまでしか侵食できないし、運ばれてきた土砂が堆積するので海底は平らになる。
段丘面の数は隆起の回数を表している!
海岸段丘と人々の生活
集落や水田は海岸沿いの一番低い段丘面に集中する傾向
⇨崖下では湧水が得やすいため
※河岸段丘における話と同様のケース
段丘面は乏水地で果樹園や畑が多い。
参考:激しい隆起(地震)と人間の共生
高知県室戸市の室津港の様子を見てみよう。何か特徴はないか?
参考:激しい隆起(地震)と人間の共生
〇特徴
一般的な港と比較して、水面と住宅の高さ
が大きく異なる!海面がとても低い!
街と海面の高低差が7~8mもある!
〇背景
地震で陸地が持ち上がるごとに、何度も港内の
海底を掘り下げると同時に掘った土砂を住宅地
に上乗せしたため。
※室津港は日本最古の掘り込み港である。戦後
はマグロの遠洋漁業の基地として賑わった。
⇨なぜ掘りこむ必要があったのか?
度重なる地震で陸地が急激に隆起することに
よって、港湾の水深が浅くなっていき、船舶を
停められないなど使用ができなくなるため。
参考:「日本ジオパークネットワーク」https://geopark.jp/geopark/muroto/
まとめ
■海岸段丘とは?
離水(隆起)海岸の一種で、地盤の隆起や海面の低下で形成された段丘。
⇨上位段丘面ほど古い段丘面
■海岸段丘と人々の生活
集落は海岸沿いの一番低い段丘面に集中する傾向
⇨崖下では湧水が得やすいため
段丘面は乏水地で果樹園や畑が多い
(例)室戸岬(高知県)