ガンマ線測定と放射能測定
八王子市民放射能測定室
ハカルワカル広場
原子核の崩壊
原子核の構成員は「陽子」と「中性子」
α線、β線が出ると原子核の構成が変わる
アルファ線
ベータ線
γ線が出る時は原子核の構成は変わらない。エネルギーだけを放出する。
ガンマ線
セシウム137
陽子:55
中性子:82
陽子:56
中性子:81
このベータ線も検出できない
陽子:55
中性子:82
陽子:56
中性子:81
このガンマ線は検出できる
このベータ線は検出できない
セシウム134
ガンマ線もいろいろ違うエネルギーのものが複数飛び出すことが多い
ガンマ線1
ガンマ線2
ガンマ線3
ベータ線:0.0886MeV(27.3%), 0.415MeV(2.51%),0.658MeV(70.2%)他
ガンマ線:0.563MeV(8.4%),0.569MeV(15%),0.605MeV(97.6%), 0.796MeV(85.5%), 0.802MeV(8.69%), 1.365MeV(3.0%)他
セシウム134だとかなり複雑
500keV
1000keV
ガンマ線のエネルギーがいろいろある
250keV
750keV
ガンマ線スペクトルとは、このようにガンマ線のエネルギーを横軸にとり、どういうエネルギーのガンマ線が出ているかをグラフ化したものを言う
ガンマ線を測定して
核種の存在量を調べる
500keV
1000keV
250keV
750keV
この部分を調べれば、特定のガンマ線のエネルギーを放出する核種の存在量が推測できる
そのようなある特定のエネルギーのガンマ線だけ調べるということが可能なのか?
500keV
1000keV
250keV
750keV
細い幅の窓の中だけ調べることができれば、特定のエネルギーのガンマ線だけ検出できる
10万円程度の安価な測定器ではできない
100万円程度あるいはそれ以上の高価な測定器を使えばできる
NaI(ヨウカナトリウム)シンチレータを利用する測定器では、窓の幅をあまり狭くできない
Ge(ゲルマニウム)半導体を利用する測定器では窓の幅をかなり狭くできる
500keV
1000keV
250keV
750keV
窓の幅が広いと近くにある目的外のガンマ線も誤検出する
ゲルマニウム半導体測定器でCs134とCs137が混在しているところのスペクトルを見るとこのようになる
662keV
796keV
605keV
NaIシンチレーション測定器でCs134とCs137が混在しているところのスペクトルを見るとこのようになる
Cs134
Cs134
Cs137
NaIシンチレーション測定器ではこの程度が最小幅の窓になるので、Cs134とCs137を区別するのはギリギリできるかどうかというところ。
Cs134
Cs134
Cs137
この横軸方向の校正が微妙にずれただけでも大きく測定に影響
自然界に存在する
いろいろなガンマ線
現実世界にはいろいろな自然放射能がある
351keV
609keV
I131の364keV検出はPb214が存在している時は非常に難しい
Bi214の存在もCs134を測る時は問題になる
放射性原子核の崩壊も次々続いて起こる場合がある
測定器の校正
AT1320Aの場合は、K40の1460keVを使って横軸の校正をする
Cs134
Cs134
Cs137
カリウムの試料を使い、ここが1460になるように調整する
Cs134
Cs134
Cs137
縦軸の校正もたまにやる。(横軸ほど頻繁でなくてよい)