「あのときああしておけば...」「あのときああ言えば良かった...」「問題が起きたあの時に戻れたらどんなにいいことか、でもそんなことはできない」
私たちはこんな風に考えてしまいます。しかし、「意志は中今に実現する」でお伝えしたように、過去・現在・未来のすべては今ここ、つまり中今にあります。
あなたが「過去に生まれた」という事実が今、ここになければ、あなたは今、生きてこのテキストを読んでいません。「過去に生まれた」という事実は、今ここに存在しなければならないのです。
そしてあなたの両親、祖父母、その両親…と続く膨大な過去のうち、どれか一つでも欠ければその未来も変わったはずですから、やはり、今、ここにいるあなたという存在を支えている過去もすべて、今、ここにあるのです。
未来も今、ここにあります。未来に起きることの原因はすべて、今にあるからです。未来も今の中に畳み込まれています。
このように、「今、ここ(中今)」に現在・過去・未来のすべてが畳み込まれているという視点から構文を書くことで、構文に対する感性や姿勢が変わって来ます。
よって、過去の問題も「今、ここ」にあるため、その問題を最適化することができます。
これまでの研究開発とユーザーの実践から、次の3つの言葉を使用することで、「悩み解決」に際して、基本ルールに沿った最適な構文作成が比較的容易になるということが分かりました。
「悩み解決」に役立つ3つのポイント 1.認める 2.吹き送る 3.最適化
自分の過去を「認めて、吹き送って、最適化する」という構文の書き方は、過去を今に持ってくるということです。
もちろん、過去に起きた事実が、皆さんの記憶から消えたり変わったりするのではありません。しかし、現在、そして未来に過去を接続するあり方が調整されるため、結果としては過去に対する意味合いが変わってきます。
【1.認める】
私たちは、多種多様な問題を解決するために、それぞれの問題に特化した構文を作成します。しかし、その問題の解決方法は容易に見つからないものです。このような時は、まずすべての問題解決に共通する前提から始める方法が有効です。それは「問題に悩んでいることを認める」というものです。
すべての問題解決は「問題への悩みを認めること」から始まります。
(例)私は、健康に対する悩みを認めた。私は、お金に対する悩みを認めた。私は、人間関係における悩みを認めた。私は、事業における悩みを認めた。
物事に対して「これは問題だ」という「思い」が私たちにはあります。そして悩んだり、怒ったり、悲しんだりとさまざまな感情に翻弄され、願望や悩みが生まれることはお話した通りです。
ところが、子どものころには大変な問題だと思っていたことも、大人になると「大したことではない」と認識が変わることがあるように、視野が広がれば、「問題」が問題ではなくなるのです。 悩んでいる最中、私たちは子どもと同様に問題に対して近視眼的になり、問題の本質を見失っています。
そこで、まずは自分が何に意識を集中しているのか、囚われて偏っているのかを客観視することが必要です。問題を解決するための第一歩は、「問題に囚われている自分を認めること」から始めましょう。
【2.吹き送る】
次に問題に囚われている自分の思いを「根本から消す」ことが必要になります。そこで使用する表現が「吹き送る」です。
(例)私は、健康に対する悩みを吹き送った。私は、お金に対する悩みを吹き送った。私は、人間関係における悩みを吹き送った。 私は、事業における悩みを吹き送った。 デジタル・メディテーションでご紹介した「祓い」の中に出てくる、この「吹き送る」という表現は、「目の前から消す・解決する・無視する」といった対処とは異なり、問題を問題だと思い悩んでいる「思い」そのものを、根本的に吹き送って、「なかったことにしてしまう」という意味合いがあります。
【3.最適化する】
吹き送ることで問題に張り付いていた感情などがすべて消え、意識が「ゼロ」に戻りました。問題だと思っていたことは、単なる事実へと変わっています。そして「ゼロ=空」の意識から発する本来の意志に合わせて事実を再構築するため、事実を「最適化」します。
【悩み解決定型文】 私は、〇〇〇を認めた。 私は、〇〇〇を吹き送った。 私は、〇〇〇を最適化した。
(例)お金が欲しい。
→ 私は、お金がないという悩みを認めた。私は、お金がないという悩みを吹き送った。私は、お金がないという悩みを最適化した。
「悩み」を吹き送ることで、「悩み」に張り付いてた様々な感情が祓われ、「お金がないと悩んでいた」ことが単なる過去の事実となります。感情が祓われることで、「お金がない」という「事実」に対して最適な行動を取ることができるようになりますし、あるいは「私はお金がない」という認識そのものが変化して、悩みが悩みではなくなるかもしれません。このような感情の吹き送りについて、詳しくは「五階層構文」で説明します。
※感情を最適化する際は、「~という悩み」「~という願望」以外に、「~という思い・不安・心配・期待」など、感情に合わせてしっくりくる表現を使うこともできますし、その方が効果的です。