第一階層〈一人称構文〉
マンダラで自分の願望と悩みを網羅する
あなたの意識があなたの意志を生んでいます。自分の意識が客観視できるようになると、意志の発動も、より自在なものになります。

 まずは、あなたの抱える悩みや願望を見つめるところから始めましょう。そこにあるあなたの意識の偏りをすべて見ることが大切です。意識に偏りがあることに気が付けば、対処することができます。厄介なのは、意志の発動そのものが偏っていることに、気付かないことです。

 自分という存在をすべて網羅して把握することは、普通自分ではできません。しかし、マンダラを作成することで、自己を網羅して客観視することが可能になります。

〈マンダラの記入例〉

このマンダラのメインテーマは、中央に書かれた「充実した人生」です。その周囲の8マスには「充実した人生」を達成するために必要なこととして、「心身の健康」「人間関係の健康」「使命を生きる」などが書かれています。そして、「心身の健康」「人間関係の健康」といったそれぞれの要素を達成するために必要なことを、さらに8マスずつ書く、という形でこのマンダラはできています。

 投手と野手の二刀流という非常に稀なタイプのプロ野球選手として、メジャーでも活躍する大谷翔平選手も、高校時代にマンダラを書いています。そして「8球団から1位でドラフト指名」を達成すべく書かれたマンダラの中の、「スピード160km/h」というサブテーマは、アマチュア野球史上初という形で達成されました。

 このように、目標を達成するためにマンダラを作成することもできるのでぜひお試しいただきたいのですが、ここでは自分の願望と悩みを網羅するためにマンダラを使用します。
 
 意志実現のためには、願望と悩みを対消滅させる必要があります。対消滅とは、例えば電子と陽電子が衝突して光子となる現象であり、願望と悩みも対消滅させることで本来の意志が発動します。

 ただし、願望と悩みを対消滅させるには、まず両方を同じ数だけ見つける必要があります。

 あなたの中の願望と悩みはどちらが多いでしょうか? 願望ばかり、あるいは悩みばかり思い浮かんだりしませんか? しかし、願望と悩みは必ず対で生まれています。どちらか一方しから見えないなら、それだけあなたの意識は偏っていることになります。あるいは、数の釣り合いが取れてはいても、それがすべてではない場合があります。

 よって、「願望」と「悩み」から抜けて「意志」を発するには、まず最初に自分の持っている「願望」と「悩み」をすべて網羅する必要があります。

 ただ注意したいのは、願望や悩みを網羅することと、それらを実現(解決)することは別の話だ、ということです。網羅した願望と悩みのすべてを、あなたが本当に実現・解決しようと思っているとは限りません。願望と悩みの正体や、それに囚われていた自分に気付いた時点で、どうでもよくなって手放してしまえることもあります。

 しかし、実現する必要はないとしても、それらを手放さない限りあなたの意識は偏ったままですから、やはり意識の中の隠れた願望や悩みに気付き、認めることは重要です。マンダラワークでこれらを書き出すことで、自然と意識のバランスが取れていきます。

マンダラを書いてみる
3✕3のマス目が9個(全部で3✕3✕3の計27マス)ある表を使い、まずはあなたの「願望」についてのマンダラを作成していきます。

①マス目の中心に、メインテーマを書きます。

 ストレートに「私の願望」でも構いませんし、「豊かな人生」「成功者になるために」「甲子園出場」「会社の業績◯◯万円」など、ある程度テーマを絞ってもいいでしょう。

 ただし、「飼ってみたいペット」「行きたい国」「食べたいもの」など、あまり具体的に書くと内容に広がりが出ないので、自分に直接関連していて、かつ抽象度があるテーマを記入します。

②メインテーマの周りの8マスにサブテーマを記入します。

 「私の願望」というメインテーマであれば、さらに「資産」「人間関係」「趣味」など。「充実した人生」というメインテーマであれば、「心身の健康」「住みよい住宅」など。このように、願望に関係のあるテーマを8個決定します。

③サブテーマをそのまま周りの9マスの中心に転記します。
④転記したサブテーマの周りの8マスに具体的な内容を記入します。

 例えば、「人間関係」というサブテーマであれば、「結婚したい」「仲間がほしい」「人に好かれたい」「嫌いな上司にいなくなってほしい」などと書くかもしれません。とにかく人間関係について思いつく限りの「願望」を書きます。

一つのサブテーマについて8マス分の具体的な内容を埋めるのはなかなか大変ですが、埋めることによって絞り出され、隠されていた自分の思いが網羅されるとお考えください。

 書きにくければ、メインテーマやサブテーマもどんどん変えたり統合・調整してください。


 それではマンダラを書いてみましょう! 同様の表を紙に書いたりエクセル等のデータ上で作成することも可能です。

〈願望マンダラ〉

次に、「悩み」を網羅するマンダラを作成します。「願望」と「悩み」の対消滅に利用しますので、ぜひ両方書いてみてください。

〈悩みマンダラ〉

マンダラを埋めるために、自然といろいろ考えることになります。人は自分の中にないことは書けませんので、出てきた答えはすべてあなたの思いです。もし、出てこない場合はテーマを設定し直してみるか、出てくるまで考えることが重要です。

 五階層で意識のレベルを考えるというお話をしましたが、第一階層の意識レベルは「私」についてのみ焦点が当たっている状態です。そして、マンダラワークで出てきたような悩みや願望に「私は」という主語をつけて文にしたものが一人称構文です。(「私」を主語に付けられない場合はそのままで構いません。)それぞれが「願望」か「悩み」かを明確にして書きます。

  【願望の一人称構文】
 私は、体重が◯◯kgになりたいという願望がある。
 私は、かわいい彼女が欲しいという願望がある。

【悩みの一人称構文】
 私は、自分の話し方に自信が持てないという悩みがある。 
 私は、いつも人との関係がうまくいかないという悩みがある。

※「願望」「悩み」という言い回しがしっくりこない場合は、「思い」などの表現を使います。「私は、人生はどうせうまくいかないという思いがある。」など。

 「願望」だけ、あるいは「悩み」だけに焦点をあてているのは意識のあり方が偏っていることを意味しています。

 第五章までで扱ってきた構文の書き方のほとんどは、「私」という意識レベルに集中して書いた構文の偏りを、一文の中で最適な状態に書き換えるための方法でした。

 一方で、五階層構文は、私の願望や悩みをありのままに書くところから始まります。そして五段階に視点のレベルを移動させることで、意識の偏りを解体し、再構築し、最終的には第五階層「空」の意識レベルから、意志発動の構文を書くところへと至ります。

Submit
This content is neither created nor endorsed by Google. Report Abuse - Terms of Service