ニューノーマル研究部会2026年度第1回会合(通算第44回)(政策分科会)の開催について  

■日時:2026年4月11日(土曜日) 14:00-15:30
■講演タイトル:「生物遺伝資源とバイオデータの国際ルールの最前線 =
生物多様性条約における国際交渉とグローバルサウスの台頭」
■講師:鈴木睦昭先生(国立遺伝学研究所 ABS支援室)
■開催方法:ハイブリッド開催  (対面開催会場:東京国際工科専門職大学)
■講演内容:
医薬品や食品、バイオテクノロジーの研究開発は、動植物や微生物といった「遺伝資源」に大きく依存している。これらの資源を利用する際には、その提供国との間で利益を適切に分かち合うべきであるという考え方が、国際的に「アクセスと利益配分(ABS)」として制度化されている。近年はさらに、遺伝資源から得られるDNA配列などのデータ(DSI)のみを用いた研究開発が急速に進展しており、「データの利用から生じる利益も配分の対象とすべきか」という新たな国際的課題が浮上している。
このような背景のもと、生物多様性条約(CBD)の締約国会議(COP)では、ABSおよびDSIを巡る国際ルールの再設計が進められており、各国の利害が鋭く対立する重要な交渉分野となっている。本講演では、COPにおける政府代表団としての実務経験を踏まえ、実際の交渉プロセスや非公式協議の現場、各国の立場の違いとその背景について紹介する。特に、グローバルサウス諸国の台頭により、国際交渉の力学がどのように変化しているかを中心に、先進国との間で生じる構造的な対立と調整の難しさを明らかにする。
■講師略歴:
静岡薬科大学博士課程修了。薬学博士。大学院時は国立生理学研究所で受託大学院生として研究生活を送る。テキサス大学医学生物学研究所博士研究員、静岡県立大学助手・学内講師、カルフォルニア大学ロサンゼルス校Visiting Professor、日本たばこ産業株式会社主任研究員、東京大学先端科学技術研究所知的財産マネジメント人材育成プログラムを経て、国立遺伝学研究所ABS支援室を創設、責任者として現在に至る。また、文部科学省参与及び環境省「名古屋議定書に係る国内措置のあり方検討会」の委員として、名古屋議定書に対応した国内措置「遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する指針」(ABS指針)の策定に関与した。長年、生物多様性条約締約国会議に日本政府団の一員として参加している。

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