宇野良子×甲野陽紀「言葉と身体のあわいを探る」(聞き手:岩渕貞太、江本伸悟)
 11月24日の日曜日16時より、浅草橋にて「言葉と身体のあわいを探る」と題して、言語学者の宇野良子さんと、身体技法研究者の甲野陽紀さんからお話しをうかがいます。聞き手は、ダンサー/振付家として活動する岩渕貞太と、私塾・松葉舎を主宰する江本伸悟がつとめます。

 この度の講座は「ことばとからだの研究会」(主催:江本、岩渕)の一環として開催予定ですが、「言葉と身体のあわいを探る」ことをテーマに宇野さん、陽紀さんのおふたりにお越しいただくのはこれで二度目のこととなります。

 とはいえ、初回の参加を前提とした講座ではなく、はじめての方にもご参加いただける講座となっておりますので、まずはおふたりの紹介文をここに再掲したいと思います。

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 宇野良子さんは、ヒトの心や身体がどのように言葉の構造と関わっているのかを研究する、認知言語学を専門とされています。

 ヒトは言葉を、辞書的に、頭だけで理解しているわけではない。たとえば「ゴジラ」から濁点を引いて「コシラ」と呟いてみると、どこか怪獣としては弱々しい響きになってしまいますが、言葉にはしばしば、ヒトの身体に直接触れてくるような「感じ/質感」がともなっています。ヒトは、言葉が何を表しているかを理解するだけではなく、その音の響き、その文字の形にともなう質感をも味わうことができる。そうしてヒトは——たとえば谷川俊太郎の「ことばあそびうた」のように——その質感と戯れるようにして言葉と遊びはじめてしまう。そんな遊び心が新たな言葉を創造する種子になっているのではないかと、宇野さんは、たとえばそんなことを研究されています。

 甲野陽紀さんは、身体技法研究者として、立つ、座る、歩くなど、普段あたりまえにしている動きの深層にあるもの——「わたし」を動かしているもの——を探求しています。

 言葉もまた、「わたし」の身体を見えない底から動かしているものの一つです。陽紀さんは、その身体技法を人々に伝えようとする中で、身体の動きを指示する言葉の一見ささいにも思える違いが、しかしその人の動きの質に劇的な変化をもたらす場面を、いくども目撃してきました。「身体はコトバの違いをまさに水も漏らさぬ精度で受けとっている」のではないか。そのように思い至ったとき、言葉を磨くことと、身体の動きを磨くこととが、切り離せない一つの営みとして結びつきはじめます。

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 前回は、認知言語学と身体技法研究というお互い未知の領域について、お互いに手探りするように対話を進めていく前半の時間から、しだいに言葉と身体そのものへと話題が移りゆき、後半にいたっては会場のみなさまからいただいた質問のおかげもあり、宇野さん、陽紀さん、そして会場のみなさまと「ともに考える」モードへと場の雰囲気が移りかわっていきました。

 この度は、言葉と身体についてより具体的なかたちで対話を進めていくために、はじめに陽紀さんが日頃の講座でなされている「言葉と身体のワークショップ」を開いていただき、つづいて宇野さんからのコメントをいただく予定です。その後は、お二人の日頃の関心事や、会場のみなさまからの質問などを起点としたフリートークに移行したいと思っています。

 一度目とは独立した講座となりますので、今回はじめての方も是非ご参加ください。また当日は、みなさまにも言葉と身体のつながりを実感するための簡単なワークをしていただく可能性がございますが、激しい運動などはありませんので、運動が苦手な方などもいつも通りの格好でお気軽にご参加ください。

 
イベント情報
日時 :2024年11月24日(日)16:00-18:30(開場15:40)
場所 :浅草橋・東日本橋駅・馬喰町駅・馬喰横山駅から徒歩5分〜8分(詳細はメールにてお知らせいたします)
参加費:3500円(税込、当日現金のみでのお支払いとなります)
定員 :35人

出演者プロフィール
宇野良子(Research map)
現在、東京農工大学教授。1973年東京都に生まれる。
2006年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。「わたし」が発した言葉は、「わたし」の一部なのか、ということに興味を持ち、言葉と心の働きの関係を研究している。特に、自然言語や、人工言語で新しい語が生まれるしくみを分析してきた。近年は、アートやファッションデザインのような言語以外の人間の創造活動に、言語学の分析を応用することも試みている。著書に『オノマトペ研究の射程―近づく音と意味』(共編、ひつじ書房、2013年)、『実験認知言語学の深化』(共編、ひつじ書房、2021年)など。

甲野陽紀(Official Web site)
1986年、東京都生まれ。身体技法研究者。
武術研究者・甲野善紀氏の武術指導のアシスタント、演劇作成スタッフなどを経験した後、独立。分野や流儀、流派にとらわれない立場で身体技法の研究を始める。達人や名人と呼ばれるほどの技量を持つ武術家や職人などの技を観察・分析する研究を基盤に、さまざまに変化する身体の動きを、注意の向け方や言葉の使い方などとの関係から読み解き、そのエッセンスを日常に役立つ技法として提案する斬新なアプローチは、スポーツや介護、楽器奏法、教育関連など、さまざまな分野の専門家からも注目されている。

岩渕貞太(Official Web site)
振付家・ダンサー。
玉川大学で演劇を専攻、平行して、日本舞踊と舞踏も学ぶ。2007年より2015年まで、故・室伏鴻の舞踏公演に出演、今日に及ぶ深い影響を受ける。2005年より、「身体の構造」「空間や音楽と身体の相互作用」に着目した作品を創りはじめる。2010年から、大谷能生や蓮沼執太などの音楽家と共に、身体と音楽の関係性をめぐる共同作業を公演。2012年、横浜ダンスコレクションEX2012にて、『Hetero』(共同振付:関かおり)が若手振付家のための在日フランス大使館賞受賞、フランス国立現代舞踊センター(CNDC)に滞在。自身のメソッドとして、舞踏や武術をベースに日本人の身体と感性を生かし、生物学・脳科学等から触発された「恍惚身体論」を開発。桜美林大学非常勤講師。DaBYレジデンスアーティスト。

江本伸悟(Official Web site)
松葉舎主宰。1985年、山口県下関市に生まれる。
2014年、東京大学大学院で渦の物理を研究し、博士号(科学)を取得する。2017年、私塾・松葉舎(しょうようしゃ)を立ちあげ、科学、哲学、芸術、音楽、ファッション、ダンスなど、分野の壁をこえた会話を通じて、こころ、からだ、いのちの探求をつづけている。


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