安保法案に反対する三重大学教員有志

●「戦争しない国」から「戦争する国」へ

  「戦争しない国」から「戦争する国」へ、戦後70年の今、私たちは重大な岐路に立っています。安倍晋三政権は新法の「国際平和支援法」と10本の戦争関連法を改悪する「平和安全法制整備法案」を国会に提出し、審議が行われています。これらの法案は、アメリカなど他国が海外で行う軍事行動に、日本の自衛隊が協力し加担していくものであり、憲法九条に違反しています。私たちは憲法に基づき、国会が徹底審議をつくし、廃案とすることを強く求めます。

●法案は憲法に違反しています

  法案は、①日本が攻撃を受けていなくても他国が攻撃を受けて、政府が「存立危機事態」と判断すれば武力行使を可能にし、②米軍等が行う戦争に、世界のどこへでも日本の自衛隊が出て行き、戦闘現場近くで「協力支援活動」をする、③米軍等の「武器等防護」という理由で、平時から同盟軍として自衛隊が活動し、任務遂行のための武器使用を認めるものです。

 安倍首相の言う「武力行使は限定的なもの」であるどころか、自衛隊の武力行使を際限なく広げ、「専守防衛」の建前に反することになります。武器を使用すれば、その場は交戦状態となり、憲法九条一項違反の「武力行使」となることは明らかです。60年以上にわたって積み重ねられてきた「集団的自衛権の行使は憲法違反」という政府解釈を安倍政権が覆したことで、米国の侵略戦争に日本の自衛隊が参戦する可能性さえ生じます。日本が戦争当事国となり、自衛隊が国際法違反の「侵略軍」となる危険性が現実のものとなります。

●学問の良識の名において法案に反対します

  私たちは、かつて日本が行った侵略戦争に、多くの学徒を戦地へ送ったという、大学の戦争協力の痛恨の歴史を担っています。その歴史への深い反省から、憲法九条とともに歩み、世界平和の礎たらんと教育研究活動にたずさわり、再び戦争の惨禍を到来させないようにしてきました。二度と再び、若者を戦地に送り、殺し殺される状況にさらすことを認めることはできません。

 私たちは、学問と良識の名において、違憲性のある安全保障関連法案が国会に提出され審議されていることに強く抗議し、それらの法案に断固として反対します。

【呼びかけ人(五十音順)】
北川眞也(人文学部)、堀内義隆(人文学部)、前田定孝(人文学部)、森原康仁(人文学部)

【賛同者一覧(五十音順、9月14日現在)】
青木雅生(人文学部)、赤木和重(元・教育学部)、石垣雅也(教育学部)、大河内朋子(人文学部)、大橋剛(元・医学部)、小川眞里子(元・人文学部)、奥村晴彦(教育学部)、小澤毅(人文学部)、尾西康充(人文学部)、大日方真史(教育学部)、樹神成(人文学部)、河﨑道夫(元・教育学部)、後藤基(人文学部)、櫻谷勝美(元・人文学部)、佐藤年明(教育学部)、佐藤廣和(元・教育学部)、菅利恵(人文学部)、須永進(教育学部)、高山進(元・生物資源学部)、田中綾乃(人文学部)、塚本明(人文学部)、徳田博美(生物資源学部)、富田昌平(教育学部)、豊福裕二(人文学部)、西川洋(元・人文学部)、野崎哲哉(人文学部)、波夛野豪(生物資源学部)、平野喜一郎(元・人文学部)、平山大輔(教育学部)、深井英喜(人文学部)、森正人(人文学部)、山田康彦(教育学部)、山中章(元・人文学部)、渡辺明(元・人文学部)、和田崇(教育学部)

連絡先: nowar.mie@gmail.com

【緊急研究集会のお知らせ】

戦争はいつも知らない間に始まっている――安全保障関連法案を受けて

みなさまへ

 現在、日本の国会では、安倍内閣の提出した安全保障関連法案が審議されています。しかし、7 月16 日には衆議院で可決され、参議院へと送られたところです。

 この法案については、数多くの憲法学者が、違憲だと指摘しています。つまり、集団自衛権の行使は、現在の憲法においては認められないということです。違憲である以上、当然この法案は撤回されるべきものしょう。

 加えて、さらに考えるべきこともあります。憲法「解釈」の変更を通じて、集団的自衛権の行使をよしとする現政権のやり方です。これまで集団自衛権の行使は、憲法上認められないとされてきたわけですが、それを一内閣の「解釈」によって憲法を迂回するというやり方は、事実上、憲法を無効化することと同様です。つまり、現政権によってなされたこのような行為は、9条はもとより、憲法によって規定されているその他の内容(基本的諸権利など)も停止されうることを示唆しています。事実、過去を振り返れば、憲法さらに民主主義は、このようなやり方で長期にわたって中断されてきたのです。

 こうした憲法の中断をよしとする理由は、たいていの場合、セキュリティ、治安維持、そして戦争です。近隣諸国が脅威となっている。テロの脅威が近づいている。私たちは毎日のように、このような「脅威」、というよりも、このような「脅威」についての情報にさらされてはいないでしょうか。テレビをつければ、新聞を開けば、ネットにつながれば。自分たちがどれほど脅威であるか、どれほどの脅威になろうとしているかは何ら検討もせずに。

 この状況を受けて、「安保法制に反対する三重大学教員有志・呼びかけ人」は、研究集会を開くことにしました。戦争って何だ、民主主義って何だ。このような問いは、専門家のみに委ねられるべきものでは断じてありません。誰であろうとも、どのような資格であろうとも、人はそれについて考える力を等しく有しているはずです。実際、全国各地で、「ママ」、学者、アルバイト生活者、会社員、高校生、そして大学生が、安全保障関連法案を皮切りに、それぞれの言葉を紡ぎはじめているのです。不安を言葉にしています。怒りを行動で表しています。そして、それらを分かち合っています。ネット、学校、大学、路上、デモ、集会、日常会話のなかで。

 思考すること、表現すること。それをやめることほど、大学的ではない振る舞いもないでしょう。戦争へとすすむ国では、民主的な討論の場が標的とされてきました。そのような国では、強制にせよ自主規制にせよ、こうした表現の場が社会から消失していったのです。どれほど小さなものであろうと、どれほどささやかなものであろうと。

 私たちは、現在起こっている出来事について、みなさんといっしょに考え、言葉を交わし、問いを共有したいと思っています。大学教員として、そしてこの社会で生きるひとりの人間として、言葉を紡いでいきたいと思います。

プログラム
 前半 17:00~18:20
 ①はじめに(堀内義隆) ②憲法と戦争(前田定孝)③グローバル戦争の現在(北川眞也)④「普通」をめぐる争い――学生の抗議によせて(森原康仁)
後半 18:30~19:30 予定
 ⑤自由討論 or リレートーク ⑥おわりに
 主催:安保法制に反対する三重大学教員有志・呼びかけ人
連絡先: nowar.mie@gmail.com
日時: 2015 年8月7日(金) 17:00~19:30 予定
場所: 三重大学人文学部 第2講義室

【ご賛同いただける方は下記フォームよりご連絡ください】

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