「津久井やまゆり園」で亡くなった方たちを追悼する集会のご案内
2016年7月26日、神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で、入所していた19名の方々がその尊い命を失うという、痛ましい事件が起きました。このたび、犠牲となった19名の方々に心より哀悼の意を表するとともに、被害にあわれた方々の順調な回復をお祈りするため、追悼集会を行いたいと思います。
呼びかけ人たちはみな、今回の事件に、言葉にできない衝撃を受けました。立場が違っても、共通して経験しているのは、何十年もかけて踏み固めてきた地盤が大きく揺らぎ、「自分たちがこれまでしてきたことは何だったのだろう」という無力感に襲われているという点です。
事件以降、車いすに乗って住み慣れた街を移動していると、ふいにだれかに襲われるのではないかと、信頼の底が抜けるような思いをしている仲間がいます。刑務所ではなく地域の中で、人々との信頼関係を構築することが依存症からの回復につながると、粘り強く実践してきた仲間も、これまで積み重ねてきたことが全否定されかねない虚無感に襲われています。事件報道と、厚生労働省の措置入院制度見直し方針の報道によって、精神疾患を持つ多くの仲間が病状悪化に追い込まれており、緊急入院も頻発しています。
少なからずこの国に蔓延しつつある思潮の影響を受けた優性思想的な容疑者の動機にしろ、事件に対して、施設の安全管理強化、薬物使用の厳罰化や、犯罪の過度な医療化で対応しようとする動向にしろ、まるで時計の針が数十年巻き戻されるようなめまいを伴う感情を抱かずにはいられません。
すべてのいのちと尊厳が守られる社会を壊してしまわないために、ここで、自分自身の声と、立場の異なる仲間の声に静かに耳を傾ける必要があると、私たちは考えます。ぜひ、ご参集いただけたらと思います。
今回の追悼集会では、犠牲となった19名の方々に心からの哀悼の意を示すとともに、時計の針を巻き戻すことなく、立場をこえた連帯を確認し、すべての人のいのちと尊厳が守られる未来を目指すことを誓うために、お集まりいただいた方からメッセージをちょうだいし、分かち合いたいと思います。またご参加がかなわない場合でも、事前にメッセージをお送りいただければ、当日紹介させていただきたいと思います。
※頂いたメッセージは、当日配布する資料や、ウェブなどで公開させていただく場合があること、あらかじめご承知おきください。
日時と場所は、下記のとおりです。
日時:2016年8月6日(土) 14:00~18:00
場所:東京大学先端科学技術研究センター
3号館南棟1階 ENEOSホール